【悲報】人気ゲーム配信者、身に覚えのない大炎上で引退。~新たに探索者となり、ダンジョン配信して最速で成り上がります~

椿紅颯

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第四章

第27話『演習場の使用申請』

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 探索者連盟へ辿り着いた一行は、一直線に受付カウンターへ向かい、申請の手続きを始める。

 当然、顔見知りの受付嬢であることから、和昌が想像していた通りに引きつった笑顔で対応されていた。

「なんと言いますか、なんとも言えませんね」
「俺も同意見ではあります」

 冷ややかな目線を送られる和昌は、自分の事でありながら、受付嬢の心情が痛いほど伝わってくる。

「本来であれば別の窓口手の対応になるのですが、今回は事前にご連絡をいただいておりましたのでこのまま対応いたします」

 顔の引きつりようから、他の受付嬢から押し付けられていることを和昌は察する。

(俺がこんな装備を手に入れてしまったばかりに、本当に申し訳ありません)

「申請と言いましても、使用者がそもそも少ないので順番待ちはありません。ですので、お時間のご都合がよろしかったらこのままお通しできますが、いかがなさいますか?」
「一応、どれぐらいの時間が掛かるとかはありますか?」
「明確な時間は決まっておりませんが、人によっては5分だったり30分だったりしますね。葭谷よしたに様の場合は、装備が2個ということもありますのでなんとも言えない状況ではありますが」
「な、なるほど」

 和昌は振り返る。

「時間が長くなりそうだったら、俺を置いてみんなでご飯に行ってて」
「終わるまで待ってるよ――と言いたいところだけど、人によって時間が違うみたいだから仕方ないね」
「特例の中でも例外だし、そこはしょうがない」
「その時は近くで軽食を買ってきてもいいしね」
「じゃあそんな感じで」

 了承を得られ、受付嬢へ向き直す。

「お連れの方々が見学できる場所もありますので、そちらへ案内しますね」
「わかりました。じゃあこのままでお願いします」
「かしこまりました」

 別の受付嬢と交代し、一行は奥の入り口から中に入っていく。

 和昌は、装備の受け渡し時に通ったから若干の慣れがあり平然と歩く。しかし、3人は物珍しそうに視界をぐるぐると回しながら歩いている。
 外観同様に、内装もそこまで珍しい雰囲気になっているわけではない。が、普段は観ることがないからこその初々しい反応というもの。

 廊下を歩いている最中、窓ガラスから見える中には生い茂る芝生や噴水、従業員が座っているベンチやそれとセットになっているテーブルがある。
 ここら辺もそこから観ただけでは観ることすらできない構造になっていて、施設の一部というよりは、城や宮殿といった場所の中に居る気分になってしまう。
 そんな風景に加え、窓に備え付けられている深緑色のカーテンが高級感に拍車をかけている。

「ではここの階段から下へ行きます」

 案内の元、地下三階まで階段で降りていった。

 階段の横にある、上へ行くエレベーターがあったことから「どうしてエレベーターを使わないのか」という疑問を口に出そうとしたが、「もしもの時の安全策として――」という軽い説明が先にされてしまい留める他なかった。

「それではここの階にて、装備テストを実施いたします。最後にちょっとした確認事項を説明いたします」

 ここでも普通の木製扉から中に入ると、中を確認できる大窓に机と背もたれのない長ソファが設置してある。
 それ以外の椅子は壁に折り畳みのパイプイスが3脚あり、受付嬢はそれを持って来て全員が腰を下ろした。

「もう既に察していると思いますが、ここから見下ろしているあの場所で葭谷よしたに様はいろいろとやってもらいます」
「結構広いんですね」
「本当にいろいろとできるようになっております。ちなみに音声もどこで喋っていてもこちら側で聞き取ることができるようにもなっていますので、中止などもすぐにできます」
「なるほど、わかりました」
「ちなみに、剣と盾はどちらから先に行いますか?」
「ん~……じゃあ盾からでお願いします」
「かしこまりました。一応ですが、両方を組み合わせるテストは行いますか?」
「いろいろと自分でもわかってないことが多いので、片方ずつだけでお願いします」
「そうですね。もしも暴走したり――という危険性もあるかもしれないので」

 ここで和昌は、どうしてここが地下であるのかとエレベーターがないことを察した。

 強力すぎる能力を有した装備であった場合、部屋が壊れるだけですまない可能性もあるということ。そして、他の階に繋がっているエレベーターにその影響が及ばないよう、このような施設設計になっているのだろう、と。

「あ、装備していく分には何も問題がありませんので」
「わかりました」
「その他、何か質問なさりたいことはありませんか?」
「少しだけ気になるのが、どういったテスト方法なんですか?」
「簡単に言ってしまうと、能力を計るために壁が飛び出てきて圧迫したり、映像だけでもモンスターを登場させて攻撃してもらったり。とかそんな感じです」
「なるほど、実践的の方が何かとやりやすそうですもんね」
「ご忠告、というほどでもないですが、映像と言ってもかなりの現実味を帯びています。それはもう、実際のモンスターと瓜二つであり、いくら映像とわかっていても攻撃を回避したくなるほどです」
「……な、なるほど。肝に銘じておきます。ち、ちなみにモンスターの攻撃が当たる様にできちゃったりはできませんよ……ね?」
「まさかのまさか、それができちゃったりもします」
「え」

 そんなハイテクノロジーなものが! と、興味津々にお願いしようとしたが、強力なモンスターと対峙した時のことを考えてしまい、一瞬でその熱が冷めた。

「それでは、葭谷様は移動しましょう。皆さまは、引き続きこちらでお待ちください」

 和昌は受付嬢に案内され、奥の階段からさらに下へ降りて行った。
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