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『月』
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『月』
小屋につくと、ネモゼラはルデルタを寝床の真ん中に座らせた。マントを脱がせる。ネモゼラは荷物をおろし、上半身に着ている服を脱ぐとルデルタの前に座った。
ルデルタの白い頬にふれる。月の明かりが窓から差して、ルデルタの銀色の髪が黄色く見える。ルデルタの緑色の目がネモゼラを見上げる。溶かしたあめのような目にネモゼラが映る。
ルデルタは自分の頬にふれるネモゼラの手に自分の手を重ねて、さっき自分がされたのと同じように、ネモゼラの手のひらに口づけた。口をすぼめて、小さくキスをする。ごつごつしたネモゼラの手を唇でなぞる。この手でふれられるだけでこんなに胸の鼓動が早まるものなのかとルデルタは思う。それを静かに見つめながらネモゼラが尋ねる。
「さっきは…すまなかった。腕は痛むか?」
「平気だ。痛くないよ。俺の方こそごめん、ネモゼラ」
「いいんだ」
互いに微笑みあう。
ネモゼラはキスされている反対の手でルデルタの首筋にそっとふれる。首をのけぞらせるルデルタの様を見て、呼吸があがる。胸の高鳴りがおさまらない。ルデルタには聞こえるんだろうか。ネモゼラの耳には、ルデルタの鼓動が聞こえる。静かな向こう側に、ルデルタの鼓動が聞こえる。
ネモゼラはルデルタの首にくちびるをあてた。ルデルタの喘ぐ息が自分の手のひらをくすぐる。ルデルタを抱き寄せる。首、肩、腕、ひじの内側の柔らかいところに舌をあて、舐め、手に口づけする。手のひらに舌を滑らせる。白い手を赤い舌が舐める。指の股を舌先で舐めながら、ネモゼラはルデルタの顔を眺める。指先を舐め、甘噛みしながら、ルデルタがその度にびくびくと反応するのを見つめる。
ルデルタはネモゼラの手で口を覆って、声を抑えている。目を閉じて、自分がなにかをされる度に快感に耐えているようだ。いじらしい。両手でネモゼラの手をしっかりとつかんでいる。
「俺の手を返してくれるか?」
ルデルタはゆっくり目を開ける。ネモゼラは優しく笑っている。ルデルタが手を離す。返してもらった手でネモゼラはルデルタの髪をそっと撫でた。こうして髪にふれるのは初めてかもしれない。細い綺麗な髪がネモゼラの指に絡まる。
ルデルタはネモゼラの肌に手を伸ばした。細い指がネモゼラの裸の肌にふれる。胸の曲線をなぞる。腹の筋肉の隆起を撫で、へそにふれる。へそのまわりをまるくなぞる。ネモゼラの背中がぞくぞくと感じているのを見てルデルタは手を離した。こんな大きな獣人が、自分の細い指だけで感じている。
ネモゼラはルデルタの服の裾に手を伸ばす。服の中に手を入れその中をまさぐる。
「待って」
ルデルタはそういうと、上半身に着た服をまくり上げて脱いだ。真っ白な肌があらわれる。月はルデルタの肌を映し出した。光っているように見える。
ネモゼラはもう胸が張り裂けそうだった。こんなに綺麗なものがこの世界には存在していた。無意識に尻尾が動く。
ふたりは長い時間キスをした。溶け合いそうだった。お互いの唇を吸い続け、唾液を受け取りあう。裸の肌と肌がふれ合う。座った姿勢で身体を抱きしめあうふたりの姿は、まるで彫刻のようだった。深い息が重なり合う。ぴちゃぴちゃと音を立てるキスの間、ふたりは頭の中がどろどろになっているような感覚になる。喘ぐ声が大きくなり小さくなり、時々目を開けて、抱きしめた人を目で確認した。ちゃんとそこにいて、自分を抱きしめている。この温度は間違いなく愛する人の物で、指から伝わる震えも愛する人の物だった。
