【本篇完結】無能だと言われて婚約破棄に追放されましたが、女王陛下に見初められました!

ユウ

文字の大きさ
11 / 91

8.卵と俺

しおりを挟む



生誕祭の準備は大掛かりだった。
特に城下町の広場では沢山の飾りつけや、当日の夜には花火を打ち上げることになっている。

パーティーは王宮で行われるが、広場でも庶民たちのパーティーが行われる。
生誕祭はおめでたい行事でもあるが、国民の一番の御祝い事は新たな女王の誕生だろう。



そしてその行事に行事て王女様グッズを売りつけようとする商売人がいる。
リディア王女殿下が身に着けているアクセサリーを真似て作った服飾品を売りつけ一儲けする輩が。


「さぁさぁ、見て行きな!今だけ限定だよ!」

「プリンセスジュエリーだよ!」

「さぁ、早い者勝ちだ!」


市場にて、たたき売りをする三人の老婆。
言うまでもなく、グライアイ姉妹が生誕祭前を狙って商売をしている。


彼女達は職人としても才能があり、生誕祭前を狙って商売をする。
特に中級階級の女性をターゲットに手頃な値段の服飾品を売りさばき儲けようと考えているのだ。


そして俺は――。


「ほらほら、キリキリ働きな!」

ピシャッ!


鞭で叩かれながら馬車馬の如く働かされながら、受付をさせられる。
他にも会計や商品の品出しに、お客様の対応もさせられる。


「やっぱり行事前は財布の紐が緩くなるから儲け時だね」

「キヒヒ、生誕祭前が一番稼げるからね」

「このままバンバン売るよ」


愛想を振りまきながら女性客を標的にしながらあくどい表情をする老婆達に呆れながらも、せっせと働く。


「そこの商品を磨いておいておくれ!」

「あっ…あの、これって」


厳重な宝箱に入っている金品類を見て嫌な予感がした。

「闇市で売買した商品だよ。人間の骸骨で作った杯だ」

「スケルトン達に高値で売りつけるんだよ」


(骸骨が骸骨を買うの!)

理解しにくいけど、俺のように乙女的な趣味も似たような物かと思った。


「あれ?玉子がある」

普通のサイズとは異なり随分と大きな玉子だった。


恐竜の卵のように模様がついている玉子にそっと耳を当てると。


ドクン!


「え?」

卵から脈が聞こえた。


「いやいや、聞き間違いだよな」


もう一度耳を当てると。


ドクン!


ドクン!!


今度は大きな脈が聞こえた。


「えっ…何?」


ドンドン音が多くくなっているよう気がした。


「メェェェ!」

「どうしたの?ロシナンテ」


何故かロシナンテが卵に反応している。


すると卵がピクピク動き始めた。



そして卵の天辺が割れ始め、卵から雛が生まれた。


「ピー?」


手の乗りサイズの雛が顔を出し、俺をじっと見つめたと同時に。


「ピー!!」

「えっ…ちょっ!」


雛は俺にすり寄って来た。


これは?


「おい、ルイ坊や?何をサボっておるんじゃ。早く商品を出さんか…」

「なんじゃ…なっ!」

何故か雛は俺にすり寄って離れなくなってしまった。


しかし、この時俺は気づきもしなかった。
生まれた時から動物に好かれやすい体質と偶然が重なった産物により、人畜無害な生き物と思っていた雛が、実は珍でもない種族だった事に気づくはずもなかった。



しおりを挟む
感想 143

あなたにおすすめの小説

【完結】公爵家の妾腹の子ですが、義母となった公爵夫人が優しすぎます!

ましゅぺちーの
恋愛
リデルはヴォルシュタイン王国の名門貴族ベルクォーツ公爵の血を引いている。 しかし彼女は正妻の子ではなく愛人の子だった。 父は自分に無関心で母は父の寵愛を失ったことで荒れていた。 そんな中、母が亡くなりリデルは父公爵に引き取られ本邸へと行くことになる そこで出会ったのが父公爵の正妻であり、義母となった公爵夫人シルフィーラだった。 彼女は愛人の子だというのにリデルを冷遇することなく、母の愛というものを教えてくれた。 リデルは虐げられているシルフィーラを守り抜き、幸せにすることを決意する。 しかし本邸にはリデルの他にも父公爵の愛人の子がいて――? 「愛するお義母様を幸せにします!」 愛する義母を守るために奮闘するリデル。そうしているうちに腹違いの兄弟たちの、公爵の愛人だった実母の、そして父公爵の知られざる秘密が次々と明らかになって――!? ヒロインが愛する義母のために強く逞しい女となり、結果的には皆に愛されるようになる物語です! 完結まで執筆済みです! 小説家になろう様にも投稿しています。

傍若無人な姉の代わりに働かされていた妹、辺境領地に左遷されたと思ったら待っていたのは王子様でした!? ~無自覚天才錬金術師の辺境街づくり~

日之影ソラ
恋愛
【新作連載スタート!!】 https://ncode.syosetu.com/n1741iq/ https://www.alphapolis.co.jp/novel/516811515/430858199 【小説家になろうで先行公開中】 https://ncode.syosetu.com/n0091ip/ 働かずパーティーに参加したり、男と遊んでばかりいる姉の代わりに宮廷で錬金術師として働き続けていた妹のルミナ。両親も、姉も、婚約者すら頼れない。一人で孤独に耐えながら、日夜働いていた彼女に対して、婚約者から突然の婚約破棄と、辺境への転属を告げられる。 地位も婚約者も失ってさぞ悲しむと期待した彼らが見たのは、あっさりと受け入れて荷造りを始めるルミナの姿で……?

【完結】愛人の子を育てろと言われた契約結婚の伯爵夫人、幼なじみに溺愛されて成り上がり、夫を追い出します

深山きらら
恋愛
政略結婚でレンフォード伯爵家に嫁いだセシリア。しかし初夜、夫のルパートから「君を愛するつもりはない」と告げられる。さらに義母から残酷な命令が。「愛人ロザリンドの子を、あなたの子として育てなさい」。屈辱に耐える日々の中、偶然再会した幼なじみの商人リオンが、セシリアの才能を信じて事業を支援してくれる。

ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?

藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」 9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。 そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。 幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。 叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます! 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。

[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫
恋愛
 シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。  だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎  本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎ 〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜 夕方6時に毎日予約更新です。 1話あたり超短いです。 毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った

五色ひわ
恋愛
 辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。 ※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

処理中です...