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第2章 2 皆で一緒に
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「いくら髪を切って、色を染めた所でも・・・恐らくすぐにジェシカだと気付かれてしまうだろう。」
デヴィットは私に言った。
今、私はマイケルさんとデヴィットの3人揃ってカフェで今後の事について、どうすれば正体がバレる事無く私が学院の中に侵入出来るかについての話し合いをしていた。
「で、でも・・・学院の中へ入らないと、ノア先輩や、ダニエル先輩、それに他の人達の様子が・・・。」
「その事なら大丈夫。心配するな。俺がジェシカの代わりに様子を見て来るから。」
デヴィットが言う。
「だけど、君は聖剣士なんだろう?聖女に忠誠を誓っていないからマークされてるんじゃないのかな?」
マイケルさんの問いにデヴィットは答えた
「いや、その逆だ。俺は今迄訓練にすら顔を出していない。あんな女が聖女だなんて俺は認めていなかったから・・・一切聖剣士としての義務を放棄して来たんだ。俺が聖剣士だと知ってるのは・・ここにいる2人だけかもしれないな。」
デヴィットは何処か嬉しそうに言う。聖剣士・・・まさかデヴィット迄マシューと同様、聖剣士だとは夢にも思っていなかった。
デヴィットの話では聖女には2通りあるらしい。初めから全ての聖剣士の聖女となる場合・・そしてもう一つは聖剣士と特別な関係を持った場合のみ、その聖剣士専属の聖女となれるらしいが、それには基準がある。自分の身体に刻まれた紋章が光り輝かないと聖剣士の聖女にはなれないという・・・。
私はこの物語の作者であるのに、こんな話は知らなかった。やはりここは私の作った小説の世界では無く、anotherの世界なのかもしれない・・・。
「どうした?ジェシカ。ぼーっしているようだが・・大丈夫か?」
デヴィットが心配そうに私に声をかけてくる。関係を持った直後から、デヴィットの態度はあからさまに変わった。私を見る目が優しくなり、話し方にも労わりを感じる。やはり私の聖剣士となったからだろうか・・・?それにデビットは私に言った。これは儀式だけど、自分にとっては「愛」だと・・・。
デヴィットが私を愛している・・?それを思うと、デビットにもマシューに対しても罪悪感が募って来る。私は・・・やはり最低な女なのかもしれない。だってまた誰かを巻き込んでしまったのだから—。
「いいえ、大丈夫です。」
私が答えると、デヴィットはそっと私の髪の毛を撫でた。
「具合が悪ければすぐに言うんだぞ?」
そしてじっと私を見つめた。
そんなデビットの目を見つめながら思った。
深い絆を結ぶとその相手が聖剣士となる・・・。
そうなると、アラン王子・・そしてドミニク公爵も私の聖剣士といえるのだろうが・・それを確認する手段は無い。大体、公爵には恐ろしくて近付く事すら今の私には出来なかった。
「あの・・・私だとばれてしまうのであれば・・どうしたら学院に侵入できるでしょうか・・。」
私は2人を見渡しながら問いかけた。
「そこで考えてみたんだけど・・・お嬢さん。君・・・男装する気は無い?」
「え・・・・?だ、男装・・・ですか?」
私は自分を指さしながら言った。
「うん、そう。お嬢さんはとても美人だから・・・きっと素晴らしい美少年になると思うよ?」
ニコニコしながらマイケルさんは言う。・・・ひょっとするとマイケルさんはこの状況を楽しんでいるのだろうか?
