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第4章 12 その場にいた人物は
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<ジェシカ・・・ジェシカ・・・。>
誰かが私を呼んでいる・・・。でも瞼が重くて開けられない・・・。ごめんなさい・・・。
「・・・・・・。」
う~ん・・・。何だろう・・・?身体が重い・・。まるで何か重たいものが身体の上にのしかかっているような・・・。
睫毛を何度か震わせ、ようやく目を開けると眼前にデヴィットの寝顔があった。
え?!な、何・・・?一体・・・。何と私はまるで抱き枕のようにデヴィットに抱き締められたまま眠っていたのである。
ど、どうしてこんな状況に・・・・?ベッドサイドに置かれた置時計に目をやると時刻は午前6時になっている。
だ、大丈夫・・・。服は昨日のまま・・・。デヴィットも服を着たまま眠っているし・・・・。良かった・・・。以前のアラン王子の時のような状況にはなっていない様なので安堵の溜息をつく。
それにしても・・・何故私はベッドの上でデヴィットに抱き締められたまま眠っているのだろう?他の人達はどうしているのか・・?昨夜の記憶が全く飛んでいるので何が何だか分からない。
起き上がりたい・・・。絡みついているデヴィットの腕を持ち上げてみると意外なほど簡単に身体から解く事が出来た。
デヴィットの身体から抜け出ると真っ先に思った。
「シャワー浴びたいな・・・。」
昨夜はシャワーも浴びずに眠ってしまったので、さっぱりしたくなってきた。
持参していたボストンバックから着替えを取り出すと、ソロリソロリと部屋を抜け出す。・・・どうやらこの部屋にいたのは私とデヴィットの2人だけだったようだ。
カチャリとドアノブを回してリビングへ出て見て驚いた。
そこにはダニエル先輩、マイケルさん、グレイ、ルークがそれぞれソファの上や床に転がったまま眠っていたからである。
そしてテーブルの上には空になったボトルが20本近く置かれていた。
・・・一体彼等はどの位深酒をしたのだろう?
恐らくこの調子では当分起きてくる気配はなさそうだな・・・。
それにしてもこの客室のバスルームに鍵が付いているのは助かった。もしシャワーを浴びている時に誰かが入ってきたら・・・と思うとゆっくりお風呂に入る事も出来ないしね。
コックをひねり、浴槽にお湯を溜めながら身体と髪の毛を洗う。
うん、やはり一流ホテルのアメニティは最高だ—。
ゆっくりお湯につかり、さっぱりした後に着替えを済ませて出てきたのに、彼等は未だに同じ姿勢のまま眠っている。
え・・・・?
その時—
私の中である違和感が生じた。
おかしい・・・何かが変だ。どうしてこんなに・・・静かなのだろう?音が何も聞こえてこない。慌てて辺りを見渡し、そこで私はある事に気が付いた。
時計の時刻は・・・6時10分を指している。
6時10分・・・・?この時計・・・遅れているのだろうか?
それならば―。
私は急いでデヴィットが眠っている客室へ入り、ベッドサイドの時計を確認する。
そんな・・・・。
この部屋の時計も・・・6時10分で止まっている。
一体、今この部屋で何が起こっているの・・・・?
こ、怖い・・・。
私は傍らで眠っているデヴィットの肩を激しく揺すった。
「デヴィットさん!デヴィットさん!お願い、起きてっ!」
しかし・・・デヴィットの身体はまるでマネキン人形のように固く強張り、微動だにしない。試しに口元に手をやり・・・慌てて手を引っ込めた。
息を・・・していない・・?嘘でしょう?一体何故・・・?で、でも身体は温かい・・・。
怖い、怖くて堪らない。頼りになるデヴィットはすぐ側にいるのに・・彼はまるで魂が抜けたようになっている。
「デヴィットさん・・・お願い・・・目を開けて・・・。」
デヴィットの身体に縋って涙混じりに訴えるが、全く反応は無い。
たまらず隣の部屋へ行き、ダニエル先輩やマイケルさん、グレイ、ルークの身体を揺さぶっても全く彼等は無反応・・・デヴィットと同じだ。
一体何が起こっているの・・・?
震えながら何気なく先程の時計を見て・・やはり時計の針は1分も動いていないことに気が付く。
ひょっとして・・・?時が・・・止まって・・・いる・・・?
私は一度だけ時を止める魔法を見た事がある。そう、あの魔法を使ったのは・・・
マシューだった。
今のこの状況は・・・あの時とそっくりだ・・・・。
ま、まさか・・・マシューが今何処かに居る・・・の・・・?
