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エピソード23 ランチの席でのお願い
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ホテルのレストランへ行くと、すでにそこはサマースクールの参加者たちが集まっていた。フォスティーヌに意地悪をした私は居心地が悪くてたまらなかった。さぞかしあの時の私の姿を見た令嬢達に白い目で見られてしまうのでは無いかと思ったけれども、意外なほどに誰もが私に注意を払う事は無かった。何故なら彼女たちは王子様だけに夢中になっていたのである。
レストランの床は大理石でできており、ツルツルに磨き上げらていた。その床の上には楕円形の大きなテーブルがいくつか並べられている。テーブルにはしわ一つ無く綺麗に敷かれたテーブルクロスが美しいドレープを描き出していた。
ホテルのレストランは見上げるほどに高く、窓からは南国の太陽の光がヤシの葉の影を映しながら部屋の中に差し込でいる。
レストランの中央には10人ほどの演奏者が集まり、美しいメロディーを奏でていた。
「本当にすごいホテルだよね・・・・。生演奏だけでも十分すごいのに・・・。」
私は独り言を言うように料理が並んでいる前にトレーを持って立っていた
目の前には滅多にお目にかかれない豪華な料理が並んでいる。鴨のテリーヌやガレット、レッドロブスターにエスカエルゴ、フォアグラ、キャビア・・・そのどれもが目を見張るばかりである。
「我が家の食事とは大違いね・・・。」
その時・・ポンポンと肩を叩かれた。振り向くとそこにいたのはフォスティーヌだった。
「ねぇリアンナ。一体今まで何所に行ってたのよ。探していたんだからね?」
フォスティーヌは小声で私に囁いて来た。私は急いでトレーを置くとフォスティーヌの手を引いて人目のつかない、レストランの隅っこの方へ移動すると言った。
「ちょ、ちょっと・・・・フォスティーヌ。私と一緒にいたらまずいでしょう?私は貴女を虐める悪役令嬢なんだから。」
するとフォスティーヌは言った。
「あら、別に虐められるヒロインとそのヒロインを虐める悪役令嬢が一緒にいたっておかしくは無いわよ。だって小説や漫画の世界ではよくあることだもの。」
「え?そうなの?」
知らなかった・・・結局私はこのリゾート島へ来る間に悪役令嬢に関する本を1冊しか読んでいなかったから、そんなケースがあるとは思いもしなかったのだ。
「そっか・・・なら私とフォスティーヌが一緒に行動してもいいのね?」
「ええ、そうよ。どうも・・あの令嬢たちは皆お高くとまっているから嫌なのよ。やっぱりリアンナが一番だわ。だから、島にいる間はそこそこ親しく、そこそこ皇子様の前で私を虐めてね?」
中々難しい注文を付けて来るフォスティーヌ。
「う、うん・・・努力はしてみるけど・・・それじゃあさ、とりあえず・・お昼を食べない?」
「うん、そうね!お昼を食べましょう!」
そして私とフォスティーヌは2人で一緒にランチを取ることにした―。
****
「へぇ~・・・それじゃあ、王子様の付き人のアレクって人と一緒に買い物に行って来たのね?」
フォスティーヌはエスカルゴを殻から綺麗に取り出すと口に入れた。
「うん、そうなの。そこで水着を買ったのよ。」
私はガレットを口に入れて飲み込んだ。うん、美味しい。
「あら・・・水着なら用意してあるのに・・。」
「え?」
何だか非常に嫌な予感がしてきた。
「実はね・・・私達の中で王子様の取り合いにならないように取り決めをしたのよ。日替わりで、1日王子様を独占出来るって言う取り決めをね」
「ふ~ん・・・・。」
「それで、明日早速私の番なのよ。」
「なるほど・・・。」
「だから、明日は私の為に悪役令嬢をやりきってね?」
ああ・・やっぱりそうなるのね・・・。
私は溜息をつくのだった―・
レストランの床は大理石でできており、ツルツルに磨き上げらていた。その床の上には楕円形の大きなテーブルがいくつか並べられている。テーブルにはしわ一つ無く綺麗に敷かれたテーブルクロスが美しいドレープを描き出していた。
ホテルのレストランは見上げるほどに高く、窓からは南国の太陽の光がヤシの葉の影を映しながら部屋の中に差し込でいる。
レストランの中央には10人ほどの演奏者が集まり、美しいメロディーを奏でていた。
「本当にすごいホテルだよね・・・・。生演奏だけでも十分すごいのに・・・。」
私は独り言を言うように料理が並んでいる前にトレーを持って立っていた
目の前には滅多にお目にかかれない豪華な料理が並んでいる。鴨のテリーヌやガレット、レッドロブスターにエスカエルゴ、フォアグラ、キャビア・・・そのどれもが目を見張るばかりである。
「我が家の食事とは大違いね・・・。」
その時・・ポンポンと肩を叩かれた。振り向くとそこにいたのはフォスティーヌだった。
「ねぇリアンナ。一体今まで何所に行ってたのよ。探していたんだからね?」
フォスティーヌは小声で私に囁いて来た。私は急いでトレーを置くとフォスティーヌの手を引いて人目のつかない、レストランの隅っこの方へ移動すると言った。
「ちょ、ちょっと・・・・フォスティーヌ。私と一緒にいたらまずいでしょう?私は貴女を虐める悪役令嬢なんだから。」
するとフォスティーヌは言った。
「あら、別に虐められるヒロインとそのヒロインを虐める悪役令嬢が一緒にいたっておかしくは無いわよ。だって小説や漫画の世界ではよくあることだもの。」
「え?そうなの?」
知らなかった・・・結局私はこのリゾート島へ来る間に悪役令嬢に関する本を1冊しか読んでいなかったから、そんなケースがあるとは思いもしなかったのだ。
「そっか・・・なら私とフォスティーヌが一緒に行動してもいいのね?」
「ええ、そうよ。どうも・・あの令嬢たちは皆お高くとまっているから嫌なのよ。やっぱりリアンナが一番だわ。だから、島にいる間はそこそこ親しく、そこそこ皇子様の前で私を虐めてね?」
中々難しい注文を付けて来るフォスティーヌ。
「う、うん・・・努力はしてみるけど・・・それじゃあさ、とりあえず・・お昼を食べない?」
「うん、そうね!お昼を食べましょう!」
そして私とフォスティーヌは2人で一緒にランチを取ることにした―。
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「へぇ~・・・それじゃあ、王子様の付き人のアレクって人と一緒に買い物に行って来たのね?」
フォスティーヌはエスカルゴを殻から綺麗に取り出すと口に入れた。
「うん、そうなの。そこで水着を買ったのよ。」
私はガレットを口に入れて飲み込んだ。うん、美味しい。
「あら・・・水着なら用意してあるのに・・。」
「え?」
何だか非常に嫌な予感がしてきた。
「実はね・・・私達の中で王子様の取り合いにならないように取り決めをしたのよ。日替わりで、1日王子様を独占出来るって言う取り決めをね」
「ふ~ん・・・・。」
「それで、明日早速私の番なのよ。」
「なるほど・・・。」
「だから、明日は私の為に悪役令嬢をやりきってね?」
ああ・・やっぱりそうなるのね・・・。
私は溜息をつくのだった―・
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