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『夜明け』
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『夜明け』
ルデルタはネモゼラの腕の中でふと目が覚めた。まだ薄暗い。明け方の冷たい空気を感じる。
外は静かで、生き物の呼吸が聞こえそうなほどだった。
ネモゼラの肌を指先で撫でる。頬、首、肩、腕、胸…。
胸は甘いんだなと、ルデルタは思った。
その時、ルデルタは、唐突に、思い出した。
無くしていた記憶が、ざらざらと音を立てて動き出す。
記憶が全身を駆けめぐった。
はっとして起き上がる。
「あぁ…俺は…」
思わず声が漏れ出る。口に手をあてて、目を見開いた。
思い出した。
「どうしたルデルタ…もう少し眠ろう…外はまだ暗いよ…暗い匂いがするだろう?」
ネモゼラが寝ぼけた声で言う。上半身を起こしたルデルタを、また胸に収めるためにネモゼラは腕を伸ばした。あっと言う間に、ルデルタはネモゼラの腕の中に収められてしまった。寝ぼけた声を初めて聞いた。なんて愛おしい人なのだろう。
ルデルタはどちらかと言えばまだ、冷静だった。愛する人の寝顔を見る。ルデルタは自分のさだめを考える。ネモゼラの腕をつかんだ。優しく撫でる。ネモゼラの味がする。
「大丈夫。離さないよ…」
起きているわけではなさそうだが、ネモゼラはそう言ってルデルタを優しく抱きしめ、そのうちまたすうすうと寝息を立て始めた。
ネモゼラの寝顔をじっと見る。穏やかだ。ネモゼラはいつだって変わらない。穏やかで、優しい。
もう少し眠ろうと思った。今は、まだ眠ろう。この腕の中で。ルデルタは目を閉じた。
鼓動の音が耳に響く。
とくんとくんと鳴り止むことなく。
この時、ネモゼラの時がいくらか先に。
時間は進む。
ルデルタはネモゼラの腕の中でふと目が覚めた。まだ薄暗い。明け方の冷たい空気を感じる。
外は静かで、生き物の呼吸が聞こえそうなほどだった。
ネモゼラの肌を指先で撫でる。頬、首、肩、腕、胸…。
胸は甘いんだなと、ルデルタは思った。
その時、ルデルタは、唐突に、思い出した。
無くしていた記憶が、ざらざらと音を立てて動き出す。
記憶が全身を駆けめぐった。
はっとして起き上がる。
「あぁ…俺は…」
思わず声が漏れ出る。口に手をあてて、目を見開いた。
思い出した。
「どうしたルデルタ…もう少し眠ろう…外はまだ暗いよ…暗い匂いがするだろう?」
ネモゼラが寝ぼけた声で言う。上半身を起こしたルデルタを、また胸に収めるためにネモゼラは腕を伸ばした。あっと言う間に、ルデルタはネモゼラの腕の中に収められてしまった。寝ぼけた声を初めて聞いた。なんて愛おしい人なのだろう。
ルデルタはどちらかと言えばまだ、冷静だった。愛する人の寝顔を見る。ルデルタは自分のさだめを考える。ネモゼラの腕をつかんだ。優しく撫でる。ネモゼラの味がする。
「大丈夫。離さないよ…」
起きているわけではなさそうだが、ネモゼラはそう言ってルデルタを優しく抱きしめ、そのうちまたすうすうと寝息を立て始めた。
ネモゼラの寝顔をじっと見る。穏やかだ。ネモゼラはいつだって変わらない。穏やかで、優しい。
もう少し眠ろうと思った。今は、まだ眠ろう。この腕の中で。ルデルタは目を閉じた。
鼓動の音が耳に響く。
とくんとくんと鳴り止むことなく。
この時、ネモゼラの時がいくらか先に。
時間は進む。
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