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第5章 3 マリウスとの別れ
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1
マリウスは去って行った。・・・ひょっとすると・・・もう二度と会う事は無いかもしれない。そして・・・アラン王子はソフィーからの呪縛が解けた。
もしかして・・・私の未来は変わったのだろうか・・・?
私はため息をつくと腕時計を確認した。
時刻は真夜中の午前3時を少し過ぎた所だ。・・・そう言えば・・私はどういう状況でマリウスに攫われたのだろう・・?
他の皆は・・・・?でも、皆が寝ている時に誘拐されたのかもしれない。それなら何事も無かったかのように明日皆と顔を合わせればいいのだから・・・。
私はホテルの中へ入ると、自分が今宿泊している部屋へと向かった。
ガチャリ・・・。
戸を静かに開けると・・・何と驚いたことに部屋のランプが全て灯されており、疲れ切った顔で座っているマイケルさんとルークがいた。
「ジェ・・・ジェシカッ!」
ルークが私の姿を認めると駆け寄ってきて・・・・強く抱きしめられていた。
「ジェシカ・・・ッ!一体今迄何処へ行ってたんだ!皆・・・皆心配してたんだ・・・ぞ・・・っ!」
そしてルークは私を抱きしめたまま肩を振るわせている。
「ル、ルーク・・・。」
あのルークがこんな風に泣くなんて・・・。
「ごめんなさい、心配かけて・・・。」
そっとルークの背中に手を回した。するとそれまで私達の様子をじっと見守っていたマイケルさんが言った。
「お嬢さん・・・何があったんだい?部屋を覗いてみたら・・・もぬけの殻で、驚いたよ。デヴィット達は君がいなくなくなった事を知るとすぐに外へ探しに行ったんだよ。」
「マイケルさん・・・本当にご迷惑を・・。」
「俺達は迷惑なんて思ってはいない。ただ・・・俺達の気付かぬところでソフィーに誘拐されたんじゃ無いかと言って・・・アラン王子達は・・神殿へ向かったんだ・・。」
「え・・ええっ?!そ、そんな・・・神殿なんて・・・ッ!私は神殿なんかへ行ってないわ!私は・・・。」
そこまで言いかけた時、突然目の前にデヴィット達が転移魔法で現れた。
「キャアッ!」
突然目の前に4人も現れたので、私は驚いて悲鳴を上げてしまった。
「ジェ、ジェシカ・・・・。」
デヴィットは私の姿を見ると・・・強く抱きしめて来た。
「おい!ジェシカに触るなって言ってるだろうっ!!」
後から転移魔法でやって来たアラン王子は猛抗議するが、デヴィットは耳を貸さない。
「ジェシカ・・・良かった・・・お前が無事で・・・っ!」
デヴィットは私の髪に顔を埋め、嗚咽している。
「ご、ごめんなさ・・!」
そこまで言いかけて私は気が付いた。デヴィットの服があちこち破けて、ところどころに怪我を負っているでは無いか。
「デ、デヴィットさん!この怪我は・・。」
その時私は気が付いた。デヴィットだけでは無い、アラン王子もダニエル先輩、そしてグレイまでもがあちこち身体が傷ついている。
「み、皆さん!一体この傷はどうしたのですか?!」
すると、ようやく泣いていたデヴィットは顔を上げた。見るとデヴィットの左肩口はまるで何かに切られたかのように深く切れ、血を流しているでは無いか。
「デヴィットさん!血が・・・っ!」
その時・・・私の左腕が強く輝きだし、それに応じるかのようにデヴィットの右腕が光り・・・徐々にデヴィットの身体の傷が消えていくのをその場にいる全員が信じられない思いで見ていた。
「す・・・すごい・・・!やっぱり・・・ジェシカは本物の聖女だったんだ!」
ダニエル先輩が手を叩いた。
「なら・・なら、ジェシカッ!この俺は・・どうだ?俺の傷は治せるか?」
アラン王子が私に駆け寄って来た。見るとアラン王子は右腕から出血している。
「では・・・試してみます・・・ね。」