だけど・・・もし時を止めたのが本当にマシューだとして・・。彼は一体何故こんな手の込んだことをするのだろう?私を怖がらせるような真似を、あの優しいマシューがするとはとても思えない。
でも・・・もし、本当に愛しい彼が今ここにいるのなら・・・・っ!
私は・・・まだ確認していない部屋のドアノブを震える手で開けた・・・。
「そこに・・・いるの・・・?」
カーテンで閉ざされた薄暗い寝室・・・。ふと、置かれているソファに誰か人の座っている気配を感じた。
「!」
マシューだろうか・・?一歩足を踏み出して・・・私は足を止めた。
違うっ!マシューではない・・・。この気配は・・彼では無い。それなら一体誰・・・?
もし本当に時を止めたのならば、何故私の時間だけが動いているの?
恐らく、その答えは・・・。
「わ・・・私を・・・捕まえに・・来た・・・のですか・・・?」
「・・・・。」
すると私の問いに答えるかのようにユラリとソファからその人物が立ち上り・・・こちらを振り向いたその相手は・・。
「ド、ドミニク・・・様・・・・。」
そこにいたのは・・・今私が一番会ってはいけない人物・・・ドミニク・テレステオ公爵だったのだ。
「ジェシカ・・・リッジウェイ・・・。ようやく会えたな・・・。」
ドミニク公爵はゾッとする位冷たい声で私の名を呼んだ。そして一瞬で私の目の前に現れると、凍り付きそうな瞳で私を見下ろす。
その瞳は・・怪しく光り輝いていた。
「ド、ドミニク公爵様・・・。な、何故こちらに・・・・?」
自分でも間抜けな質問をしているとは思ったが、何かく話さなくてはと思い、つい口から出てしまった。
「何故・・・ここに来たのか?だと・・・?そんな事は・・お前自身が一番良く分かってる事じゃないのか・・?」
公爵は私の耳元迄口を寄せると・・・低い・・・ハスキーボイスの声で囁く。
「!」
思わず恐怖が募り、後ずさりしようとしたところを、強く左手を掴まれた。
「俺から・・・逃げられると思っているのか・・?」
公爵は私の左手をねじり上げながら片時も私から視線を逸らさない。その瞳には、痛みと恐怖に怯えた私の顔が映っている。
この人は・・・本当に私の知っているドミニク公爵なのだろうか・・?
今の公爵からはただ事ではない雰囲気を全身に纏っている。注視してみると・・身体から赤黒いオーラのようなものがまとわりついているようにも感じる。
何故・・・?ここまで彼は変貌してしまったのだろう?
どうして・・・公爵はソフィーの手に堕ちてしまったのだろう・・・?
思わず、目に涙が浮かんでくる。
すると・・公爵の目が私の涙を捉えたからなのか・・・一瞬ハッとする表情を浮かべた。
「ジェ・ジェシカ・・・・。」
突然、公爵の声のトーンが変化した。
「え・・?」
私は公爵の目を見つめると・・・そこには先程の怪しい光が消え失せ・・・見慣れたオッドアイの瞳が戻っていた。
次の瞬間・・・。
突然私の左腕が眩しく光り輝いた。こ・・これは・・アラン王子やデヴィットと同じ輝きだ—!
ドミニク公爵の右腕も眩しく光り輝き、その光を公爵は・・・唖然とした表情で見つめていた。そして、私は見た。
公爵の腕が光り輝いたと同時に、赤黒い物体が抜け出て行くのを・・・。
今のは一体・・?
私は赤黒い物体が消え去った方向を見つめていると、不意に公爵が声をかけてきた。
「ジェシカ・・・。」
公爵に視線を戻すと、驚く程至近距離の場所に彼の顔があった。
「ジェシカ・・・お前・・・聖女として・・目覚めたのか・・・?」
その声・・・口ぶりは・・・以前のドミニク公爵と同じものだった―。
2
「・・・・。」
どうしよう、何と答えれば良いのだろうか。今の・・・公爵は私が知っている以前の公爵なのだろうか・・・?
