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花嫁〜獣の世界編
16 この世界の発情シーズン突入 1
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夏真っ盛りである。
屋敷は常春で過ごしやすいけど、内門をくぐると太陽の色さえ違う気までする。
「暑い!くっそ暑い!」
「ここはまだ本番の暑さじゃないよ」
「暑いわ!」
「なら俺の神域を完全に出てみろよ。ほら歩け」
坂道を下るとすぐに暑い。道の一番下の夜提灯が下げてあるところの外門を一歩出ると木もなくなり暑さが増す。歩けば歩くほど暑さは増していく気までする。
「ここらはこの世界の普通の気温」
「し……死ぬ……昔でもこんなに暑かったっけ?」
「猛暑日が今より少なかっただけだよ」
「なにそれ……嫌だあ」
僕らは翠の管理地にある滝つぼに向かっていた。夏はやはりプールでしょ。こちらにも海はあるけど人より大きなクラゲ、よくわかんない怪獣のようなカサゴ(美味しいらしい)がいるらしい。間違うと食われるそうだ。だから人の僕はダメって。あれは対策できる人しか行っちゃダメ。つか、この世界の人は海水浴などしないそう。そりゃあそうか。毛皮の人が多いもんね。
爬虫類の人もいるし水が好きな人もいるけど、海は行かないなあって翠。水が塩辛いのを嫌うそうだ。だから自分の地の池や川が主な遊び場所らしい。
「あづいぃ……」
「もうすぐだよ」
「なんで翠はそんな涼しげな顔ができるの?」
横を向けば汗一つかいてない。なんでよ。人の姿なら汗腺あるでしょ。狐の姿なら仕方ないけどさ。見上げる僕を見下ろしふふんと鼻を鳴らす。
「俺は神様だから暑さも寒さもあんまりかな。嘘、竜と狐のハイブリッドだからかもな」
「はあ」
嘘くさい説明である。なにかの力を使ってだろうと僕は疑っている。だが、こういったことに関しては絶対に口を割らない。だから諦めている。
「ほら着いたぞ」
「おおーっいつも音だけは聞こえてたけどなかなか」
本当に小さな滝で池みたいになっている部分がある。心なしかここは少し涼しいかな。木々が日陰を作ってるからかもね。
「ここは湧き水が流れ込んでるからそうそう水温は上がらない。ちょうどいいくらいだよ」
翠がいい眺めだなって言ってる間に僕は着物は脱ぎどぼーん。ひゃほう!冷たくて気持ちいい。わんわんがピクニックの準備してシートを敷き、大きな赤い番傘を地面にブスリ。翠はその下で横になっている。水は気持ちいいくらいかな。
「翠は入らないの?」
「俺?俺は狐だから入らない」
「竜の息子でしょ?」
「それは関係ない。俺はキツネ。水は嫌い」
「マジか」
「私が行きます!やっほーい!」
わんわんがすぐに脱いで勢いよく飛び込む。頭まで沈み顔を出した。
「ブハッ水はいいですなあ。犬は水遊びが大好きなのですよ」
「知ってる。遊ぼう!」
「はい!」
僕らは体が冷えるまで遊んでいたが、猫のマオと翠はシートの上で冷たい目を僕らに向ける。
「犬は……ったく」
「俺雪は好きだけど水はな」
「私はどちらも嫌いです。暑さは割と得意ですけど」
マオは持ち込んだおやつを食べていて、翠は缶ビールを飲んでいる。温まらないように持ち込んだビールや缶チューハイなどは川に浸けている。缶の飲み物とはこの世界では風情はない気がするけど夏場はこれがいいらしい。
「ハァハァわんわん!行くよ!」
「おう!」
わんわんが用意してくれたビーチボールで遊んでたんだけど、本気になって指の爪が犬仕様に変化しブスリ。シューっと空気が抜けた。あっ
「ご、ごめんなさい。つい」
「いいよ。一度上がろっか」
「はい」
