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1.悲恋の王女の帰還
ラース王国の騎士達が一対一の実践訓練に励んでいた時、一人の下っ端騎士がいきなり大きな声を張り上げながら走ってきた。
その知らせは三年前隣国の王に嫁いだタチアナ王女の帰還を告げるものだった。
「隣国の王に嫁いでいたタチアナ王女様が離縁され一週間後に帰還されるそうです!」
「本当か!だが政略結婚なのに大丈夫なのか?」
「はい、両国間で問題になっていた鉱脈の利権が決着したので離縁を許されたらしいです。タチアナ王女様を寵愛していた隣国の王はだいぶごねたらしいですが、最後には愛する人の希望を叶えようと渋々折れたらしいです!」
「「「うぉー!!!タチアナ王女の帰還だ!」」」
騎士達はその報告に歓声を上げ、それから一斉に騎士団の副団長であるリデック・バウアーへと視線を移した。
注目を一身に浴びている金髪碧眼の美丈夫なこの騎士こそが三年前までタチアナ王女の恋人だったのだ。
ラース王国と隣国とは両国間に跨いでいる鉱脈をめぐり長い間小競り合いが続いていた。派手な戦争までには至っていないが、それにより他の貿易にも影響が出ていたし、国民感情も悪化していたのでお互いになんとかしたい問題であった。
そして現国王と隣国の王は政略結婚という手段で問題の解決を図ることにした。
ラース王国の王女と隣国の王の婚姻、それには個人の意思や年齢など関係はない。王族の婚姻は政治的な駒として扱われるのが現実だ。
隣国の王は王女と親子ほどの年の差があり、すでに正妃を娶りその間に成人した三人の王子もいたが、可憐な王女との婚姻を前にしてあっさりと正妃を側妃の位に落としていた。
そのやり様に、タチアナ王女の周りの者達は『可憐なタチアナ王女様を欲した卑劣な王だ』と陰口を叩いていた。
そしてタチアナ王女には想いを寄せている騎士がいた。若いにも関わらずの実力で騎士団の副団長になっているリデック・バウアーであった。彼は伯爵家の嫡男で次期伯爵になる男だったが、一国の王女の結婚相手としてはその地位は低すぎた。
タチアナ王女はその真っ直ぐな想いを隠すことなくリデックに伝え、彼も身を弁えながらも王女への恋情を瞳に宿し接していたので、両想いなのは明らかだった。
可憐な王女と美丈夫な騎士の二人は身分を除けばお似合いの恋人同士だった。
そんな清い恋人達は、何か奇跡が起きて結ばれるのではないかと周りから温かく見守られていたが、奇跡は起きず政略結婚という悲劇が起きた。
政略結婚は王女として生まれた者の義務でもある、拒絶は許されない。
この時、タチアナ王女とリデックの恋は奇跡でなく悲恋で終わったはずだった…。
そして三年の歳月を経て、タチアナ王女が母国に帰ってくるのである。
みなの関心がリデックに集まるのは当然だった。だが当の本人は、その知らせにみなと同様に驚いてはいるがそれだけだった。
王女が政略結婚をした半年後には彼自身も同格の家柄である伯爵家の息女と政略結婚をしていたので、今更あの時の悲恋を蒸し返すような事態になるとは思っていなかった。
その知らせは三年前隣国の王に嫁いだタチアナ王女の帰還を告げるものだった。
「隣国の王に嫁いでいたタチアナ王女様が離縁され一週間後に帰還されるそうです!」
「本当か!だが政略結婚なのに大丈夫なのか?」
「はい、両国間で問題になっていた鉱脈の利権が決着したので離縁を許されたらしいです。タチアナ王女様を寵愛していた隣国の王はだいぶごねたらしいですが、最後には愛する人の希望を叶えようと渋々折れたらしいです!」
「「「うぉー!!!タチアナ王女の帰還だ!」」」
騎士達はその報告に歓声を上げ、それから一斉に騎士団の副団長であるリデック・バウアーへと視線を移した。
注目を一身に浴びている金髪碧眼の美丈夫なこの騎士こそが三年前までタチアナ王女の恋人だったのだ。
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そして現国王と隣国の王は政略結婚という手段で問題の解決を図ることにした。
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隣国の王は王女と親子ほどの年の差があり、すでに正妃を娶りその間に成人した三人の王子もいたが、可憐な王女との婚姻を前にしてあっさりと正妃を側妃の位に落としていた。
そのやり様に、タチアナ王女の周りの者達は『可憐なタチアナ王女様を欲した卑劣な王だ』と陰口を叩いていた。
そしてタチアナ王女には想いを寄せている騎士がいた。若いにも関わらずの実力で騎士団の副団長になっているリデック・バウアーであった。彼は伯爵家の嫡男で次期伯爵になる男だったが、一国の王女の結婚相手としてはその地位は低すぎた。
タチアナ王女はその真っ直ぐな想いを隠すことなくリデックに伝え、彼も身を弁えながらも王女への恋情を瞳に宿し接していたので、両想いなのは明らかだった。
可憐な王女と美丈夫な騎士の二人は身分を除けばお似合いの恋人同士だった。
そんな清い恋人達は、何か奇跡が起きて結ばれるのではないかと周りから温かく見守られていたが、奇跡は起きず政略結婚という悲劇が起きた。
政略結婚は王女として生まれた者の義務でもある、拒絶は許されない。
この時、タチアナ王女とリデックの恋は奇跡でなく悲恋で終わったはずだった…。
そして三年の歳月を経て、タチアナ王女が母国に帰ってくるのである。
みなの関心がリデックに集まるのは当然だった。だが当の本人は、その知らせにみなと同様に驚いてはいるがそれだけだった。
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