「駄目だ!それでも・・もしバレたらどうするんだ?!そんな危険な真似をジェシカにさせられるわけ無いだろう?!」
デヴィットはテーブルをバンバン叩いて抗議する。う~ん・・。何だか人が変わったみたいに過保護になってしまったようだ。
「だいじょうぶ、俺もお嬢さんに付き添うからさ。そうだな・・・。この学院に入学希望の美少年とその兄って設定はどうかな?」
うん?何だか何処かで似たようなシチュエーションみたいだけど・・・。
「いいですね・・・。それ、使えそうです。」
私は言った。
「だけど・・ジェシカじゃあまりにも身長が低いし、華奢過ぎる。とても男装なんて無理だ!」
う・・・た、確かにそれは言えるかも。ジェシカの身長は153㎝。この世界ではまれに見る小柄な身体をしている。
「うん、だからさ。庇護欲を掻き立てられる美少年になりそうじゃ無いか。」
そしてマイケルさんはウィンクした。
「ねえ。この衣装なんかどう?お嬢さんにぴったりだと思うんだけどな?」
マイケルさんが楽しそうにブルーの燕尾服を私に見せながら言う。
「駄目だ、ジェシカにそんな格好させたら、ひょっとすると男子学生にまで興味を持たれて、襲われでもしたらどうするんだ?出来ればもっと目立たない平凡な服を・・・。」
デヴィットはマイケルさんの選んだ服に文句を言いつつ、持論を述べている。
そんな2人の様子を私は椅子に座って眺めていた。
ふわああ・・・まだかなあ・・・。
あの後―カフェを出た私達はその足でブティックへと来ていた。そして私の為の男性用の服をマイケルさんとデヴィットが見立てるという話だったのだが・・・。
「あー駄目だよ、こんな服じゃ・・・。折角のお嬢さんの魅力が半減してしまう。」
「何言ってるんだ!魅力的にしたら男色の男に狙われるかもしれないだろう?!」
等、こんな感じでちっとも意見が一致しない。
・・・どうでもいいけど、早く終わらせてくれないかなあ。すっかり私は待ちくたびれてしまった。それに・・・。
「マイケルさん。もうそろそろ屋台をオープンさせないといけない時間ですけど・・・?大丈夫なんですか?」
「あ!いけない!もうそんな時間か・・・。あ、でも屋台を開ける前にお嬢さんを俺の家に連れて行ってあげないとね。よし、服選びはまた明日にしよう。おいで、お嬢さん。」
マイケルさんが手を伸ばしてきたので、私も何も考え無しに手を伸ばし・・・。
「おい、ジェシカは俺の聖女だ。気安く触らないでくれないか?」
言いながら、さっとマイケルさんの手を払うデヴィット。
ええええ~っ?!ちょ、ちょっと・・・そんなキャラでしたっけ?これではまるで、あの俺様王子やドミニク公爵と変わらないじゃないのっ!
「デ・・・デヴィットさん・・・。」
「うん、何だ?」
デヴィットは私の手をしっかり握りしめると笑顔を向けた。
「何だか・・・キャラ・・・変わりましたね?」
「キャラ・・・?キャラって何だ?」
不思議そうな顔をする。ああ・・・そうか、キャラって言う言葉知らないか・・・。
「所でジェシカ。おまえ・・。本当にこの男の家に居候するつもりか?」
真剣な顔で私に問い詰めて来る。
「えええ?!だ、だってデヴィットさん・・・いいって言ってくれませんでしたっけ?!」
今更何を言い出すのだろう。
「あの時と今とでは状況が変わったんだ。」
じっと私を見つめながら距離を詰めて来るデヴィット。そしてそんな私達を意味深な目で見つめるマイケルさん。
「ふ~ん・・・。そういう事かあ・・・。」
「何がそういう事なんだ?」
グルリと顔をマイケルさんに向けるデビット。お願いだから、そんな喧嘩腰にならないで欲しいのだけど・・・。
「いや、何でも無いよ。でも、そんな事を言ってもお嬢さんは行き場が無いんだよ?気の毒じゃ無いか。」
「・・・俺も泊まれるだけのスペースはあるか?」
ヒエエエッ!とんでもない事を言いだしてきた。
「あ、あの・・・。デヴィットさん・・・?」
「俺はお前の聖剣士だ。いつどこでソフィーの手下がお前を狙って襲ってくるか分からない。24時間警護が必要だとは思わないか?」
熱のこもった目で訴えて来る。う・・確かに言ってる事は正論だけども・・・。
「俺は別に構わないよ。」
マイケルさんがのんびりした口調で言う。
「ええ?!」
ほ・・・本気で言ってるのだろうか・・?
「だって、3人で同居なんて・・楽しそうじゃ無いか。」
そう言ってマイケルさんは笑みを浮かべるのだった—。
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結局・・・デヴィットがどうしても引かないので、2人一緒にマイケルさんの家でお世話になる事になってしまった。
「ほら、これが俺の家だよ。」
案内されてやってきたのは、マイケルさんの屋台のお店から徒歩15分程先の住宅街の一角だった。
マイケルさんの家は2階建ての青い屋根に煙突が付いていて、何とも可愛らしい佇まいをしていた。
「うわああ・・素敵な家ですね!」
私は笑顔でマイケルさんに言った。
「そうかい?気に入って貰えて良かったよ。」
マイケルさんも笑顔で答える。
「ええ、私・・・将来はこういう可愛らしい家に住んでみたいです。」
するとどこまで本気で言ってるのか分からないがマイケルさんが言った。
「そうかい?それじゃこのまま俺のお嫁さんになって、一緒にこの家で暮そうか?」
するとそれまで口を閉ざしていたデヴィットが言った。
「おい!勝手な話ばかりして盛り上がるな!」
さり気なく私をマイケルさんから引き離しながらデヴィットが言う。
う~ん・・・なんか本気で今の話・・捕らえていたのだろうか?
