【悲報】人気ゲーム配信者、身に覚えのない大炎上で引退。~新たに探索者となり、ダンジョン配信して最速で成り上がります~

椿紅颯

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第三章

第15話『せっかく街で休めるのだから』

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「全てがスムーズにいきすぎて、これからどうするか」

 探索者連盟支部へ足を運んだ結果、地上でも同じく設けられている初心者カウンターで担当受付嬢と会話をした。
 その結果、所持金に見合った宿を手配してくれただけではなく、建物内の一角にある食事処を使用する際に使用できる割引券までプレゼントされる、という至れり尽くせりな状況にある。

 しかもモンスターの討伐報酬を受け取ったり、街全体の地図をデータとして受け取ったから文句のつけようがない。
 挙句の果てには、初めてこの街に辿り着いた探索者は公共交通機関を利用する場合、1カ月間だけは利用料金が100円統一になっているという決まりになっていた。

「ん~、ご飯は済ませちゃったからね~」
「とりあえず、このままモンスターと戦いに行くのだけは避けたい」
「そうね。せっかく街に来たんだし、このまま散歩っていうのもいいんじゃない?」
「そうだな。せっかくいろいろと安いし、休憩も兼ねて観光って感じにするか」

 ちゃんと舗装されてる道路を走る車を、同じくしっかりとコンクリートなどで整備された歩道を横目に歩く。

「割引がないと、さすがに地上よりは少し割高な感じがしたけど――探索者にとっては楽園みたいな場所ではあるよな」
「実際のところはわからないけど、少なくともいちいち地上に戻らなくていいっていうのは楽でいいよね」
「でもでも、不思議だよね? 地上と違って武器を肌身離さずで大丈夫って話だけど、身に着けてない人がチラホラといるよね」
「たしかに、私もちょっと気になってた」

 と、その話題になって初めて気が付いた和昌かずあきは周囲に視線を向けてみる。

「子供とかが居るってのは、俺的には危なっかしいとしか思えない」
「ね~。まさか小学生ぐらいの子が探索者ってわけじゃないだろうし」
「まあ、探索者の規約とかを詳しく読み込んで記憶しているわけじゃないからわからないが、もしかしたら年齢制限がかなり低く見積もってあるとかあるのかもな?」
「戦えるかどうかは別として、この街で生活するためにはそういった免許みたいなものがあるのかもね」
「ねえ3人とも、さっきからなんやらかんやらって話をしているけど、場繋ぎ的な冗談話よね……?」

 芹那せりなは、眉をひそめながら首を引いている。

「なんだよその目は。どういうこと?」
「ねえ、まさかだと思うけど本当に何も調べてないで街に行くって話になってたわけ?」
「ああ、さっきも言った通りだけどネタバレは勘弁だからな」
「そうだよ?」
「うん、同じく」
「――はぁ……」

 両肩を落し、盛大なため息を零す芹那。

「どうしたんだよ急に」
「いやさ、私もネタバレは嫌だよ? でもさ、これからの目的地になる場所の下調べぐらいはするものでしょ」
「え? そうなの?」
「さすがに細かく調べるってことはしないけど、治安が悪いかどうかとかは調べたりするでしょ」
「いや、残念ながら全く下調べをしていなかった」
「マジで?」
「おう」

 和昌の返事に続いて、真綾まあや天乃そらのも首を縦に振る。

「わかった、もうツッコミを入れるのはやめる。じゃあさっきの答え合わせだけするね」
「お、おう?」
「あの、さっきから視界に入っている人たちは正真正銘の探索者じゃない、ただの一般人だよ」
「え、そうなの?」
「うん。さっきは免許みたいなのが~って話をしていたけど、それはその通り。私も詳しくはわからないけど、そういうのがあるらしい。――じゃあ、どうやってその人たちがこんな階層まで来られるかっていうのは、探索者の護衛があって、とかじゃない」
「じゃあどうやって?」
「答えは簡単。あっちの方を見て」

 今より目線をずっと上げた、階層の壁へ芹那は指を差す。

「何あれ、全然気が付かなかった」
「簡単に言ってしまえば、あればエレベーター」
「え、マジかよ」
「うん。まあ、エレベーターというにはかなり大きいみたいだけど」
「こんな遠くでも確認できるってんだから、俺が知っているものより大きいんだろうな」
「たぶんね。あれで物資を運んだりするから、地上とほどんど変わらない整備やら設備やらがあるってわけ」
「「「ほほー」」」

 と、口を揃えて感心する3人。

「てな感じで、以上が偶然にも視界に入っちゃったから読んでしまった、私が知っている前情報」
「なるほどなぁ。その情報があれば、もはやこの街に対しての疑問がなくなった」
「そういうことだったんだね~」
「でも、あれを人間だけの力で作り上げたって話になると疑問は出てくるよ」
「言われてみればそうだな。最初からエレベーターがダンジョンに備え付けてあったならまだしも、あれ自体を作るまでにはどれだけの年月が費やされたんだって話だ」
「私だって、そこまで深堀した話はわからないわよ」
「もしかしたら、案外答えは簡単なものだったりして?」

 真綾が、何かを思い付いたかのようにそう切り出す。

「和昌くんが持っているような装備の力があったら、できちゃうんじゃない?」
「あー、なるほど。言われてみればそうだ」
「たしかに。どう考えたって人間離れした代物を使用すれば、文字通り人間離れしたことだって可能かも」
「というか、その説が一番濃厚よね。それ以外だったら、人間の力って凄すぎでしょってなるだけだし」

 確証は得られずとも、今まで目の当たりにしてきた身近にある圧倒的な力が、全員を簡単に納得させるには十分であった。

「んあ~、そろそろ座って休憩したいかも」

 と、真綾が今にも崩れ落ちそうな千鳥足になりながら切実に訴える。

「あら不思議、なんということでしょう。タイミングを計ったかのように、公園があるではありませんか」
「カズ、何よその喋り方」
「いやごめん。俺も疲れすぎているみたいだ」
「でも本当にちょうどいい。ベンチもあるし、休憩しよ」
「だな」

 一行は、偶然にも誰1人として居ない遊具が設置され、緑あふれる公園の中へと足を進めた。
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