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幼なじみと隣の席の女の子
綾波明日菜は友達がいない?
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席替えから一週間が経った。
俺はその間、隣の綾波をずっと見ていた。
彼女の1日は席に座って本を読む事から始まる。
そして、授業の合間に隠れて本を読み、休み時間にこっそり本を読み、お昼に弁当を食べながら本を読み、午後の授業でも……。
とにかく一日中本を読んでいる。とにかく本を読んでいる。ずっと……本を読んでいる。
呆れる程に……。
彼女は常に下を向き、誰とも目を合わせない、必要以上の会話……いや、必要な会話も殆どしない。
「──なんだこいつ……?」
ついついそう呟いてしまう。 こんな奴今まで見た事がなかったから……。
目立ちたくない? 陰キャによくある考え方だが、しかしこれは逆、むしろ周囲に溶け込まないと逆に目立つ。
クラス内で目立た無い様にするには、完全なボッチになってはならないない事。
それが鉄則なのだ。
でも……そんな綾波の行動は、一人黙々と本ばかり読んでいる行動は、逆に目立つ気がする……するのだが……これが見事に気配を消している。
現に俺は彼女の存在を1ヶ月以上認識していなかったのだ。
そして、そんな風にずっと綾波を隣でチラチラと見ていると、隠れオタクである俺は、良くあるパターンを考えた。
ひょっとして綾波は眼鏡を外し髪を整えたら可愛くなるパターンなのでは? スタイルは良さそうだし、肌も綺麗だ。
磨けば光る? 冴えない彼女を俺が育てちゃう? なんて想像をした。
だが……いかんせん綾波はとにかく下を向いて常に本を読んでいる。声をかけるタイミング等何も無い、とりつく島どころか、とりつく浮き輪さえ無いのだ。
彼女どころか、友達に、いや……知り合いに、俺の名前を呼んでくれる関係になるのにも困難を極める。
しかし俺は諦めず……さらに綾波を見続けた。
相変わらず彼女は……綾波は……クラスの誰とも一切話さない、顔も見ない……。
いや、そんなもんじゃ無かった……見ないどころか、外面を全く気にしないのだ。 彼女は自分のしたい事を黙々としている様だった。
雪乃と正反対だ……。
初めは陰キャと思っていたが、そう言うのとはちょっと違う気がした。
そう……彼女は常に楽しげにしているのだ。
彼女からボッチでいる事の悲壮感は伝わって来ない。
やりたくてやっている? 周りを気にしない?
不思議な奴だって思った……雪乃とは全く違う。
俺はそんな彼女に少しずつ興味を抱き、何度か接触を試みようとした……したのだが……。
どう声をかけて良いかわからない……よくよく考えたら、俺は雪乃以外の女子と今まで殆ど絡んだ事が無い。
そうなんだ……俺は結局いつもこうやって幼馴染みの呪縛に阻まれる。
今まで女子と、一から関係を築くと言う事をほぼやった事が無い。
雪乃とは幼なじみから始まり今に至っている。
つまり知り合って仲良くなっていくと言う人間関係の形成を雪乃以外の女子とした事が無かった。
そもそも俺はずっと雪乃が好きだった、拗らせる程雪乃がずっと好きだった。
だから雪乃以外の女子は……どうでも良かった。
雪乃以外の女子と仲良くなろうって思う事さえなかった。
そんな俺は……綾波にどう声をかけて良いのかわからなかった。
何が高校に入ったら彼女を作ろうだ! 何が雪乃を見返してやろうだ!
彼女どころか友達さえも作れない……話しかける事もまともに出来ない。
でも……駄目だ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃ……。
綾波からは逃げちゃ駄目だと結構昔から誰かが言っていた……。
俺はなんとか、綾波に接触するために、なんとか綾波と話す為に、色々考えそして……一つのよくあるベタな方法たどり着く。
俺は……遂に綾波に接触するべく、そのベタベタな方法を綾波に向かい勇気を出し言った。
「あ、えっとすみません……消しゴム貸してくれません?」
俺がそう言うと綾波は読んでいる本から目線を逸らす事なく、黙って俺の机に消しゴムを置いた。
やったぜ、どうだ! 初接触したぜ! 成功だ!