思わず視線を逸らすと、両肩を掴まれた。
「目を逸らすな。ジェシカ・・・・。」
公爵は真剣な眼差しで私を見つめて来る。目を逸らすな・・・・。この言葉は今迄にもう何度も聞かされ続けた言葉・・・。
だけど、私・・・。
「ご、ごめんなさい・・・。ドミニク様・・・。」
「ジェシカ・・・?」
公爵の顔に困惑の色が浮かぶ。
「手を・・・手を離して頂けますか・・・?」
先ほど黒い物体のようなものが公爵から抜け出て行ったのは見えたが、これで彼が正気に戻ったかどうかなんて、私には判断が出来ない。だから・・用心しなくてはならない。今の公爵は私にとって・・アラン王子よりも危険な存在なのだから。
「ジェシカ・・・俺が・・・怖いか?」
悲しみの色を称えた顔を見せる公爵に私は黙って頷くと、小さくため息をついて公爵は肩から手を離し、私から距離を取った。
「・・・これでいいか?ジェシカ。」
「すみません。・・ありがとうございます。」
頭を下げると公爵の顔を見た。公爵は・・・最初にこの部屋で出会った時とは雰囲気がまるで変っていた。禍々しい雰囲気は消え去り、何処か憂いの帯びたオッドアイの瞳は・・・以前の彼と同じものだった。
そして今・・・私と公爵の紋章は互いに反応して光り輝き、薄暗い部屋を照らしている。
「初めてだ・・・。」
公爵はフッと笑みを浮かべ、私を見た。
「え・・・・?」
何が・・初めてだと言うのだろう?
「俺の腕の紋章が・・・こんな風に光り輝くなんて・・初めての経験だ。聖女であるはずのソフィーが近くにいても・・こんな風に光った事等今迄一度も無かったのに。」
自分の右腕を見つめながら公爵は言う。
そう言えば・・・アラン王子も同じ事を言っていた。でも・・・一体何故?
本来の小説通りなら、ソフィーは間違いなく全ての聖剣士の聖女になるはず。
それなのに・・・聖剣士であるアラン王子も、ドミニク公爵までもが紋章が光り輝いたことは無いなんて。
「不思議だ・・・。」
「え・・・?」
「俺は・・・記憶が殆ど曖昧なんだ・・・。魔界へ向かったお前を追ってアラン王子と『ワールズ・エンド』へ向かったらしいが・・・その記憶すら・・残っていない。勿論・・アラン王子もだ。」
公爵の言葉に私は頭の中が真っ白になるのを感じた。
そ・・そんな・・・覚えていないなんて・・。それじゃ・・アラン王子にマシューの事を尋ねても分かるはずなんか無い・・。
やはり・・こうなったら直接ソフィーにマシューの事を尋ねるしかないの・・?
「時折・・・自分が正気に戻る時間があるのだが・・・その時間の感覚もだんだん短くなってきている。今では1日の殆どの記憶が無いんだ・・。」
寂しげに言う公爵の言葉に私は耳を疑った。え・・?それじゃ・・・完全にソフィーの操り人形になってしまった訳では無かったのだろうか?
「だけど・・・本当に参るよな。食事をしていたと思ったら・・・次に意識が戻った時には神殿にいたりと・・・。時には・・・あの女のベッドで目覚める時もあるし・・・っ!」
公爵は悔しそうに下唇を噛み締めながら俯く。
「・・・・っ!!」
その言葉を聞き、私は思わず声にならない悲鳴を上げそうになった。
同じだ・・・・ドミニク公爵も・・・アラン王子と同様に苦しんでいたんだ・・。
だけど・・どう見てもアラン王子よりも強い呪縛にかかっているのが何故か私には分かった。
「今だって・・・何故自分がここにいるのかが分からない。でも・・きっと・・お前を連れ去る為にここへ来ていたんだろうな・・。だけど・・・驚いたよ。気が付いてみれば俺はジェシカ・・お前の腕を掴んでいたのだから。すまなかった・・。強く握りしめて・・・痛かっただろう・・?」
公爵の瞳には・・・悲し気な色が宿っている。
「いいえ・・・私は大丈夫です。」
首を振って公爵に答えた。
「それにしても・・・不思議な感覚だ・・。」
公爵は自分の光り輝く腕を見つめながらポツリと言った。
「何が・・・ですか・・・?」
「この光を見ていると・・・心が穏やかになっていくんだ・・。お前が門を開けたあの日から、ずっと俺の心の中にさざ波が立っているような感覚に襲われていたのに・・今は・・・とても穏やかな気持ちでいられているのが分かる・・。」
「ドミニク・・・・様・・。何故・・私の居場所が分かったのか・・・ご存知ですか?」
私は自分の光る左腕を押さえながら尋ねた。
「それは・・・お前の中に眠っている魔力を少しだけ自分に移したんだ・・。俺と・・お前が触れ合ったあの時に・・。いわゆる『逆マーキング』と言えば分かるか?」
若干頬を染めながら公爵は言った。
そうか・・・あの時私は気が付かないうちに公爵が・・・。それなら・・。
「で、では・・・。ドミニク様は私が何処へいるのか・・全て把握されていたのですね・・・?」
スカートの裾をギュッと握りしめながら私は言った。
「ああ・・。少なくとも自分の意識がある時は・・・分かっていた。」
そ、そんな・・・・それじゃ何処へ逃げても私の居場所は全て公爵にはバレていたんだ・・・!幾らアラン王子から逃げる為にデヴィットにマーキングを消して貰っても無意味だったなんて・・・!
