9 / 99
1−8 初めての頼まれごと
しおりを挟む
この日から、私の住処はこの花壇となった。
幸いこの花壇の側には綺麗な噴水もあるし、近くに池もあるので水に困ることは無かった。おまけにこの周辺では一度も危険な目に遭ったことが無いのも最高だった。
そのお陰で私は魔法使いの言葉では無いけれども、快適な?蛙生活を送ることが出来ていた。
そんな蛙生活、五日目のある日のこと――。
『あ~今日もいいお天気ね~空が青くて気持ちがいいわ……』
いつものように食事を(害虫捕食)済ませた後、花壇に寝そべって空を見上げていた。
それにしても平和な世界だ……。働かなくてもいいし、食事に困ることはない。
このままいっそ蛙生活を続けてもいいかな……?
ふと、そこまで考え……我に返ると慌てて首を振った。
『な、何言ってるの?!私は人間でしょう?こんなカエルの姿のまま人生の幕を閉じるわけにはいかないのよ‼』
駄目だ。蛙の姿で生きていると、どうも思考まで蛙化?してしまうのかもしれない。しかし、私が半分元の姿に戻るのを諦めかけているのには訳がある。
何故なら私はほぼ毎日庭師に「蛙さん、今日も害虫駆除をしてくれてありがとう」と感謝の言葉を貰っているのに、未だに蛙の姿からバージョンアップ?する気配が全く無いからだ。
『うう~……あの詐欺魔法使いめ……さては私に嘘をついたんじゃないでしょうね……?本当は私が元の姿に戻れる魔法なんかかけていないのかも……』
ケロケロと低い声で唸っていると、遠くから私を呼ぶ声が聞こえてきた。
「お~い、白蛙さーん」
あの声は……庭師さんだ!そうだ、もっともっと私に感謝の言葉を述べるように催促しよう!
「ケロケロケロ!」
(庭師さん!)
ピョンと花壇から飛び降りると、ぴょんぴょん跳ねながら庭師さんの元へと向かった。
「やぁ、蛙さん。こんにちは、今日は君をこの花壇に住まわせて来れた恩人も一緒だよ」
庭師さんの足元まで飛び跳ねていくと、彼は笑顔で私に声を掛けてきた。
「ケロケロケロケロ?」
(私の恩人?)
思わず首を傾げた時……。
「本当にこの白蛙は人の言葉を理解しているみたいだな~」
何処かで聞き覚えのある声が聞こえたので、上を見上げた。
「こんにちは、白蛙さん」
その人物はしゃがみこむと私に挨拶をしてきた。
『あ!あなたは!』
そう、彼は魔法使いの次に出会ったイケメン青年だったのだ。
「どうだい?この花壇の住心地は?」
イケメン青年は蛙の私に優しい声で話しかけてくる。
『はい、とても住心地が良くて気に入りました。ただ一つ気にいらないことがあります。それは毎日害虫駆除に頑張っているのだから、もっと誠心誠意を込めて私に感謝してもらいたいということです。これではいつまでたっても人の姿に戻れませんよ』
ケロケロケロケロと鳴きながら、私は必死でイケメン青年に訴えた。
「どうですか?クロード様。この蛙、本当に我々に向かっておしゃべりをしているように見えませんか?」
するとその様子を眺めていた庭師さんがイケメン青年に声を掛けた話しかけた。
あ、そうだ!思い出した!このイケメン青年はクロードと言う名前だったっけ。
「うん、確かにそうだね。それなら……ちょっと試したいことがあるんだよな……」
イケメン青年……もとい、クロードは少し考えた素振りを見せると私に声を掛けてきた。
「白蛙さん。もし本当に僕の言葉が通じているなら……お願いがあるんだ。実は以前にあの池で大事なペンダントを落としてしまったんだよ。どうか探して貰えないかな?お願いだよ」
そしてクロードは何と蛙の私に頭を下げてくるではないか。
確かに池の中に落ちたペンダントを探すのは人間では無理だろう。
だけど、蛙の私なら……?
「ケロ!ケロケロケロ!ケロケロケロロロロロケロ!」
(はい、もちろんです!その代わり見つけたら感謝してくださいね!)
