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第三章 悩める剣士との出会い
閑話 英雄ザリオンと妖精ノーミー
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あれからどのくらい時間が過ぎたのだろう。
私の時間を止めているザリオンはもうこの世にいない。
胸にポッカリ穴が開いた感覚を抱えたまま過ごす日々にも大分慣れてしまっていた。
今日も大木の上で過ごしながら、たまに来る人族を観察していると、フード姿の人物を見つけた。
「また、来ているのね。懲りない子ね・・・」
ここはザリオンと初めて会って契約を結んだ場所。人族の間では「始まりの森」なんて呼ばれている。
ザリオンがミルフィーユ王国の国王になってから残した伝記が広まってからワラワラと人族が来るようになった。
「ザリオンはホント余計なことしてくれたわね」
静かなこの場所が気に入っているのに人族のせいでうるさくて敵わない。
ミルフィーユ王国にはザリオンのお墓もあるけど、私はあの場所が嫌いだ。なんか終わりって感じがするし、人族が多いし・・・
だから、ザリオンと出会ったこの場所にずっといる。ここは、何かが始まりそうなワクワク感を私に与えてくれる。
「あの時は楽しかったな・・・またワクワクドキドキしたいな・・・」
何度目か分からない昔を思い出す。
精魔大戦の時に、勇者ガンテツ様や五大精霊様と共に戦った日々。人族と妖精の存亡をかけた戦いだったが、楽しかった。
私がザリオンの肩に乗り、魔法を使いながら敵を倒していく。決戦の時は、私もザリオンも死にそうになったけど、なんとか勝った。
精魔大戦が終結した時、笑い合った後、喧嘩したっけ・・・だってドリュアス様を見たザリオンが鼻の下を伸ばして、私とは全然違うとか言うんだもの・・・ウフフ
「もうあの人はいない・・・つまんないな・・・」
ザリオンが精魔大戦の英雄となり、ミルフィーユ王国の姫と結婚してからも私達の関係は変わらなかった。
人族と妖精は寿命が違いすぎる。そんな事は分かっていたけど、分からないふりをしていたと思う。
「なぁノーミー・・・俺が死んだら忘れてくれ。」
「フン!あなたの事なんかなんとも思ってないから、すぐに忘れてやるわよ」
「いや、少しは覚えていてくれると嬉しいな」
王様が寝るような大きなベッドに横たわるザリオンは小さくつぶやく。
大きく勇ましい剣聖の姿はもうないが、強い意志が伝わる燃えるような瞳はそのまんままだ。
「・・・・・・ザリオンは私といて楽しかった?後悔してない?」
もうこれが最後のおしゃべりだ。そう思った私はずっと気になっていた事を聞くことにした。
「最高の人生だったな。後悔があるとすればもっとノーミーと旅をしたかったな」
「そう・・・私は苦労の連続だったからせいせいするわ」
ああ、なんで私は素直になれないんだろう・・・
「ハハハ・・・最後までお前らしくていいな・・・ノーミー・・・これでお前との契約はおしまいだ・・・だ・・・から・・・これから・・・はお前の・・・」
「ザリオン?ねぇザリオン?どうしたの・・・なんて言ったのよ?」
「陛下ーー!!」
ザリオンが今際の時になんて言おうとしたのか分からない。
私はこれからどうして良いか分からない・・・
だから、私はこの場所にいる。終わりなんて嫌だから・・・ずっとワクワクしていたいから・・・
・・・・・・・・・
国の英雄にして剣聖と呼ばれたザリオン・ラインハートの葬儀は国中を挙げて盛大に行われた。
ゴテゴテした服を着た神官がザリオンの棺に向かって祈りを捧げているのを私はボーっと見ている。
あの棺から飛び出して、「また冒険に行こうぜノーミー」なんて言ってくれないかな?
そんな現実離れした事を思いながら、初めて出会った森へ帰っていった。
・・・・・・・・・
「あの人族が気になるの?」
大木の枝でボーっとしている私に声をかけるのは風の妖精ウェンディかドリュアス様くらいだ。
この落ち着いている感じはドリュアス様だ。
「あの人族は最近よく来るから・・・それにあの人に・・・なんでもないです・・・」
「そう・・・」
ドリュアス様は余計な事は言わないから、好きだ。
でも多分私の心の中をお見通しだと思う。
「何度来ても同じなのに」
フードを被り直し、肩を下げて去っていく人族を見つめながら、少し冷めた声を出した。
「ねぇノーミー・・・面白い人族に会ってみない?」
「ドリュアス様・・・私はまだ誰とも・・・」
「その人族はウェンディと一緒に旅をしているのよ。それに白竜族の姫もいるわ」
「なんですかそれ?どんな関係なんですか?」
「あら?少し興味が湧いたようね」
「別に・・・なんでウェンディが一緒にいるのか気になっただけです・・・」
そう言った私にドリュアス様が微笑みながら頭を撫でる。子供扱いしないでほしい。
「私の祝福をあげたからすぐわかるわ。そのうちこの辺を通るから会ってみなさい」
「だから私は・・・」
すでにドリュアス様はもういなくなっていた。
・・・・・・・・・
「あの人族だ・・・アハハ・・・何あれどうなってるのよ」
大木の上から下を見ていると、ゴトゴトと馬車をひきながら男の人族がやってきた。
なんで馬の中に妖精が入っているの?
なんであんなに幼霊がくっ付いているの?
それに・・・なんて優しい魔力を持っているの?