ネモゼラはルデルタをやさしく押し倒す。ルデルタの足の間に滑り込み、白い胸の上にあるピンク色の突起に舌をあてる。ルデルタは苦しげな声を出す。
「あ…」
ネモゼラはこのとき、自分の耳の良さをどれほど幸運に思っただろうか。愛する人の立てる音がすべて、自分の中に入ってくる。ルデルタが腕や足を動かす度に衣擦れの音がする。その音がどれだけネモゼラを興奮させるか。
ふくらんだ乳首に歯を立てる。ルデルタの背中がのけぞり、ネモゼラはそこにさっと手を伸ばす。ルデルタの背中に指を這わせる。上から、下へ。さらにルデルタがのけぞった。次は下から上。ルデルタの声が大きくなる。
「ああっ…!」
ルデルタはネモゼラの首に両手をまわしネモゼラの豊かな毛を強くつかんだ。毛の束が時々ルデルタの肌をくすぐる。思わぬところから快感がやってくる。森で感じた気が狂うような快感の波がまたやってくる。飲み込まれてしまいそうだった。両腕に力をこめる。まだ飲まれたくない。まだネモゼラに溺れたい。まだ。
その時、ルデルタから興奮した匂いが一気に沸き立った。ネモゼラは不意にそれを吸い込んだ。殴られたような衝撃が起こる。くらくらする。一瞬意識が飛んだかと思ったほどだった。息があがる。獣の自分を抑えられない。自分の股間がさらに熱を持ち始める。自分がみるまに変わっていく。自分の恥部がいきり立つのにあわせて、歯を食いしばる。獣の声が歯の間から漏れ出てくる。
ネモゼラはルデルタの足の間の、大きくなったそれに服の上からふれた。ルデルタの足に力が入る。ネモゼラは忙しなく服を脱がせると、ルデルタの足の間に顔をうずめた。なんとか理性を保ちながら、ルデルタのそれに唇をあてる。ルデルタの腰が逃げるのをネモゼラは強く制した。ルデルタの匂い。ルデルタの匂い。ルデルタ匂い。ルデルタの匂い。匂い匂い匂い匂い匂い匂い匂い匂い匂い匂い…。
「ああ!やめて!ネモゼラ!いやだ…!!」
ルデルタの声で我にかえる。ネモゼラは無意識にルデルタのそれを口に含んでいた。舌でそれをぐちゃぐちゃにしていた。ルデルタの腹のまわりが唾液でびしょびしょになっていた。
「ネモゼラ…い…いきたい…」
ネモゼラはさらに荒くなる呼吸をなんとか整えて、今度はゆっくりと優しくルデルタのものを口に含んだ。ルデルタが口の中で何度も跳ねる。ネモゼラはルデルタの腰を優しく抑え、ルデルタはネモゼラの手を強く握り返す。
ルデルタの声が耳を刺激し続ける。『あっあっあっあっ』ルデルタが喘ぐ声。こんなに近くにいるのに、どこか遠くからするような、淡く甘い音。ネモゼラの大きな口がルデルタの全部を包んで搾り上げる。ルデルタのそれの狭い場所を、精液がどくどくと上ってくるのをネモゼラは舌で感じた。ルデルタの腰が跳ね上がる。ルデルタの荒い呼吸にお構いなしに、ルデルタの腰は別の生き物のようにひくひくと跳ね続ける。ルデルタの目は空を見ながら、それでもネモゼラの名前を何度も呼んだ。ネモゼラにしか聞こえない音で。
「俺を受け入れてくれるか?ルデルタ…」