「だから・・・嬉しかった。」
突然公爵の声のトーンが優しくなった。
「え?嬉しかった・・・・?」
「ああ・・・。ずっと心配していたんだ・・・。ジェシカが突然消えてしまい、何故か周囲からお前の記憶が消えてしまい、俺は正直焦った。何度も行方を探そうとしたが・・・その度に何者かに身体を乗っ取られたかのような感覚に襲われ、次に自分を取り戻した時には全く違う行動を取っている自分がいるんだからな・・・。正直言うと・・もう心が折れそうだった・・・。これ以上正気を保てる自信が無い。今に・・きっと自分の全てがもう1人の俺に・・奪われてしまうんだろうな・・。って何故泣く・・・?ジェシカ。」
「え・?あ・・わ、私。」
そう・・・私は気が付けば、公爵が哀れで・・・涙を流していたのだ。慌てて下を向いて涙を拭う。そんな私を少し距離を置いた場所で見つめていた公爵が言った。
「ジェシカ・・・。お前の側に・・行ってもいいだろうか・・・?」
まるで許しを乞うような言い方に・・・私は自分から公爵の元へ近付き、すぐ側で立ち止まった。そんな私を公爵は目を見開き、見つめている。
「ジェシカ・・・お、お前に・・触れても・・・いいか・・・?」
頷いた、次の瞬間・・・私は公爵の腕の中にいた—。
「ジェシカ・・・ジェシカ・・・・。」
公爵はまるで熱に浮かされたかのように私を強く抱きしめ、髪に顔を埋めて私の名前を呼んでいる。その時・・私は公爵から・・・魔族特有の香りをふと感じた。
え・・・?何故・・・公爵から・・マシューやヴォルフのような香りを感じるの?
だけど・・・私はこの香りが・・すごく好きだ・・・。
その時、公爵が突然私の耳元で囁いた。
「ジェシカ・・・・。お前の未来は・・・変わったのか・・?」
「!」
驚いて、顔を上げた瞬間公爵が一瞬唇が触れるだけのキスをしてきた。
「ド・ドミニク様・・・?」
「ジェシカ・・・お前の未来では今もやはり・・俺が・・お前を捕らえて罪を言い渡すのか・・?」
私の頬を撫でながら公爵は言う。
「は、はい・・・・。残念ながら・・・私の未来は変わっていません・・・。」
「そうか・・・。」
寂しげに笑うと、再び公爵は力強く抱きしめて来ると言った。
「不思議なんだ・・。今まで・・こんなにも長く自分の意識を保てた事は無かった。俺は・・あのソフィーに聖剣士としての忠誠を誓ってしまったが・・・お互いの紋章が光った事が無いので・・・聖剣士と聖女の正式な誓いを結んではいないんだ・・・。」
「・・・・。」
私は黙って公爵の話を聞いていた。
「ジェシカ・・・お前には・・・・もう聖剣士は・・いるのか・・?」
「・・います。」
「そう・・・か・・・。いたのか・・・。」
「俺は・・・ソフィーから逃れたい・・。お前を捕らえて流刑島へ送るなんて事は・・・したくないんだ・・・。」
「ドミニク様・・・・・・っ!」
顔を上げた途端、突然公爵が深い口付けをしてきた。反射的に押しのけようとしても力が強すぎて敵わない。
な・・何故こんな事をしてくるのだろう。ひょっとすると公爵はまだ私の事を・・?
