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8.正妃の初公務
---『魅惑の当番表』ができるまで---
離宮の使用人専用ダイニングルームにみんなが集まっている。その中にはしっかりとワンピース姿のシルビアもいる。すでに違和感はまったくない…(これでいいのか正妃よ)
みんなが固唾を飲んでシルビアの言葉を待っているのだ。
「獲ったどーーーですわ♪」
「「「「おおおーーーー!!!おめでとうございます!」」」
パチパチパチと拍手が巻き起こり、歓声が上がる。
シルビアが正妃として初公務を得たことの発表が行われていたのである。
ここでいう初公務とは、『夜伽の当番表作成』のことを指している。
お飾りの正妃であるシルビアに与えるれる公務はないはずだった、…それを国王を打ち負かしもぎ取ってきたのである。もはやみんなの中でシルビアは『勇者』レベルまで引き上げられている。
シルビアも盛り上がっているみんなに『勇者ポーズ』なるものを披露し始める。(おバカである)
筋肉自慢のクマ獣人アートンも負けじとポーズを始め、なぜかカピパラ獣人のトト爺まで参戦しダイニングルームは爆笑の渦となった。
元王女としての顔・素顔(気さくでお転婆で逞しい)・種族などシルビアの全てを受け入れている離宮の使用人達。そんな彼らの前では、シルビアも素の自分を出すようになっていた。
主従関係だけでなく、すでに離宮の使用人達とは同志のような絆が生まれている。
パン!パン!パン!
「さて、そろそろ本題に入りましょう」
みんなが落ち着いてきたタイミングで侍女頭メリーが声を掛けた。
シルビアはやる気に満ちた顔で、話し始める。
「今回強引に正妃の公務を取ってきたけど、成功しなければ意味がないわ」
(((うん、うん)))
「この仕事は綿密な調査と商品の調達と本の製作を短期間にやらなくてはいけません。
出来たらみんなにも手伝って欲しいと思ってます」
「「「ハイ!ハイ! 私(俺)がお手伝います!」」」
我先にと一斉に手が上がる、こんなおいしい話に乗らない者は1人もいない。
「みんなありがとう!能力や経歴を考えてメンバーを私の一存で決めさせてもらってもいいかしら?」
「「「もちろん!大丈夫です♪」」」
反対する者は誰もいない。みんな、自分が選ばれる事を期待して名前の発表を今か今かと待っている。
「では今回のメンバーを発表します!
調査隊はトト爺、ダイ、サーサ。
調達隊はサカト、メリー。
そして製本隊は私とコリンよ」
選ばれた者たちはガッツポーズで喜び、選ばれなかった者は『頑張れよ!』と盛大にエールを送った。
**************************
---調査隊---
シルビアが調査隊に指示を出している。
「すでに側妃達から排卵日やプレイの希望やサイズは聞き取って纏めてあるわ、サーサはその情報の正否確認をお願い。特にスリーサイズを誤魔化しているようだから念入りにチェックをお願いね!」
サーサが聞き取り調査のノートを開くと側妃達のスリーサイズが目に飛び込んできた。
三人とも『90・50・80』、いわゆる『ボン・キュッ・ボン』サイズである。明らかに詐称している。(…だが気持ちはよく分かる)
「わかりました、お任せください」
サーサは常日頃から無駄に人脈を広げていた、なぜなら趣味だから。変な趣味だと周りから言われていたが、この人脈を活かす時が来たと鼻息荒くサーサはスキップしながら部屋を出ていく。
「トト爺とダイは一ヶ月の国王のスケジュールを宰相と側近から聞き出してちょうだい。難しいけど出来るかしら?」
「ホッホッホ、朝飯前じゃ。仏のトトに不可能なしじゃ」
実はこのトト爺は50年間、オーサン国の諜報部隊に所属していた。『仏のトト』と呼ばれ、カピパラ獣人の可愛いフォルムに反したエグい行動で裏の世界の人々から一目置かれていた。いや、現在進行形で一目置かれている…。
