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フレア ②
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3
私が魔界へ連れて来た人間・・・ノアは兎に角従順な男だった。
初めて我が家に入ってきた時ノアは尋ねた。
「ねえ、僕はここで何をすればいいの?」
「そうね・・・。特に別になにもしなくていいわよ。」
本当に思い付きで連れて来てしまったので、ノアに何かをさせようとか仕事を与えようとかは一切考えていなかったのだ。
「ねえ、家事はどうしてるの?例えば食事の準備とか、掃除、洗濯・・・。」
「は?何、それ?」
ノアがあまりにも突拍子も無い事を聞いて来たので私は座っていた椅子から思わず立ち上がってしまった。
「もしかして・・・人間界では家事は自分たちの手でやってるわけ?」
「え?違うのかい?最も僕は・・家事なんか一切やったことが無いけどね。」
ノアは肩をすくめて言った。
「あら、そうなのね。まあ、私もやった事が無いけど・・・そんなのは全て魔法で済ませてるわよ。」
言いながら私はパチンと指を鳴らし、テーブルの上に2人分の料理を用意した。
パンにスープ、サラダにメイン料理の肉料理・・それらが一瞬で目の前に現れたのを見てノアは目を見開いた。
「す、すごい・・・。魔族達はこんな魔法まで使えるのか・・・。」
「あら、貴方達だって魔法を使えるんでしょう?こういう魔法は使わないの?」
私は食卓の椅子につき、ノアを手招きした。
「まあ、食べて見なさいよ。人間の口に合うかどうかは分からないけど。」
言いながら私はフォークとナイフで肉をカットし、口に運ぶ。うん、今日の料理も美味しいわ。
一方のノアは着席したものの、テーブルの上の料理を凝視したまま、手を付けようとしない。
「あら、貴方・・・食べない気なの?」
私は少し不機嫌な声で言うと、ノアは慌てて言った。
「食べる、食べるよ。」
言いながら、ノアも食事を始めた。・・・流石、貴族の男。完璧なテーブルマナーである。ヴォルフとは大違いだ。
おまけにこの中世的な美しい容姿・・・ずっと絵にして飾っておきたい位だ。
「どう?ノア。魔界の食事は・・・人間の口にも合うかしら?」
ワインを飲みながらノアに尋ねてみた。
「うん。とても美味しいよ。それにしても驚いたな。こんなに美味しい料理を魔法で出す事が出来るなんて・・・。やっぱり魔族の魔力は人間に比べて、とても強い魔力を持ってるんだなって改めて思ったよ。」
ノアは笑みを浮かべた。笑顔になるとその美しさは一段と際立って見えた。
そこで私はマシューを追って『ワールズ・エンド』へ行った時に出会った人間達の顔を思い浮かべた。
・・・確かにあの場にいた男達は誰もが皆整った顔をしていた。私に花を渡してくれと懇願していた男・・・左頬に大きな傷跡があったが、あの男も精悍な顔つきをしていたし、もう1人いた青年・・・彼もまた美しく整った顔立ちをしていた。
マシューだって美形だとは思うが・・・成程、彼等のように美しい青年ばかり見ていれば、自分に自信を無くしてしまうのかもしれない。
それにしても・・・あんなに美形揃いの男性達から思いを寄せられ、マシューの心を虜にしてしまったジェシカという女は一体どんな女なのだろうか?