深く長い口付けに魔族特有の香りで思考能力が奪われ、頭の芯が痺れて来た頃・・・。
「誰だっ!そこにいるのはっ!」
突然激しくドアが開け放たれ、中へ誰かが飛び込んできた。
あ・・あの声は・・・。
私が口付けられているのをデヴィットが見たのか、息を飲む気配が伝わった。
「き、貴様・・・・ッ!ジェシカに何をしているんだっ!!」
「しまったっ!時間切れか・・。」
公爵は私の身体から素早く離れると笑みを浮かべながら言った。
「ジェシカ・・・会えて良かった。やはり・・俺はお前を愛しているよ。」
「ドミニク様・・・っ!」
「な・・・何だとっ?!」
怒りに震えたデヴィットをチラリ見ると公爵は転移魔法で姿を消した—。
<ジェシカ・・・ジェシカ・・・。>
誰かが私を呼んでいる・・・。でも瞼が重くて開けられない・・・。ごめんなさい・・・。
「・・・・・・。」
う~ん・・・。何だろう・・・?身体が重い・・。まるで何か重たいものが身体の上にのしかかっているような・・・。
睫毛を何度か震わせ、ようやく目を開けると眼前にデヴィットの寝顔があった。
え?!な、何・・・?一体・・・。何と私はまるで抱き枕のようにデヴィットに抱き締められたまま眠っていたのである。
ど、どうしてこんな状況に・・・・?ベッドサイドに置かれた置時計に目をやると時刻は午前6時になっている。
だ、大丈夫・・・。服は昨日のまま・・・。デヴィットも服を着たまま眠っているし・・・・。良かった・・・。以前のアラン王子の時のような状況にはなっていない様なので安堵の溜息をつく。
それにしても・・・何故私はベッドの上でデヴィットに抱き締められたまま眠っているのだろう?他の人達はどうしているのか・・?昨夜の記憶が全く飛んでいるので何が何だか分からない。
起き上がりたい・・・。絡みついているデヴィットの腕を持ち上げてみると意外なほど簡単に身体から解く事が出来た。
デヴィットの身体から抜け出ると真っ先に思った。
「シャワー浴びたいな・・・。」
昨夜はシャワーも浴びずに眠ってしまったので、さっぱりしたくなってきた。
持参していたボストンバックから着替えを取り出すと、ソロリソロリと部屋を抜け出す。・・・どうやらこの部屋にいたのは私とデヴィットの2人だけだったようだ。
カチャリとドアノブを回してリビングへ出て見て驚いた。
そこにはダニエル先輩、マイケルさん、グレイ、ルークがそれぞれソファの上や床に転がったまま眠っていたからである。
そしてテーブルの上には空になったボトルが20本近く置かれていた。
・・・一体彼等はどの位深酒をしたのだろう?
恐らくこの調子では当分起きてくる気配はなさそうだな・・・。
それにしてもこの客室のバスルームに鍵が付いているのは助かった。もしシャワーを浴びている時に誰かが入ってきたら・・・と思うとゆっくりお風呂に入る事も出来ないしね。
コックをひねり、浴槽にお湯を溜めながら身体と髪の毛を洗う。
うん、やはり一流ホテルのアメニティは最高だ—。
ゆっくりお湯につかり、さっぱりした後に着替えを済ませて出てきたのに、彼等は未だに同じ姿勢のまま眠っている。
え・・・・?
その時—
私の中である違和感が生じた。
おかしい・・・何かが変だ。どうしてこんなに・・・静かなのだろう?音が何も聞こえてこない。慌てて辺りを見渡し、そこで私はある事に気が付いた。
時計の時刻は・・・6時10分を指している。
6時10分・・・・?この時計・・・遅れているのだろうか?
それならば―。
私は急いでデヴィットが眠っている客室へ入り、ベッドサイドの時計を確認する。
そんな・・・・。
この部屋の時計も・・・6時10分で止まっている。
一体、今この部屋で何が起こっているの・・・・?
こ、怖い・・・。
私は傍らで眠っているデヴィットの肩を激しく揺すった。
「デヴィットさん!デヴィットさん!お願い、起きてっ!」
しかし・・・デヴィットの身体はまるでマネキン人形のように固く強張り、微動だにしない。試しに口元に手をやり・・・慌てて手を引っ込めた。
息を・・・していない・・?嘘でしょう?一体何故・・・?で、でも身体は温かい・・・。
怖い、怖くて堪らない。頼りになるデヴィットはすぐ側にいるのに・・彼はまるで魂が抜けたようになっている。
「デヴィットさん・・・お願い・・・目を開けて・・・。」
デヴィットの身体に縋って涙混じりに訴えるが、全く反応は無い。
たまらず隣の部屋へ行き、ダニエル先輩やマイケルさん、グレイ、ルークの身体を揺さぶっても全く彼等は無反応・・・デヴィットと同じだ。
一体何が起こっているの・・・?
震えながら何気なく先程の時計を見て・・やはり時計の針は1分も動いていないことに気が付く。
ひょっとして・・・?時が・・・止まって・・・いる・・・?
私は一度だけ時を止める魔法を見た事がある。そう、あの魔法を使ったのは・・・
マシューだった。
今のこの状況は・・・あの時とそっくりだ・・・・。
ま、まさか・・・マシューが今何処かに居る・・・の・・・?
