蝶、燃ゆ(千年放浪記-本編5下)

しらき

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追憶

空白・枢軸

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空白
 「…で、はい。…まさか…、ええ、…」
「…でしょう。…ですね。」
「…なんとか…。」
人の声が聞こえる。目を開けると白い天井が見えた。ここは病院…?
「あ、気付いた?」
「じゃ…こう…?」
「俺のことが認識できるということは思ったよりは重症じゃないかもしれないね。」
「憲嗣?もしかして御門ちゃんが目を覚ましたの?」
「あ、母さん。ちょうど今御門の意識が戻ったくらいだよ。」
「ああ、良かった!御門ちゃん、あなた浜辺に打ち上げられているところを発見されたのよ!?しかも早朝に!一体あの夜何をしていたの!?」
そうだ、私はあの夜瑞希さん、のようなものに導かれて海に入ったのだった。
「あ…私…」
「ちゃんと目を覚ましてくれて本当によかった。かなり長い間水の中にいたから後遺症とか心配だけど。」
「…ごめんなさい…。」
「…きっと色々あったのでしょう。でも、いい?あなたは死にかけたのよ?それも自ら。もう絶対そんなことをしちゃだめよ。」
「…はい。」
 脳に障害が残ることもなく、私はすぐに退院することが出来た。このような事態でも私の両親は顔を見せなかったのには呆れる。寄生虫のせいなのか、元々私には興味がないからなのかはわからないが、とりあえず麝香の母親には治療費は後日私の両親に請求してもらうことにしよう。私に興味がなくても金くらいはさすがに出してくれるはずだ。
 さて、これからどうしようか。麝香や彼の母親には悪いが再び自らの命を危険にさらすことにしようか。あの日以来胸の内がスッとしたように感じるのは確かだがまだ憎き一文路との決着はついていない。…正確には黒幕は長崎だが。
 もう街中にヒトの大群はいない。蟷螂の力を使う機会は減ったのはありがたい。それにしても長崎にこの力は通用するのだろうか。これは寄生された人間に対してのみ効果がある。もしかしたら彼自身は指示を出しているだけで寄生はされてはいないかもしれない。むしろあれだけ頭を使った行動ができるのだから思想は狂っているにせよ正気は保っているに違いない。
 私は空になった金物屋を見つけた。丁度良い、ここなら武器がありそうだ。ほんの十数分店内を物色し、人の不在を再度確認して手頃なものを1つ持ち出した。

 ここ数日今まで喧しかった“ 声”が聞こえない。もう俺には失望してしまったのか、その者の目的は知らぬうちに果たされたのか。なんとなく変な気分である。
「随分と平然としているんだな。」
「えっ、そ、そうですか?」
「ああ。お前ならもっと慌てるというか…すぐ俺に報告してきそうだとは思ったのだが。」
「報告って…そもそも言いましたっけ?」
「え、言うって…どういうことだ?」
「あれ?」
「たぶん話が食い違ってるいるな。お前は何の話をしようとしてたんだ。」
「その…だいぶ前から時々謎の声が聞こえるようになったんです。」
「謎の声?」
「水の音が混ざっていて、とても人間不信な声です。あ、たまに海の良さを語ってましたね。」
「それはいつから聞こえた?」
「長崎が姿を消したあたりから聞こえるようになったと思います。少なくとも俺が気付いたのはその時から。」
「海…人間不信…水の音…まさか…!」
「何か心当たりがあるんですか?」
「俺の予想が正しければ起爆剤はその蝶だと思う。」
「蝶?」
「何故“ 彼の声”が聞こえるようになったかはわからないけどな。オカルトだがお前が聞いていたのは死人の声だぜ?」
「えっ!?し、死人!?」
「ああ。知ってるだろ?杉谷瑞希。蝶を作ったのは彼だ。」
「確かすごい人だったらしいですよね…。何かこの世に未練でもあったのでしょうか。」
「…どうだか。だが、すると御門の自殺未遂も納得がいく気がするな。」
一瞬耳を疑った。御門さんが自殺…?
「“ 蟷螂の斧”も杉谷の作品だ。きっと御門も同じような声が聞こえて…」
「御門さんが自殺ってどういうことですか!?」
相手はキョトンとした顔をした。
「知らなかったのか?朝方浜に打ち上げられているところを発見されたらしい。一時的に家を貸していた麝香によれば夜中にこっそり家を出ていったらしい。」
「そ、そんな…。」
彼女だけは死ぬようなことは無いだろうと思ったのだが。
「声の主が杉谷なら、もしかしたら御門のことを呼んでいたのかもしれないな。」
「何故そんなことを…。」
「そんなことはわからん。だが、“ 未遂”で終わったとなれば御門は何か吹っ切れたのかもしれないな。」
「確か御門さんは杉谷先輩と深い繋がりがあったはず…。その杉谷先輩の誘いを蹴ってまで生き延びようとした…。…先輩、火力ならサポートしてくれるんですよね?ちょっと外出に付き合って下さい。」
「火力…?ああ、黒幕は“ 蟷螂の斧”じゃ倒せないってことか。」
「倒そうだなんて思ってませんよ。ただ、止めなければ。」
長崎と一文路が動かなくなる前に。

