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第四章
第23話『挑戦しなければ始まらない』
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「お、これは思ってもみなかった好条件なんじゃないか」
再び階層を移動した一行は、見渡す限りは誰も居ないことを確認。
しかし、それと同じく撤退前はあれほどいたモンスターの数も見当たらなくなってしまっていた。
「だがどうしたものか」
和昌は、顔をしかめる。
「でもでも、討伐数だけを確認されるんだったらこのままでもいいんじゃない?」
「だね。数を倒せる人達に諸々任せて、私たちは自分たちのペースを崩さないようにすればいい」
「私も同意見」
「それもそうだな」
一行は剣を抜刀し、少しだけ足を進める。
「さっきまでの光景が嘘だったみたいだね~」
「だな」
ダンジョンの中は基本的に殺風景なのだが、モンスターの姿が見えなくなってより拍車がかかっていた。
そして、他の探索者の声はなく、モンスターの声もない。
何かしらの反響音が少しでもあれば変わるのだが、それすらもなく。
「お、ちょうどよさそうなの発見」
芹那が指を差している方向には、5体のスライムの姿。緑色が2体、黄色が3体。
それぞれがタイミングを合わせることなく、ぽよんぽよんと跳ねたり動かずにいる。
「私たちが知っているスライムだけど、アレより大きいし、色によって若干の状態異常があったりするんだったよね」
「状態異常のことは詳しく知らないが、耐久力と攻撃力は増している」
「油断せずに戦いましょう」
「まずは俺が先導する」
和昌は、【朱護の盾】を左手だけ小さめに展開して前進。
(一人では戦わず、モンスターの注意を引きつけ……全員で連携して倒す)
心の中でそう言い聞かせ、連携力強化が目的ということを肝に銘じる。
全体を注視しながら足を進めること10歩程度でスライム達の目の前に辿りついた。
「【叶化の剣】なら、たぶん1撃で討伐できるだろうが……どうやったて注意を引けばいいんだ……? わからんから、1撃だけ!」
その場でぽよんぽよんと跳ねているだけのスライム達――の、正面に居るスライムへ【叶化の剣】を突き刺した。
すると、
「あ」
剣が体内にぶにゅっと刺さったと思ったら、ドロドロに溶け始めてしまった。
「やらかした――が、これでよさそうだ」
故意ではないが、開幕早々に1体のスライムを討伐してしまった。
しかし、残りの4体が敵意をむき出しにしているかのように近づいてきたから、和昌は後方へ駆け戻る。
「ごめん、上手くいかなかった!」
「よーし、やっるよー」
「うん」
「よしきた」
まず初めに跳び出したのは真綾。
大体同じ速度でスライム達は接近してきているものの、向かって一番右のスライムだけ少し早い。
それに目をつけ、正面衝突をしないよう手前で足を止めて薙ぐ。
「次!」
真綾の右側を通過し、天乃が少し間を空けて上段から剣を振り下ろし――討伐。
「よし」
だが、その間にもスライムの進行は止まっていない。
視野が狭くなっていた2人は気づいていないが、3体が同時に飛び掛かって来ていた。
「ここは俺が!」
2人と3体のスライムの間に和昌が割り込んで、【朱護の盾】を大きく展開。
スライム達は、盾沿いにズルズルと地面へと落ちた。
「チャーンス」
その隙を芹那が見逃さず、1体のスライムの頭上から剣で串刺しにし――討伐。
残り2体。
「少し下がって態勢を整えよう!」
このまま討伐することは可能だが、和昌はあえてその指示を出した。
「スライムは残り2体。だが、周りも警戒しつつ確実に仕留めよう」
足並みと呼吸を整えながら、スライム達との距離を把握しつつ辺りにも視線を動かす。
「ごめん、ちょっと視野が狭かったかも」
「だねー。さっきのは、さすがに反省しないと」
「大丈夫、これも練習の一環だ。体は熱く、頭は冷静にだ。とは言ってるが、俺自身も冷静じゃなくなってるなって思ったから、こうしてるわけだけど」
「あいや~、私もさっきは正直油断してた。このままなら余裕って思っちゃってたから」
「――よし、呼吸も整ったし周りにモンスターの気配もない。このまま視野を広くしつつ、行こう」
「じゃあさ、さっき真綾と天乃がやってたやつ、やってみようよ。今度は私と天乃、和昌と真綾って感じで」
「おっけーっ」
「わかった」
「いいな、それ」
「それじゃあお先っ」
今度は芹那が先に前へ、それを追うように天乃も前へ出る。
「よっと」
「はっ!」
事前の打ち合わせもあり、流れるような連携で1体を討伐。
「じゃあ、俺が前に行く――」
「はーいっ!」
「おらっ!」
「よいしょっと」
和昌は先ほどの反省を活かし、盾でスライムへタックル。
少しだけ後方へ押し出すかたちになり、真綾がスライムの頭上から剣を串刺しにして、討伐。
「おぉ! 上手くいったねー!」
「ああ、みんないい感じだった。ちゃんと連携しているって感じで」
「だね」
「うんうん。私、良い案出したでしょ」
「よし、まだまだ始まったばかりだ。このまま、いろんなことを試して経験を積んでいこう」
一行は成功体験を噛み締め、辺りへの警戒を怠らずに次の標的を索敵し始める。
(この調子だったら、本当にいい感じだ。このまま油断せず、みんなでどんどん強くなっていきたいな)
再び階層を移動した一行は、見渡す限りは誰も居ないことを確認。
しかし、それと同じく撤退前はあれほどいたモンスターの数も見当たらなくなってしまっていた。
「だがどうしたものか」
和昌は、顔をしかめる。
「でもでも、討伐数だけを確認されるんだったらこのままでもいいんじゃない?」
「だね。数を倒せる人達に諸々任せて、私たちは自分たちのペースを崩さないようにすればいい」
「私も同意見」
「それもそうだな」
一行は剣を抜刀し、少しだけ足を進める。
「さっきまでの光景が嘘だったみたいだね~」
「だな」
ダンジョンの中は基本的に殺風景なのだが、モンスターの姿が見えなくなってより拍車がかかっていた。
そして、他の探索者の声はなく、モンスターの声もない。
何かしらの反響音が少しでもあれば変わるのだが、それすらもなく。
「お、ちょうどよさそうなの発見」
芹那が指を差している方向には、5体のスライムの姿。緑色が2体、黄色が3体。
それぞれがタイミングを合わせることなく、ぽよんぽよんと跳ねたり動かずにいる。
「私たちが知っているスライムだけど、アレより大きいし、色によって若干の状態異常があったりするんだったよね」
「状態異常のことは詳しく知らないが、耐久力と攻撃力は増している」
「油断せずに戦いましょう」
「まずは俺が先導する」
和昌は、【朱護の盾】を左手だけ小さめに展開して前進。
(一人では戦わず、モンスターの注意を引きつけ……全員で連携して倒す)
心の中でそう言い聞かせ、連携力強化が目的ということを肝に銘じる。
全体を注視しながら足を進めること10歩程度でスライム達の目の前に辿りついた。
「【叶化の剣】なら、たぶん1撃で討伐できるだろうが……どうやったて注意を引けばいいんだ……? わからんから、1撃だけ!」
その場でぽよんぽよんと跳ねているだけのスライム達――の、正面に居るスライムへ【叶化の剣】を突き刺した。
すると、
「あ」
剣が体内にぶにゅっと刺さったと思ったら、ドロドロに溶け始めてしまった。
「やらかした――が、これでよさそうだ」
故意ではないが、開幕早々に1体のスライムを討伐してしまった。
しかし、残りの4体が敵意をむき出しにしているかのように近づいてきたから、和昌は後方へ駆け戻る。
「ごめん、上手くいかなかった!」
「よーし、やっるよー」
「うん」
「よしきた」
まず初めに跳び出したのは真綾。
大体同じ速度でスライム達は接近してきているものの、向かって一番右のスライムだけ少し早い。
それに目をつけ、正面衝突をしないよう手前で足を止めて薙ぐ。
「次!」
真綾の右側を通過し、天乃が少し間を空けて上段から剣を振り下ろし――討伐。
「よし」
だが、その間にもスライムの進行は止まっていない。
視野が狭くなっていた2人は気づいていないが、3体が同時に飛び掛かって来ていた。
「ここは俺が!」
2人と3体のスライムの間に和昌が割り込んで、【朱護の盾】を大きく展開。
スライム達は、盾沿いにズルズルと地面へと落ちた。
「チャーンス」
その隙を芹那が見逃さず、1体のスライムの頭上から剣で串刺しにし――討伐。
残り2体。
「少し下がって態勢を整えよう!」
このまま討伐することは可能だが、和昌はあえてその指示を出した。
「スライムは残り2体。だが、周りも警戒しつつ確実に仕留めよう」
足並みと呼吸を整えながら、スライム達との距離を把握しつつ辺りにも視線を動かす。
「ごめん、ちょっと視野が狭かったかも」
「だねー。さっきのは、さすがに反省しないと」
「大丈夫、これも練習の一環だ。体は熱く、頭は冷静にだ。とは言ってるが、俺自身も冷静じゃなくなってるなって思ったから、こうしてるわけだけど」
「あいや~、私もさっきは正直油断してた。このままなら余裕って思っちゃってたから」
「――よし、呼吸も整ったし周りにモンスターの気配もない。このまま視野を広くしつつ、行こう」
「じゃあさ、さっき真綾と天乃がやってたやつ、やってみようよ。今度は私と天乃、和昌と真綾って感じで」
「おっけーっ」
「わかった」
「いいな、それ」
「それじゃあお先っ」
今度は芹那が先に前へ、それを追うように天乃も前へ出る。
「よっと」
「はっ!」
事前の打ち合わせもあり、流れるような連携で1体を討伐。
「じゃあ、俺が前に行く――」
「はーいっ!」
「おらっ!」
「よいしょっと」
和昌は先ほどの反省を活かし、盾でスライムへタックル。
少しだけ後方へ押し出すかたちになり、真綾がスライムの頭上から剣を串刺しにして、討伐。
「おぉ! 上手くいったねー!」
「ああ、みんないい感じだった。ちゃんと連携しているって感じで」
「だね」
「うんうん。私、良い案出したでしょ」
「よし、まだまだ始まったばかりだ。このまま、いろんなことを試して経験を積んでいこう」
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