ネモゼラはまっすぐルデルタを見下ろす。ルデルタは腕の間でこくんとうなずく。とろとろになったルデルタの目がまっすぐネモゼラを見ている。いろんな匂いの中に混じって、ルデルタの甘い匂いがする。ネモゼラはルデルタの入り口を自分のもので探す。ルデルタの腰はにわかに逃げるけれども、ルデルタはその場所をあっと言う間にみつけてしまった。ネモゼラの先が入ってくる。
「うっ…っ」
ルデルタがシーツを強くつかんでぐっとひっぱる。獣人のそれは大変なものだった。目を見開く。ルデルタの上でネモゼラがぜえぜえと呼吸をする。入りたい。まだ先に行きたい。もっと奥まで。でも自分の下で愛する人が今にも息絶えそうなほど身体をのけぞらせている。止めたい。いきたい。だめだ。いきたい。止まれ。いきたい。だめだ。だめだ。止まってくれ。ぐっと目をつむって、息を深く吸い込む。
痙攣したような呼吸の隙間からルデルタがか細い声で言う。
「大丈夫…ネモゼラ…きて…いれて…」
「ルデルタ…でも」
「…俺の中でおかしくなって」
ルデルタの興奮した匂いがまた吹き出す。ネモゼラの中のなにかがぱちっとちぎれた。ルデルタの腕をつかみ、ネモゼラは一気にルデルタの中に突き進んだ。
「ああっ…!!」
ルデルタが叫ぶ。ネモゼラの耳がびりびりする。ネモゼラは自分の腰に起きていることに自分で驚いた。自分の身体がこんなに貪欲であったことを初めて知ったのだった。何度も出たり入ったりを繰り返す。自分で動かしているのか、貪欲な身体が勝手に動いているのか、わからなくなっていく。恥部から与えられる快感が体中をどろどろにしていく。自分の呼吸の合間にルデルタの呼吸が聞こえる。この音はなんだろう。自分の鼓動かあるいはルデルタの鼓動かと思ったが、違った。ルデルタの中の音だった。ネモゼラが動くのにあわせて、ネモゼラのそれがルデルタの中にあたる、ごつっごつっという音だった。ルデルタの中の音。ルデルタの中。音がさらに快感を促す。
最初は拒否していたルデルタの中はそのうちに、受け入れるように広く柔らかくなり始め、次第にもっと奥へ、いざなうように吸い付いてくる。叫んでいたルデルタの声が柔らかくなっていく。
ルデルタはネモゼラの歯を食いしばっている顔を見て、自分が興奮したのがわかった。自分の上で、愛する人が歯を食いしばっている。大きな牙が見える。綺麗だった。赤い口の中にある白い牙。ネモゼラの汗が降ってくる。ルデルタはネモゼラの肌にさわる。ネモゼラの大きなそれを受け入れながらルデルタはあることに気が付いた。ネモゼラにさわる指からなにか、感じたことない感覚を得る。甘い気がする。なんだろう。そんな思考が一瞬起こるのだが、それもあっという間に消えてしまった。ネモゼラの動きがさらに艶めかしく、激しくなってくる。奥へ奥へ入ってくる。声が外へ外へ押し出される。快感が、奥からこちらへ次々押し寄せてくる。
「ルデルタ、いきそうだ…」
ネモゼラはそういうとルデルタの物をつかんだ。一瞬凪いだと思った快感が、再び全身を貫いて飲み込んでいく。かろうじてある意識が飛びかける。もう、自分の腰が震えて痙攣しているのか、ネモゼラに突き上げられている動きなのか、わからない。ネモゼラの呼吸が狂っていくのをルデルタは聞いた。
「…一緒にいってくれ」
ネモゼラはルデルタを見つめている。ネモゼラの大きな手がルデルタの恥部を強く優しく刺激し続ける。こんなに狂いかけているのに、ネモゼラはルデルタのそれを的確に刺激した。ルデルタはネモゼラの手の中でがちがちになる。ルデルタの先からこぼれた物がネモゼラの手をねっとりと湿らした。
「ああ…はぁはぁ…もう…だめ、ネモゼラ…」