試しに私はアラン王子に触れてみると、再び紋章が輝き・・・見る見るうちにアラン王子の腕の傷が塞がっていった。
「すごい・・・信じられない。癒しの魔法はとっくにこの世界から消えてしまったのに・・・聖女の力は傷を癒す力が・・本当にあったなんて・・・・。」
アラン王子は感嘆の声を上げた。
「ああ、そうだ。だから・・・聖剣士には聖女の力が必要なんだ。そもそも・・聖女に誰かが目覚めないと、聖剣士も本来の力に目覚める事は不可能だからな。・・本当に・・俺達は運が良かったよ・・・。」
デヴィットは私をじっと見つめながら言った。
「そ、そんな事よりも・・・皆さん、何故そんな傷だらけの身体で帰って来たのですか!?何があったって言うんですか?」
私はデヴィット達を見渡して言った。するとデヴィットが重い口を開けるように話し始めた。
「あの後・・・俺達はホテルに戻って・・寝る事にしたんだ。それでジェシカ、お前の様子を見に部屋を覗いたらお前が何処にもいなくて・・。何故か俺のマーキングも感知する事が出来なかったから・・てっきり神殿の連中に連れ去られたのかと思って・・・。」
「ま、まさか・・・それで神殿に行って・・・?」
私は声を震わせながら尋ねた。
「ああ・・俺達は4人で神殿へ行ったんだ・・・。」
アラン王子が言った。
「ア・・・アラン王子っ!」
私はアラン王子の服を掴むと言った。
「何故ですか?何故そんな危険な真似を犯してまで神殿へ行ったんですか?アラン王子は・・・昨日までソフィーの呪縛に囚われていたんですよ?折角呪縛から解放されたのに・・また同じ目に遭いたいのですか?!」
「ジェ、ジェシカ・・・。」
私の剣幕に驚いたのか、アラン王子が狼狽した。
「ジェシカ、落ち着け。確かに俺達は神殿には行ったが・・・ソフィーやドミニク公爵は・・神殿にはいなかったんだ。恐らく・・・森の中にある古城に行ったんだと思う。だから・・・俺達はここへ戻って来たんだ。」
デヴィットが言う。
「だ・・・だけど・・皆さん怪我をして戻って来たじゃないですか・・。ソフィーの兵士は弱かったはずではないのですか?」
「ああ・・。確かに兵士は弱かった。だが・・・まだあのソフィーに付き従う聖剣士がいたんだな・・・。そいつらが襲ってきて・・・。それに・・1人だけ仮面を被った聖剣士がいた。・・・かなりの腕の持ち主だったな・・。兎に角、戦いながらジェシカ、お前の気配を探っていたら・・・突然ジェシカを感知する事が出来て・・全員で戻って来たんだ。」
デヴィットの言葉に安堵の溜息をつきつつ・・・私はどさりとソファに座り込むと頭を押さえながら言った。
「と、とに角・・・・もう皆さん、あまり軽率な行動は辞めてください・・・。お願いですから・・・。」
「軽率?何処が軽率なんだ?ジェシカ・・・・お前の気配が完全に消え失せてしまったんだぞ?あれ程強いマーキングをしたのに・・・。」
そのデヴィットの発言に全員がギョッとしたように彼を見る。
「な・・何だと・・・・あれ程強いマーキング・・・だと?デヴィット!貴様・・・・!」
アラン王子は怒りを抑えながらデヴィットを睨み付ける。
「ふん。こんな大勢の前でそんな発言を堂々とするなんて・・やはり君は人間のクズだね。この獣め!」
ダニエル先輩は吐き捨てるように言う。
「「そんな・・・マーキングだなんて・・・。」」
グレイとルークは綺麗にハモるし、マイケルさんは、え?マーキングって何の事?と言って首をかしげている。
ああ・・・・デヴィットは・・何て軽はずみな行動を取ってしまうのだろう!
身体を鍛えるのも必要だけど・・・頭を鍛える事も・・出来ればこれからはやって下さい・・・。
私はがっくり頭を垂れた—。
2
「ところでジェシカ、お前は一体今迄何処にいたんだ?」
気付けば、私はアラン王子の腕の中にいた。
「おい!ジェシカに触るな!」
デヴィットが抗議の声を上げるが、アラン王子はそれを無視して、デヴィットに対する嫌がらせなのか、ますます密着し、終いには自分の頬を摺り寄せて来た。
ちょ、ちょっと・・・・!!