枢軸
 理研特区の中枢を乗っ取って、この街の人間を操って、俺は自分が何をしたいのかよくわからない。あいつに復讐しようにももう手遅れであるのはわかっている。一文路直也を利用したのはただ彼の発明品が都合がよかったからだけなのか。あの対立関係を煽ったのは俺ではない。俺は“ その後”の一文路直也にしか接近していないのだから。なら一文路があの寄生虫を作ったのは俺にとっては奇跡のような都合の良さだったのだろう。
 俺の2つ上の、高校生になったばかりの先輩が本部入りしたという噂を聞いた時は誰かの作り話だと思った。いくら大金を注ぎ込んでも本部入りだけは出来ない。能力と成果だけで成り立っている世界、それが理研特区本部の研究科だ。30代で本部入りしたというだけでも相当珍しく名誉なことである。高校生で本部入りなんてお伽噺だ。だが、俺は噂を辿ってそれが本当であると知った。高等部の杉谷瑞希という人がどうやらそうらしい。水生生物の専門家で、うちでは珍しく純粋な生態研究をしているようだ。人類の発展を第一とする理研特区では環境や生態の研究はほぼ手付かずだ。だからこそ彼の研究は真新しいものとなったが、果たしてどうやって人間第一主義の本部に受け入れてもらったかは疑問である。だが、確かに論文を読むと彼の研究は素晴らしかったし史上初の快挙を成し遂げた人が近くにいるというのも嬉しかった。この人と直接会って話がしてみたいと思った。
 折しもこつこつと進めていた研究が良い結果を出し始めていた。人間に無害な新たな殺菌方法、それを助けるであろうバクテリアの発見だ。今までも様々な微生物たちを眺め続けていたが遂に有益かもしれないひとつを見つけたのだ。これがそれなりの賞を取れればもしかしたらあの人と会う機会が訪れるかもしれない。俺の成果を認めてくれるかもしれないし、何かアドバイスをくれるかもしれない。そう考えるとレポートを書く手がなめらかに動く。
 俺は幸運にも本部に足を運ぶ機会を得た。ジュニアサイエンスグランプリの副賞が本部で関連分野の研究を見学する権利だったのだ。バクテリアの研究のエキスパートは多く、中には人工的にバクテリアを作り出すといった驚くべき実験をしている者もいた。少々手荒な実験をしている者もいたが、大人というものは恐ろしいもので、成果のためなら人間以外の生き物のことは考えない。なんというか社会の裏側を知ってしまったようだった。
 ラウンジで休憩している時だった。流れる水のような髪とエメラルドグリーンの瞳が美しい研究者が声をかけてきた。
「あれー?君中学生?高校生?どうして本部にいるのかな?」
「えっと、サイエンスグランプリの副賞で本部の見学企画があって…。」
「あ、それ知ってるー。一昨年グランプリ取ったー。」
「え、一昨年…?中学生対象の大会だし…。ということはもしかしてあなたが…!?」
「え、なになに、俺有名人なの?“ おさかなや”の杉谷瑞希とは俺のことだよー。」
この人が超エリートの…。それにしても話し方はふにゃっとしているし、左右に揺れながら話す。なんというかエリートの風格が全くない。見た目はガラス工芸のように美しいが。
「あなたが杉谷先輩…!お会いしたかったです!」
「えー、俺のファンだったりするの?ありがとー♪」
そう言いながら杉谷さんはくるくると回っている。随分陽気な人だ。
「あ、そうそう。君もここに来ているということは面白い研究をしているってことだよね。見たいな、見たいな♪」
杉谷さんはあざとい仕草で俺の目の前に両手を差し出した。
「あなたに見てもらてるなんて光栄です。大したものじゃありませんが…。」
「わーい。バクテリアに関する研究だねー?ふむふむー。」
レポートを読み始めると急に杉谷さんは静かになった。なんとうかこの沈黙の間がもどかしい。
 黙々と俺のレポートを読んでいた杉谷さんだったが、突然険しい顔つきになり、レポートを置いた。
「あの…?どうかしたんですか…?」
「…美しくない。」
「え?」
「君の研究も美しくないね。…失礼するよ。」
そういって杉谷さんはラウンジを出ていった。俺は一体何が彼の機嫌を損ねたかはわからなかったが、憧れの人に自分の研究を否定されたことと彼の理不尽な態度に頭がぐちゃぐちゃになった。
 それから俺の研究はどの賞も貰っていない。今までかなり高い評価を受けていたのにこの状況、誰かが手を回しているようにも思えた。ああ、“ 美しくない”研究はお呼びでないということか。
 その後は何もかも上手くいっているあの人を妬んで自分の実力不足や不運を全部あの人のせいにして、そのようにしてズルズルと憎しみを募らせたのだと思う。“ だと思う”と言ったのはもはやきっかけや過程などわからないほどにまでなってしまったからだ。実際はあの人が憎いからではなく注目されたい一心で生態研究科を乗っ取るまでに至ったのかもしれない。だが死人に復讐は出来ないし、操り人形たちに褒められたところでそれは俺が言わせているだけで虚しさしか感じない。実現するまではあれほど熱心に求めていたのに手に入れてみれば良さなど無かったなんてことはよくあることだ。まあそんな教訓は誰の役にも立つことは無いのだが。
「柄にもなく昔のことを思い出すなんてな。疲れているのだろう。…いや、なんで疲れているかはわからないが。」
そばにいた人間にコーヒーを持ってこさせた。彼は確か本部の最高責任者だった男だ。 仕事が遅いと怒鳴った。男は顔色ひとつ変えずすみません、とだけ言った。それにまた腹が立った。