勿論、私が即答したのは言うまでも無かった――。
幸いこの花壇の側には綺麗な噴水もあるし、近くに池もあるので水に困ることは無かった。おまけにこの周辺では一度も危険な目に遭ったことが無いのも最高だった。
そのお陰で私は魔法使いの言葉では無いけれども、快適な?蛙生活を送ることが出来ていた。
そんな蛙生活、五日目のある日のこと――。
『あ~今日もいいお天気ね~空が青くて気持ちがいいわ……』
いつものように食事を(害虫捕食)済ませた後、花壇に寝そべって空を見上げていた。
それにしても平和な世界だ……。働かなくてもいいし、食事に困ることはない。
このままいっそ蛙生活を続けてもいいかな……?
ふと、そこまで考え……我に返ると慌てて首を振った。
『な、何言ってるの?!私は人間でしょう?こんなカエルの姿のまま人生の幕を閉じるわけにはいかないのよ‼』
駄目だ。蛙の姿で生きていると、どうも思考まで蛙化?してしまうのかもしれない。しかし、私が半分元の姿に戻るのを諦めかけているのには訳がある。
何故なら私はほぼ毎日庭師に「蛙さん、今日も害虫駆除をしてくれてありがとう」と感謝の言葉を貰っているのに、未だに蛙の姿からバージョンアップ?する気配が全く無いからだ。
『うう~……あの詐欺魔法使いめ……さては私に嘘をついたんじゃないでしょうね……?本当は私が元の姿に戻れる魔法なんかかけていないのかも……』
ケロケロと低い声で唸っていると、遠くから私を呼ぶ声が聞こえてきた。
「お~い、白蛙さーん」
あの声は……庭師さんだ!そうだ、もっともっと私に感謝の言葉を述べるように催促しよう!
「ケロケロケロ!」
(庭師さん!)
ピョンと花壇から飛び降りると、ぴょんぴょん跳ねながら庭師さんの元へと向かった。
「やぁ、蛙さん。こんにちは、今日は君をこの花壇に住まわせて来れた恩人も一緒だよ」
庭師さんの足元まで飛び跳ねていくと、彼は笑顔で私に声を掛けてきた。
「ケロケロケロケロ?」
(私の恩人?)
思わず首を傾げた時……。
「本当にこの白蛙は人の言葉を理解しているみたいだな~」
何処かで聞き覚えのある声が聞こえたので、上を見上げた。
「こんにちは、白蛙さん」
その人物はしゃがみこむと私に挨拶をしてきた。
『あ!あなたは!』
そう、彼は魔法使いの次に出会ったイケメン青年だったのだ。
「どうだい?この花壇の住心地は?」
イケメン青年は蛙の私に優しい声で話しかけてくる。
『はい、とても住心地が良くて気に入りました。ただ一つ気にいらないことがあります。それは毎日害虫駆除に頑張っているのだから、もっと誠心誠意を込めて私に感謝してもらいたいということです。これではいつまでたっても人の姿に戻れませんよ』
ケロケロケロケロと鳴きながら、私は必死でイケメン青年に訴えた。
「どうですか?クロード様。この蛙、本当に我々に向かっておしゃべりをしているように見えませんか?」
するとその様子を眺めていた庭師さんがイケメン青年に声を掛けた話しかけた。
あ、そうだ!思い出した!このイケメン青年はクロードと言う名前だったっけ。
「うん、確かにそうだね。それなら……ちょっと試したいことがあるんだよな……」
イケメン青年……もとい、クロードは少し考えた素振りを見せると私に声を掛けてきた。
「白蛙さん。もし本当に僕の言葉が通じているなら……お願いがあるんだ。実は以前にあの池で大事なペンダントを落としてしまったんだよ。どうか探して貰えないかな?お願いだよ」
そしてクロードは何と蛙の私に頭を下げてくるではないか。
確かに池の中に落ちたペンダントを探すのは人間では無理だろう。
だけど、蛙の私なら……?
「ケロ!ケロケロケロ!ケロケロケロロロロロケロ!」
(はい、もちろんです!その代わり見つけたら感謝してくださいね!)
