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第四章
第22話『問題点と課題を見据え』
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「さて、これからについて考えよう」
昼休憩が終わった一行は、緑が広がる公園の休憩スペースの一角で食後のひとときを過ごしていた。
「作戦会議と洒落こもうじゃないか」
考え込むように自分の手と手を鼻の前で絡めているのは芹那。
「まず、セオリー的な話をすると……やっぱり、退路を確保しつつ挑戦し続けることよね」
なぜか芹那に便乗して同じ体制になっている天乃。
「それが基本中の基本だよな。ゲームだったら」
和昌は、そのどこかの映画やドラマで見たことのあるようなポーズは取らず、冷静に話を返す。
「でもでも、それじゃあ時間だけが過ぎちゃうんじゃない?」
「それもそうなんだよな」
両腕を組んで「うーん」と顔を歪ませながら思考を巡らせるも、ゲーマー的な考えしか出てこず、一番の解決策は全員がわかってはいる。
しかし、それを容易に使用できない現状が頭を悩ませていた。
「……やっぱり、基本的なことをやっていくしかないよな」
「急がば回れっていう言葉があるぐらいだもんね」
「考えてみたら、いい機会なのかも。私たち、なんだかんだ連携力を高めることをあんまり意識していなかったし」
「おーっ、いいねいいね~」
「なんだかんだいい感じに立ち回れていたから、本当にいい機会だ」
(俺も、この装備に頼りっぱなしだと油断も隙も生まれるだろうし、基礎的なことを反復練習しないとな)
しかし思う。
「だけどなぁ。できるだけ周りの目がないところで戦いたいっていうのは正直ある」
「それね」
「今の時期だと、そこが難しいよね。配信だと視聴者層は一般人だから気にしなくていいけど、探索者の目は気になるよね」
「難しいよね~。でも逆に考えたら、モンスターとの戦闘が忙しくて案外見られないかも?」
真綾から出てきた楽観的な話に、3人は「それはない」とツッコミを入れそうになったが。
ゲーマーだからこそわかることがる。
「真綾、それあるかも」
「うん、大いにあるかも」
「だな」
「え? そうなの?」
「たぶんだが、俺らが考えていることは一緒だと思う。ゲームだとよくある話なんだが、憧れの課金装備とかがであっても案外気づかないものなんだ」
「うん。対人ゲームとかだと、戦闘中だとあんまり気付かないんだけど負けたら『あー!』ってなるやつ」
「そうそう。MMOとかでも、一緒にパーティまで組んで戦闘しているのに気づかなくて、戦闘後とか街で休憩しているときに気付いたりするんだよね」
「え、そういうものなの?」
3人は急に両腕を組み始め、感慨深い表情で過去を思い出しながら首を縦に振る。
「真綾は実感ないかもだけど、別のもので例えてみよう。これで……あっているかわからないが、携帯端末とかわかりやすいんじゃないか」
「うん」
「普段、ある程度の人は携帯端末を使っているよな? でも、パッと視界に入ったとしてもそこまで差異がないから判別できない」
「あー」
「保護カバーの違いはわかっても、機種なんかはわからないだろ? みんな、わかりやすく人前で使っているのに」
「たしかに」
「靴とか洋服とかもそうじゃないか? あんなにドカンと第一印象に関わってくるものでも、パッと見ただけじゃどれだけ高価なのかわからないし、高そうに見えても案外そうじゃなかったり」
「そう言われると、すっごくわかりやすいね」
「しかもMMOとかになってくると、外観がほとんど一緒なのに名前が違って~とかザラだからね。バリエーションを増やそうとして、ユーザーは混乱の嵐よ」
芹那の言葉に、和昌と天乃は酸っぱい顔をしてゆっくりと頷く。
「ゲームって、いろいろなことがあるんだね……」
「それはそれとして、だ。普通に戦う分には問題ないのかもしれないな。そもそも、ダンジョン内がライトでガンガン照らされていたら無理だろうが、あえてコソコソしないことによって逆に目立たないのかもしれない」
「そうよね。しかも、どうせ注目を集めたとしてもその場から離れたらいいだけだし」
「盾はさすがに出さない方がいいと思うけど、出したとしてもそこまで目立たないと思う。大きさだって調整できるんだし」
「だな。光を放つ、アレをやらなかったらいいだけだからな」
得策を思い付いたわけではないが、全員の心が前向きになった。
「よし、後は互いの位置を意識することを重点に置いて戦っていこう」
「はいはーい」
「だね」
「了解しましたーっ」
いざダンジョンへ、と和昌が立ち上がろうとしたときだった。
「え」
ここ数日の間に数回起きている揺れに、体がビクッとなる。
「なんか嫌な感じ」
「ちょっと怖いよね」
「なんだか、不吉なことが起きる前兆みたい」
「おいおい天乃、怖いこというなよ」
「でもさ、なんだか最近いろいろとおかしくない? ダンジョンの中にモンスターが大量発生しているし、普段はない地震がこんなに起きるなんて」
「まあな」
(いつもだったら、その2つが関連づくことはないだろうが……こうもあからさまだと、そう行き着くのはしょうがないよな。うーん……)
和昌は、悩む。
(そもそもの話、こういった非常事態は探索者全体に通知して対処した方がいいんじゃないのか? モータル・インデックスに載っているような特別な実力者だけで解決できるならそれに越したことはないんだろうが……経験が浅すぎてわからん)
疑問の答えを教えてくれるであろう存在は知っているものの、これから狩場へ戻らなければならない。
このモヤモヤを抱えたまま戦わなければならないことに、和昌はむず痒さを覚えるも、不審がられる行動はできるだけ避けるべきだ。
(んー、今は仕方がないか)
「よし、気持ちを切り替えて行こう」
