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消えゆく生活
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消えゆく生活
1日目
財布の中は空っぽ。冷蔵庫はカラカラ。家にある洗剤、マジックリン、トイレットペーパーも残りわずか。
冷蔵庫には、豆腐、青じそ、みょうが、ねぎ、しょうがが残っていた。
豆腐を半分に切って、薬味を散らし鰹節をかけて
「いただきます」
プアな生活の割には、なぜかたくさんの薬味。
こんなお金の使い方してるから、いつも足らなくなるのかな?
鍋の残りにご飯を入れてなめこ雑炊にした。
「何気にリッチなんですけど」
よく噛んで感謝して食べると、宮廷の晩餐のように私は幸せだった。
「まだまだー」
家賃も払えず、食費も底を尽き、日々の生活が苦しい。それでも、私は希望を捨てずに、明日こそは仕事を見つけようと決意した。
「大丈夫、あなたはかならずうまくいく」
何度も何度も鏡を見ながら笑顔の練習。
2日目
朝から求人情報を探し、面接に次ぐ面接。しかし、どこからも採用通知は来ない。
空腹と疲労でフラフラになりながら、公園のベンチに座り込んだ。目の前には、桜の花が美しく咲き誇っていた。
「あなたはいいわよね、綺麗に咲けて」
ああ、だめ。
笑って笑って。
「こんな綺麗な花を見ている場合じゃない…」
そう自分に言い聞かせながらも、心が折れそうになる。
3日目
ついに、家にある最後の食料もなくなった。水さえも残り少ない。
絶望感に襲われ、部屋の床にうずくまった。
「もうダメだ…」
その瞬間、ドアをノックする音が聞こえた。
誰だろう?
恐る恐るドアを開けたら、そこには見知らぬ老婆が立っていた。
「困っているようですね。何かお役に立てるかもしれません?」
老婆の優しい声に、思わず涙が溢れた。
4日目
老婆の助けにより、私は新しい仕事に就くことができた。
仕事内容は清掃員。決して楽な仕事ではないが、毎日懸命に働いた。
給料は決して高くはないが、生活できるだけの収入を得ることができた。
5日目
数ヶ月後、私は再びあの公園を訪れた。
桜の季節は終わっていたが、ベンチに座って空を見上げると、心が温かい気持ちで満たされた。
あの老婆との出会いがなければ、私は今ここにいなかっただろう。
感謝の気持ちでいっぱいになった。
「ありがとうございます」
「大丈夫だよ。よくがんばってるよ」
そっと自分を抱きしめる。
6日目
そして今、私は再び希望を持って生きている。
毎日、懸命に働き、周りの人に感謝しながら。
あの日見た桜のように、私もいつか美しく咲き誇ることができるのだろうか。
あいしています
終わり
1日目
財布の中は空っぽ。冷蔵庫はカラカラ。家にある洗剤、マジックリン、トイレットペーパーも残りわずか。
冷蔵庫には、豆腐、青じそ、みょうが、ねぎ、しょうがが残っていた。
豆腐を半分に切って、薬味を散らし鰹節をかけて
「いただきます」
プアな生活の割には、なぜかたくさんの薬味。
こんなお金の使い方してるから、いつも足らなくなるのかな?
鍋の残りにご飯を入れてなめこ雑炊にした。
「何気にリッチなんですけど」
よく噛んで感謝して食べると、宮廷の晩餐のように私は幸せだった。
「まだまだー」
家賃も払えず、食費も底を尽き、日々の生活が苦しい。それでも、私は希望を捨てずに、明日こそは仕事を見つけようと決意した。
「大丈夫、あなたはかならずうまくいく」
何度も何度も鏡を見ながら笑顔の練習。
2日目
朝から求人情報を探し、面接に次ぐ面接。しかし、どこからも採用通知は来ない。
空腹と疲労でフラフラになりながら、公園のベンチに座り込んだ。目の前には、桜の花が美しく咲き誇っていた。
「あなたはいいわよね、綺麗に咲けて」
ああ、だめ。
笑って笑って。
「こんな綺麗な花を見ている場合じゃない…」
そう自分に言い聞かせながらも、心が折れそうになる。
3日目
ついに、家にある最後の食料もなくなった。水さえも残り少ない。
絶望感に襲われ、部屋の床にうずくまった。
「もうダメだ…」
その瞬間、ドアをノックする音が聞こえた。
誰だろう?
恐る恐るドアを開けたら、そこには見知らぬ老婆が立っていた。
「困っているようですね。何かお役に立てるかもしれません?」
老婆の優しい声に、思わず涙が溢れた。
4日目
老婆の助けにより、私は新しい仕事に就くことができた。
仕事内容は清掃員。決して楽な仕事ではないが、毎日懸命に働いた。
給料は決して高くはないが、生活できるだけの収入を得ることができた。
5日目
数ヶ月後、私は再びあの公園を訪れた。
桜の季節は終わっていたが、ベンチに座って空を見上げると、心が温かい気持ちで満たされた。
あの老婆との出会いがなければ、私は今ここにいなかっただろう。
感謝の気持ちでいっぱいになった。
「ありがとうございます」
「大丈夫だよ。よくがんばってるよ」
そっと自分を抱きしめる。
6日目
そして今、私は再び希望を持って生きている。
毎日、懸命に働き、周りの人に感謝しながら。
あの日見た桜のように、私もいつか美しく咲き誇ることができるのだろうか。
あいしています
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