冷えた体にこの暑さは気持ちいい。木陰は思ったほど暑くはないしね。コンクリートが周りにないからかも。
「お疲れでしょう。はい」
「ありがとう」
わんわんもビール片手に、なぜ私は「わんわん」で、他の使用人は名前なのです?私もちゃんと名前あるのにとブツブツ。僕はその様子に笑った。
「その被毛と垂れ耳が子供の頃に読んでた絵本のキャラクターに似てて、そのキャラクターは「わんわん」だったんだ。だからわんわん」
「ふーん。ならいいです。そのキャラクター好きだったのでしょ?」
「うん」
なら夏樹様に好かれているってことでよしとします。わんわん結構。シートに座るとお重のから揚げをパクリと食べる。
「うんうん。外で飲む酒は美味いしビールも美味い。こんな遊びもいいものですなあ」
「だよね!」
食って飲むだけなら避暑って感じでいいと翠とマオ。なんでそんな返事だよ。水に浸かってから文句言って欲しいもんだ。すると風呂と違うから嫌だってふたり。そうですか。
「でもこんなことするの初めですね。翠様」
「まあね。俺ひとりではしないな。紅とかとはしたけど」
ふーん。こうして泳いだりしたの?と聞けば、夜にある程度の人を集めて乱痴気かなとシレッと言う。
「外でするのいいんだよ。興奮してな」
「バカ!」
「バカはお前だ。発情期の獣を甘くみんな。冷静でいることは難しいのが獣だ。キレやすくもなってるしな」
「あ、そっか。あれは辛いよね」
「そうだ」
翠はビールを一気飲み。わんわんがおかわりですよって川から一本引き上げ、翠は受け取り飲んでいる。
「うん。冷たくて美味い」
みんなを見ながら僕は発情期の翠を思い出していた。春早い頃、まだ雪も降たっり止んだりの季節。
「翠?」
「なに?」
「なんか……クンクン。どこかで遊んできた?僕がいながら?」
「はあ?……あ、そうか。来たか。甘い匂いか?」
「うん。クチナシの花を発酵させたような甘い匂い?」
「それは俺が発情を始めたからだ。仄かな香りを感じるか。さすが俺の御子。犬並みだな」
「はい?」
この頃は使用人でも気が付かない。きっと夏樹は俺との相性がよすぎるんだ。だから気が付く。嬉しいって笑った。
「えへへ……だって大好きだもん」
「うん……」
僕の言葉にゆっくり目を伏せる。ねえ俺もって言ってくれないの?そのまま無言になる翠。なんで?と僕は見つめていた。
「……あのな。俺はお前に負担をかけたくない。子を作る気のないこの時期は家庭内別居で」
「は、はあ?なにそれ」
発情期は欲の爆発もだがこの姿を保てなくなる。狐になったりまるで妖怪みたいになる。姿が不安定で見方を変えれば化け物である。乱暴にもなるし人である夏樹に傷を付けたくない。物理的にと目を開けた。
「ぶ、ぶつりてき?」
「うん。牙で噛むし爪でひっかくどころか刺すかも。いや刺さる」
「うっ……」
「そして勃起は収まらずいつまでもお前を求める」
「……うん。勃起はいつもだよね」
「あれは体の特徴で違うけどな」
翠の匂いで僕も発情して痛みに鈍感になる。死にかけてても気が付かない。飲まず食わずは我ら獣はある程度耐えられる。だが、人はそうではないだろ?死ぬかもだろ?と。まあ……否定できないかな。
「だから最後の方で交わろう。俺と交わることでお前は長寿となる。これは神聖な|珠の受け渡しとなるんだ」
「珠?」
「ああ。俺の魂の一部を渡すんだ。この時にしか錬成出来なくてな」
「へえ」
一晩くらいなら人も耐えられるはず。というか珠を受け取ったら何言われても逃げろと言われた。発情が翌朝終わらなかった場合、何日も付き合うことになるからだそうだ。
「俺が引き止めようが愛をささやこうが逃げろ。もし理性が残ってるのならしながら水を飲み飯を食え」
「なにその高難度の試練」