「そうか、ジェシカはこういう家が好みなんだな。よし、良く覚えておくことにしよう。」
デヴィットは腕組みしながらマイケルさんの家を凝視している。
「お嬢さん、鍵は持ってるよね?」
「はい、持ってます。」
「それじゃ、2階の部屋は2人で自由に使っていいよ。俺の部屋は1階にあるんだ。ちゃんとベッドも置いてあるから寝るのに困る事は無いからね。」
「それは助かるな。」
デヴィットは頷いた。・・・それにしても、仮にもこちらはお世話になる身なのだから、もう少し低姿勢を取ってくれないかなあ?マイケルさんの機嫌を損ねたらどうするつもりなのだろう?
「あの、夜のお仕事は何時までですか?」
「屋台は夜の10時までだよ。その後、片付けがあるから・・・帰宅出来るのは11時頃かな?」
「あの、それでは10時になったら片付けのお手伝いに行きますよ。一緒に片付ければそれだけ早く終わりますものね。」
「何?!ジェシカ・・・この辺は治安が悪いんだぞ?!お前みたいに人目を引く容姿をした女が町を出歩いていたら、またどんなガラの悪い男達にからまれるか分かったものじゃない。・・・いいだろう、ジェシカの代わりに俺が手伝いに行く。」
「え?ええ?!デヴィットさんが?!」
だって、彼も貴族だよね?そのお偉い貴族さんが庶民のお店のお手伝いをするって・・・この世界では考えられない事だって聞いてたよ?!それなのに・・。
「本当かい?それは助かるな。」
「ああ、騎士に二言は無い。だから・・ジェシカ。」
デヴィットは私を振り向くと言った。
「俺達が帰って来るまでは・・・絶対に戸締りをして、誰が来ても開けたりするなよ?!」
「は、はい・・・。」
本当にデビットはキャラがすっかり変わってしまったようだ・・・。
マイケルさんが仕事に出かけた後・・・私はデヴィットと2人でマルシェを訪れていた。
「ジェシカ・・・ここで何をするんだ?」
「はい、マイケルさんにお世話になる代わりに食事を作ってあげる約束をしているんです。」
「え?!2人の間では・・・もうそんな取り決めが出来ていたのか・・・?そ、それで・・俺もお前の手作りの食事を・・・そ、その・・頂く事は・・出来るのか?」
何故か頬を真っ赤に染めて、熱を込めた目でじっと私を見つめるデヴィット。
「ええ。一緒に暮らすのでしたら当然ですよ。」
「一緒に暮らす・・・。そ、そうか。ジェシカはこういう庶民的な暮らしを望んでいる訳だからな。使用人達も屋敷も必要無いと言う事だから・・・毎日ジェシカの手作り料理をこれからは食べられると言う事になるのか・・・。」
単にこの同居期間の事を指して言っただけなのに・・・。何だか随分先の未来を見据えているような呟きをしているなあ・・・。だけど・・・デヴィットは実際の所、私の事をどう思っているのだろう?・・・本気で私の事を好きだとしたら・・・困る。
だって私が愛しているのはマシューなのに・・・。でも・・仮にマシューに会えたとして、彼が私以外の別の女性を既に愛していたなら、私は気持ちを告げずに、潔く身を引くつもりである。だって、大事な人を困らせるような事だけは・・・したく無いから。
「どうしたんだ?ジェシカ。ぼーっとして・・・・。まだ魔界からの疲れが取れていないんじゃないか?」
不意にデヴィットが心配そうに私を覗き込んできた。
「いいえ、何でもありません。ただ、今夜のメニューは何にしようかなと考えていあだ気ですから。」
「俺は・・・ジェシカの作ってくれる食事なら・・・ど、どんな物だって・・喜んで食べるよ。」
またまた頬を赤らめるデビット。・・・意外だ・・・。デヴィットは本当はピュアな青年だったのかもしれない。
でも、そう言う風に行って貰えるのは正直嬉しい。
「ありがとうございます。デヴィットさん。」