「ねえ、ノア。」
私は食事の手を止めると声をかけた。
「何?」
「貴方達が貴重な魔界の花を盗んで迄・・・助けたい女性って・・・ひょっとするとジェシカ・リッジウェイじゃ無いの?」
「え?!な、何故彼女の名前を知ってるの?!」
ノアは驚いた様に顔を上げた。
「それは知ってるわよ。何せ、マシューがとても恋い慕っている女性だからね。」
マシューには口止めされていたが・・・バレる事は無いだろう。だってもうノアはこの先ずっと、この魔界から出る事は無いのだから。
「え?マシューって・・・?確か・・・?」
「そう、貴方達の代わりに私から大切な花を奪った張本人よ。・・・私と彼は・・・お互寂しい者同士気が合って友人同士だったのよ。だけど・・マシューはあの花を盗んだ・・。余程あの女を助けたかったのね。」
私はワイングラスをゆっくり回しながらつまらなそうに言った。
「・・・助かるんだよね?」
「え?」
「彼女は・・・ジェシカは間違いなく・・・助かるんだよね?」
ノアが縋りつくような目で私をじっと見つめながら尋ねて来た。
「初めてね・・・。私にあの女が無事だったかどうか尋ねて来るなんて。てっきり、もう興味が無いかと思っていたわ。」
「それは・・・違うよ。本当はずっとずっと尋ねたかった。本当にあの花でジェシカが助かったかどうか・・・。でも僕にはもう彼女の生存を確認する事は出来ないから・・・。諦めていただけだよ。」
「ノア・・・。そんなにあの女が大事なの?」
私は少しイライラした口調で尋ねた。
「え・・?どうしてそんな事・・・聞くの?」
「いいから答えなさい!今日から貴方の主は私なのよ!」
「わ・・・分かったよ・・・。」
ノアは溜息をついて視線を外した。・・・しくじった。ついジェシカの事でヒステリックな声を上げてしまった。
「ジェシカは・・・僕にとっては本当に特別な存在なんだ。彼女がいなければ・・・きっと僕はこの世にもう存在していなかったかもしれない。」
ノアはどこか遠い目で言った。
「え・・?一体それはどういう意味なのかしら?」
そう言えばノアは何処かやさぐれた雰囲気を身に纏っているように感じていた。その事と今から話す事はきっと何か関連があるのだろう。
「僕はね・・・13歳の時から両親の命令で・・男娼をさせられていたんだよ。」
顔色一つ変えずにノアの口から出てきた言葉はあまりにも衝撃的だった。
「え・・?男娼・・・?ほ、本当に・・・?」
「うん、こんな話嘘をついてもしょうがないからね。そして初めて両親から『客』を取らされた夜・・・。僕は痛みと恐怖で・・ずっと泣いていたんだ。その時に・・僕の前に現れたのがジェシカだったんだよ。しかもその姿のジェシカはいつも学院で会う彼女の姿と寸分違わなかったんだ。8年も昔の話だったのに・・。」
「ま、まさか・・本当の話なの?」
到底信じられるはずが無かった。私達魔族は時を止める事が出来るが、自由に時を超える魔法は存在していないからだ。
「・・・でも本当にジェシカが側に立っていたんだ。そして僕を抱きしめて、僕の為に泣いてくれて・・・。だから、あの時に僕の心は救われたんだ。・・最もそれから8年後、ジェシカに再会して、当時の夢を見るまではすっかり忘れていたんだけどね・・。」
いつしか頬を染めてうっとりとした目つきでジェシカの話をするノアを見ていると再び苛立ちが募って来た。
「ねえ。ノア。貴方・・・人間界で男娼をしていたのでしょう?だったら・・貴方のこれからの相手は、この私よ。いいわね?」
するとノアは驚いた様に顔を上げて私を見るが・・やがて下を向くと言った。
「いいよ・・・。分かった。」
そんな様子のノアを見て、私は思った。
そうよ、この男の心はジェシカのもの・・・・。なら心は無理でも、せめて身体くらいは手に入れなければ・・・!
こうして、私達は身体の関係を持つことになった―。
ノアと身体の関係を結んで、私は一つの事実に気が付いた。
彼の身体は・・・私達魔族と違い、なんて温かいのだろうか・・?
ずっとこの温もりに包まれていたい感覚に陥り、私は情事の後もいつまでもノアの身体にしがみついていた。・・・離れがたかったのだ。
けれど、一方のノアの方は・・・・時々自分の身体をこすったり、手に息を吐きかけているのが気になる。ひょっとすると・・・。
「ねえ、ノア。ひょっとすると・・・寒いの?」
「え?!君は・・・平気なの?」
ノアはびっくりしたかのように私を見る。
「別に寒く無いけど・・・と言うか、温かいくらいよ?」
私が言うと、ノアは何故か酷くショックを受けたかのように愕然とした表情で呟いている。
「あ・・温かい・・・?」
「ノア・・・ひょっとして・・・貴方風邪でも引いてるの?」
私はノアを見上げながら尋ねた。
「風邪?そんなのひいてないけど?」
「だ、だって貴方の身体・・・すごく温かいのに、寒いなんて言うから・・・。」
「大丈夫だよ、温かい『ワールズ・エンド』から突然ここへやって来たからまだ身体が慣れていないだけだよ。」
ノアはそう言って曖昧に笑い・・・私もその言葉を信じた。
愚かな私はヴォルフに教えて貰うまでは知らなかったのだ。
魔族の体温と人間の体温は全く異なるという事を・・・。
それを知っていれば、私はノアにあんな真似をさせる事は無かったのに・・・。
私は後にその事を激しく後悔するのだった—。
4
ノアを迎え入れてから数日が経過した頃・・・・。
「ねえ、フレア。貴女・・・人間の男を囲ってるでしょう?」
私と同じ花の管理人をしている仲間のミレーヌが町中で声をかけてきた。
チッ。まずい女にみつかってしまったわ・・・。思わず心の中で舌打ちをする。しかし、何故バレたのだろう?ノアには一歩も屋敷の中から外へは出ないように釘を刺しておいたのに。それに特殊な門を使って花畑から我が家へ一気に飛んだので誰にも見られていないはずなのに・・・何故?
