お金がない

春秋花壇

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空腹と希望:1000文字小説

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空腹と希望:1000文字小説

1. どん底の夜

山田太郎は、ポケットをまさぐりながら、ため息をついた。財布は空っぽ。腹の減り具合は、もう限界を超えていた。

今日は、仕事がうまくいかず、給料も遅れていた。散々だった一日を振り返り、太郎は絶望に打ちひしがれた。

家賃も払えず、電気も止められそう。このままでは、路頭に迷ってしまうかもしれない。

ふと、太郎の目に、コンビニの看板が飛び込んできた。「からあげ弁当、398円」。

久しぶりだな…からあげ弁当。

しかし、太郎の財布には、398円も入っていなかった。

諦めかけたその時、太郎はポケットに小さな紙切れを見つけ出した。それは、以前、道端で拾った100円玉だった。

2. 最後の希望

100円玉を握りしめ、太郎はコンビニへと向かった。

店内に入り、からあげ弁当を手に取ると、その重量と香りに、思わず顔がほころんだ。

レジ前で100円玉を差し出すと、店員は怪訝な顔で太郎を見つめた。

「すみません…他に…他に何か…支払えるものはありませんか?」

太郎は、必死に頭を下げた。

店員は、ため息をつきながら、からあげ弁当を袋に入れてくれた。

「もう二度とこんなことにならないように…」

太郎は、からあげ弁当を胸に抱きしめ、家路へと急いだ。

3. 温かい光

家に着いた太郎は、早速からあげ弁当を開けた。

熱々のからあげに、ご飯、そして漬物。シンプルな見た目だが、太郎にとっては最高の御馳走だった。

一口食べるごとに、体に活力がみなぎってくる。

「…まだ大丈夫だ。」

太郎は、決意を新たにした。

明日から、もっと頑張ろう。

4. 訪れる朝

翌朝、太郎は目を覚ました。

空腹感はまだ残っていたが、昨日の絶望感は消えていた。

冷蔵庫を開けると、そこには、昨日のからあげ弁当の半分が残っていた。

太郎は、そのからあげを温め、朝食として食べた。

温かいからあげを頬張りながら、太郎は未来への希望を膨らませた。

どんな困難があっても、必ず乗り越えられる。

そう信じ、太郎は今日も一歩を踏み出す。
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