「アラン王子、ジェシカから離れろよ!」
おおっ!ダニエル先輩がアラン王子の手を掴むと、強引におろし、今度は代わりに私を腕に囲い込み・・・何かに気付いた。
「あれ?ジェシカ・・・首・・・どうしたのさ?怪我してるじゃないか!」
「な、何?!怪我?!」
デヴィット。
「どんな怪我なんだ?!」
アラン王子は覗き込み、マイケルさんにグレイとルークが駆け寄って来る。
そしてダニエル先輩はさっと私の髪を払い・・・全員が息を呑むのを感じた。
「何だ?これは・・・?」
アラン王子の声が険しくなる。
「キスマークだ・・・。」
ダニエル先輩が呆然としている。
「「ジェシカ・・・。」」
グレイとルークは情けない声を上げるし、マイケルさんは呆気に囚われている。
「ジェシカ・・・。」
気付けばデヴィットが、私の目の前に立っている。
「は、はい・・・。」
「これは一体どういう事なのか説明してもらおうか・・・?」
半ば連行?される形で私はリビングの中央のソファ席に座らされた。
デヴィットは私の隣の席に座ると全員をぐるりと見渡した。
「いいか、大勢で話すとまとまらない。質問は俺がするから他の皆は黙っていろよ?」
何故か初めに釘を刺すデヴィット。
「何だと?勝手に決めるな!」
即座にアラン王子は反発したが、デヴィットは言った。
「さっきの喧嘩・・・勝ったのはどっちだったかな?」
ドヤ顔で腕組みして言うデヴィットにアラン王子は悔しそうに下を向く。
え?まさか・・・アラン王子が負けたの?やっぱりデヴィットは強いんだ・・・。
「まあ別に僕は構わないけどね?」
ダニエル先輩が言うと、マイケルさんも賛同する。
「うん、そうだね。個人的に聞きたいことがあれば、後で聞けばいいんだしね。」
マイケルさん・・・勘弁して下さい。
「グレイ、ルーク。お前たちも異存は無いな?」
デヴィットの問いに2人同時に答える。
「「はい、ありません。」」
おお~っ!これでは誰がこの2人の主か分からない!
「それでは改めて聞く。ジェシカ、今迄お前は何処にいたんだ?怒らないから話してご覧?」
私の頭を撫でながら尋ねるデヴィット。うぅ・・・これではまるで小さな子供のような扱いだ。
「良く分かりません・・・。何処かの森の中の・・・家に・・・いました・・。」
「何処かの家?」
デヴィットが眉を寄せた。
「誰かと一緒にいたんだよな?その相手に傷を負わされ・・・キスマークも付けられたのか?」
黙って、頷くとついに我慢出来なくなったのか、アラン王子が声を上げた。
「誰だ?お前と今迄一緒にいた人物は?俺達の知ってる奴か?」
「マ・・・・マリウス・・・です・・・。」
「「「「「マリウスだって?!」」」」」
全員の声が綺麗にハモる・・・、マイケルさんを除いて。マイケルさんは何の事か分からないので、え?マリウスって誰?なんて隣に座っているルークに尋ねている。
「はい・・・暗い部屋の中で・・誰かの気配を感じて目が覚めた時には・・・・既にマリウスに攫われていました・・・。」
スカートの裾をギュッと握りしめ、俯きながら私はぽつりぽつりと話し始めた。
「そこは・・・深い森の中にある一軒家でした。マリウスは今年の休暇に・・・私を連れて里帰りをする時に行方不明を装って、ずっとその家で私と暮すつもりで・・・建てた家だと言ってました・・・。」
「うわあ・・・何、その話・・・。」
ダニエル先輩が顔をしかめる。
「くそっ・・・!マリウスめ・・とうとう完全に頭がイカれてしまったようだな・・・。前から危険な男だとは思っていたが・・・そこまで病んでいたとは。」
アラン王子は両手を胸の前で組みながら、イライラした様子で話している。
「ああ・・確かにあいつの目には・・怖ろしい狂気のようなものが宿っていた。初めて対峙した時は・・・正直あの目にゾッとしたな・・・。」
デヴィットも頷く。
「ジェシカ・・・!ま、まさか・・・マリウスに無理やり・・・?!」
グレイは悲鳴じみた声を上げている。
「!こ、このキスマークは・・・む、無理やりマリウスに付けられたものだけど・・・この首の傷は違います。」