「フフフ・・・ワクワクしてきた」
それはザリオンに出会った時に感じた何かが始まる予感。
「よし!ザリオンに初めて会った方法でやってみようか!」
私は草に化けて、その人族が来るのを待つことにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
面白い、続きが気になるという方はいいねや感想を頂ければ嬉しいです♪
私の時間を止めているザリオンはもうこの世にいない。
胸にポッカリ穴が開いた感覚を抱えたまま過ごす日々にも大分慣れてしまっていた。
今日も大木の上で過ごしながら、たまに来る人族を観察していると、フード姿の人物を見つけた。
「また、来ているのね。懲りない子ね・・・」
ここはザリオンと初めて会って契約を結んだ場所。人族の間では「始まりの森」なんて呼ばれている。
ザリオンがミルフィーユ王国の国王になってから残した伝記が広まってからワラワラと人族が来るようになった。
「ザリオンはホント余計なことしてくれたわね」
静かなこの場所が気に入っているのに人族のせいでうるさくて敵わない。
ミルフィーユ王国にはザリオンのお墓もあるけど、私はあの場所が嫌いだ。なんか終わりって感じがするし、人族が多いし・・・
だから、ザリオンと出会ったこの場所にずっといる。ここは、何かが始まりそうなワクワク感を私に与えてくれる。
「あの時は楽しかったな・・・またワクワクドキドキしたいな・・・」
何度目か分からない昔を思い出す。
精魔大戦の時に、勇者ガンテツ様や五大精霊様と共に戦った日々。人族と妖精の存亡をかけた戦いだったが、楽しかった。
私がザリオンの肩に乗り、魔法を使いながら敵を倒していく。決戦の時は、私もザリオンも死にそうになったけど、なんとか勝った。
精魔大戦が終結した時、笑い合った後、喧嘩したっけ・・・だってドリュアス様を見たザリオンが鼻の下を伸ばして、私とは全然違うとか言うんだもの・・・ウフフ
「もうあの人はいない・・・つまんないな・・・」
ザリオンが精魔大戦の英雄となり、ミルフィーユ王国の姫と結婚してからも私達の関係は変わらなかった。
人族と妖精は寿命が違いすぎる。そんな事は分かっていたけど、分からないふりをしていたと思う。
「なぁノーミー・・・俺が死んだら忘れてくれ。」
「フン!あなたの事なんかなんとも思ってないから、すぐに忘れてやるわよ」
「いや、少しは覚えていてくれると嬉しいな」
王様が寝るような大きなベッドに横たわるザリオンは小さくつぶやく。
大きく勇ましい剣聖の姿はもうないが、強い意志が伝わる燃えるような瞳はそのまんままだ。
「・・・・・・ザリオンは私といて楽しかった?後悔してない?」
もうこれが最後のおしゃべりだ。そう思った私はずっと気になっていた事を聞くことにした。
「最高の人生だったな。後悔があるとすればもっとノーミーと旅をしたかったな」
「そう・・・私は苦労の連続だったからせいせいするわ」
ああ、なんで私は素直になれないんだろう・・・
「ハハハ・・・最後までお前らしくていいな・・・ノーミー・・・これでお前との契約はおしまいだ・・・だ・・・から・・・これから・・・はお前の・・・」
「ザリオン?ねぇザリオン?どうしたの・・・なんて言ったのよ?」
「陛下ーー!!」
ザリオンが今際の時になんて言おうとしたのか分からない。
私はこれからどうして良いか分からない・・・
だから、私はこの場所にいる。終わりなんて嫌だから・・・ずっとワクワクしていたいから・・・
・・・・・・・・・
国の英雄にして剣聖と呼ばれたザリオン・ラインハートの葬儀は国中を挙げて盛大に行われた。
ゴテゴテした服を着た神官がザリオンの棺に向かって祈りを捧げているのを私はボーっと見ている。
あの棺から飛び出して、「また冒険に行こうぜノーミー」なんて言ってくれないかな?
そんな現実離れした事を思いながら、初めて出会った森へ帰っていった。
・・・・・・・・・
「あの人族が気になるの?」
大木の枝でボーっとしている私に声をかけるのは風の妖精ウェンディかドリュアス様くらいだ。
この落ち着いている感じはドリュアス様だ。
「あの人族は最近よく来るから・・・それにあの人に・・・なんでもないです・・・」
「そう・・・」
ドリュアス様は余計な事は言わないから、好きだ。
でも多分私の心の中をお見通しだと思う。
「何度来ても同じなのに」
フードを被り直し、肩を下げて去っていく人族を見つめながら、少し冷めた声を出した。
「ねぇノーミー・・・面白い人族に会ってみない?」
「ドリュアス様・・・私はまだ誰とも・・・」
「その人族はウェンディと一緒に旅をしているのよ。それに白竜族の姫もいるわ」
「なんですかそれ?どんな関係なんですか?」
「あら?少し興味が湧いたようね」
「別に・・・なんでウェンディが一緒にいるのか気になっただけです・・・」
そう言った私にドリュアス様が微笑みながら頭を撫でる。子供扱いしないでほしい。
「私の祝福をあげたからすぐわかるわ。そのうちこの辺を通るから会ってみなさい」
「だから私は・・・」
すでにドリュアス様はもういなくなっていた。
・・・・・・・・・
「あの人族だ・・・アハハ・・・何あれどうなってるのよ」
大木の上から下を見ていると、ゴトゴトと馬車をひきながら男の人族がやってきた。
なんで馬の中に妖精が入っているの?
なんであんなに幼霊がくっ付いているの?
それに・・・なんて優しい魔力を持っているの?
「フフフ・・・ワクワクしてきた」
それはザリオンに出会った時に感じた何かが始まる予感。
「よし!ザリオンに初めて会った方法でやってみようか!」
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