「あら?一体何の事かしら?私にはさっぱり分からないけど。」
素っ気ない態度で言って、そのまま彼女の前を通り過ぎようとしたがミレーヌはそれを許さなかった。
キイイイイーン・・・。
微かに耳の中で響く高い音・・・。しまった、影縛りの術をかけられた。これでは一歩も身動きが取れない。
「ねえ?そんなに焦って家にでも帰るつもりなのかしら?ほら、私達『花の管理人』は盗人がいないか、常に監視していなくちゃならないじゃない?だから私はあの辺一帯に魔法をかけておいたのよ。勿論『ワールズ・エンド』にもね。そこで侵入者が現れた場合、映像が私の家の鏡に送られて来るんだけど・・・。」
ミレーヌは言いながら私の前で水晶玉を取り出して言った。
「ほら、見てよ。」
すると、水晶玉に映像が流れ・・・私は息を飲んだ。
そこにはマシューが花を盗み、『ワールズ・エンド』で起こった出来事の一部始終が収められていたのだ。勿論最後は私がノアを連れて自宅へ連れて帰る映像までが・・・。
「ねえ、フレア・・・。貴女分かってる?人間を魔界へ連れてくる事は・・・魔王様
が居なくなってからは禁止されちゃったじゃない?これを破ると重い罰が下されるのよ?折角手に入れたこの地位も奪われ、ひょっとすると全ての魔力を奪われた挙句、第一階層に落とされるかもしれないわよ・・・?そうなってもいいの?」
・・・ミレーヌは何が言いたいのだろうか・・。私を脅迫しているのは明白だ。では何を要求してくるつもりだ?
「・・・何が望みなの・・・?」
私は憎悪の籠った目でミレーヌを睨み付けた。しかし、彼女はそれに怯む事も無く、嬉しそうに言った。
「あら、流石はフレアね。話の呑み込みが早くて助かるわ。ねえ・・・悪い事は言わないわ。この男・・・物凄く美しいわよね・・・。私達に頂戴よ。そしたら上官達には黙っていてあげるから。」
やはり・・・要求はノアだったのか・・・。それにしても・・。
「ねえ、ちょっと待って。私達って・・・他に誰がいるの?」
「いやねえ~。門番は全部で何人いると思ってるのよ。」
ミレーヌは妙に色気を含むようなしぐさで私を見る。
「ま・まさか・・・・。」
冷汗が流れて来た。
「そうよ~。門番の女達全員じゃない。実は今ね・・・他の非番の2人が貴女の家に行ってるのよ。今頃この彼氏とお話ししてるんじゃないかしら?」
「な・・・何ですって?!」
私は耳を疑った。
「早く!早くこの術を解きなさいよっ!!」
ヒステリックに叫びながらミレーヌを睨み付けた。
「おお怖い・・・。あの美しい彼だって貴女みたいな気性の激しい女よりも私達のような女と暮したほうが幸せだと思わない?」
「はあ・・・?ふざけないで!第一・・ミレーヌ!貴女が一番残虐なのは誰もが知ってる事でしょう?!」
この女・・・ミレーヌは以前『七色の花』を盗もうとした第2階層の魔族をその場で残虐な手段で殺害したことがあるのだ。しかも高笑いしながら・・・。
「あら?私は盗人には手厳しいかもしれないけど・・・・それ以外には優しいわよ。特に美しい男性なら尚更ね?」
間違いない・・・。ミレーヌたちは私がノアを連れて来た時から脅迫する機会をうかがっていたのだ。今日、私は上官から呼び出しを受けていた。この留守を狙っていたのだろう。
「く・・・。」
私はミレーヌにかけられた影縛りの術を無理やり解く・・・。
ポタ・ポタ・・・・。
身体のあちこちから血が滲みだしてきた。
「フ、フレア・・・。」
ミレーヌの顔に焦りの表情が現れた。最後の術を解いた途端、私の身体から大量に血が溢れ出す。
「く・・・・。」
激痛と出血で気が遠くなりそうだが、私は何とかその場に踏みとどまり、身体の出血を止める術を自分にかける。
「ま、まさか・・・自分で術を解くなんて・・・」
ミレーヌは血に染まった私を恐怖の混じった目で見つめている。
