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第8章 6 見破られた正体
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「よし、このくらいでいいだろう。」
無言で手押しポンプを押し続けていたレイフが突如口を開き、ポンプを押す手を止めた。
「あ・・ありがとうございます・・。」
なるべく声色を変えて俯きながらお礼をいう。大丈夫・・きっと気づかれていないはずだ。なのに・・。
「何故・・・ここへ来たんだ?」
突然レイフの声のトーンが変わった。ハッとなって顔を上げるとレイフはじっと私を見下ろしている。思わず後ずさるもレイフはじりじりと近づいてゆき・・ついに私は気づけば壁際に追い詰められ、逃げる事が出来なくなっていた。
「どうして・・こんな危険な場所へやってきたんだ?狙われているのが分かっていたんだろう?自分の身を犠牲にしてまでも・・・助けたかったのか?」
レイフは突然壁に手をついて私を囲い込むとじっと見つめてきた。ま、まさか…気付かれた・・・?だけどここは知らないふりを通した方がよさそうだ。
「さ、さあ・・・私には何の事かさっぱり分かりかねますが・・。」
するとレイフは言った。
「そんな姿をして・・ごまかせるとでも思ったか?」
レイフは突然私のボンネットを乱暴にはぎ取った。
パサッ・・・・
私の髪が肩に落ちる。そしてレイフは私の髪を一房手に取ると言った。
「この金糸のような美しい髪をしている女性を見るのは・・・・アイリス。お前以外俺はまだない。」
そしてレイフは目を閉じると私の髪に口付けすると言った
「帰れ、アイリス。今ならまだ間に合う。俺なら・・誰にも見つからず王宮を抜け出せる道を知っている。安全な場所まで連れ出して逃がしてやる。」
その目は・・・とても嘘をついているようには見えなかったが・・・・前世では私はレイフから酷い裏切りを受けている。そしてタバサがそばにいると言う事は操られている可能性だってあるのだ。
「お、お願い・・・・見逃して・・・レイフ・・。」
「お前がこのままオスカー王子の処に行かないと約束するなら見逃してやる。いや、それだけではない。安全に逃がしてやる。だが・・それでもオスカー王子を助け出すと言うなら・・・。」
「言う・・なら・・?」
「お前を国王陛下に引き渡すか・・・。」
すると突然レイフの手が伸びてきて、私の右手を握り締めてきた。
「!」
気付けば私はレイフによって草むらに押し倒されていた。必死で振りほどこうにも、背も高く鍛え上げたレイフの力にはかなうはずも無く、びくともしない。
「アイリス・・・。」
レイフが切なげに私の名を呼び・・左手でそっと私の頬に触れてきた。
< そうだ・・・やはり、あの時強引にアリスを奪ってやれば良かったんだ・・・!そうすればアイリスはオスカー王子に執着する事も無く、俺の事を・・! >
再びオスカーの恐ろしい思考が流れ込んできて、私は恐怖した。ま、まさかオスカーはこんなところで私を強引に・・っ?!
「ま、待って・・・!レイフ・・・!」
「いや・・もう待たない。アイリス・・俺はお前を愛しているんだ・・オスカー王子になど渡すものか。俺の方が・・ずっとずっと前からお前の事を・・!」
熱に浮かされたように私を見るレイフの目にはどこか狂気が宿っているように見えた。まさか・・・・これもタバサによる邪眼の力・・?!
「アイリス、今ここで俺のものになれ。俺は・・。」
その時・・
「何をしているのですかっ?!」
突然鋭い声が上がり、レイフがハッとなって身を起こした。すると、そこに立っていたのはユリアナだった。
「アイリス様っ!」
ユリアナがレイフによって羽交い絞めにされている私を見て悲鳴を上げた。
「くそっ!とんだ邪魔が・・・っ!」
レイフは憎々し気に起き上がり、ユリアナを睨みつけながら近づいてゆく。レイフの手には剣が握られていた。
ま、まさか―っ!!
無言で手押しポンプを押し続けていたレイフが突如口を開き、ポンプを押す手を止めた。
「あ・・ありがとうございます・・。」
なるべく声色を変えて俯きながらお礼をいう。大丈夫・・きっと気づかれていないはずだ。なのに・・。
「何故・・・ここへ来たんだ?」
突然レイフの声のトーンが変わった。ハッとなって顔を上げるとレイフはじっと私を見下ろしている。思わず後ずさるもレイフはじりじりと近づいてゆき・・ついに私は気づけば壁際に追い詰められ、逃げる事が出来なくなっていた。
「どうして・・こんな危険な場所へやってきたんだ?狙われているのが分かっていたんだろう?自分の身を犠牲にしてまでも・・・助けたかったのか?」
レイフは突然壁に手をついて私を囲い込むとじっと見つめてきた。ま、まさか…気付かれた・・・?だけどここは知らないふりを通した方がよさそうだ。
「さ、さあ・・・私には何の事かさっぱり分かりかねますが・・。」
するとレイフは言った。
「そんな姿をして・・ごまかせるとでも思ったか?」
レイフは突然私のボンネットを乱暴にはぎ取った。
パサッ・・・・
私の髪が肩に落ちる。そしてレイフは私の髪を一房手に取ると言った。
「この金糸のような美しい髪をしている女性を見るのは・・・・アイリス。お前以外俺はまだない。」
そしてレイフは目を閉じると私の髪に口付けすると言った
「帰れ、アイリス。今ならまだ間に合う。俺なら・・誰にも見つからず王宮を抜け出せる道を知っている。安全な場所まで連れ出して逃がしてやる。」
その目は・・・とても嘘をついているようには見えなかったが・・・・前世では私はレイフから酷い裏切りを受けている。そしてタバサがそばにいると言う事は操られている可能性だってあるのだ。
「お、お願い・・・・見逃して・・・レイフ・・。」
「お前がこのままオスカー王子の処に行かないと約束するなら見逃してやる。いや、それだけではない。安全に逃がしてやる。だが・・それでもオスカー王子を助け出すと言うなら・・・。」
「言う・・なら・・?」
「お前を国王陛下に引き渡すか・・・。」
すると突然レイフの手が伸びてきて、私の右手を握り締めてきた。
「!」
気付けば私はレイフによって草むらに押し倒されていた。必死で振りほどこうにも、背も高く鍛え上げたレイフの力にはかなうはずも無く、びくともしない。
「アイリス・・・。」
レイフが切なげに私の名を呼び・・左手でそっと私の頬に触れてきた。
< そうだ・・・やはり、あの時強引にアリスを奪ってやれば良かったんだ・・・!そうすればアイリスはオスカー王子に執着する事も無く、俺の事を・・! >
再びオスカーの恐ろしい思考が流れ込んできて、私は恐怖した。ま、まさかオスカーはこんなところで私を強引に・・っ?!
「ま、待って・・・!レイフ・・・!」
「いや・・もう待たない。アイリス・・俺はお前を愛しているんだ・・オスカー王子になど渡すものか。俺の方が・・ずっとずっと前からお前の事を・・!」
熱に浮かされたように私を見るレイフの目にはどこか狂気が宿っているように見えた。まさか・・・・これもタバサによる邪眼の力・・?!
「アイリス、今ここで俺のものになれ。俺は・・。」
その時・・
「何をしているのですかっ?!」
突然鋭い声が上がり、レイフがハッとなって身を起こした。すると、そこに立っていたのはユリアナだった。
「アイリス様っ!」
ユリアナがレイフによって羽交い絞めにされている私を見て悲鳴を上げた。
「くそっ!とんだ邪魔が・・・っ!」
レイフは憎々し気に起き上がり、ユリアナを睨みつけながら近づいてゆく。レイフの手には剣が握られていた。
ま、まさか―っ!!
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