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第190話 セシルの告白 2
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「そう……」
返事をすると、セシルは首を傾げた。
「何だ?こっちは一大決心してエルザに告白してるのに……随分冷めた態度だな?」
「え?あ!ご、ごめんなさいっ!べ、別にそんなつもりは少しも無かったのよ?」
慌てて謝った。
「クックッ……」
するとセシルが俯き、肩を震わせている。
「……セシル?どうかしたの?」
まさか…泣いている?
「いや、今の言葉を本気で取るから…ついおかしくて……」
顔を上げたセシルは笑っていた。
「ええ?!そ、それじゃ今の告白も……?」
「違う違う、それは本当のことだ。俺が言ってるのは、随分冷めた態度だな?って言ったことだよ」
「あ…な、何だ……そのことなのね?驚いたわ……」
何だか拍子抜けしてしまった。
「エルザ、それじゃ俺の告白は驚かなかったってことなのか?」
再びセシルが尋ねてきた。
「え、ええ……そうね。なんとなくそんな気がしていたから……」
「そうか。つまりエルザは俺の気持ちを知っていたってことか……?いつからなんだ?」
「え?いつからって…それはこの間セシルから貰った手紙で知ったのよ?」
「何だって?それじゃ手紙を読むまでは俺がエルザを思う気持ちに気付いていなかったってことか?」
セシルが半ば呆れ顔で私を見た。
「え、ええ……そうなるわね。ごめんなさい」
「別に謝ることは無いさ。そうか……だから兄さんと結婚したのか……。俺の気持ちを知っていたら結婚をやめていたか?」
「そ、それは……!」
セシルは何故、こんな酷なことを聞いてくるのだろう。
私が言葉に詰まるのを見て、セシルが謝ってきた。
「ごめん。エルザ。今の言葉は……忘れてくれ。どうかしていた」
「セシル……」
「エルザは子供の頃から兄さんが好きだったもんな……。兄さんは俺とは違って優しかったし……。それなのに俺は……自分の好きな子の気を引く為に……意地悪なことばかりして…素直になれなくて最低だった。挙げ句に大人になれば、今度はどんな風に接すればいいのか、自分で分からなくて……」
「そう……だったの……?」
知らなかった。セシルが私のことをそんな風に思っていたなんて……。
「正直に言うと、兄さんとローズさんが婚約した時……俺はすごく嬉しかったんだ。2人を祝う気持ちも勿論あったけど、これでエルザはもう兄さんと結ばれることは無いだろうって。俺にも……チャンスが廻ってくるだろうって思っていたのに……」
セシルはそこで苦しそうに顔を歪めた。
「ローズさんは……別の男性と駆け落ちしてしまった。そしてローズさんの穴埋めにエルザが結婚相手に決まってしまった……」
「……」
私は黙ってセシルの話を聞いていた。
セシルは何も知らないのだ。
姉の駆け落ちは……フィリップの協力があったということに――。
返事をすると、セシルは首を傾げた。
「何だ?こっちは一大決心してエルザに告白してるのに……随分冷めた態度だな?」
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慌てて謝った。
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するとセシルが俯き、肩を震わせている。
「……セシル?どうかしたの?」
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「ええ?!そ、それじゃ今の告白も……?」
「違う違う、それは本当のことだ。俺が言ってるのは、随分冷めた態度だな?って言ったことだよ」
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何だか拍子抜けしてしまった。
「エルザ、それじゃ俺の告白は驚かなかったってことなのか?」
再びセシルが尋ねてきた。
「え、ええ……そうね。なんとなくそんな気がしていたから……」
「そうか。つまりエルザは俺の気持ちを知っていたってことか……?いつからなんだ?」
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「何だって?それじゃ手紙を読むまでは俺がエルザを思う気持ちに気付いていなかったってことか?」
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「そ、それは……!」
セシルは何故、こんな酷なことを聞いてくるのだろう。
私が言葉に詰まるのを見て、セシルが謝ってきた。
「ごめん。エルザ。今の言葉は……忘れてくれ。どうかしていた」
「セシル……」
「エルザは子供の頃から兄さんが好きだったもんな……。兄さんは俺とは違って優しかったし……。それなのに俺は……自分の好きな子の気を引く為に……意地悪なことばかりして…素直になれなくて最低だった。挙げ句に大人になれば、今度はどんな風に接すればいいのか、自分で分からなくて……」
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セシルはそこで苦しそうに顔を歪めた。
「ローズさんは……別の男性と駆け落ちしてしまった。そしてローズさんの穴埋めにエルザが結婚相手に決まってしまった……」
「……」
私は黙ってセシルの話を聞いていた。
セシルは何も知らないのだ。
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