ポケットに忍ばせておいた陶器の破片を取り出すとテーブルに置いた。その破片には・・私の血が付いていた。
「この破片で・・・自分で傷を付けました・・・。」
そして私は俯いた。
「ジェシカ・・・一体何があったんだ?」
デヴィットは私の肩を抱き寄せると優しい声で言う。
「は、はい・・・。マリウスは・・・強引にわ、私を・・自分の物にしようとして・・・抱き上げられた時に私は激しく暴れて・・近くにあった花瓶を床に落として割ってしまいました。そしてそれを片付ける為にマリウスがほうきを取りに行った隙に・・・一番大きな破片を手に取って隠して・・・。」
私はそこで目を閉じた。
「マリウスに・・・無理やりベッドに押さえつけられて・・・それで・・この破片をマリウスに向けたんです・・・。」
「ジェシカッ!そんな酷い目に・・・!」
デヴィットがいきなり抱きしめて来た。
「おい!どさくさに紛れてジェシカに手を出すなっ!」
アラン王子が立ち上って抗議する。
「デヴィット、ジェシカに勝手に触らないでくれよっ!」
ダニエル先輩はデヴィットの肩に手を置くと言った。
「「・・・。」」
グレイとルークも何か言いたげにモジモジ?しているが・・・デヴィットが怖いのか何も言えないでいるし、マイケルさんに至ってはマリウスって誰だろうと未だに首を捻っている。
「そ、それで・・・その後はどうしたんだ・・・・?」
デヴィットはわたしの目を見て尋ねて来た。
「するとマリウスは笑って・・・そんなもので自分を何とか出来ると思っていたのかと言ったので・・今度は自分に破片を向けたんです・・・。」
「な・・・何故そんな真似をしたんだ?!」
デヴィットは私の肩を掴む手を強めると言った。
「だ・・・だって・・・マリウスに・・・ふ、触れられる位なら・・死んだ方がマシだと・・・・思った・・から・・・。」
「「・・・・!」」
アラン王子とデヴィットが同時に息を飲んだ。
「そ、そうだったのか・・・・。それ程マリウスは嫌だったんだな・・・。」
何処か嬉しそうにアラン王子は言う。デヴィットも少し口元に笑みが浮かんでいたようにも見えた。
「それでもマリウスは脅しだと思ったようで・・・私を離してくれなかったので・・自分で首を・・・。」
「もういい!分かった!それ以上言わなくてもっ!」
デヴィットは私を強く抱きしめると言った。
「すまなかった・・・ジェシカ・・・。お前を責め立てるような真似をして・・・・。いや、そもそも違うな。ただでさえ、お前はソフィーに狙われれているというのに。そんな状況の中で俺達がいざこざを起こして、お前の側についていなかったから・・・お前はあんな奴に誘拐されてしまったんだよな?分かった、もう・・二度とこんな事が起こらないように・・・仲間割れしないことをお前に誓う。いいな?アラン王子も・・。」
「あ、ああ・・・勿論だ。」
アラン王子は頷いた。
「ジェシカ・・・ごめんよ・・・。僕も凄く反省している。あんなにお酒を飲んで・・・酔い潰れてさえいなければ・・・僕も約束するよ。もう二度とお酒で今日みたいな失態は繰り返さないって。」
「ダニエル先輩・・・。」
「うん、僕も・・・反省してるよ。すまなかったね、お嬢さん。」
「マイケルさん・・・。」
「それで・・・マリウスはどうなったんだ?」
アラン王子が尋ねて来た。
「はい、マリウスは私が本気なのを知ると、諦めてここまで運んでくれて・・私の下僕をやめて、この学院も辞めると話していました。そしてこれから・・・世界を旅して周るって・・・最後に話して・・・私の前から姿を消しました。もう・・・二度と会う事も無いかもしれません。」
「「「「「え・・・・?」」」」」
全員が私の言葉に困惑の表情を浮かべた。
私はソファにもたれかかると目を閉じた。
マリウス・・・・さよなら。どうか・・・元気でね―。
マリウスは去って行った。・・・ひょっとすると・・・もう二度と会う事は無いかもしれない。そして・・・アラン王子はソフィーからの呪縛が解けた。
もしかして・・・私の未来は変わったのだろうか・・・?