だけど・・・もし時を止めたのが本当にマシューだとして・・。彼は一体何故こんな手の込んだことをするのだろう?私を怖がらせるような真似を、あの優しいマシューがするとはとても思えない。
でも・・・もし、本当に愛しい彼が今ここにいるのなら・・・・っ!
私は・・・まだ確認していない部屋のドアノブを震える手で開けた・・・。
「そこに・・・いるの・・・?」
カーテンで閉ざされた薄暗い寝室・・・。ふと、置かれているソファに誰か人の座っている気配を感じた。
「!」
マシューだろうか・・?一歩足を踏み出して・・・私は足を止めた。
違うっ!マシューではない・・・。この気配は・・彼では無い。それなら一体誰・・・?
もし本当に時を止めたのならば、何故私の時間だけが動いているの?
恐らく、その答えは・・・。
「わ・・・私を・・・捕まえに・・来た・・・のですか・・・?」
「・・・・。」
すると私の問いに答えるかのようにユラリとソファからその人物が立ち上り・・・こちらを振り向いたその相手は・・。
「ド、ドミニク・・・様・・・・。」
そこにいたのは・・・今私が一番会ってはいけない人物・・・ドミニク・テレステオ公爵だったのだ。
「ジェシカ・・・リッジウェイ・・・。ようやく会えたな・・・。」
ドミニク公爵はゾッとする位冷たい声で私の名を呼んだ。そして一瞬で私の目の前に現れると、凍り付きそうな瞳で私を見下ろす。
その瞳は・・怪しく光り輝いていた。
「ド、ドミニク公爵様・・・。な、何故こちらに・・・・?」
自分でも間抜けな質問をしているとは思ったが、何かく話さなくてはと思い、つい口から出てしまった。
「何故・・・ここに来たのか?だと・・・?そんな事は・・お前自身が一番良く分かってる事じゃないのか・・?」
公爵は私の耳元迄口を寄せると・・・低い・・・ハスキーボイスの声で囁く。
「!」
思わず恐怖が募り、後ずさりしようとしたところを、強く左手を掴まれた。
「俺から・・・逃げられると思っているのか・・?」
公爵は私の左手をねじり上げながら片時も私から視線を逸らさない。その瞳には、痛みと恐怖に怯えた私の顔が映っている。
この人は・・・本当に私の知っているドミニク公爵なのだろうか・・?
今の公爵からはただ事ではない雰囲気を全身に纏っている。注視してみると・・身体から赤黒いオーラのようなものがまとわりついているようにも感じる。
何故・・・?ここまで彼は変貌してしまったのだろう?
どうして・・・公爵はソフィーの手に堕ちてしまったのだろう・・・?
思わず、目に涙が浮かんでくる。
すると・・公爵の目が私の涙を捉えたからなのか・・・一瞬ハッとする表情を浮かべた。
「ジェ・ジェシカ・・・・。」
突然、公爵の声のトーンが変化した。
「え・・?」
私は公爵の目を見つめると・・・そこには先程の怪しい光が消え失せ・・・見慣れたオッドアイの瞳が戻っていた。
次の瞬間・・・。
突然私の左腕が眩しく光り輝いた。こ・・これは・・アラン王子やデヴィットと同じ輝きだ—!
ドミニク公爵の右腕も眩しく光り輝き、その光を公爵は・・・唖然とした表情で見つめていた。そして、私は見た。
公爵の腕が光り輝いたと同時に、赤黒い物体が抜け出て行くのを・・・。
今のは一体・・?
私は赤黒い物体が消え去った方向を見つめていると、不意に公爵が声をかけてきた。
「ジェシカ・・・。」
公爵に視線を戻すと、驚く程至近距離の場所に彼の顔があった。
「ジェシカ・・・お前・・・聖女として・・目覚めたのか・・・?」
その声・・・口ぶりは・・・以前のドミニク公爵と同じものだった―。
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「・・・・。」
どうしよう、何と答えれば良いのだろうか。今の・・・公爵は私が知っている以前の公爵なのだろうか・・・?