「ノアの所へ戻るわ・・・。ミレーヌ、貴女にも来てもらうわよ。」
私はミレーヌの手首を捕えると転移魔法を唱えた—。
「フ、フレア!一体どうしたの?!君の着ている服・・・血まみれじゃ無いか!」
血に染まった服を着て、ミレーヌを伴って帰宅した私を見たノアが慌てて私の所へ駆け寄って来た。
部屋の奥には『花の管理人』である、シモンとレイラもいる。彼女達は図々しくもお茶を飲んでいるでは無いか。
「私は大丈夫よ・・・それより、ノア。無事だったの?」
ノアの両腕を掴むと言った。
「え・・?僕は無事だけど・・・でも一体何が何だか・・・。」
すると私の背後からそれまで黙っていたミレーヌが出て来てノアに話しかけて来た。
「まあ・・・貴方があの、人間界からやってきた・・・ノアね。ほんと・・・見れば見る程美しいわ・・・。人間にしておくのは勿体ない位・・・。」
うっとりとした目つきでミレーヌがノアに話しかける。
「・・・君は一体誰?どうして僕の事を知ってるの?」
ノアは警戒するかのようにミレーヌを見た。
「私はね、というか・・ここにいる全員『花の管理人』をしているのよ。可哀そうに・・・貴方、『花』と引き換えにここにいるフレアに拉致されてしまったんでしょう・・・?そしてこの屋敷に幽閉されている・・・。」
ノアは黙って話を聞いている。
「あのね、実は人間を魔界へ連れてくる事は御法度なのよ。もしこの契約を破れば、私達・・・只ではすまされないの。それなのに、そこにいるフレアはその決まりを破ったのよ。」
ミレーヌはチラリと私を見ながら言った。
「え・・・?」
ノアがピクリと動き、私の方を見つめた。
「フレア・・・その話・・・本当なの・・・?」
「・・・。」
しかし、私は答えられず・・・視線を逸らして俯いた。
「もし、私の誰かがこの話を上の魔族に報告すれば・・・たちまちフレアは拘束され、重い罪に問われるわ。それに・・・貴方だってどうなるか分かったものじゃない。」
奥からシモンが出て来て会話に混ざって来た。
「だから・・・私達が黙っててあげる・・・その代わりに・・・貴方、私達に飼われなさいよ。フフフ・・・可愛がってあげるから。」
レイラが言う。
「駄目よ!ノア!聞く耳を持ったら!いいわ、訴えたければ言いなさい!私はどんな罰でも受けるつもりよ!ただ、その代わり・・・ノアに指一本でも触れようものなら・・私は貴女達を許さない!全員八つ裂きにしてやる!」
「フ、フレア・・・。」
ノアが戸惑いながら私を見た。
「な・・何ですって・・・。」
ミレーヌが信じられないと言わんばかりの顔で私を見た。
「あんたが、たった1人で私達全員を相手に?ハンッ!やれるものならやってみなさいよ!」
ミレーヌが言うと、シモンとレイラが一瞬で私の背後に回る。その時—
「待って!」
ノアが突然叫び、ミレーヌに言った。
「お願いだ・・・フレアに手を出さないで。・・・君達の言う通りにするから・・・この件を内緒にして欲しいんだ・・・。」
「ノア!何を言うの!」
「フフ・・話の理解が早くて助かるわ・・。」
ミレーヌが笑みを浮かべる。しかし、次にノアは意外な事を言った。
「君達の言う通りにはするけど・・・どうかフレアの家に住み続ける事だけは許可して欲しいんだ。分かってるんだよ・・・。君達の考えは・・・。僕に相手をしてもらいたんだろう?」
ノアはゆっくりミレーヌたちを見渡しながら言った。途端に3人の女達は顔を赤らめて、小さく頷く。
「いいよ、僕は別に構わない。・・・ただし、1日1人にしてくれ。」
「「「え、ええ・・・。私達はそれでも全然構わないわ!」」」
綺麗に声を揃えて言う彼女達を・・・私は恨めし気に見つめるしか出来なかった―。
こうしてノアを私の失態で男娼にさせてしまった。
本当にもっと早くノアの状態に気が付いていれば・・・絶対にあんな真似はさせなかったのに・・・!
