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第1章 4 恋人はどっち?
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1
「あ、あの・・・ソフィー・ローランと言う方は・・?」
震える声を何とか抑えつつ、私はデヴィットに尋ねた。
「ああ、その女は自称『聖女』を名乗ってるいけ好かない女だ。」
「聖女・・・。」
「あの女が自ら聖女だと名乗りを上げたのが今から一月程前の事なんだ。」
デヴィットは残りの『ラフト』を食べ終えると言った。一月・・・・あれから一月も経過していたなんて・・・。人間界の時の流れは『魔界』や『狭間の世界』と時の流れのスピードが違うのだろうか?
「丁度、ソフィーが聖女を名乗った時と同時期に学院である事件が起きたんだ。この学院には・・・ジェシカ・リッジウェイと言う女子学生がいて・・・『ワールズ・エンド』を通って・・『魔界の門』を開けてしまったらしい。そしてその時に・・・当時門番をしていた聖剣士を刺殺したらしいんだ。名前は確かマシューとか・・・言ってたかな・・・?」
「え・・・・?」
私はその言葉を聞いて、まるで頭をハンマーで殴られたかのようなショックを受けた。う・・嘘・・・・・わ、私が・・・・マシューを殺した・・犯人とされていたなんて・・・・!
あまりにもショックが大きすぎて、目の前が真っ暗になり・・徐々に周囲の音が小さくなっていく・・・。
「え?お・・おい!どうした?!しっかりしろ・・・・っ!」
ブツリ。
そこで私の意識は完全に途絶えた—。
「う・・・・。」
頭が痛い・・・ここは・・・何処だろう・・?
目を何度か瞬かせながら私はゆっくりと目を開けた。
え・・・?
そこは全く見知らぬ部屋だった。何処かの宿屋だろうか・・?どうやら私はベッドの上に寝かされていたらしい。
首を動かして部屋の中を見渡すと、ソファの上にデヴィットが座って居眠りをしている姿が目に飛び込んできた。
「デヴィット・・・さん・・・?」
起き上がって声をかけると、パチッと目を覚ましてデヴィットは私を見た。
「ハ・・・ハルカ?良かった!お前・・・目が覚めたんだな?!」
デヴィットは私に駆け寄って来ると声を掛けて来た。
ハルカ?ああ・・・そう言えばデヴィットの前では私はハルカと名乗っていたんだっけ・・・。
「すみません・・・。ご迷惑をおかけしてしまったようで・・・。」
私は起き上がりながらデヴィットに謝った。
「い、いや・・・俺の事よりも・・・それより、ハルカ・・・。お前大丈夫なのか?突然顔色が変わったかと思えば、意識を失ってしまうから・・・本当に心配したんだぞ?」
この人は・・・心底私の事を心配してくれていたんだ・・・・。
「・・・ありがとうございます。」
「?何で・・礼を言うんだ?」
「だって・・・初対面の私を・・とても心配してくれたようだったので・・・。本当にありがとうございます。」
笑みを浮かべて礼を述べると、デヴィットは顔を赤らめて言った。
「べ、別にお前の事をそこまで心配していた訳じゃ・・・ただ、一緒に居た相手が突然意識を失えば、誰だって心配するのは当たり前だろう?」
「言われてみれば確かに・・・そうですね。」
私はクスクス笑いながら言った。
「それで・・どうだ?まだ気分は悪いか?」
デヴィットが私の顔を覗き込みながら言った。
「いえ、もう大丈夫ですよ。」
「やっぱり・・・女が聖剣士を刺殺した・・・なんて話は・・ショックだったか?」
突然のデヴィットの言葉にまた先程の恐怖が蘇る。そうだ・・・私がショックを受けたのは、私がマシューを刺したと言うデマでは無く・・・マシューが死んでいたという事実・・・それを受け入れる事が出来ずに・・・気絶してしまったんだ・・。
駄目だ、意識をしっかり保たなくては・・・平常心を装わなくては・・・。
そう思えば思う程に身体の震えは止まらない。だけど・・・どんなに悲しくても今は、絶対にここで泣いてはいけない・・・っ!
「お、おい!大丈夫か?また顔色が酷くなってきたぞ?!」
デヴィットが慌てて私に声を掛けて来る。
「だ・・・大丈夫・・・です・・。」
落ち着かないと・・・。泣くのは・・・1人になってからだ・・・!
「何が大丈夫だっ!今にもまた倒れそうだぞ?いいか・・・今日はもう休め。ここは俺が手配した宿だ。今夜はここで休んで・・・もし家に帰るつもりなら、もう明日にしろ。」
「はい・・・ありがとうございます・・・。」
そして私はベッドサイドの上に置かれている置時計を見た。
時刻は午後3時を指している。・・・マイケルさんとの約束の時間までは後1時間・・。その前にデヴィットには学院に戻って置いてもらわなければ。
「デヴィットさん。私はもう大丈夫なので、どうぞ学院にお戻り下さい。」
「・・・いや、今日はもう・・・俺は学院には 戻らない。」
「え?そうなんですか?!」
「ああ。言っただろう?今はあまりあの学院には居たくないって。」
「え、ええ・・・。」
「実はこの隣に俺も宿を取ったんだ。・・・ハルカの事が心配だったしな。気絶した人間を1人残して学院に戻るなんて出来っこないだろう?」
「私ならもう大丈夫ですよ?」
まずいな・・・。一体いつまでこの部屋にいるつもりなんだろう?まさか夜になるまで・・・とか?マイケルさんとの約束があるのに・・・デヴィットがいれば出掛ける事なんて不可能だろう。
「ハルカ?どうしたんだ?さっきから何だかソワソワしているように見えるけど・・・。」
「そ、そんな事無いですよ。」
・・・デヴィットは・・・中々勘が鋭いようだなあ・・・。
しかし、私のそんな内心の焦りとは裏腹にデヴィットはのんびりした口調で私に言った。
「ハルカ。ここの宿で出されるコーヒーは評判がいいんだ。飲んでみないか?」
「ええ、そうですね。飲んでみたいです。」
笑みを浮かべて返事をする。
「よし、待ってろ。今挽きたてのコーヒーを淹れてやるからな。」
デヴィットは随分機嫌が良さそうだ。最初に出会った時と、今とではまるで別人のように。・・・一体何があったのだろうか・・・?
「ほら、ハルカ。飲んでみろよ。」
デヴィットがマグカップに注いだコーヒーを渡してきた。
「あ、ありがとうございます・・・。」
マグカップを受け取って時計をみると、時刻はもう午後3時半を指していた。
どうしよう・・・もういい加減に出かけないと・・・。いや、それ以上にこの宿は一体何処にある宿屋なのだろうか?
・・・もう正直に言うしかない。
「あ、あのデヴィットさん。」
「何だ?」
「じ、実は・・私、これから人と会う約束があるんです。なので・・・申し訳ありませんが・・・出掛けさせて頂きます。」
言いながらベッドから降りると、デヴィットが言った。
「・・・やはり・・・な・・。」
「デヴィットさん?」
「おかしいと思ったんだよ。あの屋台の男・・・あいつにこれから会いに行くんだろう?」
うん?あいつ?何故デヴィットはそんな言いをするのだろうか?
「デヴィットさん・・・?」
「あの男は・・・ハルカの恋人・・・なのか?」
「はあ?!」
あまりのデヴィットの発言に私は変な声を上げてしまった。
「ちょ、ちょっと待って下さいよ!何故、私と彼が恋人同士なのですか?」
「いや・・。凄く親しげだったから・・・ひょっとすると2人は・・・と思っただけだ。その様子だと・・・どうやら違うようだな。」
「ええ、当然ですよ。」
「それなら・・・マシューとか言う聖剣士か?お前の恋人は・・・。」
再びマシューの名前がデヴィットの口から出てきた。
「あ・・・」
デヴィットは私から視線を逸らさない。
「し、知りません・・・。そんな男性は・・・っ」
私はベッドの布団を握りしめながら必死で答える。そんな様子を見たデヴィットは悲し気な笑みを浮かべると言った。
「すまない。俺は・・余計な事を尋ねてしまったようだ。」
そして改めて私を見るとデヴィットは言った。
「俺が・・・ハルカをあの屋台の男の元へ連れて行ってやるから。」
「え・・?ほ、本当に・・・?」
「ああ、本当だ。」
「それじゃ・・・あの男性と2人きりで話がしたいので・・・その時は・・席を外して・・貰えますか・・?」
一瞬、その事を聞かされたデヴィットは酷く傷ついたような顔つきを見せたが・・・私に言った。
ああ、勿論。分かっているよ―。と・・・。
2
デヴィットが手配してくれた宿はマイケルさんの開いている屋台通りからほど近い場所にある宿だった。
「あの・・・・デヴィットさん・・・。」
私は前を歩く彼に遠慮がちに声を掛けた。
「うん?何だ?」
立ち止まって振り向くデヴィット。
「あ、あの・・・じ、実はお恥ずかしい話なのですが・・・今、あまり手持ちのお金が無くて・・・今夜の宿代・・・・お借りしてもよろしいでしょうか・・・?」
下を向いて、頭を下げた。ああ・・・恥ずかしい。顔が火照っているので、きっと今は真っ赤に染まっているのかもしれない。
「はあ~っ・・・。」
デヴィットが大きなため息をついた。うう・・・呆れられてしまったんだろうな。きっと・・・。
「ハルカ、顔を上げろよ。」
「は、はい・・・。」
真っ赤になった顔を上げると、一瞬デヴィットはギョッとした顔つきで私を見た。
「お、おい・・何でそんな真っ赤な顔・・してるんだよ。」
「しゃ・・・借金のお願い・・・だからです・・・。」
「馬鹿だなあ、俺が勝手に宿をとったんだ・・・。ハルカからお金を取る訳にはいかないだろう?」
「だ・・・だけど、本当に助かったんです、私・・・。だって・・他に行く当てが無かったから・・・。」
「!」
デヴィットの息を飲む気配を感じた。
「ハ・・ハルカ・・・。お、お前・・行く所・・無かったのか?」
「あ・・・・。」
私は口元を手で押さえた。どうしよう・・・つい今口が滑ってとんでもない事を言ってしまった。
「おい、どういう事なんだ?お前・・・あの学院には今年入学希望だったから見学に来たと言ってたじゃ無いか。」
「あ、あの・・・そ、それは・・・。」
思わず言い淀んでしまう。言えない、本当の事なんて彼には・・・!
その時・・・。
「お嬢さん!」
不意に背後から声を掛けられて振り向くと、そこにはマイケルさんが笑顔で立っていた。
「マイケルさん!」
天の助け!私は笑顔で振り返った。
しかし、ますますデヴィットの顔が険しくなる。
「マイケル・・・?名前まで知ってたのか?」
「あ、あの・・・。」
ま、まずい・・・。どうすればいいのだろう・・・。
するとマイケルさんがデヴィットの前に進み出て来ると言った。
「俺と彼女は只の店主と客の間柄でしか無いよ。ただ、彼女は俺の店の常連さんで、親友の想い人ってだけの関係さ。」
「何?!」
デヴィットが最後の言葉に反応した。
「ちょ、ちょっと!マイケルさん!」
私は彼の袖を引っ張った。一体そこで何故余計な言葉を話してしまうのよ~!
親友の想い人って・・・ジョセフ先生の事だよね?そこ・・・全く関係ない下りだったよね?!
「ハルカ・・・・。どういう事だよ。」
デヴィットは私を睨み付けるような目で見た。
「ハルカ・・・?ハルカって一体・・・?」
今度はマイケルさんが眉を潜める。あああっ!ますます話がややこしくなる!
「デ・・・デヴィットさん!」
私は2人の間に割って入ると言った。
「あ、あの今日は色々とお世話になりました。宿代の方は・・・必ず後程お返し致します。帰りも1人で大丈夫ですから。」
「・・・・チッ!」
デヴィットは不機嫌そうに舌打ちした。・・・でもこればかりは仕方が無い。私は絶対に彼には自分がジェシカ・リッジウェイだと知られる訳にはいかないのだから。
「すまないね。君。お嬢さんと大事な話があるからさ。悪いけど席を外してくれないかい?」
ニッコリ笑ってデヴィットにお願いするマイケルさん。おお~流石に大人、伊達に客商売をしている訳でもない。
「分かったよ。」
そう言うと、デヴィットは私達に背を向け、一度もこちらを振り向く事も無く雑踏の中へと消えて行った。
「・・・どうやら彼・・行ったようだね。」
マイケルさんがデヴィットの後姿を見ながら言った。
「はい・・・。」
「次の屋台は午後6時から9時までなんだ。それまでは時間が取れるから、何処かカフェにでも入ろうか?」
マイケルさんが笑顔で提案する。
「はい、そうですね。」
「あの・・・マイケルさんの知ってる事・・全て教えて頂けませんか?」
ここはカフェレストラン。今私とマイケルさんは丸いテーブルに対面して座っている。
「うん、そうだね・・・まずは何処から話そうかな。」
コーヒーを一口飲むとマイケルさんは言った。
「・・・ひと月前・・・。セント・レイズ学院と、セント・レイズシティで起こった異変等があれば・・・それら全てです。」
「俺は・・・学院の事は外部の人間だから、お嬢さんに教えてあげられる情報は殆ど持っていないよ。」
「そうですか・・・。」
やっぱり無理だったか・・・。
「だけど、ジョセフに関する話なら教えてあげる事が出来る。」
「そ、そうです!ジョセフ先生・・・ジョセフ先生は・・セント・レイズ学院を辞めさせられたという話ですが・・それは事実ですか?!」
「うん・・・。その事なんだけど・・・まず俺から先に質問してもいいかな?何故なんだろう・・・。お嬢さんは俺の店の常連さんだから・・それに俺は客商売だから絶対に人の顔や名前は忘れた事が無いのに・・・どうして、さっきまでお嬢さんの事を俺はすっかり忘れていたんだろう・・・ってね。お嬢さんなら・・その理由を知ってるんだろう?」
マイケルさんはじっと私を見つめながら尋ねて来た。
「あ・・・。」
どうしよう、彼はセント・レイズ学院の人間では無い。『魔界』の事を知ってるかどうかさえも分からない。その彼に・・・全てを話しても大丈夫なのだろうか?
テーブルの上で握りしめていた手に、突然マイケルさんが触れて来た。
「え・・?」
私が顔を上げると、真剣な目で私を見つめるマイケルさんの姿がそこにあった。
「お嬢さん。俺の仕事は客商売だ。・・・親しくなったお客さんの中には自分の悩みを打ち明けて来る人達だって沢山いる。だけどね・・・俺はその人たちの話を今迄一度だって他の関係無い第3者の人達に話した事なんか一度も無い。何故だか分かるかい?それはね・・・俺達の様な仕事は信用が第一なんだ。人から信用されないと・・・お客さんなんか離れて行ってしまうからね。」
「あ・・・。」
「だから、俺の事を信用して・・・何故お嬢さんの事を俺が忘れてしまったのか、そして何故突然思い出したのか・・・包み隠さず教えてくれないか?」
私の手を握るマイケルさんの力が強まった。私は目を閉じると言った。
「分かりました・・・・。お話しします・・・。」
マイケルさんは黙って頷いた。
「マイケルさんは『魔界』の話を聞いたことがありますか?」
「『魔界』・・・?物語の中では聞いたことがあるけど?」
「実はこの世界には本当に『魔界』が存在しているのです。そしセント・レイズ学院は人間界と『魔界』をつなぐ『門』を守るために設立された学院なんです。」
「!そ、そうだったのか・・・道理であの学院に通う学生さん達は全員魔法を使う事が出来たのか・・・。」
「実は以前・・・私のせいでその『魔界』へ連れ去られてしまった男子学生がいたんです。そして『魔界』へ行った人間は、人間界から・・最初からいなかった存在として記憶から消されてしまうんです。・・・当然彼も・・・記憶から消されてしまいました・・・・。」
「・・・。」
マイケルさんは黙って話を聞いている。
「今から一月前、私はその彼を『魔界』へ行く為に『門』を守る聖剣士にお願いして手引きしてもらったのですが・・・そ、その聖剣士は・・他の聖剣士によって‥命を奪われました・・。」
私は涙を見られないように俯きながら話していると、突然目の前にスッとハンカチが差し出された。
顔をあげると、マイケルさんが優しい笑みを浮かべながら私を見つめている。
「す、すみません・・お借りしま・・・す。」
ハンカチを涙に押し当てながら私は続きを話した。
「そして、色々ありましたが・・・私は魔界へ行って、途中ではぐれてしまいましたが、連れ去られていた彼を人間界へ連れてくることが出来ました。実は・・・今日魔界から戻ってきたばかりなんです・・・。でも私の思った通り、私は学院で罪人扱いされてました。『魔界の門』の封印を解いた罪人として・・・。でも不思議なんです。魔界へ行った人間はその世界の記憶から消されてしまうのに・・・私の事を忘れていなかった人物がいたようなんです。その人物は、学院で『聖女』として崇められています。私は学院で・・・懸賞を掛けられていました。・・だから・・・髪を切って、染めて・・・。さっきの彼とは偶然学院の門で出会いました。その彼が私をここまで連れて来てくれたんです。でも・・私は彼に自分の名を偽って・・教えました。」
「大変な目に・・・遭ったんだね?それじゃ・・今は行く所が何処にも無いんだね?」
「は・はい・・・。幸い、今夜は先ほどの彼が手配してくれた宿屋に泊る事になりましたが・・。」
「う~ん・・・。」
マイケルさんは暫く何か考え事をしていたようだが・・・やがて私に言った。
「もしお嬢さんさえよければ・・・俺の家においでよ。暫くは・・・一緒に暮らさないかい?」
それは予想外の言葉だった—。
「あ、あの・・・ソフィー・ローランと言う方は・・?」
震える声を何とか抑えつつ、私はデヴィットに尋ねた。
「ああ、その女は自称『聖女』を名乗ってるいけ好かない女だ。」
「聖女・・・。」
「あの女が自ら聖女だと名乗りを上げたのが今から一月程前の事なんだ。」
デヴィットは残りの『ラフト』を食べ終えると言った。一月・・・・あれから一月も経過していたなんて・・・。人間界の時の流れは『魔界』や『狭間の世界』と時の流れのスピードが違うのだろうか?
「丁度、ソフィーが聖女を名乗った時と同時期に学院である事件が起きたんだ。この学院には・・・ジェシカ・リッジウェイと言う女子学生がいて・・・『ワールズ・エンド』を通って・・『魔界の門』を開けてしまったらしい。そしてその時に・・・当時門番をしていた聖剣士を刺殺したらしいんだ。名前は確かマシューとか・・・言ってたかな・・・?」
「え・・・・?」
私はその言葉を聞いて、まるで頭をハンマーで殴られたかのようなショックを受けた。う・・嘘・・・・・わ、私が・・・・マシューを殺した・・犯人とされていたなんて・・・・!
あまりにもショックが大きすぎて、目の前が真っ暗になり・・徐々に周囲の音が小さくなっていく・・・。
「え?お・・おい!どうした?!しっかりしろ・・・・っ!」
ブツリ。
そこで私の意識は完全に途絶えた—。
「う・・・・。」
頭が痛い・・・ここは・・・何処だろう・・?
目を何度か瞬かせながら私はゆっくりと目を開けた。
え・・・?
そこは全く見知らぬ部屋だった。何処かの宿屋だろうか・・?どうやら私はベッドの上に寝かされていたらしい。
首を動かして部屋の中を見渡すと、ソファの上にデヴィットが座って居眠りをしている姿が目に飛び込んできた。
「デヴィット・・・さん・・・?」
起き上がって声をかけると、パチッと目を覚ましてデヴィットは私を見た。
「ハ・・・ハルカ?良かった!お前・・・目が覚めたんだな?!」
デヴィットは私に駆け寄って来ると声を掛けて来た。
ハルカ?ああ・・・そう言えばデヴィットの前では私はハルカと名乗っていたんだっけ・・・。
「すみません・・・。ご迷惑をおかけしてしまったようで・・・。」
私は起き上がりながらデヴィットに謝った。
「い、いや・・・俺の事よりも・・・それより、ハルカ・・・。お前大丈夫なのか?突然顔色が変わったかと思えば、意識を失ってしまうから・・・本当に心配したんだぞ?」
この人は・・・心底私の事を心配してくれていたんだ・・・・。
「・・・ありがとうございます。」
「?何で・・礼を言うんだ?」
「だって・・・初対面の私を・・とても心配してくれたようだったので・・・。本当にありがとうございます。」
笑みを浮かべて礼を述べると、デヴィットは顔を赤らめて言った。
「べ、別にお前の事をそこまで心配していた訳じゃ・・・ただ、一緒に居た相手が突然意識を失えば、誰だって心配するのは当たり前だろう?」
「言われてみれば確かに・・・そうですね。」
私はクスクス笑いながら言った。
「それで・・どうだ?まだ気分は悪いか?」
デヴィットが私の顔を覗き込みながら言った。
「いえ、もう大丈夫ですよ。」
「やっぱり・・・女が聖剣士を刺殺した・・・なんて話は・・ショックだったか?」
突然のデヴィットの言葉にまた先程の恐怖が蘇る。そうだ・・・私がショックを受けたのは、私がマシューを刺したと言うデマでは無く・・・マシューが死んでいたという事実・・・それを受け入れる事が出来ずに・・・気絶してしまったんだ・・。
駄目だ、意識をしっかり保たなくては・・・平常心を装わなくては・・・。
そう思えば思う程に身体の震えは止まらない。だけど・・・どんなに悲しくても今は、絶対にここで泣いてはいけない・・・っ!
「お、おい!大丈夫か?また顔色が酷くなってきたぞ?!」
デヴィットが慌てて私に声を掛けて来る。
「だ・・・大丈夫・・・です・・。」
落ち着かないと・・・。泣くのは・・・1人になってからだ・・・!
「何が大丈夫だっ!今にもまた倒れそうだぞ?いいか・・・今日はもう休め。ここは俺が手配した宿だ。今夜はここで休んで・・・もし家に帰るつもりなら、もう明日にしろ。」
「はい・・・ありがとうございます・・・。」
そして私はベッドサイドの上に置かれている置時計を見た。
時刻は午後3時を指している。・・・マイケルさんとの約束の時間までは後1時間・・。その前にデヴィットには学院に戻って置いてもらわなければ。
「デヴィットさん。私はもう大丈夫なので、どうぞ学院にお戻り下さい。」
「・・・いや、今日はもう・・・俺は学院には 戻らない。」
「え?そうなんですか?!」
「ああ。言っただろう?今はあまりあの学院には居たくないって。」
「え、ええ・・・。」
「実はこの隣に俺も宿を取ったんだ。・・・ハルカの事が心配だったしな。気絶した人間を1人残して学院に戻るなんて出来っこないだろう?」
「私ならもう大丈夫ですよ?」
まずいな・・・。一体いつまでこの部屋にいるつもりなんだろう?まさか夜になるまで・・・とか?マイケルさんとの約束があるのに・・・デヴィットがいれば出掛ける事なんて不可能だろう。
「ハルカ?どうしたんだ?さっきから何だかソワソワしているように見えるけど・・・。」
「そ、そんな事無いですよ。」
・・・デヴィットは・・・中々勘が鋭いようだなあ・・・。
しかし、私のそんな内心の焦りとは裏腹にデヴィットはのんびりした口調で私に言った。
「ハルカ。ここの宿で出されるコーヒーは評判がいいんだ。飲んでみないか?」
「ええ、そうですね。飲んでみたいです。」
笑みを浮かべて返事をする。
「よし、待ってろ。今挽きたてのコーヒーを淹れてやるからな。」
デヴィットは随分機嫌が良さそうだ。最初に出会った時と、今とではまるで別人のように。・・・一体何があったのだろうか・・・?
「ほら、ハルカ。飲んでみろよ。」
デヴィットがマグカップに注いだコーヒーを渡してきた。
「あ、ありがとうございます・・・。」
マグカップを受け取って時計をみると、時刻はもう午後3時半を指していた。
どうしよう・・・もういい加減に出かけないと・・・。いや、それ以上にこの宿は一体何処にある宿屋なのだろうか?
・・・もう正直に言うしかない。
「あ、あのデヴィットさん。」
「何だ?」
「じ、実は・・私、これから人と会う約束があるんです。なので・・・申し訳ありませんが・・・出掛けさせて頂きます。」
言いながらベッドから降りると、デヴィットが言った。
「・・・やはり・・・な・・。」
「デヴィットさん?」
「おかしいと思ったんだよ。あの屋台の男・・・あいつにこれから会いに行くんだろう?」
うん?あいつ?何故デヴィットはそんな言いをするのだろうか?
「デヴィットさん・・・?」
「あの男は・・・ハルカの恋人・・・なのか?」
「はあ?!」
あまりのデヴィットの発言に私は変な声を上げてしまった。
「ちょ、ちょっと待って下さいよ!何故、私と彼が恋人同士なのですか?」
「いや・・。凄く親しげだったから・・・ひょっとすると2人は・・・と思っただけだ。その様子だと・・・どうやら違うようだな。」
「ええ、当然ですよ。」
「それなら・・・マシューとか言う聖剣士か?お前の恋人は・・・。」
再びマシューの名前がデヴィットの口から出てきた。
「あ・・・」
デヴィットは私から視線を逸らさない。
「し、知りません・・・。そんな男性は・・・っ」
私はベッドの布団を握りしめながら必死で答える。そんな様子を見たデヴィットは悲し気な笑みを浮かべると言った。
「すまない。俺は・・余計な事を尋ねてしまったようだ。」
そして改めて私を見るとデヴィットは言った。
「俺が・・・ハルカをあの屋台の男の元へ連れて行ってやるから。」
「え・・?ほ、本当に・・・?」
「ああ、本当だ。」
「それじゃ・・・あの男性と2人きりで話がしたいので・・・その時は・・席を外して・・貰えますか・・?」
一瞬、その事を聞かされたデヴィットは酷く傷ついたような顔つきを見せたが・・・私に言った。
ああ、勿論。分かっているよ―。と・・・。
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デヴィットが手配してくれた宿はマイケルさんの開いている屋台通りからほど近い場所にある宿だった。
「あの・・・・デヴィットさん・・・。」
私は前を歩く彼に遠慮がちに声を掛けた。
「うん?何だ?」
立ち止まって振り向くデヴィット。
「あ、あの・・・じ、実はお恥ずかしい話なのですが・・・今、あまり手持ちのお金が無くて・・・今夜の宿代・・・・お借りしてもよろしいでしょうか・・・?」
下を向いて、頭を下げた。ああ・・・恥ずかしい。顔が火照っているので、きっと今は真っ赤に染まっているのかもしれない。
