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それぞれの思惑
紅衛兵(1)・子供だまし
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紅衛兵(1)
「青条、これ見ろよ。」
背後の席の奴から渡されたのは1枚のパンフレットのようなものだった。
「えっと…“偉大なる一文路直也の復活のため立ち上がれ”?これは一体…。」
「わかんねーけど隣のクラスから回ってきた。クラス全員に目を通して欲しいってよ。」
「隣のクラスから…?」
…恐らく長崎だ。こんなパンフレットを作って学校中に配って…まるでプロパガンダのようなことをして…。彼の行動力ならやりかねないとは思うが果たしてあれほどの大事件を起こした一文路直也の復活など無謀なことを実現できるのか。もし長崎がやる気なら…俺は全力でそれを止めなければならない。
「なあ、これどう思う?」
「隣から来たパンフだろ?配色が全体的に赤いのはともかくデザインはかっこいいよな。」
「今こそ立ち上がれ!的な文面も俺たちの趣向をわかってらっしゃる。これ書いたやつとは気が合うかもな。」
…しまった。10代の若者は基本的に自分たちで組織を作って社会に立ち向かうといった行動に憧れがちである。それを巧みに利用した文言やデザインが数多の男子の心を掴む。だがそれは置いといて一文路直也の研究は許されるものではない。みんなそれはわかって―
「世の中は混乱したって言うけどさ、一文路先輩の研究って結構すげーよな。」
「それな。これを応用すれば人間を操れたりするんじゃね?」
「そりゃすげーや。」
…俺の味方はいないのか。
「あー、やっぱりみんなこういうの好きだよな。青条は?」
「お、俺?俺は別にそういうの興味無いし…。」
「あ、そうなん?俺はかっこいいと思うぜ。んー、お前が嫌じゃなきゃ今日行ってみようぜ。」
「えっ、どこに…?」
「決まってるだろ、このパンフに書いてある本部ってとこだよ。」
「ほ、本部…。」
「きっと行けばお前も興味出るって。」
「そ、そうだね…。」
生まれ持った物事を断れない性格のせいで結局俺は放課後“一文路恢復の会”本部へ行くことになってしまった。
放課後ついにその時が来てしまった。
「…ここか。青条、せーので入るぞ。」
「わ、わかった。」
「「せーの!」」
扉を開けるとそこは教室のはずなのに基地のような内装の部屋だった。
「…青条?青条じゃん!」
「な、長崎…。」
「やっーとお前にも直也さんの素晴らしさがわかる時が来たか!待ってたぞ!」
「えっ、青条ここのボスと知り合い?」
「ま、まあね…。」
「なんだよその対応は。大親友じゃないか!なっ?」
「は、はは…そうだね…。」
長崎の言葉を聞き、長崎を支持する他の生徒たちが俺のところに集まってきた。どうやら長崎はリーダーとして多くの生徒に慕われているらしく、そんな彼の親友だと言うのだから皆俺に興味を持ち、質問攻めにあった。
「ず、随分長崎は人気者なんだな。」
「俺が人気者かぁ。いや、人気者なのは俺じゃなくて直也さんだ。俺は直也さんの代理として皆を率いているに過ぎない。」
「で、でもいくら代理でも指導力のない人間のところには誰も集まってこないよ。」
「そういうもんかぁ。ありがとな、青条!」
「え?」
「いや、今までちょっと不安だったんだ。俺なんかが直也さんのためとはいえ人を率いて行動を起こすなんて無理なんじゃないかって。でも自信がついたよ!」
俺の馬鹿!長崎の考えには反対なのに喜ばせてどうする。
それにしてもここにいる人は皆長崎、そして一文路直也を尊敬している。さらに一部の人間は尊敬を通り越して崇拝の域に達している。彼の作った寄生虫を恐れていた俺にとっては信じなれない光景だった。何故彼らは寄生虫の脅威に鈍感なんだろうか…。
「そりゃお前、全員寄生虫にやられちまってるからに決まってるだろ。」