やはり、ここに連れて来たのは間違いだったのかもしれない・・・。
それでも私はノアを手放したくはなかったのだ―。
私が魔界へ連れて来た人間・・・ノアは兎に角従順な男だった。
初めて我が家に入ってきた時ノアは尋ねた。
「ねえ、僕はここで何をすればいいの?」
「そうね・・・。特に別になにもしなくていいわよ。」
本当に思い付きで連れて来てしまったので、ノアに何かをさせようとか仕事を与えようとかは一切考えていなかったのだ。
「ねえ、家事はどうしてるの?例えば食事の準備とか、掃除、洗濯・・・。」
「は?何、それ?」
ノアがあまりにも突拍子も無い事を聞いて来たので私は座っていた椅子から思わず立ち上がってしまった。
「もしかして・・・人間界では家事は自分たちの手でやってるわけ?」
「え?違うのかい?最も僕は・・家事なんか一切やったことが無いけどね。」
ノアは肩をすくめて言った。
「あら、そうなのね。まあ、私もやった事が無いけど・・・そんなのは全て魔法で済ませてるわよ。」
言いながら私はパチンと指を鳴らし、テーブルの上に2人分の料理を用意した。
パンにスープ、サラダにメイン料理の肉料理・・それらが一瞬で目の前に現れたのを見てノアは目を見開いた。
「す、すごい・・・。魔族達はこんな魔法まで使えるのか・・・。」
「あら、貴方達だって魔法を使えるんでしょう?こういう魔法は使わないの?」
私は食卓の椅子につき、ノアを手招きした。
「まあ、食べて見なさいよ。人間の口に合うかどうかは分からないけど。」
言いながら私はフォークとナイフで肉をカットし、口に運ぶ。うん、今日の料理も美味しいわ。
一方のノアは着席したものの、テーブルの上の料理を凝視したまま、手を付けようとしない。
「あら、貴方・・・食べない気なの?」
私は少し不機嫌な声で言うと、ノアは慌てて言った。
「食べる、食べるよ。」
言いながら、ノアも食事を始めた。・・・流石、貴族の男。完璧なテーブルマナーである。ヴォルフとは大違いだ。
おまけにこの中世的な美しい容姿・・・ずっと絵にして飾っておきたい位だ。
「どう?ノア。魔界の食事は・・・人間の口にも合うかしら?」
ワインを飲みながらノアに尋ねてみた。
「うん。とても美味しいよ。それにしても驚いたな。こんなに美味しい料理を魔法で出す事が出来るなんて・・・。やっぱり魔族の魔力は人間に比べて、とても強い魔力を持ってるんだなって改めて思ったよ。」
ノアは笑みを浮かべた。笑顔になるとその美しさは一段と際立って見えた。
そこで私はマシューを追って『ワールズ・エンド』へ行った時に出会った人間達の顔を思い浮かべた。
・・・確かにあの場にいた男達は誰もが皆整った顔をしていた。私に花を渡してくれと懇願していた男・・・左頬に大きな傷跡があったが、あの男も精悍な顔つきをしていたし、もう1人いた青年・・・彼もまた美しく整った顔立ちをしていた。
マシューだって美形だとは思うが・・・成程、彼等のように美しい青年ばかり見ていれば、自分に自信を無くしてしまうのかもしれない。
それにしても・・・あんなに美形揃いの男性達から思いを寄せられ、マシューの心を虜にしてしまったジェシカという女は一体どんな女なのだろうか?