ネモゼラが喉をぐっと鳴らした。
「いく…っ」
どちらの声だったのか。ルデルタの中にネモゼラの精液がどっと流れ込む。ルデルタのものからも白いものが飛び出した。ネモゼラの物が自分の中でどくどくと吹き出し続けるのをルデルタは感じた。脈を打っているのは、自分のものなのか相手のものなのか、耳に響く荒い呼吸は自分のものなのか、相手のものなのか、わからなくなった。ネモゼラがルデルタからゆっくりと出す。ルデルタの声が鈴のように耳に届く。こんなになってもまだそんな声を出してくる。ネモゼラは出したことを少し後悔した。シーツに大きな染みができる。ネモゼラのものはまだ大きいままだった。ぜえぜえと呼吸をしながらネモゼラはルデルタを見下ろす。ふたりの視線が匂いをまとって絡まる。
「ルデルタ…」
返事をしようとした瞬間、ネモゼラがルデルタに倒れこんだ。大きな体に押しつぶされる。ルデルタの耳元でネモゼラの呼吸が聞こえる。
「すまん」
照れくさそうなネモゼラの声が謝った。お互いにもうくたくたで、笑顔を返すのがやっとだった。
「ネモゼラ…」
ルデルタの小さな声が優しくネモゼラを呼ぶ。ネモゼラはルデルタを両手で抱きしめる。
「愛してる…ネモゼラ…」
ルデルタが囁く。ルデルタの小さな声がネモゼラの耳を貫く。くすぐったくて、耳がぱたぱた動いた。
「ネモゼラ…」
ルデルタがネモゼラの唇にキスをする。まだ荒い呼吸が互いの顔かかる。ネモゼラはさらに強くルデルタを抱きしめキスをした。子犬が親の口に甘えて噛みつくようなキスをしながら、どちらともなく眠りについた。
呼吸が戻っていく。ふたりの胸の上下する動きが穏やかになっていく。静かな音。月明かり。どこかで夜の生き物が音を立てないように行き過ぎる。ふたりの時間がちくたくと、時を刻んで進んでいく。
小屋につくと、ネモゼラはルデルタを寝床の真ん中に座らせた。マントを脱がせる。ネモゼラは荷物をおろし、上半身に着ている服を脱ぐとルデルタの前に座った。
ルデルタの白い頬にふれる。月の明かりが窓から差して、ルデルタの銀色の髪が黄色く見える。ルデルタの緑色の目がネモゼラを見上げる。溶かしたあめのような目にネモゼラが映る。
ルデルタは自分の頬にふれるネモゼラの手に自分の手を重ねて、さっき自分がされたのと同じように、ネモゼラの手のひらに口づけた。口をすぼめて、小さくキスをする。ごつごつしたネモゼラの手を唇でなぞる。この手でふれられるだけでこんなに胸の鼓動が早まるものなのかとルデルタは思う。それを静かに見つめながらネモゼラが尋ねる。
「さっきは…すまなかった。腕は痛むか?」
「平気だ。痛くないよ。俺の方こそごめん、ネモゼラ」
「いいんだ」
互いに微笑みあう。
ネモゼラはキスされている反対の手でルデルタの首筋にそっとふれる。首をのけぞらせるルデルタの様を見て、呼吸があがる。胸の高鳴りがおさまらない。ルデルタには聞こえるんだろうか。ネモゼラの耳には、ルデルタの鼓動が聞こえる。静かな向こう側に、ルデルタの鼓動が聞こえる。
ネモゼラはルデルタの首にくちびるをあてた。ルデルタの喘ぐ息が自分の手のひらをくすぐる。ルデルタを抱き寄せる。首、肩、腕、ひじの内側の柔らかいところに舌をあて、舐め、手に口づけする。手のひらに舌を滑らせる。白い手を赤い舌が舐める。指の股を舌先で舐めながら、ネモゼラはルデルタの顔を眺める。指先を舐め、甘噛みしながら、ルデルタがその度にびくびくと反応するのを見つめる。
