40 / 59
34.美少女現る…その②
しおりを挟む
目の前の美少女に平手打ちされてもトカタオは、真っ裸の美少女から目を離すことが出来なかった。
パリンッ!ビシャーー。
にんにんがお茶会で使用していた中身が入っているティーポットをトカタオの頭に迷うことなく振り落とした。
トカタオは頭への衝撃と液体の熱さに驚き一瞬美少女から目を離したら、いなくなっていた…、あの真っ裸が。
その代わりに侍女ドウリアによってシーツを巻かれた美少女はいた、かなり怒っていたが。
「普通乙女の裸をガン見する?しないわよね!そんな事するのは変態だからねー!」
「いや、俺が問題にしたいのはそこじゃないんだが…」
「なに言い訳してるの!それ以外になにがあるっていうのよ。誤魔化されないもん!」
ララもかなり混乱しているようだ、自分が人型になっているのに気づかず、人型の真っ裸だけを問題にしている。ララにとって誕生50年目にして初変化だからそれも仕方がないことだろうが、それにしても竜人のくせして鈍すぎる。
「ララ様、変態王子はほっといてください。それより重要な事をお知らせします」
「うん?なあにドウリア」
「ララ様は今竜体ではありません。人型になっております」
「……ひ、と、が、た?」
ララはドウリアの言葉を繰り返し、自分の身体をしげしげと見てみた。お尻には自慢の尻尾がない、肌に鱗がない、髪の毛がふわふわ生えている、お腹がへこんでいる。---いやいや、最後のは竜体の特徴と関係ない。
ララは体に巻き付けたシーツを引きずりながら鏡の前に移動をする。鏡にはどこかで見たことがあるような顔をした美少女があほな表情で写っている。
「………これは誰かな?」
「ララ様でございます。竜体同様とても見目麗しいお姿ですよ」
「ウッキーイ!ウッキッキー♡」
ドウリアとにんにんがララの人型を褒めるが、ララからはなんの反応も返ってこない。
「おい、ララ大丈夫か。初変化だから驚いてるようだが、竜人には当たり前のことだ。安心しろ」
トカタオも放心状態のララを落ち着かせようと優しく声を掛けてみる。
「フフフ。私、分かっちゃったもんね。この顔どこかで見たと思ったのよ、これお兄様の顔だわ!お兄様女装して鏡の中に入ってドッキリを仕掛けているのね~。騙されないわよ、アハハ…」
ララが錯乱している…。女装して鏡に入れる竜人なんてどこを探しても見つからないのに、いる設定になっている。
にんにんがララに巻き付いているシーツをよじ登り、肩の上にちょこんと座る。そしてララの肌を傷つけないように完全に爪をしまってから、おもいきりララの頬っぺたを引っ張った。
ムギュゥギュゥーー。
「痛っーいー!にんにん止めてよ~」
「ウッキウッキ、ウッキウキウ、マオウキキウウウイイー」
「えっ、鏡の中にお兄様はいないの?本当にドッキリじゃない?!」
「ウキー!」
「こんな可愛い美少女見たことない…。私って、人型でもい、け、て、る…」
フラフラ、キュー、バッタン…。
ララルーア㊗初変化♪
だが自画自賛したあとに失神してしまった。それは変化のショックからなのか、それとも自分の美少女っぷりへの驚きだったのか…。
『あまりに可愛いからちょっと驚いただけだもん!でも私、本当は竜人じゃなくて天使なのかも…?』byララ
いいえ、あなたは正真正銘の竜人です!
パリンッ!ビシャーー。
にんにんがお茶会で使用していた中身が入っているティーポットをトカタオの頭に迷うことなく振り落とした。
トカタオは頭への衝撃と液体の熱さに驚き一瞬美少女から目を離したら、いなくなっていた…、あの真っ裸が。
その代わりに侍女ドウリアによってシーツを巻かれた美少女はいた、かなり怒っていたが。
「普通乙女の裸をガン見する?しないわよね!そんな事するのは変態だからねー!」
「いや、俺が問題にしたいのはそこじゃないんだが…」
「なに言い訳してるの!それ以外になにがあるっていうのよ。誤魔化されないもん!」
ララもかなり混乱しているようだ、自分が人型になっているのに気づかず、人型の真っ裸だけを問題にしている。ララにとって誕生50年目にして初変化だからそれも仕方がないことだろうが、それにしても竜人のくせして鈍すぎる。
「ララ様、変態王子はほっといてください。それより重要な事をお知らせします」
「うん?なあにドウリア」
「ララ様は今竜体ではありません。人型になっております」
「……ひ、と、が、た?」
ララはドウリアの言葉を繰り返し、自分の身体をしげしげと見てみた。お尻には自慢の尻尾がない、肌に鱗がない、髪の毛がふわふわ生えている、お腹がへこんでいる。---いやいや、最後のは竜体の特徴と関係ない。
ララは体に巻き付けたシーツを引きずりながら鏡の前に移動をする。鏡にはどこかで見たことがあるような顔をした美少女があほな表情で写っている。
「………これは誰かな?」
「ララ様でございます。竜体同様とても見目麗しいお姿ですよ」
「ウッキーイ!ウッキッキー♡」
ドウリアとにんにんがララの人型を褒めるが、ララからはなんの反応も返ってこない。
「おい、ララ大丈夫か。初変化だから驚いてるようだが、竜人には当たり前のことだ。安心しろ」
トカタオも放心状態のララを落ち着かせようと優しく声を掛けてみる。
「フフフ。私、分かっちゃったもんね。この顔どこかで見たと思ったのよ、これお兄様の顔だわ!お兄様女装して鏡の中に入ってドッキリを仕掛けているのね~。騙されないわよ、アハハ…」
ララが錯乱している…。女装して鏡に入れる竜人なんてどこを探しても見つからないのに、いる設定になっている。
にんにんがララに巻き付いているシーツをよじ登り、肩の上にちょこんと座る。そしてララの肌を傷つけないように完全に爪をしまってから、おもいきりララの頬っぺたを引っ張った。
ムギュゥギュゥーー。
「痛っーいー!にんにん止めてよ~」
「ウッキウッキ、ウッキウキウ、マオウキキウウウイイー」
「えっ、鏡の中にお兄様はいないの?本当にドッキリじゃない?!」
「ウキー!」
「こんな可愛い美少女見たことない…。私って、人型でもい、け、て、る…」
フラフラ、キュー、バッタン…。
ララルーア㊗初変化♪
だが自画自賛したあとに失神してしまった。それは変化のショックからなのか、それとも自分の美少女っぷりへの驚きだったのか…。
『あまりに可愛いからちょっと驚いただけだもん!でも私、本当は竜人じゃなくて天使なのかも…?』byララ
いいえ、あなたは正真正銘の竜人です!
78
あなたにおすすめの小説
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
私のことが大好きな守護竜様は、どうやら私をあきらめたらしい
鷹凪きら
恋愛
不本意だけど、竜族の男を拾った。
家の前に倒れていたので、本当に仕方なく。
そしたらなんと、わたしは前世からその人のつがいとやらで、生まれ変わる度に探されていたらしい。
いきなり連れて帰りたいなんて言われても、無理ですから。
そんなふうに優しくしたってダメですよ?
ほんの少しだけ、心が揺らいだりなんて――
……あれ? 本当に私をおいて、ひとりで帰ったんですか?
※タイトル変更しました。
旧題「家の前で倒れていた竜を拾ったら、わたしのつがいだと言いだしたので、全力で拒否してみた」
義弟の婚約者が私の婚約者の番でした
五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」
金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。
自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。
視界の先には
私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる