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第7章 8 魔法陣
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「オスカー様は最初にいた地下牢よりもさらに見張りが厳重な地下牢へと連れて行かれたようです。しかも巨大な迷路のように入り組んだ場所と言う事で・・特殊な魔力を持った者しか目的地へ辿り着く事が出来ない場所と聞いております。」
シモンの話を聞き、私はますます絶望的な気持ちになってしまった。アスターも行方不明、その上フリードリッヒ3世に狙われている。そこまで考えて、私は重大な事に気が付いた。夢の中でフリードリッヒ3世が言った言葉・・・。
≪ アイリス・・・ついに見つけたぞ?まさか・・こんなところにいたとはな・・・。 ≫
もしかして・・・見つけたとは、この地下室の隠れ家の事を言ったのではないだろうか?
「あ、あの!私が3日間眠りに就いている間・・・何か危険な事はありませんでしたか?例えば王宮の兵士が攻めてきたとか・・・。」
「いいえ?そのような事はありませんでしたが?」
シモンは首を傾げる。と言う事は・・・これから攻めて来るのでは・・?だとしたら、急がなければっ!
「あの!今すぐ・・ここから逃げなければ危険ですっ!」
「え・・?アイリス様。一体何を・・。」
「わ、私・・・夢の中で国王陛下に会ったのです。彼は私を見て言いました。ついに見つけたぞ、まさかこんなところにいたとは・・と言われたのです。それはひょっとするとこの場所の事かもしれませんっ!」
私は必死で訴えるもシモンは笑みを浮かべながら言う。
「まさか・・・アイリス様。それは夢の話ですよね?ここへ来られたアイリス様ならお分かりになるでしょう?ここへたどり着くまでにどれほど困難な道のりか・・・。」
「はい、それは十分知っています。ですが・・相手はあの悪魔に憑りつかれた国王ですよ?相手の夢の中に入り込むことくらい・・造作ないことではないでしょうか?」
「・・・。」
シモンは少しの間、私の顔をじっと見つめていたが・・・口を開いた。
「そうですね・・・。相手はあの国王です。すぐにここを捨てましょう。地上から逃げると王級の兵士に見つかるかもしれません。この地下通路を進みましょう。実はこの地下通路の奥には別の場所へ移動できる魔法陣があるのです。私は他の者たちを集めてきます。アイリス様はユリアナと先に逃げてくださいっ!今ユリアナを呼んできますっ!」
言い残すとシモンは部屋を飛び出していく。そして少し待つとパタパタと軽い足音が聞こえてきた。
コンコン
ドアをノックする音と同時にユリアナの声がする。
「アイリス様、ユリアナです。」
私はその声にドアを開けると、えんじ色のマントを身に着け、フードを被ったユリアナが立っていた。彼女は右手にカンテラを持ち、左手には濃い若草色の四角く畳まれた布地を持っている。
「ユリアナ・・。」
「アイリス様。シモン様のご命令により、これより魔法陣までご案内させて頂きます。」
「ええ、お願いするわ。」
「では急いで参りましょう。アイリス様もこのマントを羽織ってください。」
ユリアナは左手に持っていたマントを手渡してきた。
「ありがとう。」
さっそくマントを広げて肩から羽織り、首元のリボンを結んだ。
「アイリス様。顔は見られないようにフードを目深に被っておいてくださいね。」
「ええ。」
「では参りましょう。」
ユリアナは頷くと、私に前に立ってカンテラをかざすと暗い地下通路を進み始めた
カツーンカツーン
トンネルのような地下通路に2人分の足音が響き渡り、辺り不気味な気配が漂っている。もうかなりの距離を歩いている気がするのだが・・魔法陣どころか、シモン達が後から追いかけてきている気配すら感じられない。私はだんだん不安になり、前を歩くユリアナに声を掛けた。
「ねえ・・ユリアナ。まだ・・まだ魔法陣までは辿り着かないのかしら?」
すると・・・。
「フフフフ・・・。」
突如ユリアナが笑いだし、立ち止まった―。
シモンの話を聞き、私はますます絶望的な気持ちになってしまった。アスターも行方不明、その上フリードリッヒ3世に狙われている。そこまで考えて、私は重大な事に気が付いた。夢の中でフリードリッヒ3世が言った言葉・・・。
≪ アイリス・・・ついに見つけたぞ?まさか・・こんなところにいたとはな・・・。 ≫
もしかして・・・見つけたとは、この地下室の隠れ家の事を言ったのではないだろうか?
「あ、あの!私が3日間眠りに就いている間・・・何か危険な事はありませんでしたか?例えば王宮の兵士が攻めてきたとか・・・。」
「いいえ?そのような事はありませんでしたが?」
シモンは首を傾げる。と言う事は・・・これから攻めて来るのでは・・?だとしたら、急がなければっ!
「あの!今すぐ・・ここから逃げなければ危険ですっ!」
「え・・?アイリス様。一体何を・・。」
「わ、私・・・夢の中で国王陛下に会ったのです。彼は私を見て言いました。ついに見つけたぞ、まさかこんなところにいたとは・・と言われたのです。それはひょっとするとこの場所の事かもしれませんっ!」
私は必死で訴えるもシモンは笑みを浮かべながら言う。
「まさか・・・アイリス様。それは夢の話ですよね?ここへ来られたアイリス様ならお分かりになるでしょう?ここへたどり着くまでにどれほど困難な道のりか・・・。」
「はい、それは十分知っています。ですが・・相手はあの悪魔に憑りつかれた国王ですよ?相手の夢の中に入り込むことくらい・・造作ないことではないでしょうか?」
「・・・。」
シモンは少しの間、私の顔をじっと見つめていたが・・・口を開いた。
「そうですね・・・。相手はあの国王です。すぐにここを捨てましょう。地上から逃げると王級の兵士に見つかるかもしれません。この地下通路を進みましょう。実はこの地下通路の奥には別の場所へ移動できる魔法陣があるのです。私は他の者たちを集めてきます。アイリス様はユリアナと先に逃げてくださいっ!今ユリアナを呼んできますっ!」
言い残すとシモンは部屋を飛び出していく。そして少し待つとパタパタと軽い足音が聞こえてきた。
コンコン
ドアをノックする音と同時にユリアナの声がする。
「アイリス様、ユリアナです。」
私はその声にドアを開けると、えんじ色のマントを身に着け、フードを被ったユリアナが立っていた。彼女は右手にカンテラを持ち、左手には濃い若草色の四角く畳まれた布地を持っている。
「ユリアナ・・。」
「アイリス様。シモン様のご命令により、これより魔法陣までご案内させて頂きます。」
「ええ、お願いするわ。」
「では急いで参りましょう。アイリス様もこのマントを羽織ってください。」
ユリアナは左手に持っていたマントを手渡してきた。
「ありがとう。」
さっそくマントを広げて肩から羽織り、首元のリボンを結んだ。
「アイリス様。顔は見られないようにフードを目深に被っておいてくださいね。」
「ええ。」
「では参りましょう。」
ユリアナは頷くと、私に前に立ってカンテラをかざすと暗い地下通路を進み始めた
カツーンカツーン
トンネルのような地下通路に2人分の足音が響き渡り、辺り不気味な気配が漂っている。もうかなりの距離を歩いている気がするのだが・・魔法陣どころか、シモン達が後から追いかけてきている気配すら感じられない。私はだんだん不安になり、前を歩くユリアナに声を掛けた。
「ねえ・・ユリアナ。まだ・・まだ魔法陣までは辿り着かないのかしら?」
すると・・・。
「フフフフ・・・。」
突如ユリアナが笑いだし、立ち止まった―。
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