笑みを浮かべてお礼を述べると、フイと視線を逸らすデヴィット。彼の横顔は・・・耳まで赤く染まってた―。
その後、マルシェで食材を買い込んできた私は2人の為に料理を作り始めた。
「ジェシカ・・・何か手伝おうか?」
う~ん・・・。そう言われても・・・デヴィットは料理が出来る様にはとても思えない。でも手伝わなくてもいいと言えば、折角の彼の好意を無駄にしてしまうし・・・。
「それじゃ・・じゃがいもと、人参を洗って貰えますか?」
「ああ!任せろ!」
何故か子供の様に目をキラキラさせるデヴィット。・・・本当に知れば知る程・・・不思議な男性だなあ・・・。
こうして私とデヴィットは2人で台所に立ち、ビーフシチューを作り上げた。
「いいか?ジェシカ。戸締りをしっかりしておくんだぞ?そして絶対に誰も家に居れるなよ?」
「はい、分かりました。絶対にドアを開けませんから、安心してお出かけください。」
「・・・。」
すると何故か顔を赤らめるデヴィット。え?何で・・・・?じ~っと見つめていると彼が言った。
「な、なんか・・こういうの・・。いいな・・・。そ、その・・新婚みたいで・・。」
え・・・?デ、デヴィット・・・。他人の家で何て事を言うのだろう・・・。
「アハハハ・・。そ、そうですか。」
もう笑って胡麻化してやれ。
デヴィットがマイケルさんの屋台の片付けの手伝いで出かけた後、私は鍵を閉めて
今後の計画を立てながら2人の帰りを待とうとしていた矢先・・・。
「ジェシカ。」
近くで私を呼ぶ声が聞こえた。え―?そ、その声は・・・?途端に左腕が熱くなり、光り輝きだす。
ま・・・まさか・・・。
振り向くとそこには・・・右腕を光り輝かせたアラン王子が立っていたのだ。
「ア、アラン王子・・・?」
嘘・・・?何故?どうして此処に現れたの?何故・・・私の居場所がバレているの?
「ジェシカ・・・。髪・・切ったんだな・・・。長い髪も素敵だったが・・その髪型も・・よく似あっているよ。」
笑みを浮かべながら私を見つめるアラン王子。だけど、私は全く生きた心地がしなかった。傷付き、死にかけているマシューに迫って来るあの光景が忘れられないから・・・。
「あ・・アラン王子・・な、何故・・・ここに・・。」
震え声で尋ねると、アラン王子は悲しそうに言った。
「ジェシカ・・・やっぱり俺の事が怖いんだな・・。無理も無いか・・・。さっき、どうして此処にって聞いたよな?」
私は黙って頷く。
「それは・・・まだ微かに・・お前に付けたマーキングが・・残っていたからだ・・。」
「わ・・・私が1人になるのを・・・狙っていたんですか・・・?」
恐怖を押さえながら、何とか会話を続ける。
「ジェシカ・・・頼むから・・・そんな風に俺を・・怖がるのをやめてくれないか・・・?俺にはあまり時間が無いんだ・・・。」
「時間が無い・・・・?それは・・どういう意味・・ですか?」
「俺は自分の時間の殆どを今、ソフィーによって操られているんだ・・・・。正気を保てるのは、いつも夜のほんの数時間だけ・・・。その時だけ、ソフィーの呪縛から逃れられる・・・そのわずかな時間に、ジェシカ・・・お前に会い来てるんだ。お願いだ・・・信じてくれ・・・。」
必死で縋りつくように私に訴えて来るアラン王子・・・。それを見ていると、とても今の王子が嘘をついているとは思えなかった。
「わ・・分かりました・・・。それで・・何故その貴重な時間に私に・・・わざわざ会いに来ているのですか?」
「!そんなの・・・お前に会いたいからに決まっているだろう?!」
するとアラン王子の今の気持ちに反応するかのように、私とアラン王子の紋章が強く輝きだす。
「う・・・。」
急にアラン王子が苦しみ始めた。
「ど、どうしたのですか?!アラン王子っ!」
