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第二章
第5話『不慣れな学園生活、しかし噂の的』
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休み時間、秋兎はため息を零す。
「黒織くん、どうかしたの?」
「いやさ、久しぶりの勉強だったから疲れたんだよね」
「ん? 久しぶりなの?」
(あ)
頭が疲れたから、つい本音がそのまま出てしまい、必死に言い訳を考える秋兎。
「いや、えーっと……」
「もしかして、こんな時期に転入して来たってことは海外に居たとか?」
「――そ、そう。そうそう、そういうわけなんだ。それで、いろいろあって学校に通えなくてさ」
「え……そうだったんだね。いろいろと大変だったでしょう」
「ま、まあ? それなりに」
(海外という名の異世界に行っていたわけだし、そこで学校に通っていたわけでも勉強をしていたわけでもないから嘘ではないよな)
と、表情暗く真摯に話を受け止めてくれている桜に対して、秋兎は自身に罪悪感が残らないよう腑に落とした。
「だからさ、俺ってみんなが想像している以上に勉強できないんだ」
「わかったよ。一緒に頑張ろうね」
「ありがとう、桜さん」
「でもさ、先生たちはそのことを知っているの?」
「んーまあ、たぶん? 学園長が諸々の事情説明をしてくれるって話ではあったかな」
「なら大丈夫そうだね。でも、もしかしたらそのことを面白がって茶化してくる人が居るかもしれないから、その時は遠慮なく言ってね」
「そうさせてもらうよ」
しかし、秋兎は思う。
(地上や学園では、力を制限しなければならない――とは制約として設けられているけど、『力を行使してはならない』じゃないんだよな。なら、もしもの時には加減さえすれば問題ないってことで間違いないよな?)
と、異世界で鍛え上げられ培った力を謎の自信へと変換する。
「休み時間はそんなに長いわけじゃないけど、少しだけ校内を歩いてみない?」
「え、でもそれじゃあ桜さんが授業の準備――」
「大丈夫大丈夫。校庭まで通路を行って戻ってくるだけの予定だから」
「なるほど、それならお願いしちゃおうかな」
「じゃあ――ん? どうかしたの?」
秋兎は桜と目線を合わせて話をしていたのだが、3人の姿が視界に入ってしまった。
しかも、彼女たちは誰の目線を気にすることもなく、真っ直ぐに秋兎の元へと歩き始めている。
「アキト様、そちらのお方は? もしかして……」
「何を言っているんだセシル。この人は桜さん。クラス委員長で、何もわからない俺にいろいろと教えてくれている人だ。みんなだって、教室でそういう人が居ただろ?」
「はい、そうです。失礼致しました桜さん」
「い、いえ?」
入ってきて早々に疑いの眼差しを向けてきたと思ったら、急に深々と頭を下げられて謝罪をされたものだから、桜は状況を理解するまでにかなり時間がかかっている。
「秋兎くんって、この学校に知り合いの人が居たんだね」
「いや――ああ、まあそうではあるけどそういうわけじゃないんだ」
「え?」
「知らなくて当然だ。今、そこに立っている3人は俺と一緒にこの学園へ転入してきたんだ」
「ん、え??」
「理解が追いつかないのもわかる。信じられない話ではあるが、実は本当の話なんだ」
「な、なるほど……」
このまま何事もなく、とりあえず教室から対比したいところではあったが……。
「え、あの銀髪の子かわいいっ」
「私は、あの紅髪の子が好き~」
「おいおい。あんな金髪美少女、この学園に居たっけ」
「うひょー、眼福眼福。何年生なんだろうな」
教室中から、そんな話声が徐々に大きく伝染していく。
それだけではなく、話を聞きつけた他教室の人間まで廊下から覗き込み始めている。
「3人とも、桜さんに軽く自己紹介をしてあげてくれ」
「かしこまりました。私の名前はセシルと申します。アキト様のこと、どうかよろしくお願い致します」
「ボクの名前はマリーだよ。よろしくねっ」
「妾の名は、フォルじゃ。その歳にして人に物事を教えられるとは、大した者よの」
「え? アキト様……? 妾? え?」
「桜さん、いろいろと混乱するよね。その気持ち、俺ならわかってあげられるよ」
「あ、ありがとうございます?」
桜は、急に自身が何か物語に入ってしまったかのような錯覚を覚えてしまい、誰と何を話しをしているのかわからなく混乱している。
そして、自己紹介が終わる頃には人だかりが凄いことになっていた。
「えーっと、桜さん」
「はい、どうしましたかアキト様」
「いやいや、現実に戻ってきて桜さん」
「え、あ――う、うん。今戻ってきた」
「このままだと周りの目が気になって仕方がないから、さっき提案してくれた案内をお願いしてもいいかな」
「もちろん大丈夫だよ。でも、みんな違うクラスなら、それぞれのクラス委員長にお願いした方がいいんじゃないかな?」
「いえ、その心配には及びません。少なくとも、私はそのお誘いを断ってきましたので」
「ボクもだよ~。どうせなら、アキト様と一緒じゃないと面白くないから」
「妾も同じじゃぞ。申し訳ない気持ちはあれど、自分の気持ちには嘘を吐けないからの」
「ははぁ……なるほど?」
「まあ、話は歩きながらってことで」
「そうね、じゃあ行きましょうか」
「黒織くん、どうかしたの?」
「いやさ、久しぶりの勉強だったから疲れたんだよね」
「ん? 久しぶりなの?」
(あ)
頭が疲れたから、つい本音がそのまま出てしまい、必死に言い訳を考える秋兎。
「いや、えーっと……」
「もしかして、こんな時期に転入して来たってことは海外に居たとか?」
「――そ、そう。そうそう、そういうわけなんだ。それで、いろいろあって学校に通えなくてさ」
「え……そうだったんだね。いろいろと大変だったでしょう」
「ま、まあ? それなりに」
(海外という名の異世界に行っていたわけだし、そこで学校に通っていたわけでも勉強をしていたわけでもないから嘘ではないよな)
と、表情暗く真摯に話を受け止めてくれている桜に対して、秋兎は自身に罪悪感が残らないよう腑に落とした。
「だからさ、俺ってみんなが想像している以上に勉強できないんだ」
「わかったよ。一緒に頑張ろうね」
「ありがとう、桜さん」
「でもさ、先生たちはそのことを知っているの?」
「んーまあ、たぶん? 学園長が諸々の事情説明をしてくれるって話ではあったかな」
「なら大丈夫そうだね。でも、もしかしたらそのことを面白がって茶化してくる人が居るかもしれないから、その時は遠慮なく言ってね」
「そうさせてもらうよ」
しかし、秋兎は思う。
(地上や学園では、力を制限しなければならない――とは制約として設けられているけど、『力を行使してはならない』じゃないんだよな。なら、もしもの時には加減さえすれば問題ないってことで間違いないよな?)
と、異世界で鍛え上げられ培った力を謎の自信へと変換する。
「休み時間はそんなに長いわけじゃないけど、少しだけ校内を歩いてみない?」
「え、でもそれじゃあ桜さんが授業の準備――」
「大丈夫大丈夫。校庭まで通路を行って戻ってくるだけの予定だから」
「なるほど、それならお願いしちゃおうかな」
「じゃあ――ん? どうかしたの?」
秋兎は桜と目線を合わせて話をしていたのだが、3人の姿が視界に入ってしまった。
しかも、彼女たちは誰の目線を気にすることもなく、真っ直ぐに秋兎の元へと歩き始めている。
「アキト様、そちらのお方は? もしかして……」
「何を言っているんだセシル。この人は桜さん。クラス委員長で、何もわからない俺にいろいろと教えてくれている人だ。みんなだって、教室でそういう人が居ただろ?」
「はい、そうです。失礼致しました桜さん」
「い、いえ?」
入ってきて早々に疑いの眼差しを向けてきたと思ったら、急に深々と頭を下げられて謝罪をされたものだから、桜は状況を理解するまでにかなり時間がかかっている。
「秋兎くんって、この学校に知り合いの人が居たんだね」
「いや――ああ、まあそうではあるけどそういうわけじゃないんだ」
「え?」
「知らなくて当然だ。今、そこに立っている3人は俺と一緒にこの学園へ転入してきたんだ」
「ん、え??」
「理解が追いつかないのもわかる。信じられない話ではあるが、実は本当の話なんだ」
「な、なるほど……」
このまま何事もなく、とりあえず教室から対比したいところではあったが……。
「え、あの銀髪の子かわいいっ」
「私は、あの紅髪の子が好き~」
「おいおい。あんな金髪美少女、この学園に居たっけ」
「うひょー、眼福眼福。何年生なんだろうな」
教室中から、そんな話声が徐々に大きく伝染していく。
それだけではなく、話を聞きつけた他教室の人間まで廊下から覗き込み始めている。
「3人とも、桜さんに軽く自己紹介をしてあげてくれ」
「かしこまりました。私の名前はセシルと申します。アキト様のこと、どうかよろしくお願い致します」
「ボクの名前はマリーだよ。よろしくねっ」
「妾の名は、フォルじゃ。その歳にして人に物事を教えられるとは、大した者よの」
「え? アキト様……? 妾? え?」
「桜さん、いろいろと混乱するよね。その気持ち、俺ならわかってあげられるよ」
「あ、ありがとうございます?」
桜は、急に自身が何か物語に入ってしまったかのような錯覚を覚えてしまい、誰と何を話しをしているのかわからなく混乱している。
そして、自己紹介が終わる頃には人だかりが凄いことになっていた。
「えーっと、桜さん」
「はい、どうしましたかアキト様」
「いやいや、現実に戻ってきて桜さん」
「え、あ――う、うん。今戻ってきた」
「このままだと周りの目が気になって仕方がないから、さっき提案してくれた案内をお願いしてもいいかな」
「もちろん大丈夫だよ。でも、みんな違うクラスなら、それぞれのクラス委員長にお願いした方がいいんじゃないかな?」
「いえ、その心配には及びません。少なくとも、私はそのお誘いを断ってきましたので」
「ボクもだよ~。どうせなら、アキト様と一緒じゃないと面白くないから」
「妾も同じじゃぞ。申し訳ない気持ちはあれど、自分の気持ちには嘘を吐けないからの」
「ははぁ……なるほど?」
「まあ、話は歩きながらってことで」
「そうね、じゃあ行きましょうか」
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