今年めでたく70歳で定年退職し、御者へと転職した。座右の銘は『生涯現役』である。
「ダイは確か国王の側近ガロンと騎士学校の同級生よね、その関係から聞き出せそう?」
「大丈夫です。側近のガロンとはなぜか馬が合うんです」
ダイとガロンは騎士学校の同級生だった。猫獣人と犬獣人は性質が正反対の為、なかなか親しい間柄にならないのが定番である。だが『猫獣人らしからぬ生真面目なダイ』と『犬獣人の王道ガロン』は親友と言えるほど仲良くなった。
「ではわしらもボチボチ行くかの、ダイ坊」
「トト爺、ダイ坊は止めて下さい。もう28歳になっています」
坊呼ばわりに眉間に皺を寄せるダイとそんなことはお構いなしのトト爺が部屋を出ていく。
---調達隊---
調達隊に選ばれたサカトと侍女頭メリーは役割分担で揉めている。調達する商品は『夜の道具』と『演出を盛り上げるランジェリ
ー』。
「だから俺がランジェリーを買いに行くよ。メリーは夜の道具をお願い」
「私もランジェリーがいいですよ、もう片方をサカトが買いに行きなさいな」
シルビアはランジェリーを女性であるメリーにお願いしサカトには夜の道具を買いに行ってもらうつもりだった、その方がお互い買いやすいだろうから。だがサカトがランジェリー担当を主張し話しは平行線を辿っている。
「「なんでサカトは夜の道具担当が嫌なの?」」
サカトに何か深い理由があるのだと思い、2人は優しく尋ねてみた。
「いやじゃないよ。たださ~、夜の道具の店はギラギラした野郎どもばっかりいるんだよ。その点ランジェリー店は可愛い女の子がキャピキャピ下着を選んでいるんだよ、どっちがいいかと言ったら、迷わず女の子でしょう♪」
…サカトは可愛い女の子のいる店に行きたいだけだった、そして夜の道具の店は常連のようである…。
ただの猫獣人王道まっしぐらのアホだと分かり、問答無用で、サカト『夜の道具担当』、メリー『ランジェリー担当』に決定!!
「そんな殺生な~ヤダ!ヤダ!」
と往生際悪いのサカト。どうしようかとシルビアが考えていると、優しいみんなのお母さん的な羊獣人メリーは笑顔で鉄槌をくだす。
「サカト、一回掘られてきたらどうかしら♪」
「………」
---今日の教訓---『優しい羊獣人を怒らせてはいけない』
---製本隊---
製本作業に入るシルビアとコリン。表紙のデザインや文字の大きさや文章など悩むことは多々あったが力を合わせてサクサクと進める。なぜこんなにスムーズなのか、何を隠そう!この侍女コリンは同人誌会にこの人ありと云われる人物なのである。
リス族のコリンは小柄で可愛い女の子であるが、いわゆる腐女子だった。たまたまコリンが自分で作成した同人誌を落とし、シルビアが拾ってその才能を知っていたのである。そして今回その才能を見込まれ指名されていた。
文章はシルビアが書いているが、デザインや全体的なバランスはコリンが担当している。お互い適材適所なので、素晴らしいものが出来上がってきている。
「う~ん 何かパンチが足りないわよね。イラストを入れたいな…。今からイラスト描ける人を探してこようかな~」
「私が描きましょうか?」
何でもないことのようにコリンが答えた。
「出来るの!凄いわお願い、パンチがあって一目瞭然のイラストをお願いします♪」
……こうしてあのイラストが出来たのである、確かにパンチがあり、一目瞭然であった。
(((あり過ぎだろう!!!))) ---ギルア・宰相・ガロンの叫び---
こうして3日という短期間で本『魅惑の当番表』が完成した。鬼スケジュール&エグイ内容&リアルなイラスト、シルビアが求めるものが見事に詰まった完璧な当番表であった。
「みんなの協力で大変素晴らしい本が出来たわ、ありがとう!