私はため息をつくと腕時計を確認した。
時刻は真夜中の午前3時を少し過ぎた所だ。・・・そう言えば・・私はどういう状況でマリウスに攫われたのだろう・・?
他の皆は・・・・?でも、皆が寝ている時に誘拐されたのかもしれない。それなら何事も無かったかのように明日皆と顔を合わせればいいのだから・・・。
私はホテルの中へ入ると、自分が今宿泊している部屋へと向かった。
ガチャリ・・・。
戸を静かに開けると・・・何と驚いたことに部屋のランプが全て灯されており、疲れ切った顔で座っているマイケルさんとルークがいた。
「ジェ・・・ジェシカッ!」
ルークが私の姿を認めると駆け寄ってきて・・・・強く抱きしめられていた。
「ジェシカ・・・ッ!一体今迄何処へ行ってたんだ!皆・・・皆心配してたんだ・・・ぞ・・・っ!」
そしてルークは私を抱きしめたまま肩を振るわせている。
「ル、ルーク・・・。」
あのルークがこんな風に泣くなんて・・・。
「ごめんなさい、心配かけて・・・。」
そっとルークの背中に手を回した。するとそれまで私達の様子をじっと見守っていたマイケルさんが言った。
「お嬢さん・・・何があったんだい?部屋を覗いてみたら・・・もぬけの殻で、驚いたよ。デヴィット達は君がいなくなくなった事を知るとすぐに外へ探しに行ったんだよ。」
「マイケルさん・・・本当にご迷惑を・・。」
「俺達は迷惑なんて思ってはいない。ただ・・・俺達の気付かぬところでソフィーに誘拐されたんじゃ無いかと言って・・・アラン王子達は・・神殿へ向かったんだ・・。」
「え・・ええっ?!そ、そんな・・・神殿なんて・・・ッ!私は神殿なんかへ行ってないわ!私は・・・。」
そこまで言いかけた時、突然目の前にデヴィット達が転移魔法で現れた。
「キャアッ!」
突然目の前に4人も現れたので、私は驚いて悲鳴を上げてしまった。
「ジェ、ジェシカ・・・・。」
デヴィットは私の姿を見ると・・・強く抱きしめて来た。
「おい!ジェシカに触るなって言ってるだろうっ!!」
後から転移魔法でやって来たアラン王子は猛抗議するが、デヴィットは耳を貸さない。
「ジェシカ・・・良かった・・・お前が無事で・・・っ!」
デヴィットは私の髪に顔を埋め、嗚咽している。
「ご、ごめんなさ・・!」
そこまで言いかけて私は気が付いた。デヴィットの服があちこち破けて、ところどころに怪我を負っているでは無いか。
「デ、デヴィットさん!この怪我は・・。」
その時私は気が付いた。デヴィットだけでは無い、アラン王子もダニエル先輩、そしてグレイまでもがあちこち身体が傷ついている。
「み、皆さん!一体この傷はどうしたのですか?!」
すると、ようやく泣いていたデヴィットは顔を上げた。見るとデヴィットの左肩口はまるで何かに切られたかのように深く切れ、血を流しているでは無いか。
「デヴィットさん!血が・・・っ!」
その時・・・私の左腕が強く輝きだし、それに応じるかのようにデヴィットの右腕が光り・・・徐々にデヴィットの身体の傷が消えていくのをその場にいる全員が信じられない思いで見ていた。
「す・・・すごい・・・!やっぱり・・・ジェシカは本物の聖女だったんだ!」
ダニエル先輩が手を叩いた。
「なら・・なら、ジェシカッ!この俺は・・どうだ?俺の傷は治せるか?」
アラン王子が私に駆け寄って来た。見るとアラン王子は右腕から出血している。
「では・・・試してみます・・・ね。」
試しに私はアラン王子に触れてみると、再び紋章が輝き・・・見る見るうちにアラン王子の腕の傷が塞がっていった。
「すごい・・・信じられない。癒しの魔法はとっくにこの世界から消えてしまったのに・・・聖女の力は傷を癒す力が・・本当にあったなんて・・・・。」
アラン王子は感嘆の声を上げた。
