捨てる神あれば拾う神あり こんな僕でいいってどこ見て言ってんの?

琴音

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一章 神様はいじわるだけど

5.可愛いわがまま

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 うー眠い。お昼食べたら少し寝よう、そうしよう。

「斎藤さんが眠そうなの珍しいですね。夜ふかし?」
「うん、ちょっと」

 柳瀬がニヤニヤしてヤな感じ。

「昨日なんか面白い番組とかありましたっけ?」
「いや、友達と飲んでたんだよ」

 大嘘、エッチしてて眠いとか言えないだろ。

「ふーん。彼女じゃないの?」
「いないよ。前に別れたって言ったろ」

 そう、ゲイは隠しているからね。彼ではなく彼女ってことにしている。それに派手に別れて半年で新しい彼とか言いにくくて。

「そうですねぇ。斎藤さん彼女と別れてから寂しそうだったからね。友だちはいい気晴らしになったでしょ?」
「うん。僕はコミュ障だから恋人は簡単には見つかんないから友だちは大切。何言わせるんだよ、放っといて!」

 投げやりになったら、うははと笑われた。失礼な。

「仕事では出来てるのにね、斎藤さんの素は地味だから」
「うるせえよ」

 柳瀬は会社では一番仲がいい。たまに仕事終わりに飲んだりもする仲だ。他とも仲は悪くはないけど、コミュ障全開になるから会社の飲み会くらいだね。まあ、誘われても断るけど。

「今度飲みに行きましょうよ」
「うん、今度ね」

 淡々と仕事を終わらせ、運良く電車で座れたらスーッと寝ちゃった。あの電車の音って眠くなるんだよね。あんなにうるさいのにさ。
 そろそろかと目を開けたら、あん?……ここどこ?

 ヤバッ乗り過ごした!二十分のつもりで寝てたのに!焦って降りてホームで呆然。

「この駅名は倍は乗ってたか……あ~あ」

 電車が行ってしまうと静かなホーム。反対側はすぐに来ないのだろう。人はまばら。

「夕飯間に合わないかも……」

 今日は少し早く帰れるかもって広翔言ってたのに。あ~あ、こんな時に乗り過ごすとかないわあ……

「あ、やっぱり帰ってたか」

 広翔の部屋のドアを開けると中が明るかった。ふう……

「広翔ごめん。電車乗り過ごして今になった」
「おかえり千広。気にしなくていいよ。ほら抱っこ」
「うん」

 僕は一応スーパーで買い物はしてきた。こんな時はカレーでしょと思ってさ。

「キスも」
「うん」

 チュッと軽くして腕に収まった。広翔の匂いに安心してギュッと腕に力がこもる。

「ごめんね。昨日し過ぎだから眠かったんだよね。俺もでさ、コーヒー飲みまくってたんだ。でも反省はしない。千広かわいいから抱きたいし」
「うん。広翔」

 おう、こんなことしてる場合じゃねぇ。飯を!

「すぐ作るよ!」
「うん。いなかったからお米だけ炊いておいた。もうすぐだと思うよ」
「ありがとう!」

 急いでじゃがいもとか剝いて、鍋に入れたらレタスとかちぎってサラダの用意。後スープか!ブロッコリーあったよね。野菜室をゴソゴソ、あった。それ使って、えーっとね。なんとか一時間以内に出来上がり。

「広翔ご飯できたよ」
「はーい」

 ふたりでカレーを食べながら、なんでもないおしゃべり。

「柳瀬って仲のいい同僚がいてね」
「うん」

 唯一世間話を多くする子なんだと話した。仕事も出来るんで助かってて、僕が眠そうなのをからかってきてさって。

「ふーん。そいつとは飲みにも行くんだ」

 もぐもぐ食べながら広翔は聞いてくれる。

「たまに映画とか、買い物も一緒に行ってたかな。そういうの元彼はしてくれなかったから」
「そう」

 元彼は一年過ぎた辺りから、僕の用事には付き合ってくれなくなっていた。自分のは付き合わせくせに。しょうがなくその時に僕も合わせて買い物とかするようにしてたんだ。
 でもねぇ、それだけじゃ足りない日もあって、ひとりも寂しいから誘うんだけど、勝手に行けってさ。そんな嫌な記憶も頭を掠めた。

「千広、俺は付き合うから言ってね」
「ありがとう」

 あのさ、時間が合わなくてもそいつは誘わないでって。

「ん?別に友達みたいなもんだよ?」
「そうだけどさ。なんかイヤ。俺いるのにさ」
「うん分かった」

 そこから広翔は黙っちゃった。なんで?あなたも友だちと遊ぶでしょう?同僚ともさ。僕は少ないけど、たまに大学の時の友達とも遊ぶしね。

「どうしたの?」
「うん。千広好きすぎて嫉妬してる」
「へ?」

 ええ?友達とも会うのも嫌がってくれるの?マジで?