「ま・・まずい・・・・そろそろ暗示が・・・。い、いいか・・・。今夜は大事な話があるから、こ、ここに・・来たんだ・・。恐らく明日の・・・夜にはソフィーの兵が・・乗り込んでくる・・。だ、だから・・朝には・・ジェシカ・・・この家をで、出るんだ・・・っ!」
アラン王子の苦しみ方が尋常では無い。私は思わず駆け寄ってアラン王子を支えた。
「しっかりして下さい、アラン王子っ!」
「や・・やっぱり、ジェシカは・・・優しいな・・・。」
脂汗を額に浮かべながらアラン王子は苦し気に笑い・・・姿を消した―。
「いくら髪を切って、色を染めた所でも・・・恐らくすぐにジェシカだと気付かれてしまうだろう。」
デヴィットは私に言った。
今、私はマイケルさんとデヴィットの3人揃ってカフェで今後の事について、どうすれば正体がバレる事無く私が学院の中に侵入出来るかについての話し合いをしていた。
「で、でも・・・学院の中へ入らないと、ノア先輩や、ダニエル先輩、それに他の人達の様子が・・・。」
「その事なら大丈夫。心配するな。俺がジェシカの代わりに様子を見て来るから。」
デヴィットが言う。
「だけど、君は聖剣士なんだろう?聖女に忠誠を誓っていないからマークされてるんじゃないのかな?」
マイケルさんの問いにデヴィットは答えた
「いや、その逆だ。俺は今迄訓練にすら顔を出していない。あんな女が聖女だなんて俺は認めていなかったから・・・一切聖剣士としての義務を放棄して来たんだ。俺が聖剣士だと知ってるのは・・ここにいる2人だけかもしれないな。」
デヴィットは何処か嬉しそうに言う。聖剣士・・・まさかデヴィット迄マシューと同様、聖剣士だとは夢にも思っていなかった。
デヴィットの話では聖女には2通りあるらしい。初めから全ての聖剣士の聖女となる場合・・そしてもう一つは聖剣士と特別な関係を持った場合のみ、その聖剣士専属の聖女となれるらしいが、それには基準がある。自分の身体に刻まれた紋章が光り輝かないと聖剣士の聖女にはなれないという・・・。
私はこの物語の作者であるのに、こんな話は知らなかった。やはりここは私の作った小説の世界では無く、anotherの世界なのかもしれない・・・。
「どうした?ジェシカ。ぼーっしているようだが・・大丈夫か?」
デヴィットが心配そうに私に声をかけてくる。関係を持った直後から、デヴィットの態度はあからさまに変わった。私を見る目が優しくなり、話し方にも労わりを感じる。やはり私の聖剣士となったからだろうか・・・?それにデビットは私に言った。これは儀式だけど、自分にとっては「愛」だと・・・。
デヴィットが私を愛している・・?それを思うと、デビットにもマシューに対しても罪悪感が募って来る。私は・・・やはり最低な女なのかもしれない。だってまた誰かを巻き込んでしまったのだから—。
「いいえ、大丈夫です。」
私が答えると、デヴィットはそっと私の髪の毛を撫でた。
「具合が悪ければすぐに言うんだぞ?」
そしてじっと私を見つめた。
そんなデビットの目を見つめながら思った。
深い絆を結ぶとその相手が聖剣士となる・・・。
そうなると、アラン王子・・そしてドミニク公爵も私の聖剣士といえるのだろうが・・それを確認する手段は無い。大体、公爵には恐ろしくて近付く事すら今の私には出来なかった。
「あの・・・私だとばれてしまうのであれば・・どうしたら学院に侵入できるでしょうか・・。」
私は2人を見渡しながら問いかけた。
「そこで考えてみたんだけど・・・お嬢さん。君・・・男装する気は無い?」
「え・・・・?だ、男装・・・ですか?」
私は自分を指さしながら言った。
「うん、そう。お嬢さんはとても美人だから・・・きっと素晴らしい美少年になると思うよ?」
ニコニコしながらマイケルさんは言う。・・・ひょっとするとマイケルさんはこの状況を楽しんでいるのだろうか?
