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第9夜 中国魔法
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精霊王のパーティーで犠牲者が1人出てしまった。 そしてパーティーは会場にかけられた黒魔術の呪いから逃れるために避難するカタチで終了した。
オレ達は、安全のためかそれとも全員容疑者なのか、精霊王が手配した決められたコテージでおのおの休むことになった。 使い魔達は今夜はカゴに入れられ精霊王に預けることになった。 誰かが使い魔に命じて殺人した疑惑があるらしい。
オレの使い魔のミニドラゴンルルも、非力な使い魔ながらも一応は調べるとのことで精霊王の部下達が動物用のケージに入れらる。 ケージは魔力の札で封印が施されており、可哀想にルルは怯えている様子だ。
「キュー、ボク何もしてないキュー!」
必死に無実を訴えるルル。
「ルル、分かってるよ。明日の朝迎えに行くからな」
「キュー! マスター千夜待ってるキュ……」
ミニドラゴンのルルが赤い羽根を丸めてカゴで鳴いている。
また、シャルロットの使い魔である魔法猫もケージに入れられ連れて行かれることになった。
「にゃーん」
「大丈夫よ。 明日迎えに行くわ」
シャルロットが優しく声をかける……ルル達、大丈夫だろうか?
シャルロットがオレの方をクルリと向いた。 愛猫と離れて寂しそうな表情だ。
「千夜さん、今日は助けてくださってありがとうございました。さすがは初代境界ランプ……どんな状況であっても空間移動が可能なんですのね?」
「そういえば、あの時どうして他の人達はランプを使って逃げなかったんだ」
素朴な疑問をシャルロットに問う。
「今日のパーティー会場での黒魔術殺人はかなり高度なもの……結界が張られていて破るには大変大きな魔力を消耗します。初代境界ランプ以外のランプはレプリカに近いものなので高度な魔法には対抗できないんです」
他のランプはレプリカ……なんだかオレは自分の持っている境界ランプの魔力の大きさを改めて実感した。
すると金髪メガネのランディがオレに忠告してきた。
「気を付けなよ。初代ランプを狙うヤツも出てくるだろうし、今日も1人殺されたし……。 本当に危険だったらボク達一族もランプの権利の辞退を検討するよ。 おやすみ」
「おやすみなさい……」
ランディ達は用意されたコテージに向かって行った。 シャルロットとランディーは親戚なので同じコテージなのかと思いきやそれぞれ離れたコテージが用意されているそうだ。 シャルロットはまだ14歳の少女……大丈夫なのだろうか?
「あー今日は大変だったね。ルルも捕まっちゃうし……」
リー店長がコテージのソファーに座りコーヒーを飲みながら言った。
コテージはリー店長、精霊セラ、オレの3人で泊まることになった。 部屋はそれぞれ小さい部屋がひとつずつ与えられているが、なんとなく不安でリビングに集合してしまっている。
リビングには薪ストーブが用意されており日中は暑いが夜は冷え込むこの国では必須アイテムのようだ。
「どうする? 万が一何かあった時のために今夜はこのリビングでみんな休む? このソファー倒してベッドになるみたいなんだよね。ちょうど人数分のベッドになるよ」
万が一……店長も不吉なことを言うな……でも気持ちは分かる。
「私は千夜さんのお付きの精霊なので千夜さんがここで休むならそうします」
精霊セラはオレに合わせるそうだ。
初代ランプは狙われるかも、と言われたばかりだし……。
「じゃあ今夜はこの部屋で休みます」
オレ達は警戒しながら風呂を交替で済ませ、リビングのソファーベッドで休んだ。
翌朝……。
コンコンコン!
