巻き込まれて婚約破棄になった私は静かに舞台を去ったはずが、隣国の王太子に溺愛されてしまった!

ユウ

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56天才と変人は紙一重~ジュディside

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お嬢様の部屋の周りをうろつく影が二つ。


「まだやっているのか」

「止めても無駄です」


ミハイル様も頭を抱えながらも止めても無駄だと解っておられるので、放置状態だった。


とは言え、今回の事件ではお二人のおかげで計画的に進んだので強く言えない。


「お嬢様には見せられない姿ですね」

「ああ」


来週には隣国に行かれるお嬢様の為にもあの二人を野放しにはできなかった。
だからこそ、今回の計画に踏み込んだのだ。


あの二人があのまま野放しにされていたら何をしでかすか解らない。
チェイス家は完全に消す必要があったが、非道なやり方をしては後から問題が生じるとのことだが。



「どちらも同じ気がしますわ」

「ああ、公にするかしないかの違いだが」


ミケル様あえて極刑にはあえてしなかった。
あの男を焚きつけ、わざと犯罪者にする事で罪を重くしてチェイス家にもさらなる罪を追加させた後に親族との関係を完全に切らせた。


「用意周到にチェイス家の親族にも打撃を与えていたからな」

「塩の流れを止めて、財力で圧力をかけ脅していたとか」

「脅し程度で済むはずがないだろう」

あの二人は容赦がない。
私達に聞かされているのは一部分だったからどんなやり取りをされているのか解らない。


「私からすればまだ足りんが…今は良しとするか」

「後です好きだけいたぶればいいでしょう?ですがリサイクルするの加減をしてください」


既に恐ろしい会話が飛び通うけれど聞かなかったことにしたした方がいいかもしれない。


「これで安心してジゼルを送り出せます」

「ああ」


恐ろし皮を被っていてもお二人の願いはジゼル様の幸福だった。
本当に味方で良かったと思う。


「二人共」

「「兄上!」」

そしてこの二人、どうしてこうもアンバランスなのかしら。


「来てくれてありがとう」

「兄上、何をおっしゃいますか」

「姪の祝いに来ない叔父が何処にいますか。花嫁道具をお持ちしました」

「ありがとう」


旦那様に対しては猫のように大人しいのだから。
同一人物とは思えない程だわ。


「時折私は旦那様が恐ろしくなります」

「言うな、俺もだ」


普段はのんびりかまえているのに、旦那様は恐ろしい程の人脈を持っているのだから。


国盗りもできるのではないかと思ってしまう。
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