「駄目だ!それでも・・もしバレたらどうするんだ?!そんな危険な真似をジェシカにさせられるわけ無いだろう?!」
デヴィットはテーブルをバンバン叩いて抗議する。う~ん・・。何だか人が変わったみたいに過保護になってしまったようだ。
「だいじょうぶ、俺もお嬢さんに付き添うからさ。そうだな・・・。この学院に入学希望の美少年とその兄って設定はどうかな?」
うん?何だか何処かで似たようなシチュエーションみたいだけど・・・。
「いいですね・・・。それ、使えそうです。」
私は言った。
「だけど・・ジェシカじゃあまりにも身長が低いし、華奢過ぎる。とても男装なんて無理だ!」
う・・・た、確かにそれは言えるかも。ジェシカの身長は153㎝。この世界ではまれに見る小柄な身体をしている。
「うん、だからさ。庇護欲を掻き立てられる美少年になりそうじゃ無いか。」
そしてマイケルさんはウィンクした。
「ねえ。この衣装なんかどう?お嬢さんにぴったりだと思うんだけどな?」
マイケルさんが楽しそうにブルーの燕尾服を私に見せながら言う。
「駄目だ、ジェシカにそんな格好させたら、ひょっとすると男子学生にまで興味を持たれて、襲われでもしたらどうするんだ?出来ればもっと目立たない平凡な服を・・・。」
デヴィットはマイケルさんの選んだ服に文句を言いつつ、持論を述べている。
そんな2人の様子を私は椅子に座って眺めていた。
ふわああ・・・まだかなあ・・・。
あの後―カフェを出た私達はその足でブティックへと来ていた。そして私の為の男性用の服をマイケルさんとデヴィットが見立てるという話だったのだが・・・。
「あー駄目だよ、こんな服じゃ・・・。折角のお嬢さんの魅力が半減してしまう。」
「何言ってるんだ!魅力的にしたら男色の男に狙われるかもしれないだろう?!」
等、こんな感じでちっとも意見が一致しない。
・・・どうでもいいけど、早く終わらせてくれないかなあ。すっかり私は待ちくたびれてしまった。それに・・・。
「マイケルさん。もうそろそろ屋台をオープンさせないといけない時間ですけど・・・?大丈夫なんですか?」
「あ!いけない!もうそんな時間か・・・。あ、でも屋台を開ける前にお嬢さんを俺の家に連れて行ってあげないとね。よし、服選びはまた明日にしよう。おいで、お嬢さん。」
マイケルさんが手を伸ばしてきたので、私も何も考え無しに手を伸ばし・・・。
「おい、ジェシカは俺の聖女だ。気安く触らないでくれないか?」
言いながら、さっとマイケルさんの手を払うデヴィット。
ええええ~っ?!ちょ、ちょっと・・・そんなキャラでしたっけ?これではまるで、あの俺様王子やドミニク公爵と変わらないじゃないのっ!
「デ・・・デヴィットさん・・・。」
「うん、何だ?」
デヴィットは私の手をしっかり握りしめると笑顔を向けた。
「何だか・・・キャラ・・・変わりましたね?」
「キャラ・・・?キャラって何だ?」
不思議そうな顔をする。ああ・・・そうか、キャラって言う言葉知らないか・・・。
「所でジェシカ。おまえ・・。本当にこの男の家に居候するつもりか?」
真剣な顔で私に問い詰めて来る。
「えええ?!だ、だってデヴィットさん・・・いいって言ってくれませんでしたっけ?!」
今更何を言い出すのだろう。
「あの時と今とでは状況が変わったんだ。」
じっと私を見つめながら距離を詰めて来るデヴィット。そしてそんな私達を意味深な目で見つめるマイケルさん。
「ふ~ん・・・。そういう事かあ・・・。」
「何がそういう事なんだ?」
グルリと顔をマイケルさんに向けるデビット。お願いだから、そんな喧嘩腰にならないで欲しいのだけど・・・。
「いや、何でも無いよ。でも、そんな事を言ってもお嬢さんは行き場が無いんだよ?気の毒じゃ無いか。」
「・・・俺も泊まれるだけのスペースはあるか?」
ヒエエエッ!とんでもない事を言いだしてきた。
「あ、あの・・・。デヴィットさん・・・?」
「俺はお前の聖剣士だ。いつどこでソフィーの手下がお前を狙って襲ってくるか分からない。24時間警護が必要だとは思わないか?」
熱のこもった目で訴えて来る。う・・確かに言ってる事は正論だけども・・・。
「俺は別に構わないよ。」
マイケルさんがのんびりした口調で言う。
「ええ?!」
ほ・・・本気で言ってるのだろうか・・?
「だって、3人で同居なんて・・楽しそうじゃ無いか。」
そう言ってマイケルさんは笑みを浮かべるのだった—。
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結局・・・デヴィットがどうしても引かないので、2人一緒にマイケルさんの家でお世話になる事になってしまった。
「ほら、これが俺の家だよ。」
案内されてやってきたのは、マイケルさんの屋台のお店から徒歩15分程先の住宅街の一角だった。
マイケルさんの家は2階建ての青い屋根に煙突が付いていて、何とも可愛らしい佇まいをしていた。
「うわああ・・素敵な家ですね!」
私は笑顔でマイケルさんに言った。
「そうかい?気に入って貰えて良かったよ。」
マイケルさんも笑顔で答える。
「ええ、私・・・将来はこういう可愛らしい家に住んでみたいです。」
するとどこまで本気で言ってるのか分からないがマイケルさんが言った。
「そうかい?それじゃこのまま俺のお嫁さんになって、一緒にこの家で暮そうか?」
するとそれまで口を閉ざしていたデヴィットが言った。
「おい!勝手な話ばかりして盛り上がるな!」
さり気なく私をマイケルさんから引き離しながらデヴィットが言う。
う~ん・・・なんか本気で今の話・・捕らえていたのだろうか?