思わず視線を逸らすと、両肩を掴まれた。
「目を逸らすな。ジェシカ・・・・。」
公爵は真剣な眼差しで私を見つめて来る。目を逸らすな・・・・。この言葉は今迄にもう何度も聞かされ続けた言葉・・・。
だけど、私・・・。
「ご、ごめんなさい・・・。ドミニク様・・・。」
「ジェシカ・・・?」
公爵の顔に困惑の色が浮かぶ。
「手を・・・手を離して頂けますか・・・?」
先ほど黒い物体のようなものが公爵から抜け出て行ったのは見えたが、これで彼が正気に戻ったかどうかなんて、私には判断が出来ない。だから・・用心しなくてはならない。今の公爵は私にとって・・アラン王子よりも危険な存在なのだから。
「ジェシカ・・・俺が・・・怖いか?」
悲しみの色を称えた顔を見せる公爵に私は黙って頷くと、小さくため息をついて公爵は肩から手を離し、私から距離を取った。
「・・・これでいいか?ジェシカ。」
「すみません。・・ありがとうございます。」
頭を下げると公爵の顔を見た。公爵は・・・最初にこの部屋で出会った時とは雰囲気がまるで変っていた。禍々しい雰囲気は消え去り、何処か憂いの帯びたオッドアイの瞳は・・・以前の彼と同じものだった。
そして今・・・私と公爵の紋章は互いに反応して光り輝き、薄暗い部屋を照らしている。
「初めてだ・・・。」
公爵はフッと笑みを浮かべ、私を見た。
「え・・・・?」
何が・・初めてだと言うのだろう?
「俺の腕の紋章が・・・こんな風に光り輝くなんて・・初めての経験だ。聖女であるはずのソフィーが近くにいても・・こんな風に光った事等今迄一度も無かったのに。」
自分の右腕を見つめながら公爵は言う。
そう言えば・・・アラン王子も同じ事を言っていた。でも・・・一体何故?
本来の小説通りなら、ソフィーは間違いなく全ての聖剣士の聖女になるはず。
それなのに・・・聖剣士であるアラン王子も、ドミニク公爵までもが紋章が光り輝いたことは無いなんて。
「不思議だ・・・。」
「え・・・?」
「俺は・・・記憶が殆ど曖昧なんだ・・・。魔界へ向かったお前を追ってアラン王子と『ワールズ・エンド』へ向かったらしいが・・・その記憶すら・・残っていない。勿論・・アラン王子もだ。」
公爵の言葉に私は頭の中が真っ白になるのを感じた。
そ・・そんな・・・覚えていないなんて・・。それじゃ・・アラン王子にマシューの事を尋ねても分かるはずなんか無い・・。
やはり・・こうなったら直接ソフィーにマシューの事を尋ねるしかないの・・?
「時折・・・自分が正気に戻る時間があるのだが・・・その時間の感覚もだんだん短くなってきている。今では1日の殆どの記憶が無いんだ・・。」
寂しげに言う公爵の言葉に私は耳を疑った。え・・?それじゃ・・・完全にソフィーの操り人形になってしまった訳では無かったのだろうか?
「だけど・・・本当に参るよな。食事をしていたと思ったら・・・次に意識が戻った時には神殿にいたりと・・・。時には・・・あの女のベッドで目覚める時もあるし・・・っ!」
公爵は悔しそうに下唇を噛み締めながら俯く。
「・・・・っ!!」
その言葉を聞き、私は思わず声にならない悲鳴を上げそうになった。
同じだ・・・・ドミニク公爵も・・・アラン王子と同様に苦しんでいたんだ・・。
だけど・・どう見てもアラン王子よりも強い呪縛にかかっているのが何故か私には分かった。
「今だって・・・何故自分がここにいるのかが分からない。でも・・きっと・・お前を連れ去る為にここへ来ていたんだろうな・・。だけど・・・驚いたよ。気が付いてみれば俺はジェシカ・・お前の腕を掴んでいたのだから。すまなかった・・。強く握りしめて・・・痛かっただろう・・?」
公爵の瞳には・・・悲し気な色が宿っている。
「いいえ・・・私は大丈夫です。」
首を振って公爵に答えた。
「それにしても・・・不思議な感覚だ・・。」
公爵は自分の光り輝く腕を見つめながらポツリと言った。
「何が・・・ですか・・・?」
「この光を見ていると・・・心が穏やかになっていくんだ・・。お前が門を開けたあの日から、ずっと俺の心の中にさざ波が立っているような感覚に襲われていたのに・・今は・・・とても穏やかな気持ちでいられているのが分かる・・。」
「ドミニク・・・・様・・。何故・・私の居場所が分かったのか・・・ご存知ですか?」
私は自分の光る左腕を押さえながら尋ねた。
「それは・・・お前の中に眠っている魔力を少しだけ自分に移したんだ・・。俺と・・お前が触れ合ったあの時に・・。いわゆる『逆マーキング』と言えば分かるか?」
若干頬を染めながら公爵は言った。
そうか・・・あの時私は気が付かないうちに公爵が・・・。それなら・・。
「で、では・・・。ドミニク様は私が何処へいるのか・・全て把握されていたのですね・・・?」
スカートの裾をギュッと握りしめながら私は言った。
「ああ・・。少なくとも自分の意識がある時は・・・分かっていた。」
そ、そんな・・・・それじゃ何処へ逃げても私の居場所は全て公爵にはバレていたんだ・・・!幾らアラン王子から逃げる為にデヴィットにマーキングを消して貰っても無意味だったなんて・・・!