ルデルタはネモゼラの手で口を覆って、声を抑えている。目を閉じて、自分がなにかをされる度に快感に耐えているようだ。いじらしい。両手でネモゼラの手をしっかりとつかんでいる。
「俺の手を返してくれるか?」
ルデルタはゆっくり目を開ける。ネモゼラは優しく笑っている。ルデルタが手を離す。返してもらった手でネモゼラはルデルタの髪をそっと撫でた。こうして髪にふれるのは初めてかもしれない。細い綺麗な髪がネモゼラの指に絡まる。
ルデルタはネモゼラの肌に手を伸ばした。細い指がネモゼラの裸の肌にふれる。胸の曲線をなぞる。腹の筋肉の隆起を撫で、へそにふれる。へそのまわりをまるくなぞる。ネモゼラの背中がぞくぞくと感じているのを見てルデルタは手を離した。こんな大きな獣人が、自分の細い指だけで感じている。
ネモゼラはルデルタの服の裾に手を伸ばす。服の中に手を入れその中をまさぐる。
「待って」
ルデルタはそういうと、上半身に着た服をまくり上げて脱いだ。真っ白な肌があらわれる。月はルデルタの肌を映し出した。光っているように見える。
ネモゼラはもう胸が張り裂けそうだった。こんなに綺麗なものがこの世界には存在していた。無意識に尻尾が動く。
ふたりは長い時間キスをした。溶け合いそうだった。お互いの唇を吸い続け、唾液を受け取りあう。裸の肌と肌がふれ合う。座った姿勢で身体を抱きしめあうふたりの姿は、まるで彫刻のようだった。深い息が重なり合う。ぴちゃぴちゃと音を立てるキスの間、ふたりは頭の中がどろどろになっているような感覚になる。喘ぐ声が大きくなり小さくなり、時々目を開けて、抱きしめた人を目で確認した。ちゃんとそこにいて、自分を抱きしめている。この温度は間違いなく愛する人の物で、指から伝わる震えも愛する人の物だった。
ネモゼラはルデルタをやさしく押し倒す。ルデルタの足の間に滑り込み、白い胸の上にあるピンク色の突起に舌をあてる。ルデルタは苦しげな声を出す。
「あ…」
ネモゼラはこのとき、自分の耳の良さをどれほど幸運に思っただろうか。愛する人の立てる音がすべて、自分の中に入ってくる。ルデルタが腕や足を動かす度に衣擦れの音がする。その音がどれだけネモゼラを興奮させるか。
ふくらんだ乳首に歯を立てる。ルデルタの背中がのけぞり、ネモゼラはそこにさっと手を伸ばす。ルデルタの背中に指を這わせる。上から、下へ。さらにルデルタがのけぞった。次は下から上。ルデルタの声が大きくなる。
「ああっ…!」
ルデルタはネモゼラの首に両手をまわしネモゼラの豊かな毛を強くつかんだ。毛の束が時々ルデルタの肌をくすぐる。思わぬところから快感がやってくる。森で感じた気が狂うような快感の波がまたやってくる。飲み込まれてしまいそうだった。両腕に力をこめる。まだ飲まれたくない。まだネモゼラに溺れたい。まだ。
その時、ルデルタから興奮した匂いが一気に沸き立った。ネモゼラは不意にそれを吸い込んだ。殴られたような衝撃が起こる。くらくらする。一瞬意識が飛んだかと思ったほどだった。息があがる。獣の自分を抑えられない。自分の股間がさらに熱を持ち始める。自分がみるまに変わっていく。自分の恥部がいきり立つのにあわせて、歯を食いしばる。獣の声が歯の間から漏れ出てくる。
ネモゼラはルデルタの足の間の、大きくなったそれに服の上からふれた。ルデルタの足に力が入る。ネモゼラは忙しなく服を脱がせると、ルデルタの足の間に顔をうずめた。なんとか理性を保ちながら、ルデルタのそれに唇をあてる。ルデルタの腰が逃げるのをネモゼラは強く制した。ルデルタの匂い。ルデルタの匂い。ルデルタ匂い。ルデルタの匂い。匂い匂い匂い匂い匂い匂い匂い匂い匂い匂い…。