というか、僕がいない時は誰か呼んで相手させるの?と聞けば耐えるだけだそう。僕がいるのに他を抱きたくない。理性を失えば誰でもよくなる。でも嫌だと困った顔でクシャって笑う。
「翠のためなら耐えられそう…な気もする」
「ありがとう。でも人の今は無理だから」
なんて言ってた数日後、寝室は別にしてと言われ、ついに朝ご飯にも現れなかった。
「ねえわんわん。翠は寝坊?」
「違います。離れの発情の部屋に籠もりました」
「え?もう?」
「ええ。私が朝起こしに行ったら部屋はむせ返る甘い香りで、私がクラッとするくらいでした。慣れている私すらビクッとしましたから、速攻おにぎり持たせて部屋に詰め込みました」
「そう……」
それと使用人も順次いたりいなかったりになる。獣により発情パターンが違い、数日置きに消える者、翠のように長期もいるらしい。
「なにかとこの時期は手薄になりがちですので、来客はありません。誰か来たらそれはあなたを物理的、性的に食べるため。絶対に門からでないように!翠様のようにご自分で退治できませんから」
「はい。分かりました」
なんて感じで翠の発情期がスタート。板前のイオがいなくなったことはものすごく困った。仕方なく冷蔵庫とか開けて自分で作ったんだ。久しぶりでさ。でもこちらの使用人も僕を分かってて、おかずやおにぎりを冷凍してくれてた。それとレトルトカレーやカップ麺、冷凍の弁当など置いてくれてお菓子もたくさんでね。
遊びにも行けないだろうしと本もたくさん用意してくれていた。ちなみにこの世界はスマホが使えない、電波が届かないから。もちろん人の世界に行けば使えるけどね。でも、
「社に行く?不可だ。出入りの鏡は封鎖する」
「はあ?」
「俺の目の届かないところにはやれない」
「いえ、どうせ翠いなきゃ人の目には映らないから何も出来ないよ。社でスマホとか散歩……」
「却下」
「うっ……」
などと頭に浮かんでいた。発情期前ですらこんなドタバタがあって何もかも却下。そして離れの部屋に近づくなって念押し。うーむ。
屋敷は常春で過ごしやすいけど、内門をくぐると太陽の色さえ違う気までする。
「暑い!くっそ暑い!」
「ここはまだ本番の暑さじゃないよ」
「暑いわ!」
「なら俺の神域を完全に出てみろよ。ほら歩け」
坂道を下るとすぐに暑い。道の一番下の夜提灯が下げてあるところの外門を一歩出ると木もなくなり暑さが増す。歩けば歩くほど暑さは増していく気までする。
「ここらはこの世界の普通の気温」
「し……死ぬ……昔でもこんなに暑かったっけ?」
「猛暑日が今より少なかっただけだよ」
「なにそれ……嫌だあ」
僕らは翠の管理地にある滝つぼに向かっていた。夏はやはりプールでしょ。こちらにも海はあるけど人より大きなクラゲ、よくわかんない怪獣のようなカサゴ(美味しいらしい)がいるらしい。間違うと食われるそうだ。だから人の僕はダメって。あれは対策できる人しか行っちゃダメ。つか、この世界の人は海水浴などしないそう。そりゃあそうか。毛皮の人が多いもんね。
爬虫類の人もいるし水が好きな人もいるけど、海は行かないなあって翠。水が塩辛いのを嫌うそうだ。だから自分の地の池や川が主な遊び場所らしい。
「あづいぃ……」
「もうすぐだよ」
「なんで翠はそんな涼しげな顔ができるの?」
横を向けば汗一つかいてない。なんでよ。人の姿なら汗腺あるでしょ。狐の姿なら仕方ないけどさ。見上げる僕を見下ろしふふんと鼻を鳴らす。
「俺は神様だから暑さも寒さもあんまりかな。嘘、竜と狐のハイブリッドだからかもな」
「はあ」
嘘くさい説明である。なにかの力を使ってだろうと僕は疑っている。だが、こういったことに関しては絶対に口を割らない。だから諦めている。
「ほら着いたぞ」
「おおーっいつも音だけは聞こえてたけどなかなか」