「うわあ。嬉しいかも!そんなに好かれたことなかったから新鮮だ」
「バカにしてる?」

 カレーを口に運びながら上目遣い。

「してないよ。いつも僕が好きなだけなんじゃないかと思ってたから。こんなこと言われたの始めてだ。ふふっ」
「俺の愛情を舐めないでよね。ストーカーみたいな事するくらい千広が好きで告白したんだから」
「うん。ありがとう」

 そうね、スーパーで付けていたくらいだって言ってたよ。

「告白されて半年かあ。もうそんなに経ってたんだね」
「うん。楽しくてそんな経ったんだと驚くね。俺は」
「ふふっそうだね」

 食事が終わると広翔が片付けてくれる。その間に僕はお茶を用意するんだ。ふたりとも晩酌はしないから。たまには飲むけど、毎日はしないんだ。同僚とかに聞くと斎藤さん晩酌しないの?って驚かれるけどさ。

「んー俺も会社では珍しい部類になってるね。でもさ、そんなに酒飲みたい?」
「いや、僕も毎日はなくていいって思ってる。飲むのは外でみんなと楽しくとか、休みの前に少しってくらいでいい」

 広翔も一日の終わりは酒でしょうって言われるようだ。でもこうやってお茶がその代わりになってるから特に困らない。

「お酒ってイベントの時って俺思ってるんだよ。毎日飲むものではなくてさ」
「うん。同感」

 くあ~ふっあくびが出る。眠い、御飯食べると本気で眠い。

「広翔帰るね。眠くて無理だ」
「え~帰るの?俺も眠いけど一緒にいたい」
「もう。お風呂入る時間もあるからさ」
「泊まって朝に着替えに戻ればいいじゃん」

 あれ?広翔どうしたのかな。

「そんなこと言ったことないでしょう。どうしたの?」

 立ち上がった僕を見上げ、すがるような目をしている。あん?

「昨日一緒にいれたから……朝目覚めた時、休みじゃなくてもちーちゃんいるのが嬉しくて」

 おう、エッチの時でなくてちーちゃんと呼び出したぞ。かなり甘えモードになってるのかな。は~そんな目で見ないでよ。心がグラっとする。

「広翔、社会人は体調管理もお仕事でしょう」
「そんなのは知ってるよ。突発で休むなんてほとんどしない。でも……」
「うーん……」

 正直に言うと、隣に広翔いるとしたくなるんだよ。いい歳こいてなんだけど、したくてどうしようもなくなる。だから平日は帰ってたんだ。これ言うの恥ずかしいんだよなあ。隣に座り直した。

「広翔、僕はあなたが側にいるとね……その」
「なに?」

 うっ……顔が真っ赤になるのが分かった。変な汗も出てきてどうしよう。

「なに?ちーちゃん」
「あのね……その……寝られないんだ」
「え?人と寝るの苦手だったの?それはごめんね」

 あ~違うんだ。そうじゃなくてね。

「違うんだよ。そのね……」

 もう汗がダラダラ。恥ずかしさで言葉に出来ない。俯いて顔も上げられない。

「ちーちゃん?こっち向いてよ」

 恐る恐る顔を上げた。なんでって顔はしてたけど、どうも察しているようだね。

「ちーちゃんも俺と同じ?」
「広翔はなに考えてんの?」
「ふふっ俺はね。ちーちゃんを俺のモノだといつでも感じたい。毎日したい」

 何をだよ!でもわざと聞いてみた。

「何を?」
「そりゃあエッチ」
「うッ……」

 広翔は僕の頬を撫でてチュッて。

「ちーちゃんも同じでしょう。恥ずかしくて言えなかったんだよね」
「あ、あの……はい」

 ちーちゃんかわいい。エッチしたいって言えないとか!なんてかわいいんだって抱きしめてくる。

「僕受け身もいいところで、自分からしたいとか……中々言えなくて」
「うんうん。そんなちーちゃんが好き。泊まってくれる?」
「……うん」

 諦めた。抱かれる温かさが気持ちよくて、ここにいたいって思っちゃった。

「なら早いけど風呂入って寝よう?」
「うん。でも僕下着とか持ってきてないよ」
「んふふっいらないよ」
「いるよ!」
「ええ?俺のTシャツ来て下は履かなくても」
「はあ?」

 いいからってバスルームに連れ込まれた。

「ほら脱いで」
「いやあの」

 トレーナーをまくって、ズボンと下着もザッと下ろされた。

「広翔……」
「ちーちゃん……かわいい。ちんこ勃ってる」
「そりゃあ……期待しちゃうもん」
「うん」

 僕のをそっと掴んでにっこり。

「あっついね。硬いし」
「あのね!そういうのは言わないの!」
「なんで?俺に期待してくれてるんでしょう?だからこんななんでしょ?」

 先をくりくりとこすりながら。

「あふう……もう」

 エロくなってる広翔に言っても無駄なのはこの半年で知ってる。

「早く入ってちーちゃん抱かせて!ほら!」
「うん」

 昨日と同じような……まあいいか。広翔大好きだし、こんなに求められるとくすぐったいけど、いやじゃない。それどころか欲しい、昨日してるのにね。

 僕の広翔への愛は増すばかりだなあ。彼の幸せそうな顔をもっと見たい!って思っちゃう。もう歯止めは効かないね。あはは……











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