「ねえ、ノア。」
私は食事の手を止めると声をかけた。
「何?」
「貴方達が貴重な魔界の花を盗んで迄・・・助けたい女性って・・・ひょっとするとジェシカ・リッジウェイじゃ無いの?」
「え?!な、何故彼女の名前を知ってるの?!」
ノアは驚いた様に顔を上げた。
「それは知ってるわよ。何せ、マシューがとても恋い慕っている女性だからね。」
マシューには口止めされていたが・・・バレる事は無いだろう。だってもうノアはこの先ずっと、この魔界から出る事は無いのだから。
「え?マシューって・・・?確か・・・?」
「そう、貴方達の代わりに私から大切な花を奪った張本人よ。・・・私と彼は・・・お互寂しい者同士気が合って友人同士だったのよ。だけど・・マシューはあの花を盗んだ・・。余程あの女を助けたかったのね。」
私はワイングラスをゆっくり回しながらつまらなそうに言った。
「・・・助かるんだよね?」
「え?」
「彼女は・・・ジェシカは間違いなく・・・助かるんだよね?」
ノアが縋りつくような目で私をじっと見つめながら尋ねて来た。
「初めてね・・・。私にあの女が無事だったかどうか尋ねて来るなんて。てっきり、もう興味が無いかと思っていたわ。」
「それは・・・違うよ。本当はずっとずっと尋ねたかった。本当にあの花でジェシカが助かったかどうか・・・。でも僕にはもう彼女の生存を確認する事は出来ないから・・・。諦めていただけだよ。」
「ノア・・・。そんなにあの女が大事なの?」
私は少しイライラした口調で尋ねた。
「え・・?どうしてそんな事・・・聞くの?」
「いいから答えなさい!今日から貴方の主は私なのよ!」
「わ・・・分かったよ・・・。」
ノアは溜息をついて視線を外した。・・・しくじった。ついジェシカの事でヒステリックな声を上げてしまった。
「ジェシカは・・・僕にとっては本当に特別な存在なんだ。彼女がいなければ・・・きっと僕はこの世にもう存在していなかったかもしれない。」
ノアはどこか遠い目で言った。
「え・・?一体それはどういう意味なのかしら?」
そう言えばノアは何処かやさぐれた雰囲気を身に纏っているように感じていた。その事と今から話す事はきっと何か関連があるのだろう。
「僕はね・・・13歳の時から両親の命令で・・男娼をさせられていたんだよ。」
顔色一つ変えずにノアの口から出てきた言葉はあまりにも衝撃的だった。
「え・・?男娼・・・?ほ、本当に・・・?」
「うん、こんな話嘘をついてもしょうがないからね。そして初めて両親から『客』を取らされた夜・・・。僕は痛みと恐怖で・・ずっと泣いていたんだ。その時に・・僕の前に現れたのがジェシカだったんだよ。しかもその姿のジェシカはいつも学院で会う彼女の姿と寸分違わなかったんだ。8年も昔の話だったのに・・。」
「ま、まさか・・本当の話なの?」
到底信じられるはずが無かった。私達魔族は時を止める事が出来るが、自由に時を超える魔法は存在していないからだ。
「・・・でも本当にジェシカが側に立っていたんだ。そして僕を抱きしめて、僕の為に泣いてくれて・・・。だから、あの時に僕の心は救われたんだ。・・最もそれから8年後、ジェシカに再会して、当時の夢を見るまではすっかり忘れていたんだけどね・・。」
いつしか頬を染めてうっとりとした目つきでジェシカの話をするノアを見ていると再び苛立ちが募って来た。
「ねえ。ノア。貴方・・・人間界で男娼をしていたのでしょう?だったら・・貴方のこれからの相手は、この私よ。いいわね?」
するとノアは驚いた様に顔を上げて私を見るが・・やがて下を向くと言った。
「いいよ・・・。分かった。」
そんな様子のノアを見て、私は思った。
そうよ、この男の心はジェシカのもの・・・・。なら心は無理でも、せめて身体くらいは手に入れなければ・・・!
こうして、私達は身体の関係を持つことになった―。
ノアと身体の関係を結んで、私は一つの事実に気が付いた。
彼の身体は・・・私達魔族と違い、なんて温かいのだろうか・・?
ずっとこの温もりに包まれていたい感覚に陥り、私は情事の後もいつまでもノアの身体にしがみついていた。・・・離れがたかったのだ。
けれど、一方のノアの方は・・・・時々自分の身体をこすったり、手に息を吐きかけているのが気になる。ひょっとすると・・・。
「ねえ、ノア。ひょっとすると・・・寒いの?」
「え?!君は・・・平気なの?」
ノアはびっくりしたかのように私を見る。
「別に寒く無いけど・・・と言うか、温かいくらいよ?」
私が言うと、ノアは何故か酷くショックを受けたかのように愕然とした表情で呟いている。
「あ・・温かい・・・?」
「ノア・・・ひょっとして・・・貴方風邪でも引いてるの?」
私はノアを見上げながら尋ねた。
「風邪?そんなのひいてないけど?」
「だ、だって貴方の身体・・・すごく温かいのに、寒いなんて言うから・・・。」
「大丈夫だよ、温かい『ワールズ・エンド』から突然ここへやって来たからまだ身体が慣れていないだけだよ。」
ノアはそう言って曖昧に笑い・・・私もその言葉を信じた。
愚かな私はヴォルフに教えて貰うまでは知らなかったのだ。
魔族の体温と人間の体温は全く異なるという事を・・・。
それを知っていれば、私はノアにあんな真似をさせる事は無かったのに・・・。
私は後にその事を激しく後悔するのだった—。
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ノアを迎え入れてから数日が経過した頃・・・・。
「ねえ、フレア。貴女・・・人間の男を囲ってるでしょう?」
私と同じ花の管理人をしている仲間のミレーヌが町中で声をかけてきた。
チッ。まずい女にみつかってしまったわ・・・。思わず心の中で舌打ちをする。しかし、何故バレたのだろう?ノアには一歩も屋敷の中から外へは出ないように釘を刺しておいたのに。それに特殊な門を使って花畑から我が家へ一気に飛んだので誰にも見られていないはずなのに・・・何故?