これで国王をギャフン…じゃなかった、国王も喜んでくださるわ♪」
****************************
国王に提出する前に離宮では『魅惑の当番表』を回し読みしていた。なぜか、本を次の人に渡す時には目をそらし無言で渡してくる。だがみんな自分が読み終わるとその理由が分かった。
(((この本を普通の顔して渡せない)))
…そして男達の読後の感想(((死ぬな…これは…)))、おもわず国王に同情してしまった。
離宮の使用人専用ダイニングルームにみんなが集まっている。その中にはしっかりとワンピース姿のシルビアもいる。すでに違和感はまったくない…(これでいいのか正妃よ)
みんなが固唾を飲んでシルビアの言葉を待っているのだ。
「獲ったどーーーですわ♪」
「「「「おおおーーーー!!!おめでとうございます!」」」
パチパチパチと拍手が巻き起こり、歓声が上がる。
シルビアが正妃として初公務を得たことの発表が行われていたのである。
ここでいう初公務とは、『夜伽の当番表作成』のことを指している。
お飾りの正妃であるシルビアに与えるれる公務はないはずだった、…それを国王を打ち負かしもぎ取ってきたのである。もはやみんなの中でシルビアは『勇者』レベルまで引き上げられている。
シルビアも盛り上がっているみんなに『勇者ポーズ』なるものを披露し始める。(おバカである)
筋肉自慢のクマ獣人アートンも負けじとポーズを始め、なぜかカピパラ獣人のトト爺まで参戦しダイニングルームは爆笑の渦となった。
元王女としての顔・素顔(気さくでお転婆で逞しい)・種族などシルビアの全てを受け入れている離宮の使用人達。そんな彼らの前では、シルビアも素の自分を出すようになっていた。
主従関係だけでなく、すでに離宮の使用人達とは同志のような絆が生まれている。
パン!パン!パン!
「さて、そろそろ本題に入りましょう」
みんなが落ち着いてきたタイミングで侍女頭メリーが声を掛けた。
シルビアはやる気に満ちた顔で、話し始める。
「今回強引に正妃の公務を取ってきたけど、成功しなければ意味がないわ」
(((うん、うん)))
「この仕事は綿密な調査と商品の調達と本の製作を短期間にやらなくてはいけません。
出来たらみんなにも手伝って欲しいと思ってます」
「「「ハイ!ハイ! 私(俺)がお手伝います!」」」
我先にと一斉に手が上がる、こんなおいしい話に乗らない者は1人もいない。
「みんなありがとう!能力や経歴を考えてメンバーを私の一存で決めさせてもらってもいいかしら?」
「「「もちろん!大丈夫です♪」」」
反対する者は誰もいない。みんな、自分が選ばれる事を期待して名前の発表を今か今かと待っている。
「では今回のメンバーを発表します!
調査隊はトト爺、ダイ、サーサ。
調達隊はサカト、メリー。
そして製本隊は私とコリンよ」
選ばれた者たちはガッツポーズで喜び、選ばれなかった者は『頑張れよ!』と盛大にエールを送った。
**************************
---調査隊---
シルビアが調査隊に指示を出している。
「すでに側妃達から排卵日やプレイの希望やサイズは聞き取って纏めてあるわ、サーサはその情報の正否確認をお願い。特にスリーサイズを誤魔化しているようだから念入りにチェックをお願いね!」
サーサが聞き取り調査のノートを開くと側妃達のスリーサイズが目に飛び込んできた。
三人とも『90・50・80』、いわゆる『ボン・キュッ・ボン』サイズである。明らかに詐称している。(…だが気持ちはよく分かる)
「わかりました、お任せください」
サーサは常日頃から無駄に人脈を広げていた、なぜなら趣味だから。変な趣味だと周りから言われていたが、この人脈を活かす時が来たと鼻息荒くサーサはスキップしながら部屋を出ていく。
「トト爺とダイは一ヶ月の国王のスケジュールを宰相と側近から聞き出してちょうだい。難しいけど出来るかしら?」
「ホッホッホ、朝飯前じゃ。仏のトトに不可能なしじゃ」
実はこのトト爺は50年間、オーサン国の諜報部隊に所属していた。『仏のトト』と呼ばれ、カピパラ獣人の可愛いフォルムに反したエグい行動で裏の世界の人々から一目置かれていた。いや、現在進行形で一目置かれている…。
