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4-15 10回目の「死」の記憶
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「な、何…これ…?」
私の右足首には蛇が噛みついていた。この蛇…!途端に激しい激痛が身体に走る。
その瞬間、悟った。ああ…そうだ。私は10回目の「死」は毒蛇に噛まれたんだ…。
一気に目の前が真っ暗になっていく。
そんな…私はこんなところでまた死ぬの…?
****
10回目の「死」の記憶―
私は前日に行われた最終試験でついにアンリ王子の婚約者に決定した。最後まで私と争った令嬢達は悔しがり、また羨ましがったが私は少しも嬉しくは無かった。何故なら私はアンリ王子の婚約者になることなど、微塵ものぞんでいなかったからだ。それなのに皮肉な事に選ばれてしまった。本当に最悪な気分だった。
何故、相手の事を好きでも何でもなく、しかもアンリ王子にはジュリエッタという恋人がいるのに婚約者に選ばれてしまったのか…理不尽な気持ちで一杯だった。
「はぁ~…今から辞退出来ないかしら…」
部屋で本をパラパラめくっていた時の事だった。
コンコン
部屋の扉がノックされた。
「はい」
扉に向かい、カチャリと開けるとそこには不機嫌そうなユベールが立っていた。
「ユベール様?一体どうされたのですか?」
しかし彼は私の質問に答えずに機嫌が悪そうな顔で見下ろすと口を開いた。
「おい、シルビア。お前は自覚が足りなさすぎる」
「え…?自覚?一体何の自覚ですか?」
「お前はアンリ王子の婚約者に選ばれたのだろう?」
「はい、昨日選ばれました」
「だったら何故もっと自覚を持たない?」
「自覚…?一体何の自覚ですか?」
訳が分からず首を傾げるとユベールがイライラした様子で私を見ると言った。
「お前は未来の王妃になるのだぞ?アンリ王子は王位継承権を他の親族たちと争い、常に暗殺の危機にさらされている。その事をお前も自覚しておけと言っているのだ。万一にでもお前を誘拐でもされたりすればアンリ王子にも危険が及ぶのだ」
「え…?」
私はその言葉に顔が青ざめたのが自分でも分った。それって…私も今後アンリ王子の様に命を狙われる危険があるって言う事…?
「あ、あの…冗談ですよね?」
「俺はこの手の冗談を言う様な趣味は無い。だから今後は相手が誰か確認する前にすぐにドアを開けたりするな。分ったか?」
「そうですか。分りました。」
頷くとユベールが言った。
「それにしてお前は一体何をしていたのだ?まだ準備も出来ていないじゃないか。だが、もうこれ以上は待てない。では行くぞ」
「え?行くって…何所へ?」
するとユベールが呆れた顔で私を見た。
「何だ?寝ぼけているのか?今日はお前がアンリ王子の婚約者として選ばれた事を祝う為のガーデニングパーティーが行われる日だっただろう?」
「え?何ですか?その話」
「何だって?お前ふざけているのか?もうパーティーは始まっているんだぞ?着がえの暇も無い。このまま会場へ行くぞ」
ユベールはそれだけ言うと、さっさと廊下を歩きだす。え?!そ、そんなっ!
「待って下さい!ユベール様っ!」
パーティー会場が何処かも分らない私は置いてきぼりにされるわけにはいかなかったので必死になって後を追った―。
ハアハア…
必死でユベールの後を追い掛けて私は歩いていた。そして中庭へ続く緑に囲まれた通路を通りかかった時、右足首に突如言いようの無い程の激痛が走った。
「い、痛いっ!」
あまりの傷みにガクリと膝をつき、激しい耳鳴りが襲ってきた。
「ユ…ユベールさ‥ま。ま…って…」
しかしユベールは振り向く事も無く歩き続ける。
ドサッ!
私は通路に倒れ込んでしまった。
ゴーン
ゴーン
ゴーン・…
ああ…鐘の音が聞こえる…。意識が遠くなっていく…。
そして私は誰にも気づかれる事無く、この日、10回目の死を迎えた―。
私の右足首には蛇が噛みついていた。この蛇…!途端に激しい激痛が身体に走る。
その瞬間、悟った。ああ…そうだ。私は10回目の「死」は毒蛇に噛まれたんだ…。
一気に目の前が真っ暗になっていく。
そんな…私はこんなところでまた死ぬの…?
****
10回目の「死」の記憶―
私は前日に行われた最終試験でついにアンリ王子の婚約者に決定した。最後まで私と争った令嬢達は悔しがり、また羨ましがったが私は少しも嬉しくは無かった。何故なら私はアンリ王子の婚約者になることなど、微塵ものぞんでいなかったからだ。それなのに皮肉な事に選ばれてしまった。本当に最悪な気分だった。
何故、相手の事を好きでも何でもなく、しかもアンリ王子にはジュリエッタという恋人がいるのに婚約者に選ばれてしまったのか…理不尽な気持ちで一杯だった。
「はぁ~…今から辞退出来ないかしら…」
部屋で本をパラパラめくっていた時の事だった。
コンコン
部屋の扉がノックされた。
「はい」
扉に向かい、カチャリと開けるとそこには不機嫌そうなユベールが立っていた。
「ユベール様?一体どうされたのですか?」
しかし彼は私の質問に答えずに機嫌が悪そうな顔で見下ろすと口を開いた。
「おい、シルビア。お前は自覚が足りなさすぎる」
「え…?自覚?一体何の自覚ですか?」
「お前はアンリ王子の婚約者に選ばれたのだろう?」
「はい、昨日選ばれました」
「だったら何故もっと自覚を持たない?」
「自覚…?一体何の自覚ですか?」
訳が分からず首を傾げるとユベールがイライラした様子で私を見ると言った。
「お前は未来の王妃になるのだぞ?アンリ王子は王位継承権を他の親族たちと争い、常に暗殺の危機にさらされている。その事をお前も自覚しておけと言っているのだ。万一にでもお前を誘拐でもされたりすればアンリ王子にも危険が及ぶのだ」
「え…?」
私はその言葉に顔が青ざめたのが自分でも分った。それって…私も今後アンリ王子の様に命を狙われる危険があるって言う事…?
「あ、あの…冗談ですよね?」
「俺はこの手の冗談を言う様な趣味は無い。だから今後は相手が誰か確認する前にすぐにドアを開けたりするな。分ったか?」
「そうですか。分りました。」
頷くとユベールが言った。
「それにしてお前は一体何をしていたのだ?まだ準備も出来ていないじゃないか。だが、もうこれ以上は待てない。では行くぞ」
「え?行くって…何所へ?」
するとユベールが呆れた顔で私を見た。
「何だ?寝ぼけているのか?今日はお前がアンリ王子の婚約者として選ばれた事を祝う為のガーデニングパーティーが行われる日だっただろう?」
「え?何ですか?その話」
「何だって?お前ふざけているのか?もうパーティーは始まっているんだぞ?着がえの暇も無い。このまま会場へ行くぞ」
ユベールはそれだけ言うと、さっさと廊下を歩きだす。え?!そ、そんなっ!
「待って下さい!ユベール様っ!」
パーティー会場が何処かも分らない私は置いてきぼりにされるわけにはいかなかったので必死になって後を追った―。
ハアハア…
必死でユベールの後を追い掛けて私は歩いていた。そして中庭へ続く緑に囲まれた通路を通りかかった時、右足首に突如言いようの無い程の激痛が走った。
「い、痛いっ!」
あまりの傷みにガクリと膝をつき、激しい耳鳴りが襲ってきた。
「ユ…ユベールさ‥ま。ま…って…」
しかしユベールは振り向く事も無く歩き続ける。
ドサッ!
私は通路に倒れ込んでしまった。
ゴーン
ゴーン
ゴーン・…
ああ…鐘の音が聞こえる…。意識が遠くなっていく…。
そして私は誰にも気づかれる事無く、この日、10回目の死を迎えた―。
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