「ああ、そうだ。だから・・・聖剣士には聖女の力が必要なんだ。そもそも・・聖女に誰かが目覚めないと、聖剣士も本来の力に目覚める事は不可能だからな。・・本当に・・俺達は運が良かったよ・・・。」
デヴィットは私をじっと見つめながら言った。
「そ、そんな事よりも・・・皆さん、何故そんな傷だらけの身体で帰って来たのですか!?何があったって言うんですか?」
私はデヴィット達を見渡して言った。するとデヴィットが重い口を開けるように話し始めた。
「あの後・・・俺達はホテルに戻って・・寝る事にしたんだ。それでジェシカ、お前の様子を見に部屋を覗いたらお前が何処にもいなくて・・。何故か俺のマーキングも感知する事が出来なかったから・・てっきり神殿の連中に連れ去られたのかと思って・・・。」
「ま、まさか・・・それで神殿に行って・・・?」
私は声を震わせながら尋ねた。
「ああ・・俺達は4人で神殿へ行ったんだ・・・。」
アラン王子が言った。
「ア・・・アラン王子っ!」
私はアラン王子の服を掴むと言った。
「何故ですか?何故そんな危険な真似を犯してまで神殿へ行ったんですか?アラン王子は・・・昨日までソフィーの呪縛に囚われていたんですよ?折角呪縛から解放されたのに・・また同じ目に遭いたいのですか?!」
「ジェ、ジェシカ・・・。」
私の剣幕に驚いたのか、アラン王子が狼狽した。
「ジェシカ、落ち着け。確かに俺達は神殿には行ったが・・・ソフィーやドミニク公爵は・・神殿にはいなかったんだ。恐らく・・・森の中にある古城に行ったんだと思う。だから・・・俺達はここへ戻って来たんだ。」
デヴィットが言う。
「だ・・・だけど・・皆さん怪我をして戻って来たじゃないですか・・。ソフィーの兵士は弱かったはずではないのですか?」
「ああ・・。確かに兵士は弱かった。だが・・・まだあのソフィーに付き従う聖剣士がいたんだな・・・。そいつらが襲ってきて・・・。それに・・1人だけ仮面を被った聖剣士がいた。・・・かなりの腕の持ち主だったな・・。兎に角、戦いながらジェシカ、お前の気配を探っていたら・・・突然ジェシカを感知する事が出来て・・全員で戻って来たんだ。」
デヴィットの言葉に安堵の溜息をつきつつ・・・私はどさりとソファに座り込むと頭を押さえながら言った。
「と、とに角・・・・もう皆さん、あまり軽率な行動は辞めてください・・・。お願いですから・・・。」
「軽率?何処が軽率なんだ?ジェシカ・・・・お前の気配が完全に消え失せてしまったんだぞ?あれ程強いマーキングをしたのに・・・。」
そのデヴィットの発言に全員がギョッとしたように彼を見る。
「な・・何だと・・・・あれ程強いマーキング・・・だと?デヴィット!貴様・・・・!」
アラン王子は怒りを抑えながらデヴィットを睨み付ける。
「ふん。こんな大勢の前でそんな発言を堂々とするなんて・・やはり君は人間のクズだね。この獣め!」
ダニエル先輩は吐き捨てるように言う。
「「そんな・・・マーキングだなんて・・・。」」
グレイとルークは綺麗にハモるし、マイケルさんは、え?マーキングって何の事?と言って首をかしげている。
ああ・・・・デヴィットは・・何て軽はずみな行動を取ってしまうのだろう!
身体を鍛えるのも必要だけど・・・頭を鍛える事も・・出来ればこれからはやって下さい・・・。
私はがっくり頭を垂れた—。
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「ところでジェシカ、お前は一体今迄何処にいたんだ?」
気付けば、私はアラン王子の腕の中にいた。
「おい!ジェシカに触るな!」
デヴィットが抗議の声を上げるが、アラン王子はそれを無視して、デヴィットに対する嫌がらせなのか、ますます密着し、終いには自分の頬を摺り寄せて来た。
ちょ、ちょっと・・・・!!
