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エピソード22 お願い
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宿泊先のホテルのガレージに着き、車から降りると私はアレクに言った。
「ねえ、アレク。お願いがあるんだけど。」
「何だ?お願いって?」
車にカギを掛けるとアレクは私に向き直った。
「うん・・・。ホテルにはバラバラに入ろう?アレクから先に入って構わないから・・私は少し外で時間を潰してからホテルに戻るよ。」
「はぁ?何だそれは?」
不機嫌そうにアレクは私を見た。
「だって・・・これは私とアレクの為なんだよ?」
「何で俺とリアの為になるんだ?」
「私、このホテルを出る前に貴族令嬢達の前で凄く感じ悪い態度を取ったでしょう?だから皆・・・私の事、すごく嫌な人間だと思ってるに違いないから・・私と一緒にいたらアレク迄偏見の目で見られるよ。そんな事になったら・・・恋人を見つける事が出来ないでしょう?」
「リア、俺は別に恋人を見つけに来たわけじゃないぞ?ここに来たのは王子のお目付け役で付いてきただけだからな?」
「だったら、なおさら王子様の傍にいないと駄目じゃない。だからホテルにいる間は・・お互いに知らんふりをしていようよ。それに、私は友達と王子様が一緒にいる間は・・・王子様に近付く邪魔な女を虐める悪役令嬢の役を演じないといけないんだよ?つまり、私は王子様に好意を持つふりをしないとならないの。それなのに別の男性と一緒にいるわけにはいかないでしょう?」
「はぁ・・?何だ、それは?そんな細かい設定があるのか?お前はこれから1ヶ月間王子に好意を持ってるフリをするって事なのか?」
何故かアレクは私を酷く責めるような言い方をする。
「う、うん・・・。そうだ・・よ・・?ねえ・・アレク。ひょっとすると・・怒ってるの?」
アレクの機嫌が悪そうなので、恐る恐る尋ねてみた。
「ああ、怒ってるね。」
「ごめんなさい・・・。」
謝るとアレクは溜息をついた。
「勘違いするな。怒っているのはリアに対してじゃない。お前にそんな役を押し付ける友人と、そのことでイラついている自分に対して怒っているんだ。」
「アレク・・・。」
アレクは、はぁ~・・・と深いため息をつくと言った。
「分かったよ・・・ホテルの中と、人目のつく場所ではリアの事は無視していればいいんだろう?」
「うん。お願い。」
「その代わり・・。」
「その代わり?」
私は首を傾げた。
「メールや電話はするから、無視するなよ?それにたまには俺と一緒に出掛ける事、いいな?」
「う、うん・・・別にいいけど・・。」
アレクに約束させられてしまった。
「後・・・ホテルにはリア。お前が先に戻れよ。俺は後から戻るから。」
「え・・?でも・・・。」
何だかそれではアレクに悪い気がする。
「ほら、さっさと行けよ。もうすぐ昼になるぞ?」
「う、うん。分かった・・。」
アレクに背中を押されるような形で私はホテルへ一足先に向かった。
****
ホテルに戻った私は誰にも会う事も無く、自分の部屋へと戻ってきた。その直後に私のスマホが鳴り響く。相手は・・アレクだった。
「もしもし?」
『リア、もう部屋に戻ったのか?』
「うん、戻ったよ。」
『そうか・・分かった。それじゃ俺も部屋に戻るとするか。じゃあな。』
それだけ短く言うとアレクからの電話は切れた。
「ふう・・・気を遣わせちゃったかなぁ・・・。」
ベッドの上にゴロリと横になった直後に館内放送が流れた。
『皆様、お待たせ致しました。昼食の準備が出来ましたのでホテル1Fのレストランへお越しください・・。』
「お昼かぁ・・・皆に顔を合わせずらいけど・・・行かなくちゃ。」
私はベッドから身体を起こすと、気乗りのしないままレストランへ向かった―。
「ねえ、アレク。お願いがあるんだけど。」
「何だ?お願いって?」
車にカギを掛けるとアレクは私に向き直った。
「うん・・・。ホテルにはバラバラに入ろう?アレクから先に入って構わないから・・私は少し外で時間を潰してからホテルに戻るよ。」
「はぁ?何だそれは?」
不機嫌そうにアレクは私を見た。
「だって・・・これは私とアレクの為なんだよ?」
「何で俺とリアの為になるんだ?」
「私、このホテルを出る前に貴族令嬢達の前で凄く感じ悪い態度を取ったでしょう?だから皆・・・私の事、すごく嫌な人間だと思ってるに違いないから・・私と一緒にいたらアレク迄偏見の目で見られるよ。そんな事になったら・・・恋人を見つける事が出来ないでしょう?」
「リア、俺は別に恋人を見つけに来たわけじゃないぞ?ここに来たのは王子のお目付け役で付いてきただけだからな?」
「だったら、なおさら王子様の傍にいないと駄目じゃない。だからホテルにいる間は・・お互いに知らんふりをしていようよ。それに、私は友達と王子様が一緒にいる間は・・・王子様に近付く邪魔な女を虐める悪役令嬢の役を演じないといけないんだよ?つまり、私は王子様に好意を持つふりをしないとならないの。それなのに別の男性と一緒にいるわけにはいかないでしょう?」
「はぁ・・?何だ、それは?そんな細かい設定があるのか?お前はこれから1ヶ月間王子に好意を持ってるフリをするって事なのか?」
何故かアレクは私を酷く責めるような言い方をする。
「う、うん・・・。そうだ・・よ・・?ねえ・・アレク。ひょっとすると・・怒ってるの?」
アレクの機嫌が悪そうなので、恐る恐る尋ねてみた。
「ああ、怒ってるね。」
「ごめんなさい・・・。」
謝るとアレクは溜息をついた。
「勘違いするな。怒っているのはリアに対してじゃない。お前にそんな役を押し付ける友人と、そのことでイラついている自分に対して怒っているんだ。」
「アレク・・・。」
アレクは、はぁ~・・・と深いため息をつくと言った。
「分かったよ・・・ホテルの中と、人目のつく場所ではリアの事は無視していればいいんだろう?」
「うん。お願い。」
「その代わり・・。」
「その代わり?」
私は首を傾げた。
「メールや電話はするから、無視するなよ?それにたまには俺と一緒に出掛ける事、いいな?」
「う、うん・・・別にいいけど・・。」
アレクに約束させられてしまった。
「後・・・ホテルにはリア。お前が先に戻れよ。俺は後から戻るから。」
「え・・?でも・・・。」
何だかそれではアレクに悪い気がする。
「ほら、さっさと行けよ。もうすぐ昼になるぞ?」
「う、うん。分かった・・。」
アレクに背中を押されるような形で私はホテルへ一足先に向かった。
****
ホテルに戻った私は誰にも会う事も無く、自分の部屋へと戻ってきた。その直後に私のスマホが鳴り響く。相手は・・アレクだった。
「もしもし?」
『リア、もう部屋に戻ったのか?』
「うん、戻ったよ。」
『そうか・・分かった。それじゃ俺も部屋に戻るとするか。じゃあな。』
それだけ短く言うとアレクからの電話は切れた。
「ふう・・・気を遣わせちゃったかなぁ・・・。」
ベッドの上にゴロリと横になった直後に館内放送が流れた。
『皆様、お待たせ致しました。昼食の準備が出来ましたのでホテル1Fのレストランへお越しください・・。』
「お昼かぁ・・・皆に顔を合わせずらいけど・・・行かなくちゃ。」
私はベッドから身体を起こすと、気乗りのしないままレストランへ向かった―。
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