「そうか、ジェシカはこういう家が好みなんだな。よし、良く覚えておくことにしよう。」
デヴィットは腕組みしながらマイケルさんの家を凝視している。
「お嬢さん、鍵は持ってるよね?」
「はい、持ってます。」
「それじゃ、2階の部屋は2人で自由に使っていいよ。俺の部屋は1階にあるんだ。ちゃんとベッドも置いてあるから寝るのに困る事は無いからね。」
「それは助かるな。」
デヴィットは頷いた。・・・それにしても、仮にもこちらはお世話になる身なのだから、もう少し低姿勢を取ってくれないかなあ?マイケルさんの機嫌を損ねたらどうするつもりなのだろう?
「あの、夜のお仕事は何時までですか?」
「屋台は夜の10時までだよ。その後、片付けがあるから・・・帰宅出来るのは11時頃かな?」
「あの、それでは10時になったら片付けのお手伝いに行きますよ。一緒に片付ければそれだけ早く終わりますものね。」
「何?!ジェシカ・・・この辺は治安が悪いんだぞ?!お前みたいに人目を引く容姿をした女が町を出歩いていたら、またどんなガラの悪い男達にからまれるか分かったものじゃない。・・・いいだろう、ジェシカの代わりに俺が手伝いに行く。」
「え?ええ?!デヴィットさんが?!」
だって、彼も貴族だよね?そのお偉い貴族さんが庶民のお店のお手伝いをするって・・・この世界では考えられない事だって聞いてたよ?!それなのに・・。
「本当かい?それは助かるな。」
「ああ、騎士に二言は無い。だから・・ジェシカ。」
デヴィットは私を振り向くと言った。
「俺達が帰って来るまでは・・・絶対に戸締りをして、誰が来ても開けたりするなよ?!」
「は、はい・・・。」
本当にデビットはキャラがすっかり変わってしまったようだ・・・。
マイケルさんが仕事に出かけた後・・・私はデヴィットと2人でマルシェを訪れていた。
「ジェシカ・・・ここで何をするんだ?」
「はい、マイケルさんにお世話になる代わりに食事を作ってあげる約束をしているんです。」
「え?!2人の間では・・・もうそんな取り決めが出来ていたのか・・・?そ、それで・・俺もお前の手作りの食事を・・・そ、その・・頂く事は・・出来るのか?」
何故か頬を真っ赤に染めて、熱を込めた目でじっと私を見つめるデヴィット。
「ええ。一緒に暮らすのでしたら当然ですよ。」
「一緒に暮らす・・・。そ、そうか。ジェシカはこういう庶民的な暮らしを望んでいる訳だからな。使用人達も屋敷も必要無いと言う事だから・・・毎日ジェシカの手作り料理をこれからは食べられると言う事になるのか・・・。」
単にこの同居期間の事を指して言っただけなのに・・・。何だか随分先の未来を見据えているような呟きをしているなあ・・・。だけど・・・デヴィットは実際の所、私の事をどう思っているのだろう?・・・本気で私の事を好きだとしたら・・・困る。
だって私が愛しているのはマシューなのに・・・。でも・・仮にマシューに会えたとして、彼が私以外の別の女性を既に愛していたなら、私は気持ちを告げずに、潔く身を引くつもりである。だって、大事な人を困らせるような事だけは・・・したく無いから。
「どうしたんだ?ジェシカ。ぼーっとして・・・・。まだ魔界からの疲れが取れていないんじゃないか?」
不意にデヴィットが心配そうに私を覗き込んできた。
「いいえ、何でもありません。ただ、今夜のメニューは何にしようかなと考えていあだ気ですから。」
「俺は・・・ジェシカの作ってくれる食事なら・・・ど、どんな物だって・・喜んで食べるよ。」
またまた頬を赤らめるデビット。・・・意外だ・・・。デヴィットは本当はピュアな青年だったのかもしれない。
でも、そう言う風に行って貰えるのは正直嬉しい。
「ありがとうございます。デヴィットさん。」
笑みを浮かべてお礼を述べると、フイと視線を逸らすデヴィット。彼の横顔は・・・耳まで赤く染まってた―。
その後、マルシェで食材を買い込んできた私は2人の為に料理を作り始めた。
「ジェシカ・・・何か手伝おうか?」
う~ん・・・。そう言われても・・・デヴィットは料理が出来る様にはとても思えない。でも手伝わなくてもいいと言えば、折角の彼の好意を無駄にしてしまうし・・・。