「アラン王子、ジェシカから離れろよ!」
おおっ!ダニエル先輩がアラン王子の手を掴むと、強引におろし、今度は代わりに私を腕に囲い込み・・・何かに気付いた。
「あれ?ジェシカ・・・首・・・どうしたのさ?怪我してるじゃないか!」
「な、何?!怪我?!」
デヴィット。
「どんな怪我なんだ?!」
アラン王子は覗き込み、マイケルさんにグレイとルークが駆け寄って来る。
そしてダニエル先輩はさっと私の髪を払い・・・全員が息を呑むのを感じた。
「何だ?これは・・・?」
アラン王子の声が険しくなる。
「キスマークだ・・・。」
ダニエル先輩が呆然としている。
「「ジェシカ・・・。」」
グレイとルークは情けない声を上げるし、マイケルさんは呆気に囚われている。
「ジェシカ・・・。」
気付けばデヴィットが、私の目の前に立っている。
「は、はい・・・。」
「これは一体どういう事なのか説明してもらおうか・・・?」
半ば連行?される形で私はリビングの中央のソファ席に座らされた。
デヴィットは私の隣の席に座ると全員をぐるりと見渡した。
「いいか、大勢で話すとまとまらない。質問は俺がするから他の皆は黙っていろよ?」
何故か初めに釘を刺すデヴィット。
「何だと?勝手に決めるな!」
即座にアラン王子は反発したが、デヴィットは言った。
「さっきの喧嘩・・・勝ったのはどっちだったかな?」
ドヤ顔で腕組みして言うデヴィットにアラン王子は悔しそうに下を向く。
え?まさか・・・アラン王子が負けたの?やっぱりデヴィットは強いんだ・・・。
「まあ別に僕は構わないけどね?」
ダニエル先輩が言うと、マイケルさんも賛同する。
「うん、そうだね。個人的に聞きたいことがあれば、後で聞けばいいんだしね。」
マイケルさん・・・勘弁して下さい。
「グレイ、ルーク。お前たちも異存は無いな?」
デヴィットの問いに2人同時に答える。
「「はい、ありません。」」
おお~っ!これでは誰がこの2人の主か分からない!
「それでは改めて聞く。ジェシカ、今迄お前は何処にいたんだ?怒らないから話してご覧?」
私の頭を撫でながら尋ねるデヴィット。うぅ・・・これではまるで小さな子供のような扱いだ。
「良く分かりません・・・。何処かの森の中の・・・家に・・・いました・・。」
「何処かの家?」
デヴィットが眉を寄せた。
「誰かと一緒にいたんだよな?その相手に傷を負わされ・・・キスマークも付けられたのか?」
黙って、頷くとついに我慢出来なくなったのか、アラン王子が声を上げた。
「誰だ?お前と今迄一緒にいた人物は?俺達の知ってる奴か?」
「マ・・・・マリウス・・・です・・・。」
「「「「「マリウスだって?!」」」」」
全員の声が綺麗にハモる・・・、マイケルさんを除いて。マイケルさんは何の事か分からないので、え?マリウスって誰?なんて隣に座っているルークに尋ねている。
「はい・・・暗い部屋の中で・・誰かの気配を感じて目が覚めた時には・・・・既にマリウスに攫われていました・・・。」
スカートの裾をギュッと握りしめ、俯きながら私はぽつりぽつりと話し始めた。
「そこは・・・深い森の中にある一軒家でした。マリウスは今年の休暇に・・・私を連れて里帰りをする時に行方不明を装って、ずっとその家で私と暮すつもりで・・・建てた家だと言ってました・・・。」
「うわあ・・・何、その話・・・。」
ダニエル先輩が顔をしかめる。
「くそっ・・・!マリウスめ・・とうとう完全に頭がイカれてしまったようだな・・・。前から危険な男だとは思っていたが・・・そこまで病んでいたとは。」
アラン王子は両手を胸の前で組みながら、イライラした様子で話している。
「ああ・・確かにあいつの目には・・怖ろしい狂気のようなものが宿っていた。初めて対峙した時は・・・正直あの目にゾッとしたな・・・。」
デヴィットも頷く。
「ジェシカ・・・!ま、まさか・・・マリウスに無理やり・・・?!」
グレイは悲鳴じみた声を上げている。
「!こ、このキスマークは・・・む、無理やりマリウスに付けられたものだけど・・・この首の傷は違います。」
ポケットに忍ばせておいた陶器の破片を取り出すとテーブルに置いた。その破片には・・私の血が付いていた。
「この破片で・・・自分で傷を付けました・・・。」
そして私は俯いた。
「ジェシカ・・・一体何があったんだ?」
デヴィットは私の肩を抱き寄せると優しい声で言う。
「は、はい・・・。マリウスは・・・強引にわ、私を・・自分の物にしようとして・・・抱き上げられた時に私は激しく暴れて・・近くにあった花瓶を床に落として割ってしまいました。そしてそれを片付ける為にマリウスがほうきを取りに行った隙に・・・一番大きな破片を手に取って隠して・・・。」
私はそこで目を閉じた。
「マリウスに・・・無理やりベッドに押さえつけられて・・・それで・・この破片をマリウスに向けたんです・・・。」
「ジェシカッ!そんな酷い目に・・・!」
デヴィットがいきなり抱きしめて来た。
「おい!どさくさに紛れてジェシカに手を出すなっ!」
アラン王子が立ち上って抗議する。
「デヴィット、ジェシカに勝手に触らないでくれよっ!」
ダニエル先輩はデヴィットの肩に手を置くと言った。
「「・・・。」」
グレイとルークも何か言いたげにモジモジ?しているが・・・デヴィットが怖いのか何も言えないでいるし、マイケルさんに至ってはマリウスって誰だろうと未だに首を捻っている。
「そ、それで・・・その後はどうしたんだ・・・・?」
デヴィットはわたしの目を見て尋ねて来た。
