君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました

結城芙由奈@コミカライズ連載中

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第16話 アダム 3

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 ソフィアはアダムに連れられて、カフェに来ていた。

この店は人気店らしく、多くの客で賑わいを見せている。木目のお洒落な内装で、所々に観葉植物が置かれて蓄音機からは流行の音楽が流れていた。

2人は窓際のボックス席に座り、目の前にはメニューを広げたアダムがいる。
彼は真剣な眼差しでメニューを見つめていた。

(こ、これは一体どういう状況なのかしら……?)

メニューを見ながら、ソフィアはアダムの様子を伺っていた。
ここへ連れて来られるまでの間、2人はまだ一度も会話を交わしていない。
ソフィアはアダムが何を考えているのか、さっぱり分からなかった。

(それにしても……アダムさんは美しい人だわ……)

窓から差し込む太陽の光が、アダムの髪を照らしてキラキラと輝いている。男性にしておくのは持ったない程の長いまつげに、彫の深い顔。

思わず見惚れているとソフィアの視線に気づいたのか、アダムは顔を上げた。

「ソフィアさん、注文は決まりましたか?」

「い、いえ。まだです。あの……中々決められなくて」

アダムの視線が眩しくて、ソフィアはメニューに視線を移す。

「でしたら、今の時間は女性向けのセットメニューがあります。どうでしょうか?」

「は、はい。それではそちらのメニューでお願いします」

かしこまって返事をすると、アダムは小さく頷きメニューを閉じると慣れた手つきで手を上げた。
するとすぐにウェイターが気付いて声をかけてきた。

「ご注文はお決まりですか?」

「こちらの女性にはレディースセットを。後、ランチプレートをお願いします」

アダムがウェイターに注文している姿をぼんやりと見つめるソフィア。
ウェイターが去ると、アダムはソフィアをじっと見つめる。

「ソフィアさん。本日は貴重なお時間を私に割いていただき、ありがとうございます」

「い、いえ。こちらこそ……いつもお世話になっております」

ペコリと頭を下げるソフィア。
まるで傍から見ればビジネス的な会話を交わす2人。

「実は、本日お誘いしたのはソフィアさんに提案したいお話があったからです」

じっと見つめるアダム。

「え? 提案……ですか?」

(何? 私をここへ誘ったのは……プロポーズの話では無かったの!?)

ソフィアはアダムが何を考えているのか全く分からず、軽く混乱していた。

「あ、あの……提案とはどのようなことでしょうか?」

緊張しながら尋ねる。

「はい。ソフィアさん、私と……結婚しませんか?」

「ええっ!? け、結婚!?」

まさかいきなりのプロポーズの話に、ソフィアは大きな声を上げてしまう。
そんな2人に注目する来店客たち。

「あ、あの……アダムさん、もう一度言っていただけませんか?」

余りにも唐突な結婚の話なので、聞き間違いでは無いかとソフィアは心配になった。

「はい、分かりました。ではもう一度申し上げます。ソフィアさん、私と結婚しませんか? 私は貴女に好意を抱いています。この提案……受けていただけないでしょうか?」

アダムは顔色一つ変えず、淡々とソフィアに求婚を申し出てきた――
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