「はーい」
コテージの玄関ドアを開けると、精霊王の部下とケージから解放されたミニドラゴンのルルの姿があった。 ルルは小さな羽をパタパタさせてオレの肩にチョコンととまって甘えてきた。
「キュー! マスター千夜会いたかったでキュー!」
すっかりオレの肩の上はルルの定位置だ。
「ルル…どうでしたか?」
「空が飛べること以外は猫並みの攻撃力ですね……とてもじゃないがなにかできる使い魔ではないですよ。使い魔としてはそれも困りますが今回は容疑が晴れてよかったですね」
どうやら検査は無事に終わったようだ。 疑惑も晴れたし……。
「キュー! 魔法猫に引っ掻かれたキュー!」
魔法猫……シャルロットの紫色の猫のことだろうか?
「どうやら、殺害方法は中国魔法のようでした。中国魔法の使い手に気をつけるように……とのことです。犯人が判明するまでしばらくコテージ待機です。外出は精霊王所有コテージエリアの敷地内までは可能です。敷地内にはレストランや売店もあるので生活には困らないと思います。では失礼します」
精霊王の部下が礼儀正しくお辞儀をしてきたので、オレも慌ててお辞儀をする。
「ありがとうございました」
ルルを肩に乗せながらコテージのリビングに戻ると、リー店長が何やら鞄から古びた本を取り出して手帳にメモを取っていた。
中国魔法……途中退室した3人は全員中国系の服を着ていたな。 同じ地域の人なのだろうか? 内輪揉めか?
「千夜君、何か分かった?」
「リー店長……殺害方法は中国魔法だそうです」
オレが告げると店長はメガネを掛け直し……。
「へえ、蠱毒(こどく)かな? 西洋系の魔方陣が使われていたけど、あれは視覚効果をみんなに与えるためのもので本命の魔術じゃなかったのかもね。 蠱毒(こどく)は中国魔法の中でもタチの悪い呪いだからとりあえず千夜君、虫に気をつけてね! ボクは精霊王に直々に話を聞いてくるからさ。 セラ……千夜君のことよろしく」
と、ジャケットを羽織りカバン片手に颯爽と外出してしまった。
「リー老師、お気をつけて」
「店長、行ってらっしゃい」
リー店長の背中を見送りながら、中国魔法の事ばかり気になってしまう。 虫に気をつける……蠱毒(こどく)とはどんな魔法なのか……オレとセラも自分達で中国魔法の蠱毒(こどく)について調べてみることにした。
オレ達は、安全のためかそれとも全員容疑者なのか、精霊王が手配した決められたコテージでおのおの休むことになった。 使い魔達は今夜はカゴに入れられ精霊王に預けることになった。 誰かが使い魔に命じて殺人した疑惑があるらしい。
オレの使い魔のミニドラゴンルルも、非力な使い魔ながらも一応は調べるとのことで精霊王の部下達が動物用のケージに入れらる。 ケージは魔力の札で封印が施されており、可哀想にルルは怯えている様子だ。
「キュー、ボク何もしてないキュー!」
必死に無実を訴えるルル。
「ルル、分かってるよ。明日の朝迎えに行くからな」
「キュー! マスター千夜待ってるキュ……」
ミニドラゴンのルルが赤い羽根を丸めてカゴで鳴いている。
また、シャルロットの使い魔である魔法猫もケージに入れられ連れて行かれることになった。
「にゃーん」
「大丈夫よ。 明日迎えに行くわ」
シャルロットが優しく声をかける……ルル達、大丈夫だろうか?
シャルロットがオレの方をクルリと向いた。 愛猫と離れて寂しそうな表情だ。
「千夜さん、今日は助けてくださってありがとうございました。さすがは初代境界ランプ……どんな状況であっても空間移動が可能なんですのね?」
「そういえば、あの時どうして他の人達はランプを使って逃げなかったんだ」
素朴な疑問をシャルロットに問う。
「今日のパーティー会場での黒魔術殺人はかなり高度なもの……結界が張られていて破るには大変大きな魔力を消耗します。初代境界ランプ以外のランプはレプリカに近いものなので高度な魔法には対抗できないんです」
他のランプはレプリカ……なんだかオレは自分の持っている境界ランプの魔力の大きさを改めて実感した。
すると金髪メガネのランディがオレに忠告してきた。
「気を付けなよ。初代ランプを狙うヤツも出てくるだろうし、今日も1人殺されたし……。 本当に危険だったらボク達一族もランプの権利の辞退を検討するよ。 おやすみ」
「おやすみなさい……」
ランディ達は用意されたコテージに向かって行った。 シャルロットとランディーは親戚なので同じコテージなのかと思いきやそれぞれ離れたコテージが用意されているそうだ。 シャルロットはまだ14歳の少女……大丈夫なのだろうか?
「あー今日は大変だったね。ルルも捕まっちゃうし……」
リー店長がコテージのソファーに座りコーヒーを飲みながら言った。
コテージはリー店長、精霊セラ、オレの3人で泊まることになった。 部屋はそれぞれ小さい部屋がひとつずつ与えられているが、なんとなく不安でリビングに集合してしまっている。
リビングには薪ストーブが用意されており日中は暑いが夜は冷え込むこの国では必須アイテムのようだ。
「どうする? 万が一何かあった時のために今夜はこのリビングでみんな休む? このソファー倒してベッドになるみたいなんだよね。ちょうど人数分のベッドになるよ」
万が一……店長も不吉なことを言うな……でも気持ちは分かる。
「私は千夜さんのお付きの精霊なので千夜さんがここで休むならそうします」
精霊セラはオレに合わせるそうだ。
初代ランプは狙われるかも、と言われたばかりだし……。
「じゃあ今夜はこの部屋で休みます」
オレ達は警戒しながら風呂を交替で済ませ、リビングのソファーベッドで休んだ。
翌朝……。
コンコンコン!
「はーい」
コテージの玄関ドアを開けると、精霊王の部下とケージから解放されたミニドラゴンのルルの姿があった。 ルルは小さな羽をパタパタさせてオレの肩にチョコンととまって甘えてきた。
「キュー! マスター千夜会いたかったでキュー!」
すっかりオレの肩の上はルルの定位置だ。
「ルル…どうでしたか?」
「空が飛べること以外は猫並みの攻撃力ですね……とてもじゃないがなにかできる使い魔ではないですよ。使い魔としてはそれも困りますが今回は容疑が晴れてよかったですね」
どうやら検査は無事に終わったようだ。 疑惑も晴れたし……。
「キュー! 魔法猫に引っ掻かれたキュー!」
魔法猫……シャルロットの紫色の猫のことだろうか?
「どうやら、殺害方法は中国魔法のようでした。中国魔法の使い手に気をつけるように……とのことです。犯人が判明するまでしばらくコテージ待機です。外出は精霊王所有コテージエリアの敷地内までは可能です。敷地内にはレストランや売店もあるので生活には困らないと思います。では失礼します」
精霊王の部下が礼儀正しくお辞儀をしてきたので、オレも慌ててお辞儀をする。
「ありがとうございました」
ルルを肩に乗せながらコテージのリビングに戻ると、リー店長が何やら鞄から古びた本を取り出して手帳にメモを取っていた。
中国魔法……途中退室した3人は全員中国系の服を着ていたな。 同じ地域の人なのだろうか? 内輪揉めか?
「千夜君、何か分かった?」
「リー店長……殺害方法は中国魔法だそうです」
オレが告げると店長はメガネを掛け直し……。
「へえ、蠱毒(こどく)かな? 西洋系の魔方陣が使われていたけど、あれは視覚効果をみんなに与えるためのもので本命の魔術じゃなかったのかもね。 蠱毒(こどく)は中国魔法の中でもタチの悪い呪いだからとりあえず千夜君、虫に気をつけてね! ボクは精霊王に直々に話を聞いてくるからさ。 セラ……千夜君のことよろしく」
と、ジャケットを羽織りカバン片手に颯爽と外出してしまった。
「リー老師、お気をつけて」
「店長、行ってらっしゃい」
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