本当に小さな滝で池みたいになっている部分がある。心なしかここは少し涼しいかな。木々が日陰を作ってるからかもね。
「ここは湧き水が流れ込んでるからそうそう水温は上がらない。ちょうどいいくらいだよ」
翠がいい眺めだなって言ってる間に僕は着物は脱ぎどぼーん。ひゃほう!冷たくて気持ちいい。わんわんがピクニックの準備してシートを敷き、大きな赤い番傘を地面にブスリ。翠はその下で横になっている。水は気持ちいいくらいかな。
「翠は入らないの?」
「俺?俺は狐だから入らない」
「竜の息子でしょ?」
「それは関係ない。俺はキツネ。水は嫌い」
「マジか」
「私が行きます!やっほーい!」
わんわんがすぐに脱いで勢いよく飛び込む。頭まで沈み顔を出した。
「ブハッ水はいいですなあ。犬は水遊びが大好きなのですよ」
「知ってる。遊ぼう!」
「はい!」
僕らは体が冷えるまで遊んでいたが、猫のマオと翠はシートの上で冷たい目を僕らに向ける。
「犬は……ったく」
「俺雪は好きだけど水はな」
「私はどちらも嫌いです。暑さは割と得意ですけど」
マオは持ち込んだおやつを食べていて、翠は缶ビールを飲んでいる。温まらないように持ち込んだビールや缶チューハイなどは川に浸けている。缶の飲み物とはこの世界では風情はない気がするけど夏場はこれがいいらしい。
「ハァハァわんわん!行くよ!」
「おう!」
わんわんが用意してくれたビーチボールで遊んでたんだけど、本気になって指の爪が犬仕様に変化しブスリ。シューっと空気が抜けた。あっ
「ご、ごめんなさい。つい」
「いいよ。一度上がろっか」
「はい」
冷えた体にこの暑さは気持ちいい。木陰は思ったほど暑くはないしね。コンクリートが周りにないからかも。
「お疲れでしょう。はい」
「ありがとう」
わんわんもビール片手に、なぜ私は「わんわん」で、他の使用人は名前なのです?私もちゃんと名前あるのにとブツブツ。僕はその様子に笑った。
「その被毛と垂れ耳が子供の頃に読んでた絵本のキャラクターに似てて、そのキャラクターは「わんわん」だったんだ。だからわんわん」
「ふーん。ならいいです。そのキャラクター好きだったのでしょ?」
「うん」
なら夏樹様に好かれているってことでよしとします。わんわん結構。シートに座るとお重のから揚げをパクリと食べる。
「うんうん。外で飲む酒は美味いしビールも美味い。こんな遊びもいいものですなあ」
「だよね!」
食って飲むだけなら避暑って感じでいいと翠とマオ。なんでそんな返事だよ。水に浸かってから文句言って欲しいもんだ。すると風呂と違うから嫌だってふたり。そうですか。
「でもこんなことするの初めですね。翠様」
「まあね。俺ひとりではしないな。紅とかとはしたけど」
ふーん。こうして泳いだりしたの?と聞けば、夜にある程度の人を集めて乱痴気かなとシレッと言う。
「外でするのいいんだよ。興奮してな」
「バカ!」
「バカはお前だ。発情期の獣を甘くみんな。冷静でいることは難しいのが獣だ。キレやすくもなってるしな」
「あ、そっか。あれは辛いよね」
「そうだ」
翠はビールを一気飲み。わんわんがおかわりですよって川から一本引き上げ、翠は受け取り飲んでいる。
「うん。冷たくて美味い」
みんなを見ながら僕は発情期の翠を思い出していた。春早い頃、まだ雪も降たっり止んだりの季節。
「翠?」
「なに?」
「なんか……クンクン。どこかで遊んできた?僕がいながら?」
「はあ?……あ、そうか。来たか。甘い匂いか?」
「うん。クチナシの花を発酵させたような甘い匂い?」
「それは俺が発情を始めたからだ。仄かな香りを感じるか。さすが俺の御子。犬並みだな」
「はい?」
この頃は使用人でも気が付かない。きっと夏樹は俺との相性がよすぎるんだ。だから気が付く。嬉しいって笑った。