勿論、私が即答したのは言うまでも無かった――。
12
あなたにおすすめの小説
幽霊じゃありません!足だってありますから‼
かな
恋愛
私はトバルズ国の公爵令嬢アーリス・イソラ。8歳の時に木の根に引っかかって頭をぶつけたことにより、前世に流行った乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったことに気づいた。だが、婚約破棄しても国外追放か修道院行きという緩い断罪だった為、自立する為のスキルを学びつつ、国外追放後のスローライフを夢見ていた。
断罪イベントを終えた数日後、目覚めたら幽霊と騒がれてしまい困惑することに…。えっ?私、生きてますけど
※ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください(*・ω・)*_ _)ペコリ
※遅筆なので、ゆっくり更新になるかもしれません。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「イザベラ、お前との婚約を破棄する!」「はい?」悪役令嬢のイザベラは、婚約者のエドワード王子から婚約の破棄を言い渡されてしまった。男爵家令嬢のアリシアとの真実の愛に目覚めたという理由でだ。さらには義弟のフレッド、騎士見習いのカイン、氷魔法士のオスカーまでもがエドワード王子に同調し、イザベラを責める。そして正義感が暴走した彼らにより、イザベラは殺害されてしまった。「……はっ! ここは……」イザベラが次に目覚めたとき、彼女は七歳に若返っていた。そして、この世界が乙女ゲームだということに気づく。予知夢で見た十年後のバッドエンドを回避するため、七歳の彼女は動き出すのであった。
悪役令嬢アンジェリカの最後の悪あがき
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【追放決定の悪役令嬢に転生したので、最後に悪あがきをしてみよう】
乙女ゲームのシナリオライターとして活躍していた私。ハードワークで意識を失い、次に目覚めた場所は自分のシナリオの乙女ゲームの世界の中。しかも悪役令嬢アンジェリカ・デーゼナーとして断罪されている真っ最中だった。そして下された罰は爵位を取られ、へき地への追放。けれど、ここは私の書き上げたシナリオのゲーム世界。なので作者として、最後の悪あがきをしてみることにした――。
※他サイトでも投稿中
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
森に捨てられた令嬢、本当の幸せを見つけました。
玖保ひかる
恋愛
[完結]
北の大国ナバランドの貴族、ヴァンダーウォール伯爵家の令嬢アリステルは、継母に冷遇され一人別棟で生活していた。
ある日、継母から仲直りをしたいとお茶会に誘われ、勧められたお茶を口にしたところ意識を失ってしまう。
アリステルが目を覚ましたのは、魔の森と人々が恐れる深い森の中。
森に捨てられてしまったのだ。
南の隣国を目指して歩き出したアリステル。腕利きの冒険者レオンと出会い、新天地での新しい人生を始めるのだが…。
苦難を乗り越えて、愛する人と本当の幸せを見つける物語。
※小説家になろうで公開した作品を改編した物です。
※完結しました。
処刑された悪役令嬢、二周目は「ぼっち」を卒業して最強チームを作ります!
みかぼう。
恋愛
地方を救おうとして『反逆者』に仕立て上げられ、断頭台で散ったエリアナ・ヴァルドレイン。
彼女の失敗は、有能すぎるがゆえに「独りで背負いすぎたこと」だった。
ループから始まった二周目。
彼女はこれまで周囲との間に引いていた「線」を、踏み越えることを決意した。
「お父様、私に『線を引け』と教えた貴方に、処刑台から見た真実をお話しします」
「殿下、私が貴方の『目』となります。王国に張り巡らされた謀略の糸を、共に断ち切りましょう」
淑女の仮面を脱ぎ捨て、父と王太子を「共闘者」へと変貌させる政争の道。
未来知識という『目』を使い、一歩ずつ確実に、破滅への先手を取っていく。
これは、独りで戦い、独りで死んだ令嬢が、信頼と連帯によって王国の未来を塗り替える――緻密かつ大胆なリベンジ政争劇。
「私を神輿にするのなら、覚悟してくださいませ。……その行き先は、貴方の破滅ですわ」
(※カクヨムにも掲載中です。)
悪役令嬢が行方不明!?
mimiaizu
恋愛
乙女ゲームの設定では悪役令嬢だった公爵令嬢サエナリア・ヴァン・ソノーザ。そんな彼女が行方不明になるというゲームになかった事件(イベント)が起こる。彼女を見つけ出そうと捜索が始まる。そして、次々と明かされることになる真実に、妹が両親が、婚約者の王太子が、ヒロインの男爵令嬢が、皆が驚愕することになる。全てのカギを握るのは、一体誰なのだろう。
※初めての悪役令嬢物です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる