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※第9章 2 魔王との対面 (大人向け表現有り)
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「何やら、強い2つの魔力を感じたので捕らえてみれば・・・まさかの女だったとはな。」
黒いマントに身を包んだ公爵は今まで聞いたこともないようなぞっとする声で言った。
「しかも・・・お前・・この世界の住人では無いな・異世界からやって来た女か?」
まるで全てを見通すような鋭い視線に私は身動きすらできずにいた。
公爵・・・。貴方は本当に・・・もう魔王になってしまったの?もう・・・・私の知っている公爵は何所にもいないの・・・?
絶望的な目で玉座に座る公爵を私はただ見つめる事しか出来なかった。
すると魔王の姿の公爵が言った。
「お前は何故、そのような目で俺を見るのだ?魔王である俺に怯えているようにも見えないし・・・ひょっとすると・・この男の知り合いか?」
魔王は自分の胸に手を当てると言った。
「ド・・・ドミニク様・・・。」
私は無駄と思いつつも・・・呼びかけた。
「ドミニク?ああ・・・この体の持ち主の以前の名前か・・・。あいにく今の俺はドミニクではない。この魔界の王だ。・・・しかし名を教えるつもりはないがな。俺の真名は誰にも知られるわけにはいかない。」
彼はニヤリと笑みを浮かべた。
だけど・・・いくら魔王と言われても・・・公爵の姿、声をしているのに・・私には彼が魔王なんて信じられなかった。
そして・・その時になって初めてエルヴィラが居ないことに気が付いた。
「ドミニク様っ!エルヴィラは・・・彼女は何所ですかっ?!」
すると彼は腕を組んで怒気を含んだ声で私に言う。
「だから、俺はドミニクという名では無いっ!魔王と呼べッ!それにお前が言っているのは連れの女の事か?あの女なら・・・この城にはいないぞ?お前だけをこの城に引き入れたのだからな。エルヴィラとかいう魔法使いは・・・先ほど俺の配下がその魔法使いの元へ向かった。今頃は・・・どうなっているかな?」
その言葉を聞いて、私は一瞬目の前が真っ暗になってしまった。
「そ・・・そんな・・・っ!お願いですっ!ドミニク様っ!エルヴィラに・・彼女に酷いことをしないで下さいっ!そして・・・どうか目を覚ましてくださいっ!」
すると、とうとう彼の逆鱗に触れたのか、玉座から立ちあがると辺りが震えるほどの大声を上げた。
「うるさいっ!たかが人間ふぜいが・・・この俺に命令するなっ!誰かここに来いっ!!」
すると闇の中から一人の魔族が音もなしに現れた。
あ・・あの男は・・・・。
「そ・・・総裁・・・っ!」
しかし、総裁は私をチラリと一瞥しただけですぐに
公爵に向き直ると跪いた。
「・・・何かお呼びでございましょうか?魔王様。」
「その女を地下牢に幽閉しろっ!」
それだけ言うと、公爵は身を翻して一瞬でその場から消えてしまった。
取り残された私に総裁は言った。
「フン・・・・・・。愚かな女だ。我らの手から逃げ出したのに・・またして魔界に戻ってくるとはな・・・。貴重な人間だ・・・。我ら一族の繁栄の為に・・・・これからせいぜい役立ってもらうぞ?おとなしく我らに協力さえすれば悪いようには扱わないからな。」
その言葉の意味を・・・私は半分理解できるような出来ないような気持で呆然と聞いていた―。
私は薄暗くて視界が悪い地下牢に閉じ込められてしまった。
これからどうなってしまうのだろう?エルヴィラは無事なのだろうか?
人間界は・・・?門の修復はどうなった?ソフィーは・・・他の皆は今頃どうしているのだろう・・?
膝を抱えながら私は無力な自分をふがいなく感じていた。
アカシックレコードを手に入れたのに、何の抵抗をすることもなく・・あっさり魔王によって地下牢へと閉じ込められてしまった。
その時・・・何かが闇の中で蠢く気配を感じた。誰かが・・・そばにいるッ!!
そう思った次の瞬間、私は何者かに冷たい床の上にものすごく強い力で抑え込まれていた。あまりの突然の出来事に自分の身に何が起こったのか理解できなかったが、自分の服が鋭い爪のようなもので切り裂かれたときに、ようやく自分が今置かれている状況を理解することが出来た。
「に・・・人間の女だ・・・。」
荒い息を吐きながら何者かが私の耳元で囁いている。その瞬間耳たぶをかまれ、次に首筋を強く吸われた。
「!!」
あまりの恐怖で体が動かない。そして、私を血走った眼で見つめる魔族の男が馬乗りになっていることに初めて気が付いた。
その魔族の男は下卑た笑いでさらに私の服を鋭い爪で引き裂いた。
「イヤアアッ!や、やめてっ!誰か・・・誰か助けてっ!!」
ここは魔王の城。誰1人自分の見方が居ないのは分かり切っていたが・・・私は必至で誰かに助けを求めて叫んだ、次の瞬間―。
馬乗りになっていた男が突然何者かの力によって激しく吹き飛ばされ、壁に激しく叩きつけられる姿を私は見た。さらにそれだけでは無かった。倒れてうめいている魔族の男が突如発火したのだ。
「ギャアアアアッ!!ア・・・熱い・・ッ!タ・・助け・・・っ!」
魔族の激しい断末魔はすさまじく、私は恐怖の為に両耳を抑え、目をギュっと閉じた。
やがて・・あたりに静けさが戻ると声が聞こえた。
「全く・・・俺の城で・・このような愚かな行動に出る者がいるとは・・・!長きに渡り不在にしていた為か?俺もすっかりなめられたものだ。」
吐き捨てるように言うその声は・・・。
「ド・・・ドミニク様・・・。」
え・・・本当に・・・?私を助けに来てくれたのが公爵なの?貴方は・・・まだ魔王に完全に体を奪われたわけでは無かったの・・?
「女・・・。またしてもこの俺をドミニクと呼ぶのか?何度も言ってるが俺はドミニクでは無い。魔王だ。」
しかし・・・私の前に跪き、頬に手を添えて語り掛けるその姿は・・・先ほどとはまるで別人であった。そう・・・まるで以前の公爵のように・・。
私は思わず涙ぐんで彼を見つめる。
「女・・・。何故だ?お前は何故魔王である俺を恐れない?何故・・・そんな目で俺を・・・見つめるのだ?」
魔王は片時も私から視線をそらさずに語り掛けてくる。
だけど、私はその質問に答えることが出来なかった。何故なら・・・口を開けば、涙が溢れそうになってくるからだ。
嫌だ、信じたくない。今目の前にいる公爵が・・・もういないなんて。貴方が・・魔王なんて信じられない、信じたくない・・・!
その瞬間・・・いつも公爵から漂ってくる魔族特有の香りが今目の前にいる公爵の姿をした魔王から漂ってくるのを感じた。
駄目・・・。この香りは私をおかしくしてしまう。この香りに・・・流されては駄目だ・・・っ!
私は彼から視線を反らして、後ずさると自分の両肩を抱きしめるように身を縮込めた。何とか・・・気を落ち着かせなければ・・この香りはまるで媚薬のように私の思考を狂わせてしまう・・・。深呼吸をして・・・気持ちを落ち着かせて・・・。
一方の彼の方は自分から媚薬のような香りが溢れていることには気が付いていないのか・・・それとも分かったうえでの事なのか、私の肩に手を置くと言った。
「どうした・・?随分震えているな・・・?それに顔色も良くない・・・・。
だが・・・何故だろう?お前を見ていると・・・触れたくなってくる・・・。ひょっとするとお前はこの男と交わった事があるのか・・?」
突然強く抱きしめてくると、私の耳元で囁くように語り掛けてくる。
「い・・・いや・・・。や・・やめて・・。」
分かっている。彼は・・・公爵ではない。この魔界の王・・・魔王なのだ。
だから、流されては駄目だ・・・!
何とかこの手から逃れようともがいても、魔王にとってはこんなのは抵抗の内にも入らなかったようだ。
「お前が気に入った・・・よし、俺の女にしてやろう。」
次の瞬間、魔王は強く唇を重ねてくると、深く口づけてきた。
こ・・・公爵・・・。
次の瞬間・・・私の意識は沈んだ―。
黒いマントに身を包んだ公爵は今まで聞いたこともないようなぞっとする声で言った。
「しかも・・・お前・・この世界の住人では無いな・異世界からやって来た女か?」
まるで全てを見通すような鋭い視線に私は身動きすらできずにいた。
公爵・・・。貴方は本当に・・・もう魔王になってしまったの?もう・・・・私の知っている公爵は何所にもいないの・・・?
絶望的な目で玉座に座る公爵を私はただ見つめる事しか出来なかった。
すると魔王の姿の公爵が言った。
「お前は何故、そのような目で俺を見るのだ?魔王である俺に怯えているようにも見えないし・・・ひょっとすると・・この男の知り合いか?」
魔王は自分の胸に手を当てると言った。
「ド・・・ドミニク様・・・。」
私は無駄と思いつつも・・・呼びかけた。
「ドミニク?ああ・・・この体の持ち主の以前の名前か・・・。あいにく今の俺はドミニクではない。この魔界の王だ。・・・しかし名を教えるつもりはないがな。俺の真名は誰にも知られるわけにはいかない。」
彼はニヤリと笑みを浮かべた。
だけど・・・いくら魔王と言われても・・・公爵の姿、声をしているのに・・私には彼が魔王なんて信じられなかった。
そして・・その時になって初めてエルヴィラが居ないことに気が付いた。
「ドミニク様っ!エルヴィラは・・・彼女は何所ですかっ?!」
すると彼は腕を組んで怒気を含んだ声で私に言う。
「だから、俺はドミニクという名では無いっ!魔王と呼べッ!それにお前が言っているのは連れの女の事か?あの女なら・・・この城にはいないぞ?お前だけをこの城に引き入れたのだからな。エルヴィラとかいう魔法使いは・・・先ほど俺の配下がその魔法使いの元へ向かった。今頃は・・・どうなっているかな?」
その言葉を聞いて、私は一瞬目の前が真っ暗になってしまった。
「そ・・・そんな・・・っ!お願いですっ!ドミニク様っ!エルヴィラに・・彼女に酷いことをしないで下さいっ!そして・・・どうか目を覚ましてくださいっ!」
すると、とうとう彼の逆鱗に触れたのか、玉座から立ちあがると辺りが震えるほどの大声を上げた。
「うるさいっ!たかが人間ふぜいが・・・この俺に命令するなっ!誰かここに来いっ!!」
すると闇の中から一人の魔族が音もなしに現れた。
あ・・あの男は・・・・。
「そ・・・総裁・・・っ!」
しかし、総裁は私をチラリと一瞥しただけですぐに
公爵に向き直ると跪いた。
「・・・何かお呼びでございましょうか?魔王様。」
「その女を地下牢に幽閉しろっ!」
それだけ言うと、公爵は身を翻して一瞬でその場から消えてしまった。
取り残された私に総裁は言った。
「フン・・・・・・。愚かな女だ。我らの手から逃げ出したのに・・またして魔界に戻ってくるとはな・・・。貴重な人間だ・・・。我ら一族の繁栄の為に・・・・これからせいぜい役立ってもらうぞ?おとなしく我らに協力さえすれば悪いようには扱わないからな。」
その言葉の意味を・・・私は半分理解できるような出来ないような気持で呆然と聞いていた―。
私は薄暗くて視界が悪い地下牢に閉じ込められてしまった。
これからどうなってしまうのだろう?エルヴィラは無事なのだろうか?
人間界は・・・?門の修復はどうなった?ソフィーは・・・他の皆は今頃どうしているのだろう・・?
膝を抱えながら私は無力な自分をふがいなく感じていた。
アカシックレコードを手に入れたのに、何の抵抗をすることもなく・・あっさり魔王によって地下牢へと閉じ込められてしまった。
その時・・・何かが闇の中で蠢く気配を感じた。誰かが・・・そばにいるッ!!
そう思った次の瞬間、私は何者かに冷たい床の上にものすごく強い力で抑え込まれていた。あまりの突然の出来事に自分の身に何が起こったのか理解できなかったが、自分の服が鋭い爪のようなもので切り裂かれたときに、ようやく自分が今置かれている状況を理解することが出来た。
「に・・・人間の女だ・・・。」
荒い息を吐きながら何者かが私の耳元で囁いている。その瞬間耳たぶをかまれ、次に首筋を強く吸われた。
「!!」
あまりの恐怖で体が動かない。そして、私を血走った眼で見つめる魔族の男が馬乗りになっていることに初めて気が付いた。
その魔族の男は下卑た笑いでさらに私の服を鋭い爪で引き裂いた。
「イヤアアッ!や、やめてっ!誰か・・・誰か助けてっ!!」
ここは魔王の城。誰1人自分の見方が居ないのは分かり切っていたが・・・私は必至で誰かに助けを求めて叫んだ、次の瞬間―。
馬乗りになっていた男が突然何者かの力によって激しく吹き飛ばされ、壁に激しく叩きつけられる姿を私は見た。さらにそれだけでは無かった。倒れてうめいている魔族の男が突如発火したのだ。
「ギャアアアアッ!!ア・・・熱い・・ッ!タ・・助け・・・っ!」
魔族の激しい断末魔はすさまじく、私は恐怖の為に両耳を抑え、目をギュっと閉じた。
やがて・・あたりに静けさが戻ると声が聞こえた。
「全く・・・俺の城で・・このような愚かな行動に出る者がいるとは・・・!長きに渡り不在にしていた為か?俺もすっかりなめられたものだ。」
吐き捨てるように言うその声は・・・。
「ド・・・ドミニク様・・・。」
え・・・本当に・・・?私を助けに来てくれたのが公爵なの?貴方は・・・まだ魔王に完全に体を奪われたわけでは無かったの・・?
「女・・・。またしてもこの俺をドミニクと呼ぶのか?何度も言ってるが俺はドミニクでは無い。魔王だ。」
しかし・・・私の前に跪き、頬に手を添えて語り掛けるその姿は・・・先ほどとはまるで別人であった。そう・・・まるで以前の公爵のように・・。
私は思わず涙ぐんで彼を見つめる。
「女・・・。何故だ?お前は何故魔王である俺を恐れない?何故・・・そんな目で俺を・・・見つめるのだ?」
魔王は片時も私から視線をそらさずに語り掛けてくる。
だけど、私はその質問に答えることが出来なかった。何故なら・・・口を開けば、涙が溢れそうになってくるからだ。
嫌だ、信じたくない。今目の前にいる公爵が・・・もういないなんて。貴方が・・魔王なんて信じられない、信じたくない・・・!
その瞬間・・・いつも公爵から漂ってくる魔族特有の香りが今目の前にいる公爵の姿をした魔王から漂ってくるのを感じた。
駄目・・・。この香りは私をおかしくしてしまう。この香りに・・・流されては駄目だ・・・っ!
私は彼から視線を反らして、後ずさると自分の両肩を抱きしめるように身を縮込めた。何とか・・・気を落ち着かせなければ・・この香りはまるで媚薬のように私の思考を狂わせてしまう・・・。深呼吸をして・・・気持ちを落ち着かせて・・・。
一方の彼の方は自分から媚薬のような香りが溢れていることには気が付いていないのか・・・それとも分かったうえでの事なのか、私の肩に手を置くと言った。
「どうした・・?随分震えているな・・・?それに顔色も良くない・・・・。
だが・・・何故だろう?お前を見ていると・・・触れたくなってくる・・・。ひょっとするとお前はこの男と交わった事があるのか・・?」
突然強く抱きしめてくると、私の耳元で囁くように語り掛けてくる。
「い・・・いや・・・。や・・やめて・・。」
分かっている。彼は・・・公爵ではない。この魔界の王・・・魔王なのだ。
だから、流されては駄目だ・・・!
何とかこの手から逃れようともがいても、魔王にとってはこんなのは抵抗の内にも入らなかったようだ。
「お前が気に入った・・・よし、俺の女にしてやろう。」
次の瞬間、魔王は強く唇を重ねてくると、深く口づけてきた。
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