「それじゃ・・じゃがいもと、人参を洗って貰えますか?」
「ああ!任せろ!」
何故か子供の様に目をキラキラさせるデヴィット。・・・本当に知れば知る程・・・不思議な男性だなあ・・・。
こうして私とデヴィットは2人で台所に立ち、ビーフシチューを作り上げた。
「いいか?ジェシカ。戸締りをしっかりしておくんだぞ?そして絶対に誰も家に居れるなよ?」
「はい、分かりました。絶対にドアを開けませんから、安心してお出かけください。」
「・・・。」
すると何故か顔を赤らめるデヴィット。え?何で・・・・?じ~っと見つめていると彼が言った。
「な、なんか・・こういうの・・。いいな・・・。そ、その・・新婚みたいで・・。」
え・・・?デ、デヴィット・・・。他人の家で何て事を言うのだろう・・・。
「アハハハ・・。そ、そうですか。」
もう笑って胡麻化してやれ。
デヴィットがマイケルさんの屋台の片付けの手伝いで出かけた後、私は鍵を閉めて
今後の計画を立てながら2人の帰りを待とうとしていた矢先・・・。
「ジェシカ。」
近くで私を呼ぶ声が聞こえた。え―?そ、その声は・・・?途端に左腕が熱くなり、光り輝きだす。
ま・・・まさか・・・。
振り向くとそこには・・・右腕を光り輝かせたアラン王子が立っていたのだ。
「ア、アラン王子・・・?」
嘘・・・?何故?どうして此処に現れたの?何故・・・私の居場所がバレているの?
「ジェシカ・・・。髪・・切ったんだな・・・。長い髪も素敵だったが・・その髪型も・・よく似あっているよ。」
笑みを浮かべながら私を見つめるアラン王子。だけど、私は全く生きた心地がしなかった。傷付き、死にかけているマシューに迫って来るあの光景が忘れられないから・・・。
「あ・・アラン王子・・な、何故・・・ここに・・。」
震え声で尋ねると、アラン王子は悲しそうに言った。
「ジェシカ・・・やっぱり俺の事が怖いんだな・・。無理も無いか・・・。さっき、どうして此処にって聞いたよな?」
私は黙って頷く。
「それは・・・まだ微かに・・お前に付けたマーキングが・・残っていたからだ・・。」
「わ・・・私が1人になるのを・・・狙っていたんですか・・・?」
恐怖を押さえながら、何とか会話を続ける。
「ジェシカ・・・頼むから・・・そんな風に俺を・・怖がるのをやめてくれないか・・・?俺にはあまり時間が無いんだ・・・。」
「時間が無い・・・・?それは・・どういう意味・・ですか?」
「俺は自分の時間の殆どを今、ソフィーによって操られているんだ・・・・。正気を保てるのは、いつも夜のほんの数時間だけ・・・。その時だけ、ソフィーの呪縛から逃れられる・・・そのわずかな時間に、ジェシカ・・・お前に会い来てるんだ。お願いだ・・・信じてくれ・・・。」
必死で縋りつくように私に訴えて来るアラン王子・・・。それを見ていると、とても今の王子が嘘をついているとは思えなかった。
「わ・・分かりました・・・。それで・・何故その貴重な時間に私に・・・わざわざ会いに来ているのですか?」
「!そんなの・・・お前に会いたいからに決まっているだろう?!」
するとアラン王子の今の気持ちに反応するかのように、私とアラン王子の紋章が強く輝きだす。
「う・・・。」
急にアラン王子が苦しみ始めた。
「ど、どうしたのですか?!アラン王子っ!」
「ま・・まずい・・・・そろそろ暗示が・・・。い、いいか・・・。今夜は大事な話があるから、こ、ここに・・来たんだ・・。恐らく明日の・・・夜にはソフィーの兵が・・乗り込んでくる・・。だ、だから・・朝には・・ジェシカ・・・この家をで、出るんだ・・・っ!」
アラン王子の苦しみ方が尋常では無い。私は思わず駆け寄ってアラン王子を支えた。
「しっかりして下さい、アラン王子っ!」
「や・・やっぱり、ジェシカは・・・優しいな・・・。」
脂汗を額に浮かべながらアラン王子は苦し気に笑い・・・姿を消した―。
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