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第一章侯爵家のお家騒動
5父の思い~ウェスタ―side
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旅先の道中、心ここにあらずの娘に苦笑する。
「少し落ち着かないかリカ」
「お父様」
しばらく邸を開けるのが心配なのだろうが、二週間だ。
「でもお父様…あ、お母様から通信ですわ」
魔道通信が入る。
アンジェラも心配性だな。
「まぁ、ずるいわ」
「どうした?」
「見てくださいませ。画像付きですわ」
魔道通信機を見るとリヒトと取った夕食の写真だったが。
「昨晩は豪勢に豚の丸焼きに、今朝の朝食はフワフワのオムレツですって。それに朝からリヒトにヘアケアまでしてもらって髪が艶々に…お母様はリヒトに何をさせてますの!」
アンジェラよ。
お前は随分と堪能しているな。
相手がリヒトなので嫉妬心は全くないが。
しかしな。
「リヒトは執事でないんだが」
「職業病ですわ…そのもそも執事の仕事ではありませんのに」
侍女の仕事なのだがな。
だが侍女よりも仕事ができるから困ったものだ。
「お母様酷いですわ」
「だったら仕事を早く終えるか…」
しかしこの時期に何故豚の丸焼きだ?
妙だと思いながら私は横目でアンジェリカを見る。
あの頃とは見違えるように変わった娘を見て私は間違いを悔やむ。
あの馬鹿男と婚約をさせ、無理を強いた過去の私はなんて酷い親だったのか。
義理もあったがゲスティール家により娘を失ったかもしれないのだ。
アンジェリカを救ってくれたリヒトには未だも感謝している。
天は私達を見捨てなかった。
リヒトは天が私に与えてくださったのだと思っている。
だからこそ。
「早く邪魔者は排除しなくては」
リヒトを守らなくては。
アンジェリカはリヒトを失えば今度こそ心を失うだろう。
私も妻もリヒトにどれだけ救われたか解らない。
だからこそ急いで動かなくてはならない。
婚約式を終えて直ぐに結婚式を行った事で社交界は色々邪推するだろうが。
王都から地方にも情報が向かえば、黙っていない者は多い。
「お父様、もうすぐですわね」
「ああ、気をしっかり持つのだぞ」
「はい」
だが、ここおから先は戦場だ。
アンジェリカ自身の戦いをしなくてはならないのだから。
リヒトがいなくても戦えなくてはこれから領主等務まらない。
その為の手助けをするつもりだ。
そして我が子達を害するならどんな手を使ってでも排除しなくてはならない。
「どうしましたの?」
「何でもない」
二度とあの時のような事になならない。
させるものか。
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