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40.焼きもちぷり~ず
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翌日、ララの部屋の扉には【トカ入室許す♪】という紙がデカデカと貼られていた。その大きさは縦横2mもあり巨大な凧のようだった。ララの作戦に掛ける意気込みが十分表れている…。
だがこの貼り紙は効果てきめんだった、公務に向かう為に自室を出たトカタオは貼り紙を見つけるやいなやララの部屋へと入っていこうとした。だがそれは護衛のカイによって力尽くで止められてしまった。
「トカ様、何をしているんですか。今から急ぎの公務がありますよね、竜王様もお待ちです。ララ様の部屋に立ち寄る時間はありません」
「だがララから許可が出ているんだ。このチャンスを逃して、この有り難い貼り紙が消えてしまったらどうしてくれんだ!カイお前責任取れんのか!」
侍女達の目もあるというのにトカタオがカイに逆切れしている。---優秀な王子の仮面はどうした、忘れて来たか?
「責任って、なんですか。そもそもトカ様が初デートで何かをやらかしてこんな事になっているんです。俺は初デートが出来るように援護射撃をしてあげましたよね、優秀な乳兄弟でしたよね!恩に着るって言ってましたよね、まさか忘れているんですか」
「い、いや、覚えている。だがそれとこれとは別だろ」
「トカ様が公務に遅れたりすると護衛である俺の評価が下がってボーナスに響くんです。だから今は公務に全力で向かってください。嫌なんて言いませんよね…、ト・カ・様」
空気を読む王子トカタオは優しい人が怒る前兆なのを察した。
(いかん、いかん!カイを怒らせたらまた土下座に繫がる…)
トカタオは王子としての威厳を保つため、ララの部屋に立ち寄るのを断腸の思いで諦め、泣く泣く公務に向かった。
だがララの部屋に向かって叫ぶのは忘れなかった。
「ララーー!お茶の時間に来るから貼り紙はそのままにしていろーーー」
その声は廊下に響き渡り、たくさんの侍女達の耳に届いていたので、十分に王子の威厳を損ねていた。だが聞いていない人もいた、ララルーア本人である。寝坊助のララはまだ夢の中『むにゃむにゃ、もう食べられない~』、トカタオの羞恥を捨てた叫びは無駄であった…。
****************************
---三時のおやつタイム---
仕事をいつもより早く終え、トカタオは美味しいお菓子持参でララの部屋を訪ねた。許可が却下されていないかとドキドキしながら扉を確認すると貼り紙はまだ貼ってあり、無事入室をすることが出来た。
昨日の泣きはらしていたララは嘘のように消え、いつもと同じ元気でご機嫌のララになっていた。それに美少女ララに変化し、昨日トカが選んだピンクのレースのワンピースを着て髪をポニーテールにしている。
(ここは天国か、美少女天使が俺に笑いかけている。もう心残りはない…)
馬鹿な事を考えている男がここにいるが、ララはそれに気づかずにパクパクとお菓子を頬張っている。
「このお菓子とっても美味しい、トカ有り難う♪」
「それは良かった、ララいっぱい食べろ」
「うん、お言葉に甘えて食べちゃうもんね。はい、あ~ん♪」
この『あ~ん♪』でにんにんはララから直接お菓子を口の中に入れてもらっていた。
モグモグモグ。
チラッとトカタオを見て『フッキー』と鼻で笑った後に得意げな顔をして、
モグモグモグ。
いつもお茶の時間に一緒にいるにんにんだが、勝手に食べて飽きたらふらふらとどこかに行ってしまうのに今日はララの膝の上に乗って降りようとしない。それに蝶ネクタイをし頭の毛をワックスでツンツンヘアにしてばっちり決めている。
なにも知らない人がこの光景を見たら、着飾らせたペットを可愛がっているだけにしか見えない。どう見たって、男の影なんかではない。
焼きもち作戦は完全なる失敗だ、やはり配役はミスでしかなかった。というかこれでいいと思った、ドウリアとララの頭の中を確認してみたい!このシチュエーションで焼きもちを焼く馬鹿な人はいないだろう…。
「おい、にんいん。ミニ猿のくせにいい気になるな!ララの膝から降りやがれ」
目の前に馬鹿がいた、見事に作戦に嵌っている…。
配役ミスではなかった、馬鹿にだけ通じる絶妙な配役だったのだ。
『これで焼きもちを焼く馬鹿は本当にいるんですね、驚きです』byドウリア
だがこの貼り紙は効果てきめんだった、公務に向かう為に自室を出たトカタオは貼り紙を見つけるやいなやララの部屋へと入っていこうとした。だがそれは護衛のカイによって力尽くで止められてしまった。
「トカ様、何をしているんですか。今から急ぎの公務がありますよね、竜王様もお待ちです。ララ様の部屋に立ち寄る時間はありません」
「だがララから許可が出ているんだ。このチャンスを逃して、この有り難い貼り紙が消えてしまったらどうしてくれんだ!カイお前責任取れんのか!」
侍女達の目もあるというのにトカタオがカイに逆切れしている。---優秀な王子の仮面はどうした、忘れて来たか?
