俺が侯爵家の婿殿になった理由~お嬢様を泣かせておいて自称貴公子を名乗るのは辞めてください!

ユウ

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第一章侯爵家のお家騒動

5不幸の手紙

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その夜、送られて来た豚で豚の丸焼きを作ってもらい母上は大喜びだった。

「久しぶりね」

「きっと送り主も喜んでおられるでしょう」


本当は親がらせの豚だけど。
母上の舌を満足させたのだから良しとしよう。


「リヒト様、貴方はなんと図太いのです」

「この程度の図太さが無くてはこの世は生きて行けませんよ」

伊達に執事喫茶で生き残っていない。
ピンチをチャンスにするぐらいの頭の機転としたたかさが無くてはならないのだから。


頭の良い人間が生き残る。

「それで、豚の出所は?」

「ええ…特徴的な豚ですからね」


豚の特徴で何処の領地の家畜か確認してもらったが、俺の読みは当たっていたか。


「東のイルファームの豚です」

「東か」

イルファーム領地は豚の家畜が多い代わりに牛が少ない。
豚は牛よりも価格が低く家畜として不人気だった。


今ではかなり貧しくなっているだろうが。


「イルファーム領地の領主を徹底的に調べてください」

「どうするんです?」

「立派な豚を送ってくださったのでお礼をしようと思いまして」


そう、最高のお礼をね?
俺に喧嘩を売ったのだからそれぐらいは覚悟の上だろう。


「リヒト、何をしてますの?貴方も冷めないうちにいただきなさいな」

「はい母上」

「それにしても美味しいわ」

「きっと豚も喜んでおりますよ」

「もう、リヒトったら」


とりあえず食事は楽しく取ろう。


「なんだか二人に悪いわね」

「いいえ、そんな事ありませんよ」

まぁ父上ならばこの豚を見て気づくだろうから不在で助かった。
何より俺に脅迫状が送られた事を知ればアンジェリカが悲しむのでタイミング的には丁度良かった。



しかし、相手方は簡単に諦めるわけもなく。


「黒百合の次は黒薔薇か…本当に暇だ」

ある時は棘を抜かない状態で送られて来たこともあったが、箱に入っている状態で助かった。

「蝶々の死骸を送られた時はさすがにドン引きしたが」

生き物の殺生をし過ぎると後から罰があるというのに。


「リヒト様、本日もお手紙が」

「ああ、ありがとう」


ブラックメールは入っていないが、不幸に手紙であるのは確実だったな。


「リヒト、どうしました」

「母上、何でもありません」


咄嗟に隠した三通の招待状。
先日のパーティーの仕返しかもしれないが母上を巻き込むわけにはいかない。


「母上こそ、お茶会に行かれていたのでは?」

「ええ、王妃様主催のお茶会に出ていたのだけど…早く終わったわ」

「何かありましたか」

「あまりいい話ではないけど」


バルコニーに移り俺は話を聞くことにしたのだかがその内容は俺の想像を絶する物だった。

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