俺が侯爵家の婿殿になった理由~お嬢様を泣かせておいて自称貴公子を名乗るのは辞めてください!

ユウ

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序章電撃婚約発表

1周りの視線

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周りの視線からして良く思われていないのは解っていた。
最初から敵ばかりだと解っていたから陰口を言われようと無礼な視線を向けられようとも気にならないかった。


「本当に図太いわね」

「今さら社交界に出て来るなんて」

「ようするに生贄じゃない?」


だが、俺の事を言うのはまだいい。
お嬢様の事まで侮辱する事は許せなかった。


しかし、ここで反論しては相手の思うつぼだ。


「リヒト」

「ただの雑音です。気にする必要はありませんよ」

「ええ」

ただあまり酷いなら少しいお灸を据えてやる所だが、婚約発表をして早々に騒ぎを起こすのは論外だった。


「アンジェリカ様!ご婚約おめでとうございます。ジュースはいかがです?」

「あっ…ベルベット様」


一人の令嬢がジュースを持ってくるが…


「きゃああ!」


ドレスの裾を踏んでしまいそのままこけてしまう。
ワイングラスは宙を舞いお嬢様にかかりそうになるも俺は前に出てワイングラスを掴む。


「えっ…」

「なんて瞬発力」


ワイングラスに入ったジュースは零れる事はなかった。


「申し訳ありません。アンジェリカは赤ワインは苦手でして…それよりも大丈夫ですか?」

「え?」

「いいえ、裾が…」

「きゃあああ!」


スリッドが入ってしまい足が見えていしまっている。
社交界に限らず、足を見せるのは胸を見せるよりも恥ずかしい事とされているため、未婚の女性が足を見せるのはとても恥ずかしい事になる。


「いやぁぁぁ!」


恥ずかしさのあまり足を隠そうとするも破れている裾を引っ張るとさらに酷い事になる。


「誰か…なんとかして!」

「ベルベット!」


公の場で騒ぎ立てる彼女とその母親は注目の的になっている。


「彼女達は何をしたかったのか」

「自業自得だわ。私に赤ワインをぶちまけたかったのではなくて?」


今日のドレスは銀をあしらったドレス。
赤ワインで汚れればそれは見っとも無い姿になり社交界で更なる醜聞となるだろう。


狙ってだろうが、自滅するとはな。


「リヒト、でかしたぞ」

「旦那様」

「もう旦那様じゃない」

「はい、父上」


先程のやり取りを見て上機嫌にされる旦那様こと今は俺の舅。
俺はあくまで問題を起こしていない。

向こうが仕掛けて来たが、あの場で助け起こす真似はしなかった。
アンジェリカに恥をかかそうとしたのだから、俺も過度に助けるような真似をしなかっただけだ。


「あの場で、彼女を助ければ厄介だ」

「ありがとうございます」

「明日から喧しい蠅が煩いが…大丈夫だな」

「はい。父上」


きっと明日からギャラリーが煩く俺の出自や、アンジェリカの過去をほじくり返してくるだろうからしっかり対応しなくては。


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