75 / 107
4-14 キリアンとの初めての魔石探し
しおりを挟む
「今夜は御馳走に預かりまして、ありがとうございました」
部屋の前まで送ってくれたキリアンに頭を下げて礼を述べた。
「本当に一晩中、付き添わなくていいのかい?」
キリアンは冗談とも本気とも取れかねない事を言って来た。
「はい、ご心配には及びません。魔石探しの時間は午前9時から午後5時までと決められているので、時間外は魔石を奪う行為も禁止されているのです。それに第一今日は魔石探しは無い日だったので、襲われる心配はありません」
「そうか、分ったよ。それじゃ、俺は朝8時半に迎えにくればいいんだね?」
「別に迎えに来て頂かなくても大丈夫ですよ。魔石探しを始める場所で待ち合わせでもいいのですから」
「そうなのかい?それで明日の魔石探しは何所でやるのか分かっているのかな?」
「はい、私は明日からは東塔の2階をくまなく探す様にアンリ王子に言われています」
昨日、私達の自室に手紙が届けられており、それぞれの探し場所を支持されていたのだ。
「分った。それじゃ明日、東塔で9時に会おう。お休み、シルビア」
「はい、おやすみなさい、キリアン様」
キリアンは手を振ると、去って行った。私は彼が見えなくなるまで見送ると扉を開けて自室へと入った―。
****
翌朝9時―
「おはようございます。キリアン様」
東塔の2階へ行くと、すでにそこにはキリアンが待っていた。彼はユベールと同様、騎士の恰好をしている。
「ああ、おはよう。シルビア。よく眠れたかい?」
「え?あ、はい。眠れました」
「そうか、それは良かった」
「ありがとうございます」
「実は俺は緊張して一睡も出来なかったんだ」
「え?!冗談ですよね?!」
そんな、騎士であるキリアンがたかだか魔石探しで緊張するなんてあり得ない。
「いや、本当さ。今日から魔石探しの期間、ずっとシルビアと一緒だと思うと緊張して仕方が無いんだ」
キリアンの言葉に一瞬固まりかけたが、すぐに理解した。
「ありがとうございます、ひょっとして私が緊張していると思って、場を和ませるために言った言葉ですよね?」
するとキリアンが笑いながら言った。
「う~ん…別にそんな意味で言ったわけじゃないけど…でも、まぁいいか」
その時―
ボーン
ボーン
ボーン
城の振り子時計が鳴り響き、9時を告げた。
「時間だな、シルビア」
「はい、キリアン様」
「では魔石探しを始めるか?」
キリアンは笑みを浮かべた―。
****
「ハアハアハア…」
荒い息を吐いて、床に座り込んでいると魔石を袋にしまったキリアンが部屋の隅に座り込んでいる私の元へ駆け寄って来た。
「シルビア!」
「あ…キリアン様…」
青ざめた顔でキリアンを見上げる。
「大丈夫か?シルビア」
「は、はい…大丈夫です。ここには魔石はもうありませんから、次の場所へ移動しましょう」
立ち上がろうとするとキリアンに止められた。
「駄目だ、シルビア。少し休んだ方がいい」
「私ならもう大丈夫ですよ?行きましょう」
立ち上がろうとしてキリアンに肩を抑え込まれた。
「無理をしてはいけない。俺には魔石を探す事はできないのだから」
「はい…すみません…」
「シルビア…魔石探しの時はいつもそうなってしまうのか?」
キリアンが神妙な顔で尋ねて来た。
「はい、そうです。魔石の力にあてられてしまうみたいで…具合が悪くなってしまうんです」
「そうなのか?大変なんだな…色々と」
「まぁ、仕方ありません。体質なので」
「…少し部屋の外を見て来る。ここで待っていてくれ」
不意にキリアンが言った。
「え?]
そして立ち上がると部屋の外に出て行ってしまった。何故キリアンは不意に出て行ってしまったのだろう?
