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6.話し合い②
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「では…貴方は王女の新しい恋人なの………?」
「それは違う!絶対に違う!」
顔を上げて全否定する彼に安堵したけど、『ならどうしてこんなことに?』という思いから溜まっていた感情を彼にぶつけてしまう。
「では通常の任務に戻ってよ。副団長なのだから出来るでしょう?
それにルイは最近貴方の顔を忘れているのよ…。今日も寝る前にあの子に会いに行ったら泣かれたでしょう!人見知りされたのよ。あんなに父親であるエディに懐いていたのに、これがどういうことか分かっている?それほど貴方は屋敷に帰ってこないし、帰って来ても真夜中で早朝には王宮のアイラ王女の元に行ってしまう。
まるで貴方の居場所は王女の傍のようだわ」
「………」
「ねえ、何か言ってよ。今の貴方は王家への忠誠というよりアイラ王女を優先しているようにしか思えないわ。
私が納得できる訳を話して…お願いよエディ」
感情を爆発させエディを責めるが、彼は苦しそうな表情をするだけで一言の言い訳すらしてくれない。
エディは真面目な人で口数は少ないけれど私に嘘を吐いたりしない。
---嘘は付けないから無言を貫いているの…?
彼の無言が答えだと受け取るしかなかった。
---さっきは恋人ではないと言ってくれたのに…。
もしかして噂の一部には真実が含まれているの?
恋人ではないけど助けた王女を愛してしまったの?
愛しているから信じたいけど、何も言ってくれないから分からないわ…信じられない…。
---貴方はもう私を愛していないの……?
これ以上はもう怖くて聞けなかった。嘘を吐かない彼に『私を愛しているのか?』と聞いて否と言われるのが嫌だったから。
「……もういいわ。おやすみなさい」
「待ってくれ、俺は…」
---エディ?ちゃんと話してくれるの…。それは私が望むようなこと…それとも…。
私はたぶん縋るようなそれでいて今にも泣きそうな目をして彼を見つめていたと思う。
「……すまない」
だがエディから返ってきた言葉はたった四文字の謝罪だけだった。
---それは何に対して謝っているの?王女を愛してしまったこと…?
まさか、これから私とルイを捨てること…。
私もそんな彼に声を掛けることなくベットに入ると端によりエディに背を向け目を閉じた。彼は私の髪を優しく撫で『おやすみキャッシー』と言ながら髪に優しく口づけを落としていたが、言葉を返すことが出来なかった。
だって声を堪えて泣いていたから…。
---ごめんなさい。今はちゃんと向き合えない。
愛しているのに信じていると言えない。
貴方は何も話してくれないし、何が本当か分からないんですもの。いったい何を信じればいいの…。
ウッウッ…エディ。
その晩は一緒のベットに居ながら初めてお互いの温もりを感じないまま眠った。
喧嘩をしてもちゃんと話し合いすぐに仲直りして来たのに、こんなことは初めてだった。
翌朝、目覚めた時にはすでに隣にエディの姿はなくその場所さえも冷たくなっていた。私はこの冷たさが彼と自分の現在の関係のように思えて、一人声を上げて泣いていた。
「それは違う!絶対に違う!」
顔を上げて全否定する彼に安堵したけど、『ならどうしてこんなことに?』という思いから溜まっていた感情を彼にぶつけてしまう。
「では通常の任務に戻ってよ。副団長なのだから出来るでしょう?
それにルイは最近貴方の顔を忘れているのよ…。今日も寝る前にあの子に会いに行ったら泣かれたでしょう!人見知りされたのよ。あんなに父親であるエディに懐いていたのに、これがどういうことか分かっている?それほど貴方は屋敷に帰ってこないし、帰って来ても真夜中で早朝には王宮のアイラ王女の元に行ってしまう。
まるで貴方の居場所は王女の傍のようだわ」
「………」
「ねえ、何か言ってよ。今の貴方は王家への忠誠というよりアイラ王女を優先しているようにしか思えないわ。
私が納得できる訳を話して…お願いよエディ」
感情を爆発させエディを責めるが、彼は苦しそうな表情をするだけで一言の言い訳すらしてくれない。
エディは真面目な人で口数は少ないけれど私に嘘を吐いたりしない。
---嘘は付けないから無言を貫いているの…?
彼の無言が答えだと受け取るしかなかった。
---さっきは恋人ではないと言ってくれたのに…。
もしかして噂の一部には真実が含まれているの?
恋人ではないけど助けた王女を愛してしまったの?
愛しているから信じたいけど、何も言ってくれないから分からないわ…信じられない…。
---貴方はもう私を愛していないの……?
これ以上はもう怖くて聞けなかった。嘘を吐かない彼に『私を愛しているのか?』と聞いて否と言われるのが嫌だったから。
「……もういいわ。おやすみなさい」
「待ってくれ、俺は…」
---エディ?ちゃんと話してくれるの…。それは私が望むようなこと…それとも…。
私はたぶん縋るようなそれでいて今にも泣きそうな目をして彼を見つめていたと思う。
「……すまない」
だがエディから返ってきた言葉はたった四文字の謝罪だけだった。
---それは何に対して謝っているの?王女を愛してしまったこと…?
まさか、これから私とルイを捨てること…。
私もそんな彼に声を掛けることなくベットに入ると端によりエディに背を向け目を閉じた。彼は私の髪を優しく撫で『おやすみキャッシー』と言ながら髪に優しく口づけを落としていたが、言葉を返すことが出来なかった。
だって声を堪えて泣いていたから…。
---ごめんなさい。今はちゃんと向き合えない。
愛しているのに信じていると言えない。
貴方は何も話してくれないし、何が本当か分からないんですもの。いったい何を信じればいいの…。
ウッウッ…エディ。
その晩は一緒のベットに居ながら初めてお互いの温もりを感じないまま眠った。
喧嘩をしてもちゃんと話し合いすぐに仲直りして来たのに、こんなことは初めてだった。
翌朝、目覚めた時にはすでに隣にエディの姿はなくその場所さえも冷たくなっていた。私はこの冷たさが彼と自分の現在の関係のように思えて、一人声を上げて泣いていた。
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