「ああ!やめて!ネモゼラ!いやだ…!!」
ルデルタの声で我にかえる。ネモゼラは無意識にルデルタのそれを口に含んでいた。舌でそれをぐちゃぐちゃにしていた。ルデルタの腹のまわりが唾液でびしょびしょになっていた。
「ネモゼラ…い…いきたい…」
ネモゼラはさらに荒くなる呼吸をなんとか整えて、今度はゆっくりと優しくルデルタのものを口に含んだ。ルデルタが口の中で何度も跳ねる。ネモゼラはルデルタの腰を優しく抑え、ルデルタはネモゼラの手を強く握り返す。
ルデルタの声が耳を刺激し続ける。『あっあっあっあっ』ルデルタが喘ぐ声。こんなに近くにいるのに、どこか遠くからするような、淡く甘い音。ネモゼラの大きな口がルデルタの全部を包んで搾り上げる。ルデルタのそれの狭い場所を、精液がどくどくと上ってくるのをネモゼラは舌で感じた。ルデルタの腰が跳ね上がる。ルデルタの荒い呼吸にお構いなしに、ルデルタの腰は別の生き物のようにひくひくと跳ね続ける。ルデルタの目は空を見ながら、それでもネモゼラの名前を何度も呼んだ。ネモゼラにしか聞こえない音で。
「俺を受け入れてくれるか?ルデルタ…」
ネモゼラはまっすぐルデルタを見下ろす。ルデルタは腕の間でこくんとうなずく。とろとろになったルデルタの目がまっすぐネモゼラを見ている。いろんな匂いの中に混じって、ルデルタの甘い匂いがする。ネモゼラはルデルタの入り口を自分のもので探す。ルデルタの腰はにわかに逃げるけれども、ルデルタはその場所をあっと言う間にみつけてしまった。ネモゼラの先が入ってくる。
「うっ…っ」
ルデルタがシーツを強くつかんでぐっとひっぱる。獣人のそれは大変なものだった。目を見開く。ルデルタの上でネモゼラがぜえぜえと呼吸をする。入りたい。まだ先に行きたい。もっと奥まで。でも自分の下で愛する人が今にも息絶えそうなほど身体をのけぞらせている。止めたい。いきたい。だめだ。いきたい。止まれ。いきたい。だめだ。だめだ。止まってくれ。ぐっと目をつむって、息を深く吸い込む。
痙攣したような呼吸の隙間からルデルタがか細い声で言う。
「大丈夫…ネモゼラ…きて…いれて…」
「ルデルタ…でも」
「…俺の中でおかしくなって」
ルデルタの興奮した匂いがまた吹き出す。ネモゼラの中のなにかがぱちっとちぎれた。ルデルタの腕をつかみ、ネモゼラは一気にルデルタの中に突き進んだ。
「ああっ…!!」
ルデルタが叫ぶ。ネモゼラの耳がびりびりする。ネモゼラは自分の腰に起きていることに自分で驚いた。自分の身体がこんなに貪欲であったことを初めて知ったのだった。何度も出たり入ったりを繰り返す。自分で動かしているのか、貪欲な身体が勝手に動いているのか、わからなくなっていく。恥部から与えられる快感が体中をどろどろにしていく。自分の呼吸の合間にルデルタの呼吸が聞こえる。この音はなんだろう。自分の鼓動かあるいはルデルタの鼓動かと思ったが、違った。ルデルタの中の音だった。ネモゼラが動くのにあわせて、ネモゼラのそれがルデルタの中にあたる、ごつっごつっという音だった。ルデルタの中の音。ルデルタの中。音がさらに快感を促す。
最初は拒否していたルデルタの中はそのうちに、受け入れるように広く柔らかくなり始め、次第にもっと奥へ、いざなうように吸い付いてくる。叫んでいたルデルタの声が柔らかくなっていく。
ルデルタはネモゼラの歯を食いしばっている顔を見て、自分が興奮したのがわかった。自分の上で、愛する人が歯を食いしばっている。大きな牙が見える。綺麗だった。赤い口の中にある白い牙。ネモゼラの汗が降ってくる。ルデルタはネモゼラの肌にさわる。ネモゼラの大きなそれを受け入れながらルデルタはあることに気が付いた。ネモゼラにさわる指からなにか、感じたことない感覚を得る。甘い気がする。なんだろう。そんな思考が一瞬起こるのだが、それもあっという間に消えてしまった。ネモゼラの動きがさらに艶めかしく、激しくなってくる。奥へ奥へ入ってくる。声が外へ外へ押し出される。快感が、奥からこちらへ次々押し寄せてくる。
「ルデルタ、いきそうだ…」
ネモゼラはそういうとルデルタの物をつかんだ。一瞬凪いだと思った快感が、再び全身を貫いて飲み込んでいく。かろうじてある意識が飛びかける。もう、自分の腰が震えて痙攣しているのか、ネモゼラに突き上げられている動きなのか、わからない。ネモゼラの呼吸が狂っていくのをルデルタは聞いた。
「…一緒にいってくれ」
ネモゼラはルデルタを見つめている。ネモゼラの大きな手がルデルタの恥部を強く優しく刺激し続ける。こんなに狂いかけているのに、ネモゼラはルデルタのそれを的確に刺激した。ルデルタはネモゼラの手の中でがちがちになる。ルデルタの先からこぼれた物がネモゼラの手をねっとりと湿らした。
「ああ…はぁはぁ…もう…だめ、ネモゼラ…」
ネモゼラが喉をぐっと鳴らした。
「いく…っ」
どちらの声だったのか。ルデルタの中にネモゼラの精液がどっと流れ込む。ルデルタのものからも白いものが飛び出した。ネモゼラの物が自分の中でどくどくと吹き出し続けるのをルデルタは感じた。脈を打っているのは、自分のものなのか相手のものなのか、耳に響く荒い呼吸は自分のものなのか、相手のものなのか、わからなくなった。ネモゼラがルデルタからゆっくりと出す。ルデルタの声が鈴のように耳に届く。こんなになってもまだそんな声を出してくる。ネモゼラは出したことを少し後悔した。シーツに大きな染みができる。ネモゼラのものはまだ大きいままだった。ぜえぜえと呼吸をしながらネモゼラはルデルタを見下ろす。ふたりの視線が匂いをまとって絡まる。
「ルデルタ…」
返事をしようとした瞬間、ネモゼラがルデルタに倒れこんだ。大きな体に押しつぶされる。ルデルタの耳元でネモゼラの呼吸が聞こえる。
「すまん」
照れくさそうなネモゼラの声が謝った。お互いにもうくたくたで、笑顔を返すのがやっとだった。
「ネモゼラ…」
ルデルタの小さな声が優しくネモゼラを呼ぶ。ネモゼラはルデルタを両手で抱きしめる。
「愛してる…ネモゼラ…」
ルデルタが囁く。ルデルタの小さな声がネモゼラの耳を貫く。くすぐったくて、耳がぱたぱた動いた。
「ネモゼラ…」
ルデルタがネモゼラの唇にキスをする。まだ荒い呼吸が互いの顔かかる。ネモゼラはさらに強くルデルタを抱きしめキスをした。子犬が親の口に甘えて噛みつくようなキスをしながら、どちらともなく眠りについた。
呼吸が戻っていく。ふたりの胸の上下する動きが穏やかになっていく。静かな音。月明かり。どこかで夜の生き物が音を立てないように行き過ぎる。ふたりの時間がちくたくと、時を刻んで進んでいく。
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