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呪い1―5

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六年かけてボロボロにされたセイラの気持ちは、もう自分の中に何も入れたくないのに、抱かれる為に調教された体は勝手に腹をはらにして犯してと言っている。泣けてきた。
セイラはソロソロとアヤから降りるとアヤに言った。
「あの、半時位、出かけて来てくれない?」
ワケが分からないアヤは当然理由を尋ねた。
やっと見つけ出したこの危なっかしい愛しい人は、今ちょっと目を離すと、何をしでかすか分かった物では無い。
むしろ一日中張り付いていたかった。
昨晩セイラが眠っている内に、予め自殺に使えそうな物は洞窟の中から排除したが、これだけ体がボロボロだと、数分息を止めているだけで死にそうだ。
セイラが理由をはっきりと言わない所もアヤの不安を煽った。
「死にたがりのセイラの側を離れるなんて、納得のいく理由を教えて貰えなければ、そのお願いごとは聞けないな」
大真面目にセイラに言うと、セイラは困った顔をして、とても困った顔をしてボソボソと理由を離し始めた。
「う、うしろが。寂しくて・・・その。自分でシたいんだ」
物凄く真面目に聞いていたアヤは、数秒固まったのち、
「ウォフッ」
とワケの分からない鳴き声を上げた。
それを聞いたセイラはキョトンとした顔をしてから、何故か声をたてて笑ってしまった。
アヤがベッドに伏せて左前足で自分の両目を覆った。
「狼でも照れるのかい」
「照れるさ、思わずセイラが一人で自分の後ろに指を入れて悶えている所まで相談してしまった。起つかと思ったよ」
「ああはは!絶対嘘だ」
「本当だよ」
「こんな酷い見た目の僕に起つ男なんかいるもんか・・・」
そこまで言って、笑顔だったセイラの瞳から、ボロリと涙が溢れた。
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