「はあ~っ・・・。」
デヴィットが大きなため息をついた。うう・・・呆れられてしまったんだろうな。きっと・・・。
「ハルカ、顔を上げろよ。」
「は、はい・・・。」
真っ赤になった顔を上げると、一瞬デヴィットはギョッとした顔つきで私を見た。
「お、おい・・何でそんな真っ赤な顔・・してるんだよ。」
「しゃ・・・借金のお願い・・・だからです・・・。」
「馬鹿だなあ、俺が勝手に宿をとったんだ・・・。ハルカからお金を取る訳にはいかないだろう?」
「だ・・・だけど、本当に助かったんです、私・・・。だって・・他に行く当てが無かったから・・・。」
「!」
デヴィットの息を飲む気配を感じた。
「ハ・・ハルカ・・・。お、お前・・行く所・・無かったのか?」
「あ・・・・。」
私は口元を手で押さえた。どうしよう・・・つい今口が滑ってとんでもない事を言ってしまった。
「おい、どういう事なんだ?お前・・・あの学院には今年入学希望だったから見学に来たと言ってたじゃ無いか。」
「あ、あの・・・そ、それは・・・。」
思わず言い淀んでしまう。言えない、本当の事なんて彼には・・・!
その時・・・。
「お嬢さん!」
不意に背後から声を掛けられて振り向くと、そこにはマイケルさんが笑顔で立っていた。
「マイケルさん!」
天の助け!私は笑顔で振り返った。
しかし、ますますデヴィットの顔が険しくなる。
「マイケル・・・?名前まで知ってたのか?」
「あ、あの・・・。」
ま、まずい・・・。どうすればいいのだろう・・・。
するとマイケルさんがデヴィットの前に進み出て来ると言った。
「俺と彼女は只の店主と客の間柄でしか無いよ。ただ、彼女は俺の店の常連さんで、親友の想い人ってだけの関係さ。」
「何?!」
デヴィットが最後の言葉に反応した。
「ちょ、ちょっと!マイケルさん!」
私は彼の袖を引っ張った。一体そこで何故余計な言葉を話してしまうのよ~!
親友の想い人って・・・ジョセフ先生の事だよね?そこ・・・全く関係ない下りだったよね?!
「ハルカ・・・・。どういう事だよ。」
デヴィットは私を睨み付けるような目で見た。
「ハルカ・・・?ハルカって一体・・・?」
今度はマイケルさんが眉を潜める。あああっ!ますます話がややこしくなる!
「デ・・・デヴィットさん!」
私は2人の間に割って入ると言った。
「あ、あの今日は色々とお世話になりました。宿代の方は・・・必ず後程お返し致します。帰りも1人で大丈夫ですから。」
「・・・・チッ!」
デヴィットは不機嫌そうに舌打ちした。・・・でもこればかりは仕方が無い。私は絶対に彼には自分がジェシカ・リッジウェイだと知られる訳にはいかないのだから。
「すまないね。君。お嬢さんと大事な話があるからさ。悪いけど席を外してくれないかい?」
ニッコリ笑ってデヴィットにお願いするマイケルさん。おお~流石に大人、伊達に客商売をしている訳でもない。
「分かったよ。」
そう言うと、デヴィットは私達に背を向け、一度もこちらを振り向く事も無く雑踏の中へと消えて行った。
「・・・どうやら彼・・行ったようだね。」
マイケルさんがデヴィットの後姿を見ながら言った。
「はい・・・。」
「次の屋台は午後6時から9時までなんだ。それまでは時間が取れるから、何処かカフェにでも入ろうか?」
マイケルさんが笑顔で提案する。
「はい、そうですね。」
「あの・・・マイケルさんの知ってる事・・全て教えて頂けませんか?」
ここはカフェレストラン。今私とマイケルさんは丸いテーブルに対面して座っている。
「うん、そうだね・・・まずは何処から話そうかな。」
コーヒーを一口飲むとマイケルさんは言った。
「・・・ひと月前・・・。セント・レイズ学院と、セント・レイズシティで起こった異変等があれば・・・それら全てです。」
「俺は・・・学院の事は外部の人間だから、お嬢さんに教えてあげられる情報は殆ど持っていないよ。」
「そうですか・・・。」
やっぱり無理だったか・・・。
「だけど、ジョセフに関する話なら教えてあげる事が出来る。」
「そ、そうです!ジョセフ先生・・・ジョセフ先生は・・セント・レイズ学院を辞めさせられたという話ですが・・それは事実ですか?!」
「うん・・・。その事なんだけど・・・まず俺から先に質問してもいいかな?何故なんだろう・・・。お嬢さんは俺の店の常連さんだから・・それに俺は客商売だから絶対に人の顔や名前は忘れた事が無いのに・・・どうして、さっきまでお嬢さんの事を俺はすっかり忘れていたんだろう・・・ってね。お嬢さんなら・・その理由を知ってるんだろう?」
マイケルさんはじっと私を見つめながら尋ねて来た。
「あ・・・。」
どうしよう、彼はセント・レイズ学院の人間では無い。『魔界』の事を知ってるかどうかさえも分からない。その彼に・・・全てを話しても大丈夫なのだろうか?
