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5−14 治療
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「う…」
切りつけられた左腕がズキズキと激しい熱を持って痛んでいる。私は持っていたハンカチで傷口を縛ると、痛みが若干和らいだ。けれどとてもではないが、こんな状態では町までいけない。一度医務室に戻って手当を受けてから出かけよう。
私は再び城の中へと戻った。
医務室に向かって歩いていると、突然背後から声を掛けられた。
「あら?もしかして…シルビアさんじゃないの?」
その声の主はジュリエッタだった。
「あ…こんにちは。ジュリエッタ様」
ジュリエッタは珍しく1人だった。いつもなら必ず傍にアンリ王子がいるのに。
「え?!ちょ、ちょっと!一体どうしたの?!その腕…それに首からも血が出ているじゃないのっ!」
ジュリエッタは私に駆け寄ってきた。
「え、ええ…。先程町へ行こうとした時に魔石を狙う人物に襲われて…」
「え?!そ、そんな…っ!まさか…切られたのっ?!」
「はい」
本当はその前には背後から弓矢で撃たれてもいるのだけど」
「なんて酷い…!」
ジュリエッタの顔に怒りの表情が浮かんだ。ひょっとして…私を心配してくれているのだろうか?
「それで、今から何処へ行くつもりだったの?」
「とりあえず医務室へ行って怪我の手当をしてもらいます」
「ええ、そうね。それがいいわ。大丈夫?私も付きそいしましょうか?」
「いいえ、大丈夫です。1人で行けますから。ご心配頂きありがとうございました」
そして頭を下げて再び歩き始めた時、ジュリエッタがまた声を掛けてきた。
「ねぇシルビアさん。どうして町へ行こうと思ったの?」
「はい、見ての通り…魔石を狙う人達から私は狙われているので、私を守ってくれる護衛の人をお金で雇おうかと思って、傭兵斡旋所に行こうとしていたところなのです。怪我の治療が終わったら行ってくるつもりです」
「そう…なの?」
「では失礼します」
今度こそ、私は医務室へ向かった―。
****
「はい、これで大丈夫ですよ」
怪我の治療をしてくれた男の先生が包帯留めを付けてくれた。
「どうもありがとうございました」
改めて先生にお礼を述べた。
「でも良かったですね。出血の割には対して深い傷ではありませんでした。喉の傷は明日にはすっかり良くなるでしょう」
「そうですか。良かったです」
私は喉元に手を触れた。
「先生、お世話になりました」
頭を下げると私は医務室を後にした。とりあえず服を切られているし、この姿では町に行くことは出来ない。一度自分の部屋へ戻ることにした。
部屋に戻り、着替えを済ませて時計を見ると時刻は11時になろうとしている。
「急がなくちゃ」
この分では今日はもう魔石探しは無理かもしれない。とりあえず私を護衛してくれる傭兵だけでも確保しておかなければ。
荷物を手に取ろうとした時―
ドンドンッ!
強く部屋のドアが叩かれた。ま、まさか…また魔石を狙って誰かがやってきたのだろうか?怖くて震えているとドアの外で声が聞こえた。
「シルビアッ?!いるのか?!」
「え?ユベール様?!」
慌てて扉に駆け寄り、ドアを開けるとそこには荒い息を吐いてユベールが立っていた。
「ユベール様…?何故ここに?」
驚いて目を見開くと、ユベールは私の首に巻かれた包帯に気がついた。
「シルビア…誰にやられた?」
ユベールの目に激しい怒りが宿っている。
「誰と言われても…私には相手の名前も分からないので…それよりも何故ここに?」
「ジュリエッタから聞いたんだ。お前が怪我をしたって。腕も切られたそうじゃないか?」
「ええ。そうですけど…もう治療も終わりましたし。どうもご心配おかけしました」
頭を下げて、ユベールがベッドの中に入っていた時の事を思い出した。でもユベールはその事に触れようとしないので、私も敢えて口には出さなかった。
「あの、それでは私出掛けなくてはならないので、失礼します」
「出掛ける?一体そんな怪我をしているのに何処へ行こうとしてるんだ?」
「あ、あの…町へ…」
「町?何をしに?」
「傭兵を雇う為です。私は魔石に触れることも出来ないし…ご覧の通り自分の身を守ることも出来ないので」
「…」
ユベールは悔しげに唇を噛むと、いきなり私の右手を握りしめると歩き出した。
「ユベール様っ!い、一体どちらへ?!」
「アンリ王子に直談判に行く」
「え?」
そして私は半ば強引に手を引かれ、アンリ王子の元へ連れて行かれた―。
切りつけられた左腕がズキズキと激しい熱を持って痛んでいる。私は持っていたハンカチで傷口を縛ると、痛みが若干和らいだ。けれどとてもではないが、こんな状態では町までいけない。一度医務室に戻って手当を受けてから出かけよう。
私は再び城の中へと戻った。
医務室に向かって歩いていると、突然背後から声を掛けられた。
「あら?もしかして…シルビアさんじゃないの?」
その声の主はジュリエッタだった。
「あ…こんにちは。ジュリエッタ様」
ジュリエッタは珍しく1人だった。いつもなら必ず傍にアンリ王子がいるのに。
「え?!ちょ、ちょっと!一体どうしたの?!その腕…それに首からも血が出ているじゃないのっ!」
ジュリエッタは私に駆け寄ってきた。
「え、ええ…。先程町へ行こうとした時に魔石を狙う人物に襲われて…」
「え?!そ、そんな…っ!まさか…切られたのっ?!」
「はい」
本当はその前には背後から弓矢で撃たれてもいるのだけど」
「なんて酷い…!」
ジュリエッタの顔に怒りの表情が浮かんだ。ひょっとして…私を心配してくれているのだろうか?
