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すべては幻、隣の庭は枯れ木の庭 4-3
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こうして、ルークとジェイドは月に一度、教会で合って他愛もない会話を楽しむだけの、不思議な友達となった。
二人は色んな話をして、大事な話は何一つしなかった。
二人はお互い、どんなに辛いことがあっても、この夜の時間に持ち込む事は無かった。
ただ、ルークは隠しているつもりだったけれど、ふとした拍子に服の隙間から覗く、ルークの体に出来た客に酷い扱いを受けた痕が、ジェイドの心を締め付けた。
ある日の事だった。
ジェイドが顔を酷く腫らせてやってきた事があった。
「ジェイド!どうしたの!?せっかくのイケメン!」
「・・・おじい様に殴られた」
ルークが口を開く前に、タッジェが口をはさんだ。
「私のせいです。私がまた、こく・・・ジェイド坊ちゃまのお屋敷の物を壊してしまったから。
ジェイド坊ちゃまは私が首にされるのを庇って、自分が壊したとおっしゃって、代わりにおじい様に殴られたんです」
「壊させられたの間違いだろう!シャンクの従者め!何度も卑怯な手を使う!」
「シャンク?」
「腹違いの弟だ。弟はまともなんだが、その従者が問題でな、昔からタッジェをターゲットにして色々と悪さをするんだ」
腹違いとは、また複雑な話だな、とルークは少し思った。
「あのままではせっかく真っすぐ育っているシャンクが歪んでしまう!」
「・・・弟さんの事大事にしているんだね」
「当然だろう!弟だぞ、将来どちらが後を継ぐにせよ、継がなかった方は最も重大な事を任せられる補佐になる。庶民の娯楽小説じゃあるまいし、兄弟同士で争うなんてそんな事している場合ない」
ジェイドは鼻息荒く語った。
二人は色んな話をして、大事な話は何一つしなかった。
二人はお互い、どんなに辛いことがあっても、この夜の時間に持ち込む事は無かった。
ただ、ルークは隠しているつもりだったけれど、ふとした拍子に服の隙間から覗く、ルークの体に出来た客に酷い扱いを受けた痕が、ジェイドの心を締め付けた。
ある日の事だった。
ジェイドが顔を酷く腫らせてやってきた事があった。
「ジェイド!どうしたの!?せっかくのイケメン!」
「・・・おじい様に殴られた」
ルークが口を開く前に、タッジェが口をはさんだ。
「私のせいです。私がまた、こく・・・ジェイド坊ちゃまのお屋敷の物を壊してしまったから。
ジェイド坊ちゃまは私が首にされるのを庇って、自分が壊したとおっしゃって、代わりにおじい様に殴られたんです」
「壊させられたの間違いだろう!シャンクの従者め!何度も卑怯な手を使う!」
「シャンク?」
「腹違いの弟だ。弟はまともなんだが、その従者が問題でな、昔からタッジェをターゲットにして色々と悪さをするんだ」
腹違いとは、また複雑な話だな、とルークは少し思った。
「あのままではせっかく真っすぐ育っているシャンクが歪んでしまう!」
「・・・弟さんの事大事にしているんだね」
「当然だろう!弟だぞ、将来どちらが後を継ぐにせよ、継がなかった方は最も重大な事を任せられる補佐になる。庶民の娯楽小説じゃあるまいし、兄弟同士で争うなんてそんな事している場合ない」
ジェイドは鼻息荒く語った。
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