「責任って、なんですか。そもそもトカ様が初デートで何かをやらかしてこんな事になっているんです。俺は初デートが出来るように援護射撃をしてあげましたよね、優秀な乳兄弟でしたよね!恩に着るって言ってましたよね、まさか忘れているんですか」
「い、いや、覚えている。だがそれとこれとは別だろ」
「トカ様が公務に遅れたりすると護衛である俺の評価が下がってボーナスに響くんです。だから今は公務に全力で向かってください。嫌なんて言いませんよね…、ト・カ・様」
空気を読む王子トカタオは優しい人が怒る前兆なのを察した。
(いかん、いかん!カイを怒らせたらまた土下座に繫がる…)
トカタオは王子としての威厳を保つため、ララの部屋に立ち寄るのを断腸の思いで諦め、泣く泣く公務に向かった。
だがララの部屋に向かって叫ぶのは忘れなかった。
「ララーー!お茶の時間に来るから貼り紙はそのままにしていろーーー」
その声は廊下に響き渡り、たくさんの侍女達の耳に届いていたので、十分に王子の威厳を損ねていた。だが聞いていない人もいた、ララルーア本人である。寝坊助のララはまだ夢の中『むにゃむにゃ、もう食べられない~』、トカタオの羞恥を捨てた叫びは無駄であった…。
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---三時のおやつタイム---
仕事をいつもより早く終え、トカタオは美味しいお菓子持参でララの部屋を訪ねた。許可が却下されていないかとドキドキしながら扉を確認すると貼り紙はまだ貼ってあり、無事入室をすることが出来た。
昨日の泣きはらしていたララは嘘のように消え、いつもと同じ元気でご機嫌のララになっていた。それに美少女ララに変化し、昨日トカが選んだピンクのレースのワンピースを着て髪をポニーテールにしている。
(ここは天国か、美少女天使が俺に笑いかけている。もう心残りはない…)
馬鹿な事を考えている男がここにいるが、ララはそれに気づかずにパクパクとお菓子を頬張っている。
「このお菓子とっても美味しい、トカ有り難う♪」
「それは良かった、ララいっぱい食べろ」
「うん、お言葉に甘えて食べちゃうもんね。はい、あ~ん♪」
この『あ~ん♪』でにんにんはララから直接お菓子を口の中に入れてもらっていた。
モグモグモグ。
チラッとトカタオを見て『フッキー』と鼻で笑った後に得意げな顔をして、
モグモグモグ。
いつもお茶の時間に一緒にいるにんにんだが、勝手に食べて飽きたらふらふらとどこかに行ってしまうのに今日はララの膝の上に乗って降りようとしない。それに蝶ネクタイをし頭の毛をワックスでツンツンヘアにしてばっちり決めている。
なにも知らない人がこの光景を見たら、着飾らせたペットを可愛がっているだけにしか見えない。どう見たって、男の影なんかではない。
焼きもち作戦は完全なる失敗だ、やはり配役はミスでしかなかった。というかこれでいいと思った、ドウリアとララの頭の中を確認してみたい!このシチュエーションで焼きもちを焼く馬鹿な人はいないだろう…。
「おい、にんいん。ミニ猿のくせにいい気になるな!ララの膝から降りやがれ」
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配役ミスではなかった、馬鹿にだけ通じる絶妙な配役だったのだ。
『これで焼きもちを焼く馬鹿は本当にいるんですね、驚きです』byドウリア
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