幼馴染に良い様に使われた、だから俺は彼女を見返す為にいい女と付き合う事にした。そして出会った女子はモデル活動をしていた隠れ美少女だった。

新名天生

文字の大きさ
6 / 62
幼なじみと隣の席の女の子

渡せないお土産

しおりを挟む


「さあ次は~~あやぽんの愛称でお馴染みの、モデルでトップインフルエンサーの、綾さんです~~」

「──どうも~~」
 あやぽんは、腰にリボンが巻かれたいかりの様な柄のワンピースを着ている。髪はなんと本日は金髪のポニーテール、あやぽんは毎回髪の色や髪型を変えて来る。服に合わせているらしい。
 
 あやぽんはいつもの様にアルカイックスマイルで、舞台の袖から颯爽と現れた。

 そして司会者お姉さんの隣に立つと、いつもの様な控えめな笑顔で手を振る。
 その姿を久々に生で見れて、俺の胸が熱くなる。

 今日は某ブランドの新作発表会。
 公開という形があまり無いので、こうやって直接あやぽんを見れる機会は滅多に無い。
 
「「あやぽーーーん」」
 歓声が上がる度に照れくさそうに笑い手を振る姿に、俺の胸が締め付けられる。
 ああ、可愛い、愛しい……俺の……あやぽん。
 女子ばかりの会場なので俺は一番後ろから遠くのあやぽんを眺めている。

 でもこうやって遠くで見れるだけで幸せだ。

 近付く事の許されない、高貴な人を遠くからひっそり眺めている様な、貴族と召し使い、いや、王女と庭師の様な関係を想像し、一人涙ぐむ俺……。

 うん気持ち悪いよね? 知ってる……だって隣の女子が俺を見てひいてるもん……。

 俺は新幹線で二時間程かけてこの場に駆け付けた。
 勿論学校をサボってここに来ている。

 あやぽんの為なら、留年も辞さない!

 まあ、それほどこういった機会は無いのだけど……。

 司会のお姉さんから数件の質問を無難に答えるあやぽん。
 勿論プライベート的な話は殆ど無い。

 唯一の収穫は、あやぽんの好きな男性のタイプは誠実な人らしい。
 それを聞けただけで俺は満足だ。明日から俺は誠実に生きようと心に誓った。

 あやぽんの出番が終わればもう用はない、俺はさっさと会場を後にする。
 
 あやぽんに会いに来ただけとはいえ、さすがにこのまま帰るのは勿体ないと、俺は駅周辺をうろうろし土産物屋なんかを物色する。以前はこういう時、渡せもしないのに雪乃へのお土産を探していた。

 家にはその渡せなかった雪乃へのお土産が結構ある。

 雪乃は猫好きで、子供の頃はよく一緒に近所の猫を飼っている家に行き、触りに行ったりしていた。
 なのでお土産はいつも猫関連のグッズ、今もついついそう行った物に目が行ってしまう。

 8年、思い続けて8年目、いや、今はもう思っていないんだけど、でも……それでも中々雪乃を忘れられない自分に、猫グッズに目が行ってしまう自分の行動に少しイラっとしてしまう。
 
「お土産を渡せる相手でも居ればなあ……」
 どうせ渡せないのだから、誰でもいい。
 あやぽんに渡す機会何て無い……事務所に送るって手もあるけど……。
 
 何て思っていたらふと頭に浮かんだ人物が……。

「──は?」
 俺は驚いてしまう。何故か俺の頭に、クラスで隣に座る綾波の姿が浮かんで来た。

「いやいや……無いだろ?」
 どうせ渡せないなら他の女子を思い浮かべろよ! と自分に突っ込んでしまう。
 「でも……綾波と言ったら……本だよなあ……」
 
 どんな本を読んでいるんだろうか? チラチラと見ているけど、よくわからない。
 ただチラリと絵が見えたので、漫画かラノベだと思うが……。
 栞何て渡したら喜ぶかなあ……? ──って、何で俺は綾波へのお土産を探しているんだ?

 気になっている……確かに俺は綾波の事が気になっている。
 でも、好きなわけでは決してない。
 じゃあこの感情は何か? と聞かれると、俺は答えに詰まる。

 昨日も何度か話かけようと試みたが、結局綾波は俺の顔を見る事は無かった。
 多分俺は悔しいのだ。俺が話しかけても無反応な彼女に……。

 考えに考えた挙げ句俺は栞を買った。
 和紙で作られた栞、紙に四つ葉のクローバーが封印されている可愛い栞。

「またあげられぬ物を買ってしまった……」
 でも……こういうのって凄く楽しい……俺の唯一の趣味と言っていい。
 好きな人の事を考えて、選ぶって事が凄く楽しい…………好きな人?

 いやいや違う、ないない……これはそう言うんじゃ無い……。

 ただ……あいつにこっちを見て欲しいだけ……。
 あいつに反応して欲しいだけ……。

 俺は栞を買い、新幹線のホームに向かった。

 なんだろう……わくわくする。あげもしないお土産を買っただけなのに……。
 色々と想像出来る、妄想出来る、空想出来る。雪乃にずっとしていた妄想……。
 相手が綾波ってのがちょっとあれだけど……。
 
「……あれ?」
 ホームに到着すると、俺の乗る一本前の新幹線が丁度発車した。
 そして、俺の目の前の窓に……金髪の美少女がって……あやぽん!
 
 ゆっくりと発車していく新幹線……あやぽんはうつ向き本を読んでいた。
「わーーーーわーーーー」
 俺は思わず声を出す、こんなに間近で見れる何て、ラッキーだ!
 あっという間に加速し、俺の視界から消えていく新幹線を俺は見続けていた。
 一瞬の出来事……ああ、幸せ……。
 そして少し後悔する。
 お土産を買わなかったら同じ新幹線に乗れたのに……と。
 まあ、でも……席の場所が近く無かったら気付きもしないのだから、これで良いのかと……。

 そして、そのおかげで重大な事実が一つ判明した。

「あやぽん……東京にいるんだ……」
 今行った新幹線は東京まで止まらない、まあ、仕事の可能性もあるけれど、そんな事はツイートしていなかったので、恐らくは自宅に帰って行ったと思われ。

「そうか……じゃあ……また……偶然会えるかも」
 何て嬉しい気持ちになる。そして俺はさっきのあやぽんの姿をもう一度思い出していた。
 あんなに近くにあやぽんが……でも……なんかどこかで見た様な……そんな気がしていた。
「デジャブ?」
 どこかで……見た様な……どこかで……。 


【ブクマ宜しくです!】
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

黒に染まった華を摘む

馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。 高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。 「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」 そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。 彼女の名は、立石麻美。 昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。 この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。 その日の放課後。 明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。 塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。 そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。 すべてに触れたとき、 明希は何を守り、何を選ぶのか。 光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

隣の席のクールな銀髪美少女、俺にだけデレるどころか未来の嫁だと宣言してきた

夏見ナイ
恋愛
平凡な高校生、相沢優斗。彼の隣の席は『氷の女王』と噂のクールな銀髪美少女、雪城冬花。住む世界が違うと思っていたが、ある日彼女から「私はあなたの未来の妻です」と衝撃の告白を受ける。 その日から、学校では鉄壁の彼女が、二人きりになると「未来では当然です」と腕を組み、手作り弁当で「あーん」を迫る超絶甘々なデレモードに! 戸惑いながらも、彼女の献身的なアプローチに心惹かれていく優斗。これは未来で結ばれる運命の二人が、最高の未来を掴むため、最高の恋をする糖度MAXの青春ラブコメディ。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

処理中です...