和昌は立ち上がり、不安を握りつぶすように胸の前で拳に力を込めた。
昼休憩が終わった一行は、緑が広がる公園の休憩スペースの一角で食後のひとときを過ごしていた。
「作戦会議と洒落こもうじゃないか」
考え込むように自分の手と手を鼻の前で絡めているのは芹那。
「まず、セオリー的な話をすると……やっぱり、退路を確保しつつ挑戦し続けることよね」
なぜか芹那に便乗して同じ体制になっている天乃。
「それが基本中の基本だよな。ゲームだったら」
和昌は、そのどこかの映画やドラマで見たことのあるようなポーズは取らず、冷静に話を返す。
「でもでも、それじゃあ時間だけが過ぎちゃうんじゃない?」
「それもそうなんだよな」
両腕を組んで「うーん」と顔を歪ませながら思考を巡らせるも、ゲーマー的な考えしか出てこず、一番の解決策は全員がわかってはいる。
しかし、それを容易に使用できない現状が頭を悩ませていた。
「……やっぱり、基本的なことをやっていくしかないよな」
「急がば回れっていう言葉があるぐらいだもんね」
「考えてみたら、いい機会なのかも。私たち、なんだかんだ連携力を高めることをあんまり意識していなかったし」
「おーっ、いいねいいね~」
「なんだかんだいい感じに立ち回れていたから、本当にいい機会だ」
(俺も、この装備に頼りっぱなしだと油断も隙も生まれるだろうし、基礎的なことを反復練習しないとな)
しかし思う。
「だけどなぁ。できるだけ周りの目がないところで戦いたいっていうのは正直ある」
「それね」
「今の時期だと、そこが難しいよね。配信だと視聴者層は一般人だから気にしなくていいけど、探索者の目は気になるよね」
「難しいよね~。でも逆に考えたら、モンスターとの戦闘が忙しくて案外見られないかも?」
真綾から出てきた楽観的な話に、3人は「それはない」とツッコミを入れそうになったが。
ゲーマーだからこそわかることがる。
「真綾、それあるかも」
「うん、大いにあるかも」
「だな」
「え? そうなの?」
「たぶんだが、俺らが考えていることは一緒だと思う。ゲームだとよくある話なんだが、憧れの課金装備とかがであっても案外気づかないものなんだ」
「うん。対人ゲームとかだと、戦闘中だとあんまり気付かないんだけど負けたら『あー!』ってなるやつ」
「そうそう。MMOとかでも、一緒にパーティまで組んで戦闘しているのに気づかなくて、戦闘後とか街で休憩しているときに気付いたりするんだよね」
「え、そういうものなの?」
3人は急に両腕を組み始め、感慨深い表情で過去を思い出しながら首を縦に振る。
「真綾は実感ないかもだけど、別のもので例えてみよう。これで……あっているかわからないが、携帯端末とかわかりやすいんじゃないか」
「うん」
「普段、ある程度の人は携帯端末を使っているよな? でも、パッと視界に入ったとしてもそこまで差異がないから判別できない」
「あー」
「保護カバーの違いはわかっても、機種なんかはわからないだろ? みんな、わかりやすく人前で使っているのに」
「たしかに」
「靴とか洋服とかもそうじゃないか? あんなにドカンと第一印象に関わってくるものでも、パッと見ただけじゃどれだけ高価なのかわからないし、高そうに見えても案外そうじゃなかったり」
「そう言われると、すっごくわかりやすいね」
「しかもMMOとかになってくると、外観がほとんど一緒なのに名前が違って~とかザラだからね。バリエーションを増やそうとして、ユーザーは混乱の嵐よ」
芹那の言葉に、和昌と天乃は酸っぱい顔をしてゆっくりと頷く。
「ゲームって、いろいろなことがあるんだね……」
「それはそれとして、だ。普通に戦う分には問題ないのかもしれないな。そもそも、ダンジョン内がライトでガンガン照らされていたら無理だろうが、あえてコソコソしないことによって逆に目立たないのかもしれない」
「そうよね。しかも、どうせ注目を集めたとしてもその場から離れたらいいだけだし」
「盾はさすがに出さない方がいいと思うけど、出したとしてもそこまで目立たないと思う。大きさだって調整できるんだし」
「だな。光を放つ、アレをやらなかったらいいだけだからな」
得策を思い付いたわけではないが、全員の心が前向きになった。
「よし、後は互いの位置を意識することを重点に置いて戦っていこう」
「はいはーい」
「だね」
「了解しましたーっ」
いざダンジョンへ、と和昌が立ち上がろうとしたときだった。
「え」
ここ数日の間に数回起きている揺れに、体がビクッとなる。
「なんか嫌な感じ」
「ちょっと怖いよね」
「なんだか、不吉なことが起きる前兆みたい」
「おいおい天乃、怖いこというなよ」
「でもさ、なんだか最近いろいろとおかしくない? ダンジョンの中にモンスターが大量発生しているし、普段はない地震がこんなに起きるなんて」
「まあな」
(いつもだったら、その2つが関連づくことはないだろうが……こうもあからさまだと、そう行き着くのはしょうがないよな。うーん……)
和昌は、悩む。
(そもそもの話、こういった非常事態は探索者全体に通知して対処した方がいいんじゃないのか? モータル・インデックスに載っているような特別な実力者だけで解決できるならそれに越したことはないんだろうが……経験が浅すぎてわからん)
疑問の答えを教えてくれるであろう存在は知っているものの、これから狩場へ戻らなければならない。
このモヤモヤを抱えたまま戦わなければならないことに、和昌はむず痒さを覚えるも、不審がられる行動はできるだけ避けるべきだ。
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和昌は立ち上がり、不安を握りつぶすように胸の前で拳に力を込めた。
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