「えへへ……だって大好きだもん」
「うん……」
僕の言葉にゆっくり目を伏せる。ねえ俺もって言ってくれないの?そのまま無言になる翠。なんで?と僕は見つめていた。
「……あのな。俺はお前に負担をかけたくない。子を作る気のないこの時期は家庭内別居で」
「は、はあ?なにそれ」
発情期は欲の爆発もだがこの姿を保てなくなる。狐になったりまるで妖怪みたいになる。姿が不安定で見方を変えれば化け物である。乱暴にもなるし人である夏樹に傷を付けたくない。物理的にと目を開けた。
「ぶ、ぶつりてき?」
「うん。牙で噛むし爪でひっかくどころか刺すかも。いや刺さる」
「うっ……」
「そして勃起は収まらずいつまでもお前を求める」
「……うん。勃起はいつもだよね」
「あれは体の特徴で違うけどな」
翠の匂いで僕も発情して痛みに鈍感になる。死にかけてても気が付かない。飲まず食わずは我ら獣はある程度耐えられる。だが、人はそうではないだろ?死ぬかもだろ?と。まあ……否定できないかな。
「だから最後の方で交わろう。俺と交わることでお前は長寿となる。これは神聖な|珠の受け渡しとなるんだ」
「珠?」
「ああ。俺の魂の一部を渡すんだ。この時にしか錬成出来なくてな」
「へえ」
一晩くらいなら人も耐えられるはず。というか珠を受け取ったら何言われても逃げろと言われた。発情が翌朝終わらなかった場合、何日も付き合うことになるからだそうだ。
「俺が引き止めようが愛をささやこうが逃げろ。もし理性が残ってるのならしながら水を飲み飯を食え」
「なにその高難度の試練」
というか、僕がいない時は誰か呼んで相手させるの?と聞けば耐えるだけだそう。僕がいるのに他を抱きたくない。理性を失えば誰でもよくなる。でも嫌だと困った顔でクシャって笑う。
「翠のためなら耐えられそう…な気もする」
「ありがとう。でも人の今は無理だから」
なんて言ってた数日後、寝室は別にしてと言われ、ついに朝ご飯にも現れなかった。
「ねえわんわん。翠は寝坊?」
「違います。離れの発情の部屋に籠もりました」
「え?もう?」
「ええ。私が朝起こしに行ったら部屋はむせ返る甘い香りで、私がクラッとするくらいでした。慣れている私すらビクッとしましたから、速攻おにぎり持たせて部屋に詰め込みました」
「そう……」
それと使用人も順次いたりいなかったりになる。獣により発情パターンが違い、数日置きに消える者、翠のように長期もいるらしい。
「なにかとこの時期は手薄になりがちですので、来客はありません。誰か来たらそれはあなたを物理的、性的に食べるため。絶対に門からでないように!翠様のようにご自分で退治できませんから」
「はい。分かりました」
なんて感じで翠の発情期がスタート。板前のイオがいなくなったことはものすごく困った。仕方なく冷蔵庫とか開けて自分で作ったんだ。久しぶりでさ。でもこちらの使用人も僕を分かってて、おかずやおにぎりを冷凍してくれてた。それとレトルトカレーやカップ麺、冷凍の弁当など置いてくれてお菓子もたくさんでね。
遊びにも行けないだろうしと本もたくさん用意してくれていた。ちなみにこの世界はスマホが使えない、電波が届かないから。もちろん人の世界に行けば使えるけどね。でも、
「社に行く?不可だ。出入りの鏡は封鎖する」
「はあ?」
「俺の目の届かないところにはやれない」
「いえ、どうせ翠いなきゃ人の目には映らないから何も出来ないよ。社でスマホとか散歩……」
「却下」
「うっ……」
などと頭に浮かんでいた。発情期前ですらこんなドタバタがあって何もかも却下。そして離れの部屋に近づくなって念押し。うーむ。
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