「あら?一体何の事かしら?私にはさっぱり分からないけど。」
素っ気ない態度で言って、そのまま彼女の前を通り過ぎようとしたがミレーヌはそれを許さなかった。
キイイイイーン・・・。
微かに耳の中で響く高い音・・・。しまった、影縛りの術をかけられた。これでは一歩も身動きが取れない。
「ねえ?そんなに焦って家にでも帰るつもりなのかしら?ほら、私達『花の管理人』は盗人がいないか、常に監視していなくちゃならないじゃない?だから私はあの辺一帯に魔法をかけておいたのよ。勿論『ワールズ・エンド』にもね。そこで侵入者が現れた場合、映像が私の家の鏡に送られて来るんだけど・・・。」
ミレーヌは言いながら私の前で水晶玉を取り出して言った。
「ほら、見てよ。」
すると、水晶玉に映像が流れ・・・私は息を飲んだ。
そこにはマシューが花を盗み、『ワールズ・エンド』で起こった出来事の一部始終が収められていたのだ。勿論最後は私がノアを連れて自宅へ連れて帰る映像までが・・・。
「ねえ、フレア・・・。貴女分かってる?人間を魔界へ連れてくる事は・・・魔王様
が居なくなってからは禁止されちゃったじゃない?これを破ると重い罰が下されるのよ?折角手に入れたこの地位も奪われ、ひょっとすると全ての魔力を奪われた挙句、第一階層に落とされるかもしれないわよ・・・?そうなってもいいの?」
・・・ミレーヌは何が言いたいのだろうか・・。私を脅迫しているのは明白だ。では何を要求してくるつもりだ?
「・・・何が望みなの・・・?」
私は憎悪の籠った目でミレーヌを睨み付けた。しかし、彼女はそれに怯む事も無く、嬉しそうに言った。
「あら、流石はフレアね。話の呑み込みが早くて助かるわ。ねえ・・・悪い事は言わないわ。この男・・・物凄く美しいわよね・・・。私達に頂戴よ。そしたら上官達には黙っていてあげるから。」
やはり・・・要求はノアだったのか・・・。それにしても・・。
「ねえ、ちょっと待って。私達って・・・他に誰がいるの?」
「いやねえ~。門番は全部で何人いると思ってるのよ。」
ミレーヌは妙に色気を含むようなしぐさで私を見る。
「ま・まさか・・・・。」
冷汗が流れて来た。
「そうよ~。門番の女達全員じゃない。実は今ね・・・他の非番の2人が貴女の家に行ってるのよ。今頃この彼氏とお話ししてるんじゃないかしら?」
「な・・・何ですって?!」
私は耳を疑った。
「早く!早くこの術を解きなさいよっ!!」
ヒステリックに叫びながらミレーヌを睨み付けた。
「おお怖い・・・。あの美しい彼だって貴女みたいな気性の激しい女よりも私達のような女と暮したほうが幸せだと思わない?」
「はあ・・・?ふざけないで!第一・・ミレーヌ!貴女が一番残虐なのは誰もが知ってる事でしょう?!」
この女・・・ミレーヌは以前『七色の花』を盗もうとした第2階層の魔族をその場で残虐な手段で殺害したことがあるのだ。しかも高笑いしながら・・・。
「あら?私は盗人には手厳しいかもしれないけど・・・・それ以外には優しいわよ。特に美しい男性なら尚更ね?」
間違いない・・・。ミレーヌたちは私がノアを連れて来た時から脅迫する機会をうかがっていたのだ。今日、私は上官から呼び出しを受けていた。この留守を狙っていたのだろう。
「く・・・。」
私はミレーヌにかけられた影縛りの術を無理やり解く・・・。
ポタ・ポタ・・・・。
身体のあちこちから血が滲みだしてきた。
「フ、フレア・・・。」
ミレーヌの顔に焦りの表情が現れた。最後の術を解いた途端、私の身体から大量に血が溢れ出す。
「く・・・・。」
激痛と出血で気が遠くなりそうだが、私は何とかその場に踏みとどまり、身体の出血を止める術を自分にかける。
「ま、まさか・・・自分で術を解くなんて・・・」
ミレーヌは血に染まった私を恐怖の混じった目で見つめている。