あううううう……。
俺はその間、隣の綾波をずっと見ていた。
彼女の1日は席に座って本を読む事から始まる。
そして、授業の合間に隠れて本を読み、休み時間にこっそり本を読み、お昼に弁当を食べながら本を読み、午後の授業でも……。
とにかく一日中本を読んでいる。とにかく本を読んでいる。ずっと……本を読んでいる。
呆れる程に……。
彼女は常に下を向き、誰とも目を合わせない、必要以上の会話……いや、必要な会話も殆どしない。
「──なんだこいつ……?」
ついついそう呟いてしまう。 こんな奴今まで見た事がなかったから……。
目立ちたくない? 陰キャによくある考え方だが、しかしこれは逆、むしろ周囲に溶け込まないと逆に目立つ。
クラス内で目立た無い様にするには、完全なボッチになってはならないない事。
それが鉄則なのだ。
でも……そんな綾波の行動は、一人黙々と本ばかり読んでいる行動は、逆に目立つ気がする……するのだが……これが見事に気配を消している。
現に俺は彼女の存在を1ヶ月以上認識していなかったのだ。
そして、そんな風にずっと綾波を隣でチラチラと見ていると、隠れオタクである俺は、良くあるパターンを考えた。
ひょっとして綾波は眼鏡を外し髪を整えたら可愛くなるパターンなのでは? スタイルは良さそうだし、肌も綺麗だ。
磨けば光る? 冴えない彼女を俺が育てちゃう? なんて想像をした。
だが……いかんせん綾波はとにかく下を向いて常に本を読んでいる。声をかけるタイミング等何も無い、とりつく島どころか、とりつく浮き輪さえ無いのだ。
彼女どころか、友達に、いや……知り合いに、俺の名前を呼んでくれる関係になるのにも困難を極める。
しかし俺は諦めず……さらに綾波を見続けた。
相変わらず彼女は……綾波は……クラスの誰とも一切話さない、顔も見ない……。
いや、そんなもんじゃ無かった……見ないどころか、外面を全く気にしないのだ。 彼女は自分のしたい事を黙々としている様だった。
雪乃と正反対だ……。
初めは陰キャと思っていたが、そう言うのとはちょっと違う気がした。
そう……彼女は常に楽しげにしているのだ。
彼女からボッチでいる事の悲壮感は伝わって来ない。
やりたくてやっている? 周りを気にしない?
不思議な奴だって思った……雪乃とは全く違う。
俺はそんな彼女に少しずつ興味を抱き、何度か接触を試みようとした……したのだが……。
どう声をかけて良いかわからない……よくよく考えたら、俺は雪乃以外の女子と今まで殆ど絡んだ事が無い。
そうなんだ……俺は結局いつもこうやって幼馴染みの呪縛に阻まれる。
今まで女子と、一から関係を築くと言う事をほぼやった事が無い。
雪乃とは幼なじみから始まり今に至っている。
つまり知り合って仲良くなっていくと言う人間関係の形成を雪乃以外の女子とした事が無かった。
そもそも俺はずっと雪乃が好きだった、拗らせる程雪乃がずっと好きだった。
だから雪乃以外の女子は……どうでも良かった。
雪乃以外の女子と仲良くなろうって思う事さえなかった。
そんな俺は……綾波にどう声をかけて良いのかわからなかった。
何が高校に入ったら彼女を作ろうだ! 何が雪乃を見返してやろうだ!
彼女どころか友達さえも作れない……話しかける事もまともに出来ない。
でも……駄目だ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃ……。
綾波からは逃げちゃ駄目だと結構昔から誰かが言っていた……。
俺はなんとか、綾波に接触するために、なんとか綾波と話す為に、色々考えそして……一つのよくあるベタな方法たどり着く。
俺は……遂に綾波に接触するべく、そのベタベタな方法を綾波に向かい勇気を出し言った。
「あ、えっとすみません……消しゴム貸してくれません?」
俺がそう言うと綾波は読んでいる本から目線を逸らす事なく、黙って俺の机に消しゴムを置いた。
やったぜ、どうだ! 初接触したぜ! 成功だ!
あううううう……。
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