「あー、そうですよね…。って…え?」
「たぶん寄生虫に対して嫌悪感や恐怖感を持っているのはお前や一部の限られたやつだけだろ。だとすれば一文路がやっていたことを少し美化して伝えればかなりの人間が集まるはずだ。」
「確かに…。」
「言わばその組織は寄生虫被害者の巣窟だ。情報の宝庫ではあるが彼らを少しでも刺激すればお前が危ない。…俺的にはそこに通うのはやめたほうがいいとは思うが?」
「先輩は優しいですね。でも俺、頑張ってみますよ。」
「…そうか。火力が必要になったら俺を呼べ。サポートしてやる。」
「いやいや、そんな物騒なことしませんよ。」
そうだ。例え学校中の人間が狂気に飲まれても俺には先輩がいる。そして先輩の魔法と蝶がある限り決して俺は、俺だけは狂気に飲まれることは無い。
子供だまし
情報を得るため俺は本心を隠しつつ“一文路恢復の会”に通いつめていた。会員にはならないまでも校内ではすっかり一文路直也や長崎を支持する生徒が増えた。一方で俺のように反対派も少数いるようだ。麝香もそのうちの1人らしい。
「青条!俺の見間違いならいいんだけど、昨日長崎が立ち上げた組織に出入りしてなかった…?」
「え…、麝香見てたの?確かに昨日もあそこに行ったけど…。」
「嘘…嘘だよね…?そんなこと…」
麝香は目を見開き俺の肩に手を伸ばした。
「触るなっ!」
白城先輩との話を思い出し俺は咄嗟にそれを躱した。だが俺の言動は予想外の展開を招いた。
「青条…?どうして…?俺のこと嫌いになったの…?」
「あ、いや、その…そうじゃなくて…。」
麝香は恐ろしく、そして寂しそうな顔で俺をましまじと見つめ俺の肩を強く掴んだ。
「長崎に何か言われたんだね!?俺は一文路先輩を支持しないから敵なんでしょ!?やはり3人揃って親友なんて間違ってた!あいつは…!」
俺は麝香の言葉に圧倒されたがすぐある異変に気付いた。
「麝香っ、お前なんで俺に触れても平気なんだ…!?」
「え、どういうこと?」
おかしい。麝香は何ともなさそうだ。麝香が特殊なのかそれとも…。
「…青条までおかしくなっちゃったんだね。いいよ、俺のことは気にしないで…。」
「えっ、ちょっ、おい待てよ麝香!」
だが麝香は逃げるように俺のもとを去ってしまった。麝香のことも気がかりだったが何よりも俺は…
「…嘘だったんですね。」
学校から帰ってきた青条は俺にとてつもない怒りがこもった目を向けてきた。どうやらボロが出たようだった。
「なんだ、帰るなり“ただいま”も言わずに。」
「はぐらかさないで下さい。先輩が魔術を使えるなんてのも全部嘘なんでしょう。確かに書物などでは魔術や妖術が存在しているなんて情報もありましたが若市なんて辺境の地、確かな情報を持つ人なんているはずも無かったんだ…。」
「俺は若市に関して確かな情報を持ってるぜ?」
「その若市人が嘘をついたら意味無いでしょう。」
青条は疑いの目を向けてきたが俺はニセ魔法使いではないことを示すため小さい炎を出して見せた。
「ほら、ちょっとした魔術ができるのは嘘じゃないぜ?」
「そういう問題じゃないでしょう。なら麝香の方がおかしいとでも言うのですか。彼は普通に俺の肩に触れることができた。」
「あっちゃー。やっぱそういう事態は避けられないか。」
「ちゃんと説明して下さい。」
「お前の言う通り俺はお前に嘘をついていた。見ての通り俺が炎を操れるのは本当だがバリアなんて最初から無かったんだよ。いやぁ、もう少し騙せると思ったんだけどなぁ。」
「何故そんなことをしたんですか!?」
「おお、こわいこわい。そんなに怒るなよ。現にお前は寄生虫の被害に遭っていないじゃないか。」
「…確かに。」
「言っただろう、ホルニッセみたいに自身の精神力でなんとかできちゃうやつもいるって。バリアがあるという安心感だけでお前は寄生虫に勝っていたんだよ。」
「そんな…。」
「まあでも蝶がいればもう大丈夫だろ。寄生虫が近付けば美味しくいただいてくれる。」
「確かにそうですけど…。」
…これでまず早々に一つ目の嘘を暴かれてしまったわけだ。だが二つ目はそう簡単にいかないだろうしそれこそ知られてはまずいことだ。互いのためにも何としてでもこの秘密だけは守らねばならない。
「青条、これ見ろよ。」
背後の席の奴から渡されたのは1枚のパンフレットのようなものだった。
「えっと…“偉大なる一文路直也の復活のため立ち上がれ”?これは一体…。」
「わかんねーけど隣のクラスから回ってきた。クラス全員に目を通して欲しいってよ。」
「隣のクラスから…?」
…恐らく長崎だ。こんなパンフレットを作って学校中に配って…まるでプロパガンダのようなことをして…。彼の行動力ならやりかねないとは思うが果たしてあれほどの大事件を起こした一文路直也の復活など無謀なことを実現できるのか。もし長崎がやる気なら…俺は全力でそれを止めなければならない。
「なあ、これどう思う?」
「隣から来たパンフだろ?配色が全体的に赤いのはともかくデザインはかっこいいよな。」
「今こそ立ち上がれ!的な文面も俺たちの趣向をわかってらっしゃる。これ書いたやつとは気が合うかもな。」
…しまった。10代の若者は基本的に自分たちで組織を作って社会に立ち向かうといった行動に憧れがちである。それを巧みに利用した文言やデザインが数多の男子の心を掴む。だがそれは置いといて一文路直也の研究は許されるものではない。みんなそれはわかって―
「世の中は混乱したって言うけどさ、一文路先輩の研究って結構すげーよな。」
「それな。これを応用すれば人間を操れたりするんじゃね?」
「そりゃすげーや。」
…俺の味方はいないのか。
「あー、やっぱりみんなこういうの好きだよな。青条は?」
「お、俺?俺は別にそういうの興味無いし…。」
「あ、そうなん?俺はかっこいいと思うぜ。んー、お前が嫌じゃなきゃ今日行ってみようぜ。」
「えっ、どこに…?」
「決まってるだろ、このパンフに書いてある本部ってとこだよ。」
「ほ、本部…。」
「きっと行けばお前も興味出るって。」
「そ、そうだね…。」
生まれ持った物事を断れない性格のせいで結局俺は放課後“一文路恢復の会”本部へ行くことになってしまった。
放課後ついにその時が来てしまった。
「…ここか。青条、せーので入るぞ。」
「わ、わかった。」
「「せーの!」」
扉を開けるとそこは教室のはずなのに基地のような内装の部屋だった。
「…青条?青条じゃん!」
「な、長崎…。」
「やっーとお前にも直也さんの素晴らしさがわかる時が来たか!待ってたぞ!」
「えっ、青条ここのボスと知り合い?」
「ま、まあね…。」
「なんだよその対応は。大親友じゃないか!なっ?」
「は、はは…そうだね…。」
長崎の言葉を聞き、長崎を支持する他の生徒たちが俺のところに集まってきた。どうやら長崎はリーダーとして多くの生徒に慕われているらしく、そんな彼の親友だと言うのだから皆俺に興味を持ち、質問攻めにあった。
「ず、随分長崎は人気者なんだな。」
「俺が人気者かぁ。いや、人気者なのは俺じゃなくて直也さんだ。俺は直也さんの代理として皆を率いているに過ぎない。」
「で、でもいくら代理でも指導力のない人間のところには誰も集まってこないよ。」
「そういうもんかぁ。ありがとな、青条!」
「え?」
「いや、今までちょっと不安だったんだ。俺なんかが直也さんのためとはいえ人を率いて行動を起こすなんて無理なんじゃないかって。でも自信がついたよ!」
俺の馬鹿!長崎の考えには反対なのに喜ばせてどうする。
それにしてもここにいる人は皆長崎、そして一文路直也を尊敬している。さらに一部の人間は尊敬を通り越して崇拝の域に達している。彼の作った寄生虫を恐れていた俺にとっては信じなれない光景だった。何故彼らは寄生虫の脅威に鈍感なんだろうか…。
「そりゃお前、全員寄生虫にやられちまってるからに決まってるだろ。」
「あー、そうですよね…。って…え?」
