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床に膝をついた僕をベッドに座るように誘導したケイ君、ちょっと僕の顔を見つめた後、チュッと唇にバードキスをした。
は?何?プレイボーイ、は?
過ぎたファンサは暴力だって知った。
「……熊谷こそ。」
「へ?」
「あの店員は?」
こっちは初チューで今IQ3くらいなのに、ケイ君の言葉が単語すぎる。
店員って、ルルママのこと?
「ルルママとは単にお店の人と客で何もないよ?」
多分、ルルママがいるのにケイ君とヤッていいのかって聞いてるんだよね。
何年もずっとケイ君を見つめてきたからか、言葉がなくても何となく言いたいことが分かるみたい。
「向こうは……」
「向こうこそ僕なんて何とも思ってないに決まってるじゃん。」
「……どうだか。」
ケイ君が投げやりに話を終わらせて風呂場に向かう。
シャワーの音が響くとそわそわして落ち着かない。防水の隠しカメラを用意しておくべきだったな。
音に耳をそば立ててると、すぐにタオルの衣擦れの音に変わってケイ君が風呂場から出てきた。
おふぅ。プールの授業振りのケイ君の裸。大人になって更に研ぎ澄まされた肉体になってる。
僕のとこには全然きてくれないのに、筋肉の世界もルッキズムか。
つい舐めるように見てタオルで隠された股間部分に辿り着くと、布越しで分かるくらい反り返ってた。
バッキバキじゃん。優秀遺伝子伝達ちんぽじゃん。僕に勃っても残らないってのはこの際置いといて。
僕が探偵経由でケイ君の遊び相手に聞いたのは、その気にさせるのが結構大変って話だったからフェラ猛特訓したのに。
何ラウンド目かの事だったのかな。
考えている間にケイ君が近くに来て僕をベッドに寝かせた。
僕の重量にギシッっと盛大にベッドが軋む。
その上からケイ君が被さってきて、目の前が尊すぎる存在でいっぱいになる。
ヤバいこれイっちゃう。視覚イきしゅるぅぅぅ!
「熊谷……くまちゃん。」
可愛いあだ名つけられたぁぁぁ!
「う……あ、はひ……」
またも言語野が崩壊した僕を見て、ケイ君がふっと笑った。
もう死んでもいい。良くない。ちゃんとケイ君に気持ちよくなって貰わないと。
穴を出さねば。穴を。
うんしょ、と掴んだら指が埋まるくらいぷよぷよの太ももを開く。
足が邪魔って思われないように、股関節は日々のストレッチで柔らかい方だ。
引っ張って巻いていたタオルが限界を迎えてベッドに解け落ちた。
「まだ待って。」
ケイ君が僕の髪を梳くように頭を撫でてキスをしてくる。
さっきみたいに軽いのじゃなくて、口全体をみっちり押し付けて食んでくるようなやつ。
ヤバい。これ練習してない。
動画とかだとお互い口動かしてるけど、動かし方とかあるのか?餅つきみたいによっ、はっ、みたいに動きを合わせる必要が?
動けないでいると唇が少し離れた。
「嫌?」
嫌なわけはありませんが!というかケイ君こそフェラで勃たせて挿れる以外しないんじゃなかったのか!普通にバキバキだし前戯もちゃんとするスケベ紳士じゃん!くそヤブ探偵事務所!口コミ星1してやる!
「あ、嫌じゃ……ない。あの、ごめん。初めてで、その……」
あー、遊び相手には面倒くさい奴になってるー!もう嫌だ。こうなるのが嫌だから、幻滅されたくないから、何年も手間と暇と金をかけて準備してきたのに……。
涙が出てきた。さっき飲んだ強い酒のせいで感情の波が激しくなってるのかも。
「ごめん、ケイ君。僕多分上手くできないから、もし、チャンス貰えるなら今度またエッチして欲しい。それまでには練習しとくし……」
「誰と?」
何かちょっと怒ったような声。
「え、あ……お店とか?」
流石にフェラの練習と違ってキスは生身の人がいるよな。ケイ君以外となんて嫌だけど。
「俺は?」
「え?」
「練習。」
「いやそれ本番だから……」
「なら下手でいい。」
またキスをされた。今度は下手なりに、ケイ君を真似して口をむごむご動かしてみる。
開いた口の隙間から舌が入ってきて、口の中を舐め回してきた。
ふわぁぁ……ケイ君の舌、甘い。口のなかぬるぬるされるのあったかくて気持ちいい……キス凄い。すごい。
自分からもケイ君の舌をそろっと舐めてみると、引っ張り出されるように激しく絡んでくる。
付け根あたりを舌先で撫でられると頭が痺れるような気持ちよさが走った。
動かし方とか考えられず夢中で舌を絡めた。
「本番?」
長いキスが終わって離れた所でケイ君に聞かれる。
「うん、だって僕ずっとケイ君に憧れてたし。気持ち悪いと思うけど。」
高校大学と友達も作らずひたすらぼっちでケイ君の近辺に陣取り、社会人になっても近所に住んで行きつけの店に出入りしたりしたのだ。
話しかけたりはしないで大人しくしてたから問題になった事はないが、さぞ気味が悪かっただろう。
「嫌われてると」
僕の声が漏れたのかと思ったらケイ君だった。
「ええ!?何で?嫌いなわけない。」
「目が合ったら逸らした。」
「僕が見てたらキモいでしょ。」
「近づいたら逃げた。」
「追い払いたいんだと思って。」
「……よかった。」
僕のムチムチな腹回りに腕を回してケイ君が抱きしめてきた。
ケイ君から香るむせかえるような甘い匂いにくらくらする。
え、何これ、僕に都合のいい展開来てる?え、夢?
……そうか。きっと僕、あの酒で酔い潰れてお店で寝てるんだな。
明晰夢ってやつだ。夢オチってやつだ。
おかしいと思ったんだよ。ケイ君聞いてる話と違いすぎるもん。
なら話は早い。楽しもう。
「ケイ君、僕ケイ君が好き!付き合って!」
「付き合う。」
ケイ君が嬉しそうに笑った。
夢、最高に都合がいい。
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