テーブルの上で握りしめていた手に、突然マイケルさんが触れて来た。
「え・・?」
私が顔を上げると、真剣な目で私を見つめるマイケルさんの姿がそこにあった。
「お嬢さん。俺の仕事は客商売だ。・・・親しくなったお客さんの中には自分の悩みを打ち明けて来る人達だって沢山いる。だけどね・・・俺はその人たちの話を今迄一度だって他の関係無い第3者の人達に話した事なんか一度も無い。何故だか分かるかい?それはね・・・俺達の様な仕事は信用が第一なんだ。人から信用されないと・・・お客さんなんか離れて行ってしまうからね。」
「あ・・・。」
「だから、俺の事を信用して・・・何故お嬢さんの事を俺が忘れてしまったのか、そして何故突然思い出したのか・・・包み隠さず教えてくれないか?」
私の手を握るマイケルさんの力が強まった。私は目を閉じると言った。
「分かりました・・・・。お話しします・・・。」
マイケルさんは黙って頷いた。
「マイケルさんは『魔界』の話を聞いたことがありますか?」
「『魔界』・・・?物語の中では聞いたことがあるけど?」
「実はこの世界には本当に『魔界』が存在しているのです。そしセント・レイズ学院は人間界と『魔界』をつなぐ『門』を守るために設立された学院なんです。」
「!そ、そうだったのか・・・道理であの学院に通う学生さん達は全員魔法を使う事が出来たのか・・・。」
「実は以前・・・私のせいでその『魔界』へ連れ去られてしまった男子学生がいたんです。そして『魔界』へ行った人間は、人間界から・・最初からいなかった存在として記憶から消されてしまうんです。・・・当然彼も・・・記憶から消されてしまいました・・・・。」
「・・・。」
マイケルさんは黙って話を聞いている。
「今から一月前、私はその彼を『魔界』へ行く為に『門』を守る聖剣士にお願いして手引きしてもらったのですが・・・そ、その聖剣士は・・他の聖剣士によって‥命を奪われました・・。」
私は涙を見られないように俯きながら話していると、突然目の前にスッとハンカチが差し出された。
顔をあげると、マイケルさんが優しい笑みを浮かべながら私を見つめている。
「す、すみません・・お借りしま・・・す。」
ハンカチを涙に押し当てながら私は続きを話した。
「そして、色々ありましたが・・・私は魔界へ行って、途中ではぐれてしまいましたが、連れ去られていた彼を人間界へ連れてくることが出来ました。実は・・・今日魔界から戻ってきたばかりなんです・・・。でも私の思った通り、私は学院で罪人扱いされてました。『魔界の門』の封印を解いた罪人として・・・。でも不思議なんです。魔界へ行った人間はその世界の記憶から消されてしまうのに・・・私の事を忘れていなかった人物がいたようなんです。その人物は、学院で『聖女』として崇められています。私は学院で・・・懸賞を掛けられていました。・・だから・・・髪を切って、染めて・・・。さっきの彼とは偶然学院の門で出会いました。その彼が私をここまで連れて来てくれたんです。でも・・私は彼に自分の名を偽って・・教えました。」
「大変な目に・・・遭ったんだね?それじゃ・・今は行く所が何処にも無いんだね?」
「は・はい・・・。幸い、今夜は先ほどの彼が手配してくれた宿屋に泊る事になりましたが・・。」
「う~ん・・・。」
マイケルさんは暫く何か考え事をしていたようだが・・・やがて私に言った。
「もしお嬢さんさえよければ・・・俺の家においでよ。暫くは・・・一緒に暮らさないかい?」
それは予想外の言葉だった—。
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