「するとマリウスは笑って・・・そんなもので自分を何とか出来ると思っていたのかと言ったので・・今度は自分に破片を向けたんです・・・。」
「な・・・何故そんな真似をしたんだ?!」
デヴィットは私の肩を掴む手を強めると言った。
「だ・・・だって・・・マリウスに・・・ふ、触れられる位なら・・死んだ方がマシだと・・・・思った・・から・・・。」
「「・・・・!」」
アラン王子とデヴィットが同時に息を飲んだ。
「そ、そうだったのか・・・・。それ程マリウスは嫌だったんだな・・・。」
何処か嬉しそうにアラン王子は言う。デヴィットも少し口元に笑みが浮かんでいたようにも見えた。
「それでもマリウスは脅しだと思ったようで・・・私を離してくれなかったので・・自分で首を・・・。」
「もういい!分かった!それ以上言わなくてもっ!」
デヴィットは私を強く抱きしめると言った。
「すまなかった・・・ジェシカ・・・。お前を責め立てるような真似をして・・・・。いや、そもそも違うな。ただでさえ、お前はソフィーに狙われれているというのに。そんな状況の中で俺達がいざこざを起こして、お前の側についていなかったから・・・お前はあんな奴に誘拐されてしまったんだよな?分かった、もう・・二度とこんな事が起こらないように・・・仲間割れしないことをお前に誓う。いいな?アラン王子も・・。」
「あ、ああ・・・勿論だ。」
アラン王子は頷いた。
「ジェシカ・・・ごめんよ・・・。僕も凄く反省している。あんなにお酒を飲んで・・・酔い潰れてさえいなければ・・・僕も約束するよ。もう二度とお酒で今日みたいな失態は繰り返さないって。」
「ダニエル先輩・・・。」
「うん、僕も・・・反省してるよ。すまなかったね、お嬢さん。」
「マイケルさん・・・。」
「それで・・・マリウスはどうなったんだ?」
アラン王子が尋ねて来た。
「はい、マリウスは私が本気なのを知ると、諦めてここまで運んでくれて・・私の下僕をやめて、この学院も辞めると話していました。そしてこれから・・・世界を旅して周るって・・・最後に話して・・・私の前から姿を消しました。もう・・・二度と会う事も無いかもしれません。」
「「「「「え・・・・?」」」」」
全員が私の言葉に困惑の表情を浮かべた。
私はソファにもたれかかると目を閉じた。
マリウス・・・・さよなら。どうか・・・元気でね―。
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《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!
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数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
日曜日以外、1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
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2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
2025年1月6日 お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております!
ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします!
2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております!
こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!!
2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?!
なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!!
こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。
どうしよう、欲が出て来た?
…ショートショートとか書いてみようかな?
2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?!
欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい…
2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?!
どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…
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1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
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追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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