その時―
「ッ!」
次の激しい痛みを右足首に感じた。
「え…?」
私は目を疑った―。
部屋の前まで送ってくれたキリアンに頭を下げて礼を述べた。
「本当に一晩中、付き添わなくていいのかい?」
キリアンは冗談とも本気とも取れかねない事を言って来た。
「はい、ご心配には及びません。魔石探しの時間は午前9時から午後5時までと決められているので、時間外は魔石を奪う行為も禁止されているのです。それに第一今日は魔石探しは無い日だったので、襲われる心配はありません」
「そうか、分ったよ。それじゃ、俺は朝8時半に迎えにくればいいんだね?」
「別に迎えに来て頂かなくても大丈夫ですよ。魔石探しを始める場所で待ち合わせでもいいのですから」
「そうなのかい?それで明日の魔石探しは何所でやるのか分かっているのかな?」
「はい、私は明日からは東塔の2階をくまなく探す様にアンリ王子に言われています」
昨日、私達の自室に手紙が届けられており、それぞれの探し場所を支持されていたのだ。
「分った。それじゃ明日、東塔で9時に会おう。お休み、シルビア」
「はい、おやすみなさい、キリアン様」
キリアンは手を振ると、去って行った。私は彼が見えなくなるまで見送ると扉を開けて自室へと入った―。
****
翌朝9時―
「おはようございます。キリアン様」
東塔の2階へ行くと、すでにそこにはキリアンが待っていた。彼はユベールと同様、騎士の恰好をしている。
「ああ、おはよう。シルビア。よく眠れたかい?」
「え?あ、はい。眠れました」
「そうか、それは良かった」
「ありがとうございます」
「実は俺は緊張して一睡も出来なかったんだ」
「え?!冗談ですよね?!」
そんな、騎士であるキリアンがたかだか魔石探しで緊張するなんてあり得ない。
「いや、本当さ。今日から魔石探しの期間、ずっとシルビアと一緒だと思うと緊張して仕方が無いんだ」
キリアンの言葉に一瞬固まりかけたが、すぐに理解した。
「ありがとうございます、ひょっとして私が緊張していると思って、場を和ませるために言った言葉ですよね?」
するとキリアンが笑いながら言った。
「う~ん…別にそんな意味で言ったわけじゃないけど…でも、まぁいいか」
その時―
ボーン
ボーン
ボーン
城の振り子時計が鳴り響き、9時を告げた。
「時間だな、シルビア」
「はい、キリアン様」
「では魔石探しを始めるか?」
キリアンは笑みを浮かべた―。
****
「ハアハアハア…」
荒い息を吐いて、床に座り込んでいると魔石を袋にしまったキリアンが部屋の隅に座り込んでいる私の元へ駆け寄って来た。
「シルビア!」
「あ…キリアン様…」
青ざめた顔でキリアンを見上げる。
「大丈夫か?シルビア」
「は、はい…大丈夫です。ここには魔石はもうありませんから、次の場所へ移動しましょう」
立ち上がろうとするとキリアンに止められた。
「駄目だ、シルビア。少し休んだ方がいい」
「私ならもう大丈夫ですよ?行きましょう」
立ち上がろうとしてキリアンに肩を抑え込まれた。
「無理をしてはいけない。俺には魔石を探す事はできないのだから」
「はい…すみません…」
「シルビア…魔石探しの時はいつもそうなってしまうのか?」
キリアンが神妙な顔で尋ねて来た。
「はい、そうです。魔石の力にあてられてしまうみたいで…具合が悪くなってしまうんです」
「そうなのか?大変なんだな…色々と」
「まぁ、仕方ありません。体質なので」
「…少し部屋の外を見て来る。ここで待っていてくれ」
不意にキリアンが言った。
「え?]
そして立ち上がると部屋の外に出て行ってしまった。何故キリアンは不意に出て行ってしまったのだろう?
その時―
「ッ!」
次の激しい痛みを右足首に感じた。
「え…?」
私は目を疑った―。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】✴︎私と結婚しない王太子(あなた)に存在価値はありませんのよ?
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
「エステファニア・サラ・メレンデス――お前との婚約を破棄する」
婚約者であるクラウディオ王太子に、王妃の生誕祝いの夜会で言い渡された私。愛しているわけでもない男に婚約破棄され、断罪されるが……残念ですけど、私と結婚しない王太子殿下に価値はありませんのよ? 何を勘違いしたのか、淫らな恰好の女を伴った元婚約者の暴挙は彼自身へ跳ね返った。
ざまぁ要素あり。溺愛される主人公が無事婚約破棄を乗り越えて幸せを掴むお話。
表紙イラスト:リルドア様(https://coconala.com/users/791723)
【完結】本編63話+外伝11話、2021/01/19
【複数掲載】アルファポリス、小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルアップ+
2021/12 異世界恋愛小説コンテスト 一次審査通過
2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過
若い頃に婚約破棄されたけど、不惑の年になってようやく幸せになれそうです。
長岡更紗
恋愛
侯爵令嬢だったユリアーナは、第一王子のディートフリートと十歳で婚約した。
仲睦まじく過ごしていたある日、父親の死をきっかけにどん底まで落ちたユリアーナは婚約破棄されてしまう。
愛し合う二人は、離れ離れとなってしまったのだった。
ディートフリートを待ち続けるユリアーナ。
ユリアーナを迎えに行こうと奮闘するディートフリート。
二人に巻き込まれてしまった、男装の王弟。
時に笑い、時に泣き、諦めそうになり、奮闘し……
全ては、愛する人と幸せになるために。
他サイトと重複投稿しています。
全面改稿して投稿中です。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
悪役令嬢、第四王子と結婚します!
水魔沙希
恋愛
私・フローディア・フランソワーズには前世の記憶があります。定番の乙女ゲームの悪役転生というものです。私に残された道はただ一つ。破滅フラグを立てない事!それには、手っ取り早く同じく悪役キャラになってしまう第四王子を何とかして、私の手中にして、シナリオブレイクします!
小説家になろう様にも、書き起こしております。
悪役令嬢の逆襲
すけさん
恋愛
断罪される1年前に前世の記憶が甦る!
前世は三十代の子持ちのおばちゃんだった。
素行は悪かった悪役令嬢は、急におばちゃんチックな思想が芽生え恋に友情に新たな一面を見せ始めた事で、断罪を回避するべく奮闘する!
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
【完結】すり替わられた小間使い令嬢は、元婚約者に恋をする
白雨 音
恋愛
公爵令嬢オーロラの罪は、雇われのエバが罰を受ける、
12歳の時からの日常だった。
恨みを持つエバは、オーロラの14歳の誕生日、魔力を使い入れ換わりを果たす。
それ以来、オーロラはエバ、エバはオーロラとして暮らす事に…。
ガッカリな婚約者と思っていたオーロラの婚約者は、《エバ》には何故か優しい。
『自分を許してくれれば、元の姿に戻してくれる』と信じて待つが、
魔法学校に上がっても、入れ換わったままで___
(※転生ものではありません) ※完結しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる