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一章 神様はいじわるだけど

12.忘れてた

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 夜は一緒に早めにご飯食べてお風呂も入って、広翔の朝早い出勤に合わせた。僕に合わせたら二時間は寝る時間が減るからね。

「千広、紅茶どこで買ってんの?この缶見たことない」
「ああ、デパートや輸入品が多い店とかネット」
「ふーん。毎回違うよね」
「同じアールグレイでもメーカーで味が違うんだよ。面白くなって順番に買ってる」

 広翔は夜は紅茶が多い。夏はアイスで冬はホット。コーヒーは昼間しか飲まない。僕はどんな時間でも飲むけど。
 だから僕は家にティーパックのくらいしか置いてなかったんだ。でもここんちは缶で茶葉、ポットとかセットであったんだ。

「紅茶は趣味かな。色んなの飲んでた時期があったけど、千広と出会う頃には一つに絞ってた」
「これだよね」

 黒い缶のセイロン。めっちゃ高いんだ。僕ひとりならまず買わない。

「俺別に高いから美味いとは思ってないんだけど、ここのが口に合ってね。まあ、飲まない日も多いし、すぐ減らないんだ」
「ふーん」

 そうだよなあ。ご飯食べて風呂入ってすぐ寝るじゃ淹れてる時間なんてないもん。

「あ~これなに?」
「オレンジペコ」
「だよねえ……美味い」

 以前銀座の商業施設の入口ホールあたりでイベントしてて、スリランカ産の紅茶の輸入商の人に「日本の軟水に合う紅茶の淹れ方」を教わった。
 イギリスとかヨーロッパ式に淹れるとえぐ味まで出るからって。そのやり方だと、お茶の甘さと香りの高さ、余分な苦みなどがなくて本当に美味しいんだ。これは僕が見つけたから本には載ってないよって。

「千広が淹れてくれるお茶は美味いよね」
「ありがとう。今度教えるよ」
「うん」

 僕は広翔に寄りかかり携帯をいじってた。いつも見てるところを巡回したり、ゲームしたり。広翔も似たようなもん。黙ってても居心地が悪いなんてもうない。

「お茶のおかわりいる?」
「いや、もう寝る」
「うん」

 ならばとカップをキッチンに下げて洗ってかごに入れた。振り返るともう寝室に行ったのか広翔はいなくて、僕も向かう。

「洗い物ありがとう」
「ううん」

 僕は隣にゴソゴソと入って抱かれた。

「おやすみ広翔」
「……忘れてる?」
「あ?何を?」

 顔をクイッと上げられて僕を見つめる。うん?

「寝よ?時間ないよ。寝られる時は寝なくちゃ」
「そうだね。でも俺はもっと大事なことがある」
「はあ……」

 何かあったかな?うーん……

「ちーちゃん分かんない?」
「うん」

 はあ……ってため息。なんだよ。

「俺朝言ったよね?」
「朝?………あ」
「思い出した?」
「……うん」

 ぶわわわーって顔が真っ赤になった。

「かーわいい。ほら言って」
「あ、あの……」

 うわーどうしよう。一言なのにその言葉はとてつもなく恥ずかしい。

「ちーちゃん」
「うん」

 僕は顔見ながらとかムリ!絶対ムリ!胸に抱きついて顔を埋めて、蚊が鳴くような声が精いっぱい……

「あの……」
「うん」
「だ、抱い…て…」
「抱っこ?」

 出たな意地悪!分かるじゃん!抱いてでさあ……もう。

「したい」
「何を?」

 まだ言うか!恥ずかしくて手を握り込んだ。彼の胸の鼓動も少し早くなってきてる気もする。

「え、エッチしたい」
「ならちーちゃんからキスしてよ」
「あ?」

 死ぬ、恥ずかしくて死ぬ。僕からするのはハードル高い。あいさつっぽいのとか、してる最中ならともかく……

「ほら」
「うー……」

 体をぐいっで起こされてねぇねぇって。体まで真っ赤になってるんじゃないかってくらいだよ!僕セックスに関することを口にするとか、行動するとか、いくつになっても何度しても恥ずかしいのがなくならない。

「俺の寝る時間がなくなるよ?」
「はう……」

 た、確かに。よし!キスするのにこんな決意してするもんじゃないんだろうけど!僕は首に腕を回して……ハァハァ…緊張で息が荒くなる……はむって口に。

「んふっちーちゃんよく出来ました」
「あ、んん~っ恥ずかしいんだよぉ」
「俺見てるだけで興奮した」

 そこからは広翔は優しく僕をなで回す。恥ずかしさで興奮してた分僕も……

「ちーちゃんのココすごく硬くなってる」
「ん…あん。報告しなくていい」

 言われなくても自分が一番知ってる。恥ずかしさの先を考えないわけないんだから!

「キスと乳首でこんなに漏れて」
「ハァハァ……やめて」
「やめない。ちーちゃんは言葉責め有効だから」
「うう……」

 先をヌルヌルと刺激しながら乳首を責めてくる。あ、あはっ…くっ……あぁあっ

「ゔうっ!」

 カリッと乳首を噛まれるとブルブルと震えが来た。気持ちよくて……

「すげぇ漏れる」
「あぁうっ…ほんとやめ……」

 とっくに全裸になってるから、股間からいやらしい音がする。

「聞こえる?エッロい音。ちーちゃんのから出てるんだよ?」
「あ…ふっ……やだ……」
「気持ちいいね」

 広翔の体が離れ袋を破る音がして、パキンとフタの開く音が。期待する自分がいる。

「欲しそうな顔」
「ヤダ!何言ってっ」
「欲しいでしょ?俺こんなだよ?」

 大きく勃起してる……色も…広翔もいやらしい顔してる。

「ほら脚開いて」
「う、うん」

 いつもは勝手に開いて入れるのに。

「ああ、朝もしてるから柔らかそうだ」
「ひゃ…っ」

 ローションを手に取りぬぷんって。

「はああ……あぁ…」
「いいね。解さなくても入るけど……」

 中をなで回す。広翔の触り方に慣れてしまって、この後はこうしてくれるって……

「気持ちいいねぇ。腰が反ってる」
「あぅ…あんまり……出ちゃうよ」
「きゅうぅってするもんね」

 言葉にビクッとした。

「指でイク?」
「イヤっひろちゃんのがいい」
「ふふっうん」

 指が抜かれるだけで気持ちいい……

「ひろちゃん入れてぇ」
「ふふっ」

 ゆっくり僕を抱きしめて首にキスして、耳を舐める。

「もう一回言って」
「入れてぇ」
「その震える声堪んねえ」

 ズンッと奥まで押し込む。うぅあぁ……

「もうビクビク。ちーちゃん感じやすいよね」
「やめて……ひろちゃんが僕をこんなにしたんだよ」
「ふふっそうかな?元からだろ」
「違うもん!こんなじゃ」

 そう?と言いながら腰を振る。一気に快感が襲ってきてもうムリ。

「ひろちゃ…もっとぉ」
「うん」

 グチュぐちゅと擦れるたびに気持ちよさが……昨日もしてるのに……

「その声堪んねえ。ちーちゃんの声エロいよね」
「ふえ?」
「かわいい声だよ」

 そんなこと言われたことない!あう!

「くうっ!」
「ダメぇ……あーーっ」
「すげぇ締め付け。堪んねえな」

 僕がイッて朦朧としてる中ズンズンと……

「俺ももう……イクッ」

 ビクンッとして出しながらキスを…激しく……あんっ奥にドクンドクンと感じる。んふぅ…

「ハァハァ……」
「ひろちゃん……大好き」
「俺もだ」

 素肌が気持ちいい。汗ばんだ……ひろちゃん……大好きだ。どうしよう……大好き……





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