今年めでたく70歳で定年退職し、御者へと転職した。座右の銘は『生涯現役』である。
「ダイは確か国王の側近ガロンと騎士学校の同級生よね、その関係から聞き出せそう?」
「大丈夫です。側近のガロンとはなぜか馬が合うんです」
ダイとガロンは騎士学校の同級生だった。猫獣人と犬獣人は性質が正反対の為、なかなか親しい間柄にならないのが定番である。だが『猫獣人らしからぬ生真面目なダイ』と『犬獣人の王道ガロン』は親友と言えるほど仲良くなった。
「ではわしらもボチボチ行くかの、ダイ坊」
「トト爺、ダイ坊は止めて下さい。もう28歳になっています」
坊呼ばわりに眉間に皺を寄せるダイとそんなことはお構いなしのトト爺が部屋を出ていく。
---調達隊---
調達隊に選ばれたサカトと侍女頭メリーは役割分担で揉めている。調達する商品は『夜の道具』と『演出を盛り上げるランジェリ
ー』。
「だから俺がランジェリーを買いに行くよ。メリーは夜の道具をお願い」
「私もランジェリーがいいですよ、もう片方をサカトが買いに行きなさいな」
シルビアはランジェリーを女性であるメリーにお願いしサカトには夜の道具を買いに行ってもらうつもりだった、その方がお互い買いやすいだろうから。だがサカトがランジェリー担当を主張し話しは平行線を辿っている。
「「なんでサカトは夜の道具担当が嫌なの?」」
サカトに何か深い理由があるのだと思い、2人は優しく尋ねてみた。
「いやじゃないよ。たださ~、夜の道具の店はギラギラした野郎どもばっかりいるんだよ。その点ランジェリー店は可愛い女の子がキャピキャピ下着を選んでいるんだよ、どっちがいいかと言ったら、迷わず女の子でしょう♪」
…サカトは可愛い女の子のいる店に行きたいだけだった、そして夜の道具の店は常連のようである…。
ただの猫獣人王道まっしぐらのアホだと分かり、問答無用で、サカト『夜の道具担当』、メリー『ランジェリー担当』に決定!!
「そんな殺生な~ヤダ!ヤダ!」
と往生際悪いのサカト。どうしようかとシルビアが考えていると、優しいみんなのお母さん的な羊獣人メリーは笑顔で鉄槌をくだす。
「サカト、一回掘られてきたらどうかしら♪」
「………」
---今日の教訓---『優しい羊獣人を怒らせてはいけない』
---製本隊---
製本作業に入るシルビアとコリン。表紙のデザインや文字の大きさや文章など悩むことは多々あったが力を合わせてサクサクと進める。なぜこんなにスムーズなのか、何を隠そう!この侍女コリンは同人誌会にこの人ありと云われる人物なのである。
リス族のコリンは小柄で可愛い女の子であるが、いわゆる腐女子だった。たまたまコリンが自分で作成した同人誌を落とし、シルビアが拾ってその才能を知っていたのである。そして今回その才能を見込まれ指名されていた。
文章はシルビアが書いているが、デザインや全体的なバランスはコリンが担当している。お互い適材適所なので、素晴らしいものが出来上がってきている。
「う~ん 何かパンチが足りないわよね。イラストを入れたいな…。今からイラスト描ける人を探してこようかな~」
「私が描きましょうか?」
何でもないことのようにコリンが答えた。
「出来るの!凄いわお願い、パンチがあって一目瞭然のイラストをお願いします♪」
……こうしてあのイラストが出来たのである、確かにパンチがあり、一目瞭然であった。
(((あり過ぎだろう!!!))) ---ギルア・宰相・ガロンの叫び---
こうして3日という短期間で本『魅惑の当番表』が完成した。鬼スケジュール&エグイ内容&リアルなイラスト、シルビアが求めるものが見事に詰まった完璧な当番表であった。
「みんなの協力で大変素晴らしい本が出来たわ、ありがとう!
これで国王をギャフン…じゃなかった、国王も喜んでくださるわ♪」
****************************
国王に提出する前に離宮では『魅惑の当番表』を回し読みしていた。なぜか、本を次の人に渡す時には目をそらし無言で渡してくる。だがみんな自分が読み終わるとその理由が分かった。
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