「ノアの所へ戻るわ・・・。ミレーヌ、貴女にも来てもらうわよ。」
私はミレーヌの手首を捕えると転移魔法を唱えた—。
「フ、フレア!一体どうしたの?!君の着ている服・・・血まみれじゃ無いか!」
血に染まった服を着て、ミレーヌを伴って帰宅した私を見たノアが慌てて私の所へ駆け寄って来た。
部屋の奥には『花の管理人』である、シモンとレイラもいる。彼女達は図々しくもお茶を飲んでいるでは無いか。
「私は大丈夫よ・・・それより、ノア。無事だったの?」
ノアの両腕を掴むと言った。
「え・・?僕は無事だけど・・・でも一体何が何だか・・・。」
すると私の背後からそれまで黙っていたミレーヌが出て来てノアに話しかけて来た。
「まあ・・・貴方があの、人間界からやってきた・・・ノアね。ほんと・・・見れば見る程美しいわ・・・。人間にしておくのは勿体ない位・・・。」
うっとりとした目つきでミレーヌがノアに話しかける。
「・・・君は一体誰?どうして僕の事を知ってるの?」
ノアは警戒するかのようにミレーヌを見た。
「私はね、というか・・ここにいる全員『花の管理人』をしているのよ。可哀そうに・・・貴方、『花』と引き換えにここにいるフレアに拉致されてしまったんでしょう・・・?そしてこの屋敷に幽閉されている・・・。」
ノアは黙って話を聞いている。
「あのね、実は人間を魔界へ連れてくる事は御法度なのよ。もしこの契約を破れば、私達・・・只ではすまされないの。それなのに、そこにいるフレアはその決まりを破ったのよ。」
ミレーヌはチラリと私を見ながら言った。
「え・・・?」
ノアがピクリと動き、私の方を見つめた。
「フレア・・・その話・・・本当なの・・・?」
「・・・。」
しかし、私は答えられず・・・視線を逸らして俯いた。
「もし、私の誰かがこの話を上の魔族に報告すれば・・・たちまちフレアは拘束され、重い罪に問われるわ。それに・・・貴方だってどうなるか分かったものじゃない。」
奥からシモンが出て来て会話に混ざって来た。
「だから・・・私達が黙っててあげる・・・その代わりに・・・貴方、私達に飼われなさいよ。フフフ・・・可愛がってあげるから。」
レイラが言う。
「駄目よ!ノア!聞く耳を持ったら!いいわ、訴えたければ言いなさい!私はどんな罰でも受けるつもりよ!ただ、その代わり・・・ノアに指一本でも触れようものなら・・私は貴女達を許さない!全員八つ裂きにしてやる!」
「フ、フレア・・・。」
ノアが戸惑いながら私を見た。
「な・・何ですって・・・。」
ミレーヌが信じられないと言わんばかりの顔で私を見た。
「あんたが、たった1人で私達全員を相手に?ハンッ!やれるものならやってみなさいよ!」
ミレーヌが言うと、シモンとレイラが一瞬で私の背後に回る。その時—
「待って!」
ノアが突然叫び、ミレーヌに言った。
「お願いだ・・・フレアに手を出さないで。・・・君達の言う通りにするから・・・この件を内緒にして欲しいんだ・・・。」
「ノア!何を言うの!」
「フフ・・話の理解が早くて助かるわ・・。」
ミレーヌが笑みを浮かべる。しかし、次にノアは意外な事を言った。
「君達の言う通りにはするけど・・・どうかフレアの家に住み続ける事だけは許可して欲しいんだ。分かってるんだよ・・・。君達の考えは・・・。僕に相手をしてもらいたんだろう?」
ノアはゆっくりミレーヌたちを見渡しながら言った。途端に3人の女達は顔を赤らめて、小さく頷く。
「いいよ、僕は別に構わない。・・・ただし、1日1人にしてくれ。」
「「「え、ええ・・・。私達はそれでも全然構わないわ!」」」
綺麗に声を揃えて言う彼女達を・・・私は恨めし気に見つめるしか出来なかった―。
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