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第9章 16 女神リオスの過去 ⑥
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「オスカーッ!!」
私は恋人の名を呼びながら瓦礫の城の中を走り続け・・・ついにオスカーを発見した。オスカーは1人の女性騎士と一緒に何者かと戦っていた。恐らく・・あれがエルトリアの若き国王なのかもしれない。エルトリアの国王は恐ろしい力を持っていた。剣術の巧みなオスカーと、女性ながら素早い剣技を繰り出す女性騎士の攻撃をいとも簡単にかわし、互角か・・いや、それ以上の腕前で2人を押している。その戦いのすさまじさが遠目からでも良く分かった。そして私は見た。そのエルトリアの国王の背後に・・。
「ロ・・ロキッ!!」
なんとロキがエルトリアの国王に憑りついているのだ。そしてロキの身体は赤く染まっている。あの赤く染まった身体は・・恐らく人を切った時の返り血を浴びたせいなのだと私はすぐに理解した。
「ま・・・まさか・・ロキ・・貴方・・神のくせに人間に手を掛けたの・・?」
その時・・ロキが憑りついたエルトリアの国王がオスカーに向かって剣を突き出した。
「イヤアアッ!!オスカーッ!!」
絶対間に合わないと思ったけれども・・私は駆け出し・・その直後・・・。
「危ない!オスカー様っ!」
水色の髪の女性騎士がオスカーの前に飛び出し・・・。
ズブッ!!
彼女の身体をロキの剣が貫いた。
「ゴフッ!」
女性騎士は口から大量の血を吐き、地面に倒れ込む。
「そんな・・・タバサッ!!しっかりしろ!」
オスカーが半狂乱になってタバサという女性騎士を抱き上げた。
「オスカー様っ!」
そこへ私が駆け寄る姿を見てオスカーは驚いた顔を見せた。
「え・・・?リオス・・?な、何故ここに・・?」
すると、今はすっかりエルトリアの国王の身体を乗っ取ったロキが言った。
「リオス・・やはりここへ来たのか?オスカーの元へ・・?」
「ロキ・・・。貴方・・何て事をしてくれたの?神のくせに・・どれだけの人間を手に掛けたの?!こんな事をして・・・ただで済むと思っているの?!」
私の言葉にオスカーは戸惑うばかりだった。
「一体さっきから何を言ってるんだ?リオス。神って・・何の事なんだ?」
「オスカー。そ、それは・・そんな事よりもその女性の手当をっ!」
タバサは虫の息だったが、まだ生きていた。今ならまだ助けられるかも・・・!
そう思った私はタバサに駆け寄り、治療を施そう手を伸ばした時・・。
「無駄だ、この女はオスカーを愛している。利用価値がありそうだ。」
ロキがタバサを指さすと言った。
「な・・・何だって?!」
ロキの言葉に驚いたのはオスカーだった。
「ほう・・・お前・・誰よりも一番傍にこの女を置いておきながら・・自分の事をどう思っているのか気持ちに気付かずに・・人間でありながら女神に手を出したのだな・・?」
ロキは憎々し気にオスカーを睨み付けると、タバサに向かって手を伸ばした。
すると・・タバサの身体が赤く光り輝き始め・・ふわりと宙に浮くと、ロキの腕の中に納まった。
「タバサッ!」
オスカーは自分の腕の中のタバサを奪われ、ロキを睨み付けた。
「タバサを放せっ!彼女は俺の大切な戦友だっ!」
「フフフ・・・愚かな男だ。この女がどれほど狂おしくお前を愛していたのか本当に気づかなかったのだな?それなのに・・たかが人間風情が・・恐れ多くも女神を愛するなど・・・もっての他だっ!!」
するとオスカーは言った。
「おい・・さっきから女神を愛する等・・・と言っているが、何の事だ?俺の愛する女性は・・ここにいるリオスだけだ。」
そしてオスカーは私を抱きよた。
「リオス・・・お前が女神だなんて・・そんなの・・嘘だよな・・?」
オスカーは縋るような目で私を見つめてきた―。
私は恋人の名を呼びながら瓦礫の城の中を走り続け・・・ついにオスカーを発見した。オスカーは1人の女性騎士と一緒に何者かと戦っていた。恐らく・・あれがエルトリアの若き国王なのかもしれない。エルトリアの国王は恐ろしい力を持っていた。剣術の巧みなオスカーと、女性ながら素早い剣技を繰り出す女性騎士の攻撃をいとも簡単にかわし、互角か・・いや、それ以上の腕前で2人を押している。その戦いのすさまじさが遠目からでも良く分かった。そして私は見た。そのエルトリアの国王の背後に・・。
「ロ・・ロキッ!!」
なんとロキがエルトリアの国王に憑りついているのだ。そしてロキの身体は赤く染まっている。あの赤く染まった身体は・・恐らく人を切った時の返り血を浴びたせいなのだと私はすぐに理解した。
「ま・・・まさか・・ロキ・・貴方・・神のくせに人間に手を掛けたの・・?」
その時・・ロキが憑りついたエルトリアの国王がオスカーに向かって剣を突き出した。
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絶対間に合わないと思ったけれども・・私は駆け出し・・その直後・・・。
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水色の髪の女性騎士がオスカーの前に飛び出し・・・。
ズブッ!!
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「ゴフッ!」
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「そんな・・・タバサッ!!しっかりしろ!」
オスカーが半狂乱になってタバサという女性騎士を抱き上げた。
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「え・・・?リオス・・?な、何故ここに・・?」
すると、今はすっかりエルトリアの国王の身体を乗っ取ったロキが言った。
「リオス・・やはりここへ来たのか?オスカーの元へ・・?」
「ロキ・・・。貴方・・何て事をしてくれたの?神のくせに・・どれだけの人間を手に掛けたの?!こんな事をして・・・ただで済むと思っているの?!」
私の言葉にオスカーは戸惑うばかりだった。
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「オスカー。そ、それは・・そんな事よりもその女性の手当をっ!」
タバサは虫の息だったが、まだ生きていた。今ならまだ助けられるかも・・・!
そう思った私はタバサに駆け寄り、治療を施そう手を伸ばした時・・。
「無駄だ、この女はオスカーを愛している。利用価値がありそうだ。」
ロキがタバサを指さすと言った。
「な・・・何だって?!」
ロキの言葉に驚いたのはオスカーだった。
「ほう・・・お前・・誰よりも一番傍にこの女を置いておきながら・・自分の事をどう思っているのか気持ちに気付かずに・・人間でありながら女神に手を出したのだな・・?」
ロキは憎々し気にオスカーを睨み付けると、タバサに向かって手を伸ばした。
すると・・タバサの身体が赤く光り輝き始め・・ふわりと宙に浮くと、ロキの腕の中に納まった。
「タバサッ!」
オスカーは自分の腕の中のタバサを奪われ、ロキを睨み付けた。
「タバサを放せっ!彼女は俺の大切な戦友だっ!」
「フフフ・・・愚かな男だ。この女がどれほど狂おしくお前を愛していたのか本当に気づかなかったのだな?それなのに・・たかが人間風情が・・恐れ多くも女神を愛するなど・・・もっての他だっ!!」
するとオスカーは言った。
「おい・・さっきから女神を愛する等・・・と言っているが、何の事だ?俺の愛する女性は・・ここにいるリオスだけだ。」
そしてオスカーは私を抱きよた。
「リオス・・・お前が女神だなんて・・そんなの・・嘘だよな・・?」
オスカーは縋るような目で私を見つめてきた―。
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