 彼らには仲間が襲われているという感覚もないし、次は自分かもしれないという恐怖もない。既に腹を破られて死んだかと思っていたが“ 蟷螂”はまだ生きていた。邪魔をする者だけ排除したので体力の消耗は激しくはない。
 建物の構造は知っているので進むのに苦労はしなかったが随分好き勝手使われているようだ。中核に行く前にひとつ確認しなければならない。
「…あった。さすがに鍵を持っているのは私だけだからここは荒らされていないのか…。」
そう、私が確認したかったのは自室の状態だ。別の階に一家で住んでいる部屋、一般的には実家のようなものはあるが所持品はほとんどこちらの自室にある。自分の部屋や持ち物がそのままというだけでもかなり安心感がある。
 本当はもう一部屋確認したいところがあったがそちらには行かなかった。状態が保存されている可能性はそう高くないし、そうであるならば見たくもない。鍵は水底に沈んだはずだったが何故かその部屋は開いていたのだ。誰かに踏み荒らされても仕方ない。
 裏口から別棟を経由して進んでいるからか人はほとんどいない。生態研究科中の人間がここにいるのではなかったのだろうか。たまにすれ違う人も私のことを無視して進む。随分と潜入しやすいアジトだ。
「…オー ザルム シトワイヤン、フォルメ ヴォ バタイヨン
マルション マルション!カン サン アンピュール…」
近くの部屋から歌声のようなものが聞こえてきた。恐らく長崎の声だ。大丈夫、あいつ自身は戦う術を持ってはいないはず。人の気配もしないし、部屋には長崎1人か人がいて2、3人。それに長崎は私が敵対していることなんて知らない。向こうが驚いた隙に…。イメージトレーニングを繰り返す。深く息を吸って部屋へ飛び込んだ。
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