「だから・・・嬉しかった。」
突然公爵の声のトーンが優しくなった。
「え?嬉しかった・・・・?」
「ああ・・・。ずっと心配していたんだ・・・。ジェシカが突然消えてしまい、何故か周囲からお前の記憶が消えてしまい、俺は正直焦った。何度も行方を探そうとしたが・・・その度に何者かに身体を乗っ取られたかのような感覚に襲われ、次に自分を取り戻した時には全く違う行動を取っている自分がいるんだからな・・・。正直言うと・・もう心が折れそうだった・・・。これ以上正気を保てる自信が無い。今に・・きっと自分の全てがもう1人の俺に・・奪われてしまうんだろうな・・。って何故泣く・・・?ジェシカ。」
「え・?あ・・わ、私。」
そう・・・私は気が付けば、公爵が哀れで・・・涙を流していたのだ。慌てて下を向いて涙を拭う。そんな私を少し距離を置いた場所で見つめていた公爵が言った。
「ジェシカ・・・。お前の側に・・行ってもいいだろうか・・・?」
まるで許しを乞うような言い方に・・・私は自分から公爵の元へ近付き、すぐ側で立ち止まった。そんな私を公爵は目を見開き、見つめている。
「ジェシカ・・・お、お前に・・触れても・・・いいか・・・?」
頷いた、次の瞬間・・・私は公爵の腕の中にいた—。
「ジェシカ・・・ジェシカ・・・・。」
公爵はまるで熱に浮かされたかのように私を強く抱きしめ、髪に顔を埋めて私の名前を呼んでいる。その時・・私は公爵から・・・魔族特有の香りをふと感じた。
え・・・?何故・・・公爵から・・マシューやヴォルフのような香りを感じるの?
だけど・・・私はこの香りが・・すごく好きだ・・・。
その時、公爵が突然私の耳元で囁いた。
「ジェシカ・・・・。お前の未来は・・・変わったのか・・?」
「!」
驚いて、顔を上げた瞬間公爵が一瞬唇が触れるだけのキスをしてきた。
「ド・ドミニク様・・・?」
「ジェシカ・・・お前の未来では今もやはり・・俺が・・お前を捕らえて罪を言い渡すのか・・?」
私の頬を撫でながら公爵は言う。
「は、はい・・・・。残念ながら・・・私の未来は変わっていません・・・。」
「そうか・・・。」
寂しげに笑うと、再び公爵は力強く抱きしめて来ると言った。
「不思議なんだ・・。今まで・・こんなにも長く自分の意識を保てた事は無かった。俺は・・あのソフィーに聖剣士としての忠誠を誓ってしまったが・・・お互いの紋章が光った事が無いので・・・聖剣士と聖女の正式な誓いを結んではいないんだ・・・。」
「・・・・。」
私は黙って公爵の話を聞いていた。
「ジェシカ・・・お前には・・・・もう聖剣士は・・いるのか・・?」
「・・います。」
「そう・・・か・・・。いたのか・・・。」
「俺は・・・ソフィーから逃れたい・・。お前を捕らえて流刑島へ送るなんて事は・・・したくないんだ・・・。」
「ドミニク様・・・・・・っ!」
顔を上げた途端、突然公爵が深い口付けをしてきた。反射的に押しのけようとしても力が強すぎて敵わない。
な・・何故こんな事をしてくるのだろう。ひょっとすると公爵はまだ私の事を・・?
深く長い口付けに魔族特有の香りで思考能力が奪われ、頭の芯が痺れて来た頃・・・。
「誰だっ!そこにいるのはっ!」
突然激しくドアが開け放たれ、中へ誰かが飛び込んできた。
あ・・あの声は・・・。
私が口付けられているのをデヴィットが見たのか、息を飲む気配が伝わった。
「き、貴様・・・・ッ!ジェシカに何をしているんだっ!!」
「しまったっ!時間切れか・・。」
公爵は私の身体から素早く離れると笑みを浮かべながら言った。
「ジェシカ・・・会えて良かった。やはり・・俺はお前を愛しているよ。」
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