「それで、今から何処へ行くつもりだったの?」
「とりあえず医務室へ行って怪我の手当をしてもらいます」
「ええ、そうね。それがいいわ。大丈夫?私も付きそいしましょうか?」
「いいえ、大丈夫です。1人で行けますから。ご心配頂きありがとうございました」
そして頭を下げて再び歩き始めた時、ジュリエッタがまた声を掛けてきた。
「ねぇシルビアさん。どうして町へ行こうと思ったの?」
「はい、見ての通り…魔石を狙う人達から私は狙われているので、私を守ってくれる護衛の人をお金で雇おうかと思って、傭兵斡旋所に行こうとしていたところなのです。怪我の治療が終わったら行ってくるつもりです」
「そう…なの?」
「では失礼します」
今度こそ、私は医務室へ向かった―。
****
「はい、これで大丈夫ですよ」
怪我の治療をしてくれた男の先生が包帯留めを付けてくれた。
「どうもありがとうございました」
改めて先生にお礼を述べた。
「でも良かったですね。出血の割には対して深い傷ではありませんでした。喉の傷は明日にはすっかり良くなるでしょう」
「そうですか。良かったです」
私は喉元に手を触れた。
「先生、お世話になりました」
頭を下げると私は医務室を後にした。とりあえず服を切られているし、この姿では町に行くことは出来ない。一度自分の部屋へ戻ることにした。
部屋に戻り、着替えを済ませて時計を見ると時刻は11時になろうとしている。
「急がなくちゃ」
この分では今日はもう魔石探しは無理かもしれない。とりあえず私を護衛してくれる傭兵だけでも確保しておかなければ。
荷物を手に取ろうとした時―
ドンドンッ!
強く部屋のドアが叩かれた。ま、まさか…また魔石を狙って誰かがやってきたのだろうか?怖くて震えているとドアの外で声が聞こえた。
「シルビアッ?!いるのか?!」
「え?ユベール様?!」
慌てて扉に駆け寄り、ドアを開けるとそこには荒い息を吐いてユベールが立っていた。
「ユベール様…?何故ここに?」
驚いて目を見開くと、ユベールは私の首に巻かれた包帯に気がついた。
「シルビア…誰にやられた?」
ユベールの目に激しい怒りが宿っている。
「誰と言われても…私には相手の名前も分からないので…それよりも何故ここに?」
「ジュリエッタから聞いたんだ。お前が怪我をしたって。腕も切られたそうじゃないか?」
「ええ。そうですけど…もう治療も終わりましたし。どうもご心配おかけしました」
頭を下げて、ユベールがベッドの中に入っていた時の事を思い出した。でもユベールはその事に触れようとしないので、私も敢えて口には出さなかった。
「あの、それでは私出掛けなくてはならないので、失礼します」
「出掛ける?一体そんな怪我をしているのに何処へ行こうとしてるんだ?」
「あ、あの…町へ…」
「町?何をしに?」
「傭兵を雇う為です。私は魔石に触れることも出来ないし…ご覧の通り自分の身を守ることも出来ないので」
「…」
ユベールは悔しげに唇を噛むと、いきなり私の右手を握りしめると歩き出した。
「ユベール様っ!い、一体どちらへ?!」
「アンリ王子に直談判に行く」
「え?」
そして私は半ば強引に手を引かれ、アンリ王子の元へ連れて行かれた―。
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