「たぶん寄生虫に対して嫌悪感や恐怖感を持っているのはお前や一部の限られたやつだけだろ。だとすれば一文路がやっていたことを少し美化して伝えればかなりの人間が集まるはずだ。」
「確かに…。」
「言わばその組織は寄生虫被害者の巣窟だ。情報の宝庫ではあるが彼らを少しでも刺激すればお前が危ない。…俺的にはそこに通うのはやめたほうがいいとは思うが?」
「先輩は優しいですね。でも俺、頑張ってみますよ。」
「…そうか。火力が必要になったら俺を呼べ。サポートしてやる。」
「いやいや、そんな物騒なことしませんよ。」
そうだ。例え学校中の人間が狂気に飲まれても俺には先輩がいる。そして先輩の魔法と蝶がある限り決して俺は、俺だけは狂気に飲まれることは無い。
子供だまし
情報を得るため俺は本心を隠しつつ“一文路恢復の会”に通いつめていた。会員にはならないまでも校内ではすっかり一文路直也や長崎を支持する生徒が増えた。一方で俺のように反対派も少数いるようだ。麝香もそのうちの1人らしい。
「青条!俺の見間違いならいいんだけど、昨日長崎が立ち上げた組織に出入りしてなかった…?」
「え…、麝香見てたの?確かに昨日もあそこに行ったけど…。」
「嘘…嘘だよね…?そんなこと…」
麝香は目を見開き俺の肩に手を伸ばした。
「触るなっ!」
白城先輩との話を思い出し俺は咄嗟にそれを躱した。だが俺の言動は予想外の展開を招いた。
「青条…?どうして…?俺のこと嫌いになったの…?」
「あ、いや、その…そうじゃなくて…。」
麝香は恐ろしく、そして寂しそうな顔で俺をましまじと見つめ俺の肩を強く掴んだ。
「長崎に何か言われたんだね!?俺は一文路先輩を支持しないから敵なんでしょ!?やはり3人揃って親友なんて間違ってた!あいつは…!」
俺は麝香の言葉に圧倒されたがすぐある異変に気付いた。
「麝香っ、お前なんで俺に触れても平気なんだ…!?」
「え、どういうこと?」
おかしい。麝香は何ともなさそうだ。麝香が特殊なのかそれとも…。
「…青条までおかしくなっちゃったんだね。いいよ、俺のことは気にしないで…。」
「えっ、ちょっ、おい待てよ麝香!」
だが麝香は逃げるように俺のもとを去ってしまった。麝香のことも気がかりだったが何よりも俺は…
「…嘘だったんですね。」
学校から帰ってきた青条は俺にとてつもない怒りがこもった目を向けてきた。どうやらボロが出たようだった。
「なんだ、帰るなり“ただいま”も言わずに。」
「はぐらかさないで下さい。先輩が魔術を使えるなんてのも全部嘘なんでしょう。確かに書物などでは魔術や妖術が存在しているなんて情報もありましたが若市なんて辺境の地、確かな情報を持つ人なんているはずも無かったんだ…。」
「俺は若市に関して確かな情報を持ってるぜ?」
「その若市人が嘘をついたら意味無いでしょう。」
青条は疑いの目を向けてきたが俺はニセ魔法使いではないことを示すため小さい炎を出して見せた。
「ほら、ちょっとした魔術ができるのは嘘じゃないぜ?」
「そういう問題じゃないでしょう。なら麝香の方がおかしいとでも言うのですか。彼は普通に俺の肩に触れることができた。」
「あっちゃー。やっぱそういう事態は避けられないか。」
「ちゃんと説明して下さい。」
「お前の言う通り俺はお前に嘘をついていた。見ての通り俺が炎を操れるのは本当だがバリアなんて最初から無かったんだよ。いやぁ、もう少し騙せると思ったんだけどなぁ。」
「何故そんなことをしたんですか!?」
「おお、こわいこわい。そんなに怒るなよ。現にお前は寄生虫の被害に遭っていないじゃないか。」
「…確かに。」
「言っただろう、ホルニッセみたいに自身の精神力でなんとかできちゃうやつもいるって。バリアがあるという安心感だけでお前は寄生虫に勝っていたんだよ。」
「そんな…。」
「まあでも蝶がいればもう大丈夫だろ。寄生虫が近付けば美味しくいただいてくれる。」
「確かにそうですけど…。」
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