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142初めての
しおりを挟むずっと気になっていた。
学園を追われた後の事は詳しく知らない。
知る術もなかったけど。
この屑男の言葉は本当ならば安堵した。
「君にとって彼は友だったか」
「レグルス様には解りませんよ」
学園で孤立していた私は独りぼっちだった。
元生徒会の連中は優しくしているように見えて私を見下していた。
そして弱気存在を守る騎士気取りの自分の酔っていたけれど、アルフレッド様だけは違った。
最初から私に優しくしてくれた人。
あんな結果になってしまったけど、アルフレッド様と私の間に男女の関係も、そんな関係もない。
あの方は、特待生の私の面倒を見るのは当然の義務だと言っていたけど。
義務なら必要最低限のことだけでいいのに親身になってくれた。
アグネス様に関してはリゼ様に丸投げ状態だけど。
周りの取り巻きがほぼ悪いと思っている。
なんせあの集団はアルフレッド様が口を挟まないように何度も言葉を遮られていた。
「アルフレッド様は最初から優しかったんです。貴方からすれば無能で優柔不断と思うでしょうけどね?」
「君は俺を何だと思っている」
「貴方のように常に正しくいれないんです。弱くて、時には逃げてしまう…支えがないと人は弱いんです」
今はもうレグルス様の事をそこまで恨んでない。
カリスタ王国に来て私も学んだし、あの場でリゼ様を否定するようなことを言ったのは解る。
嫌いだけどね!
でも、アルフフレッド様はある意味私と同じで雁字搦めだったと解る。
周りがあの方の思いをすべて無視して踏みつけて来たのがアグネス様だ。
でも彼女だけじゃない。
アルフレッド様の考えを踏みつけようとする人が多すぎたんだ。
「私はあの方が好きだったんです。恋とかそんなんじゃないけど」
もっと違う形であればきっと…
「愚か者だと思ってましたが、辺境地を立て直し現在は学のない子供が学べる場を作っていると聞きますわ。中々やる男ではありませんか」
「エラノーラ様」
「私も一度の過ちをずっとネチネチ言う気はありませんわ」
「俺にはネチネチ言うがな」
「本当に器の小さな男ですわね」
こんな時ぐらい受け止めればいいのに、やっぱりレグルス様は器が小さいわ。
「それでこれはどうしますの?男子禁制の場に不法侵入した変態ですわ」
「勿論セクハラとして連行してもらうべきでしょ?」
目の前の不法親友者の処遇だが、基本、何所の国も修道院に許可なく入るのは許されない。
しかも乱暴な形で不法侵入した罪は軽くない。
「軽く罰金と労働十年の罪になるようにしてくれる」
陛下の言葉に私の心が躍った。
十年間反省して泣いて悔いればいいのよ!
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