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第143話 まさかの話
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これから記念式典パーティーまでの間にはいくつも試験が入っている。
試験の点数が悪ければパーティーに参加する資格が貰えないということもあり、珍しくクラスメイトたちが真剣に授業を受けている。
僕も当然、勉強だけに集中し……昼休みになる頃にはブラッドリーの事は忘れていた――。
キーンコーンカーンコーン……
授業終了のチャイムが鳴り響き、急いで机の片付けを始めた。
「今日もエディットとお昼を一緒に食べるんだろう?」
ラモンが僕に尋ねてくると、エミリオが彼を肘で小突いた。
「ばっかだな。当然のこと聞くなよ。な?アドルフ」
「うん、それじゃエディットを待たせたくないから、もう行くよ」
カバンを持つと立ち上がった。
「ああ、またな」
「ノートありがとうな」
僕は2人に今日の授業をまとめたノートを貸していた。
「うん、放課後までに返してくれればいいから」
「悪いな」
「助かったよ」
エミリオとラモンに見送れながら、急ぎ足で教室を後にした――。
「あ、もうAクラスは終わっていたのか……」
Aクラスにやってくると、もう授業は終わった後で生徒たちがぞろぞろと教室からでてくる場面に遭遇した。
「エディットはきっとまだだろうな」
そこで廊下の窓際まで下がると、エディットが現れるのを待つことにした。
「アドルフ様、お待たせしました」
少し待っていると、エディットが笑顔で教室から出てきた。
「大丈夫だよ、そんなに大して待っていないか……ら……え?な、何で2人が一緒に……」
何とエディットの後に続き、サチとセドリックが一緒に教室から出てきたのだ。
するとセドリックがすぐに声を掛けてきた。
「アドルフ、大事な話があるんだ。今日は僕達も一緒に食事に混ぜてもらうよ」
「よろしくお願いしますね。アドルフ様」
サチも僕に声を掛けてきた。
「う、うん。別にそれは構わないけど……?」
そしてエディットに視線を移すと、彼女はどこか困った様子で僕をじっと見つめていた――。
****
僕達4人は学生食堂の窓際、一番奥の丸テーブルを陣取っていた。
僕とセドリックは本日のランチセット。エディットはサンドイッチセットに、サチはカレーライスを頼んでいた。
やっぱりサチはこの世界でもカレーライスが大好きなのか……。
「アドルフ、ブラッドリーが両親と一緒に理事長室に呼ばれた話は知ってるかい?」
セドリックはエディットが一緒にいる為、僕の名前を口にした。
「うん、勿論知ってるよ。クラス中が噂してたからね」
「そうか。なら退学の話は?」
「え?やっぱり退学になるのかい?!」
これには流石に驚いた。エディットも目を見開いてセドリックの話を聞いている。
「そんなの当然の話ですから」
カレー料理を前に、サチは憤慨している。
「一体……どういうことですか?」
エディットがセドリックに尋ねた。
「僕が学院に圧力をかけたからさ。ブラッドリー・モーガンを退学させるようにってね。ついでに自分の権力を使って、彼から爵位を奪ってこの国から追い出すことにしたよ」
セドリックはとんでもないことを言ってのけた――。
試験の点数が悪ければパーティーに参加する資格が貰えないということもあり、珍しくクラスメイトたちが真剣に授業を受けている。
僕も当然、勉強だけに集中し……昼休みになる頃にはブラッドリーの事は忘れていた――。
キーンコーンカーンコーン……
授業終了のチャイムが鳴り響き、急いで机の片付けを始めた。
「今日もエディットとお昼を一緒に食べるんだろう?」
ラモンが僕に尋ねてくると、エミリオが彼を肘で小突いた。
「ばっかだな。当然のこと聞くなよ。な?アドルフ」
「うん、それじゃエディットを待たせたくないから、もう行くよ」
カバンを持つと立ち上がった。
「ああ、またな」
「ノートありがとうな」
僕は2人に今日の授業をまとめたノートを貸していた。
「うん、放課後までに返してくれればいいから」
「悪いな」
「助かったよ」
エミリオとラモンに見送れながら、急ぎ足で教室を後にした――。
「あ、もうAクラスは終わっていたのか……」
Aクラスにやってくると、もう授業は終わった後で生徒たちがぞろぞろと教室からでてくる場面に遭遇した。
「エディットはきっとまだだろうな」
そこで廊下の窓際まで下がると、エディットが現れるのを待つことにした。
「アドルフ様、お待たせしました」
少し待っていると、エディットが笑顔で教室から出てきた。
「大丈夫だよ、そんなに大して待っていないか……ら……え?な、何で2人が一緒に……」
何とエディットの後に続き、サチとセドリックが一緒に教室から出てきたのだ。
するとセドリックがすぐに声を掛けてきた。
「アドルフ、大事な話があるんだ。今日は僕達も一緒に食事に混ぜてもらうよ」
「よろしくお願いしますね。アドルフ様」
サチも僕に声を掛けてきた。
「う、うん。別にそれは構わないけど……?」
そしてエディットに視線を移すと、彼女はどこか困った様子で僕をじっと見つめていた――。
****
僕達4人は学生食堂の窓際、一番奥の丸テーブルを陣取っていた。
僕とセドリックは本日のランチセット。エディットはサンドイッチセットに、サチはカレーライスを頼んでいた。
やっぱりサチはこの世界でもカレーライスが大好きなのか……。
「アドルフ、ブラッドリーが両親と一緒に理事長室に呼ばれた話は知ってるかい?」
セドリックはエディットが一緒にいる為、僕の名前を口にした。
「うん、勿論知ってるよ。クラス中が噂してたからね」
「そうか。なら退学の話は?」
「え?やっぱり退学になるのかい?!」
これには流石に驚いた。エディットも目を見開いてセドリックの話を聞いている。
「そんなの当然の話ですから」
カレー料理を前に、サチは憤慨している。
「一体……どういうことですか?」
エディットがセドリックに尋ねた。
「僕が学院に圧力をかけたからさ。ブラッドリー・モーガンを退学させるようにってね。ついでに自分の権力を使って、彼から爵位を奪ってこの国から追い出すことにしたよ」
セドリックはとんでもないことを言ってのけた――。
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